ボクシングレヴュー

「TM」はタイトルマッチ、階級名につく「S」はスーパー、「L」はライトの略です。

激戦のフェザー級

2005年01月08日 | 国内試合(日本・東洋タイトル)
本日行われた、注目の日本フェザー級タイトルマッチ。
王者の榎洋之が、14戦全勝全KOの新鋭・金井晶聡に
7ラウンドTKO勝ちして初防衛に成功した。

ここ数年、フェザー級は日本で最も熱い階級と言っても
いいだろう。個性的なパンチャーたちが素晴らしい戦いを
繰り広げてきた。現在は東洋太平洋王者の越本隆志から、
正統派のテクニシャン木村鋭景、ケタ外れのハードパンチャー
雄二・ゴメス、「尼崎のKOキング」万能型の洲鎌栄一
圧倒的な手数と化け物じみたタフさが売りの大之伸くま
そしてこれまた強打の榎まで。なんと、越本が王座決定戦を制した
96年以来、新チャンピオンは全てKOで誕生しているのだ。

木村が奥田春彦を迎えた防衛戦での逆転に次ぐ逆転の展開や、
その木村がゴメスの凄まじい豪打の前にまさに「押し潰されて」
しまった衝撃。あるいはその恐怖のゴメスに真っ向からの打ち合いを
挑んで叩き伏せた洲鎌の勇気、そしてド根性ファイター・大之伸との
我慢比べを制した榎の勝負度胸など、「激戦のフェザー級」を示す例は
枚挙にいとまがない。

これだけ素晴らしい選手が揃っているのに、その中で世界挑戦を
果たしたのはまだ越本、洲鎌の2人だけ。しかもいずれもKO負けに
終わっている。日本のフェザー級も層が厚いけれど、世界の
フェザー級はさらに層が厚いということなのだろう。

さて、今のチャンピオン、榎はどうだろうか。個人的にはまだちょっと
世界は遠いかな・・・という印象もあるが、その強打とパンチを当てる
勘には非凡なものが感じられるし、今後に期待したいところだ。