1317話)阪神大震災とボランティア(8)

被災直後の緊急活動が終り、長期戦へと移行しようというとき、私は被災届をだすために市役所を訪れました。そこで「現場で半壊を確認しています」と告げられたことを最初に書きました。

目にして驚いたのは、救援物資の山です。市役所の廊下から中庭まであふれていました。全国から送られてきたものです。海外からのものもあったかもしれません。被災者にとっては必要とするものが多かったと思います。でも、必要とする人にすぐには届けられないで、ここに山積みになっている。私たちが義援金を募り、そのおかげで調達して送った物資は、これと比べるとわずかなものです。

手続きがたいへんなんでしょうね。不公平にならないように、どこからもクレームがつかないように、基本方針を決めてから。でも緊急時には、もっと融通をきかせてもいいんじゃないでしょうか。ボランティアと協力しあうとか。その点ではいまとはずいぶんちがっていました。

私たちが取り組んでいる中国での緑化協力についても同じことがいえます。それまで私は、民間ということにこだわりすぎていました。役所の下請けになりたくない、という気持ちも強烈でした。とにかく会員をふやし、そこからの寄付その他で活動を広げていくのだと。

でも、ボランティア元年の効果は大きく、政府やその外郭団体、地方行政の助成金などもいろいろ増えていきました。それを受け入れることも必要だという意識が、私のなかに生まれる契機になったのです。
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