1316話)阪神大震災とボランティア(7)

阪神大震災はのちにボランティア元年と呼ばれるほどボランティアによる各種の救援活動がさかんだったようです。

渦中では私も知りませんでしたが、緑の地球ネットワークの世話人や会員がいろんな場面で活躍していたんですよ。ボランティアの機運が全体として盛り上がったことも大きかったし、そうやって身近な人が同じ課題に具体的にとりくんだことが、私たちの結束を固めるうえでとても大きな意味をもったと思います。

じつはあのころの緑の地球ネットワークは半分死に体だったのです。創設時の代表は活動から離れていました。そんな団体に生命力のあるはずがありません。

1994年8月に、専門家調査団の団長として大同を訪れられた立花吉茂さんに代表就任を引き受けていただいたのは、1994年の暮れでした。ああ、これでなんとかつぶさないですむと、このときも私は泣きながら家に帰ったんですね。第2回会員総会の開催を1995年2月に決め、案内状も送ったところで、あの震災が起こった。当時の事務局員3人はみな震度7の地域に住んでいましたから、ほんとにたいへんだったのです。

それなのに事務局長の私は、救援活動にのめり込んで、ほかのことをすべて放棄していました。だいたいに私は組織活動に不向きな人間で、自分で勝手に動くことはしても、組織を計画的に動かすなんてことは、まったく頭にありません。

そんなときに前年に大同で発足した緑色地球網絡網絡大同事務所からファックスがはいりました。大震災が起こり、緑の地球ネットワークの関係者がその地域に住んでいることを知って、協力プロジェクトのある農村から「あの人たちは無事か?必要なものがあれば送りたいと言ってきている」というのです。

「だいじょうぶです。水道もガスも通じないけど、そっちの農村よりましです」なんて返事を送ってしまった。なんでもいいので、そのとき受け入れていたら、いいシンボルになったかもしれません。

全体としてボランティアが盛り上がったこと、私たちの関係者の多くがそのなかに身を投じていたことなどから、緑の地球ネットワークは生命を吹き返したんですね。
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