346話)御神木

 渾源県のある村の道路沿いに、ヤナギの古木があります。だいじにされているんでしょうね。赤い布などが巻かれているのをみると、日本でいえば神木のあつかいなんでしょう。そばにすわっていた老人は、「自分のこどものころから、いまと同じくらい大きくて、古木だった」というのです。といっても、ヤナギは水条件さえよかったら生育は早いし、長寿の木でもありませんので、数百年もたっているわけではありませんよ。

 だいじにするのはいいんですけど、でも、このヤナギさんにとっては、過酷なあつかいでしょう。根のうえに、土を盛りあげるのは問題です。さらに石垣とコンクリートで固めている。根には酸素が必要ですけど、これじゃあ、窒息してしまいます。枝が枯れてきているのも、それと無縁ではないでしょう。

 おそらく、枯れる枝がでてきたのをみて、さあ、たいへんだ、というので、こういう「保護策」を採ったんだろうと思います。それが逆目にでてきているのを、いつ気づいてくれるのでしょうか?でも、こういうことって、ほんとに多いですよね。
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