1313話)阪神大震災とボランティア(4)

電車は止まっていましたが、2駅ほど歩けば大阪にいけるとわかったので、事務所にでて、緑の地球ネットワークの会員や友人の安否確認をはじめました。あの日から何日後だったかまでは記憶にありません。

芦屋の清田祐一郎さんに電話をしたら、「高校生や中学生に集まってもらって、救援活動をはじめている。手伝ってほしい」と言われました。交通事情をきいたら「自分で調べてくれ。たどりつけないようなら、どうせ役には立たない」というんですよ。そういわれたら、意地でもいかないわけにはいきません。

武庫川の橋のたもとで検問があって、一般車両は通行できないそう。尼崎の市役所に友人を訪ね、いまいる人でえらい人はだれ?ときいたら、市議会の事務局長を紹介してくれました。救援活動のための車だという証明書をつくってほしいと頼んだら、公印は稟議を通さないと押せないというので、あなたの名刺の裏にそのことを書いて私印をついてもらえないかと頼んだら、それには協力してくれました。ちゃんと通用したんですね。清田さんはその名刺を拡大コピーして、車のフロントガラスに貼って利用しましたよ。

救援にあたっている高校生や中学生も被災者なのです。なかに父親が亡くなって、遺体を家においたまま参加している人もいました。「家にいたら滅入るばかりだけど、人のために役立つことが自分の慰めになります」と話してくれます。こんな場面にであうと、途中でやめることはできなくなります。

私はとりあえず救援物資の調達を引き受けました。あちこちのスーパーなどを回って、必要な物資を買い集めて届けます。若い人たちがそれを必要とする人に配ってくれる。避難所では暮らせなくて、自宅に留まっている老人などがたくさんいましたから。

カメラを持ち歩いたのは震災当日の1月17日だけで、その後の写真はありません。当日の写真を載せることがあっても、本文と関係はありません。
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