089)牡牛の力

 大同市街のすぐ東に北から南へ流れる河があります。桑干河最大の支流で御河といいます。大同は昔から災害の多いところですが、この御河もしばしば氾濫して民人を苦しめたそう。
 御河を鎮めるために、ずっと以前、河のすぐ西に牡牛の像をまつったそうです。中国では昔から河川の氾濫を止めるのは牡牛の力だったようですね。黄河の鉄牛が有名です。水の神さまの龍に牡牛が対抗する~龍と牡牛の対立は洋の東西を問わないようです。
 写真の牡牛は大同市街のはずれ「東関」のロータリー中央で足を踏ん張っています。ここは商業地区でたくさんの商店が建ち並び、買い物客でにぎわいます。河北省産の重さ36トンの巨大な花崗岩から彫りだしたもので、体高1・98メートル、体長3・98メートル、重さ9・88トンもあり、なかなかの迫力! 1997年につくられました。
 昔日は氾濫を繰り返した御河にいまその面影はありません。ここ数年は完全に断流しました。最大の原因は上流に趙家窰ダムがつくられたことですが、それより下の集水面積も広大なのに、雨が降っても水がでてきません。どうしたことでしょう。
 河川敷の西側が公園に整備され、市民の憩いのために人工的に御河をせき止めてプールにしていましたが、ことしはその水さえなくなりました。どうも牡牛の力が強すぎるようです。角の1本も折ってみたらどうでしょうか。
 (2005年11月5日号)
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 088)農村の結... 090)耕起和土 »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。