1314話)阪神大震災とボランティア(5)

救援物資を調達して届ける一方で、この救援活動のようすを書いて、資金や物資の提供をファックスで呼びかけました。とりあえず自分で立て替えて届けておくので、ぜひ協力してほしいといって。

それがだんだんと広がりをもったのです。いくつか書いてみましょう。薬師寺の安田順惠さんは伽藍の建設にあたっていた池田建設に頼んで、大量のブルーシートなどを提供してくださいました。

中宮寺門跡の日野西光尊さんは信徒さんを率いて、西宮北口から芦屋まで徒歩ででかけ、被災地の片づけなどにあたってくださいました。そのときのことを日野西さんは著書『衆生ほんらい仏なり』(春秋社、2018年)で紹介されています。日野西さんも、安田さんも、それまでに緑化協力のために中国の大同にきていただいたことがあったのです。

仕出屋を営んでおられた河内長野の村蒔さんは「温かいものが恋しいでしょう」といって、1000食のカレーライスを届けてくださることになりました。私はその数に驚きましたが、電話にでた救援隊の高校生は「1000食もあれば不公平にならなくて助かります」といって平然としています。さらに「食器は紙食器でいいとして、スプーンはどうなりますか?」というので、「えっ、それは考えていなかった」と答えると、「カレーライスを手づかみで食べるんですか」。電話のむこうでも急速にしっかりしてきています。

そのあと救援隊の若者にあったら、「緑の地球ネットワークって仏教団体ですか?」というんですよ。薬師寺、中宮寺につづいて、村蒔さんは剃髪に作務衣で働いておられましたからね。もちろん、そうではなくて、いろんな人たちが参加しています。
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