197話)霊丘自然植物園の10年前

 私たちの霊丘自然植物園で、緑が濃くなっていることを、折りにふれて報告しています。じゃあ、もとはどうだったのでしょう。私たちの活動がテレビ番組になることになり、以前に私が撮影した素材を探してみました。そしたら、でてきたんですね、1998年12月のものが。
 ビデオからとったので、鮮明さには欠けますが、これをみていただきましょう。茶色に見えるのは、枯れ葉が落ちずに残るナラの木です。意外と多いように思いますが、樹高はせいぜいで2m。ほぼ10年くらいの間隔で切られて燃料にされ、それ以上大きくなれませんでした。
 ことしから専門家の人たちと植生調査を長期に継続することになったんですけど、その場所を決めるのがむずかしいくらい、傾斜がきついんですよ。そんなところに人がはいって、タキギをとり、そこを運び出していたんですね。すごいものです。
 それから、ヒツジ、ヤギ、ウシなどの放牧も激しかったのです。稜線のいちばん高いところを南天門といいます。地図にも載っている正式の地名です。ここがヒツジの通り道だったんですね。ツーンと鼻にくるくらい、糞がたまっていました。ハシバミやトネリコも、みんな頭をかじられていました。そのころはキンポウゲ科などの毒のあるものと、トゲのあるものの割合が、異常に高かったものです。
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