088)農村の結婚式(2)

玄関のすぐ前に高さ50センチの円錐形に石炭が積まれ、炎をあげています。玄関先に座る両親に向かって、新郎新婦が火をはさんで跪き、叩頭しました。後ろに立った数人が花嫁花婿の背を押し、頭を地面に押しつけます。1度、2度、3度。
 つぎに2人のキス。衆人環視のなかで、しきりに照れるんですけど、司会は容赦をしない。
 ふたたび花婿が花嫁を抱きかかえます。でも、すぐ諦めました。肩に担ぐか、肩車をするか、どちらも花嫁がイヤイヤ。背負うことになりました。そして火の周りを回ります。左回りに3回、反対に3回。
 花婿がなにか唱えていますが、声が小さくて聞こえない。大きな声を周囲が要求します。「結婚はすばらしい!結婚はすばらしい!結婚はほんとにすばらしい!」新郎ももうやけくそ。
 これらの儀式はもとは厳粛なものだったでしょうけど、いまはちがいます。スタート時から新郎の悪友たちがクラッカーを鳴らし、紙吹雪を散らし、スプレー缶からさまざまな色のひもを噴出させ、とくに花嫁を集中攻撃。目を直撃されて痛そうでしたよ。若い人は得意になってふざけてますけど、年配の参列客のなかには苦々しそうな表情も。古くからの習慣が壊れる瞬間かもしれませんね。
 そのあとはテーブルに分かれて飲み食い。新郎新婦が酒をついで回ります。翌日は新婦側でもう一日、継続されます。初夜はいつ?
 (2005年10月25日号)
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