1284話)広霊県苑西庄村(1)

広霊県苑西庄村を最初に訪れたのは1994年3月です。村に着いたのは夕方、小雪がちらついて、貧しい村がいっそう貧しく感じられました。

最初はこの村を訪れる予定はありませんでした。同じ郷の幹線道路近くにある楊窰村に小学校付属果樹園をつくる計画で広霊県を訪れたら、さらに奥にひどく貧しい村があるというのです。

3年つづきの旱魃で食糧も尽きかけているうえに、飲み水にも苦労しているとのこと。

私はぜひ行ってみたいと思いました。大同側でこの事業を担当することになった祁学峰(共青団大同市委員会副書記)は、このとき初めて私といっしょに農村に行ったのですが、彼も行ってみたいと思ったのです。

その当時、私はガオジェン(高見)と呼ばれていました。呼び捨てです。ですので、私も呼び捨てにしましょう。

ところが、県の幹部たちが考えたのは、あんな貧しい村に外国人を行かせるわけにはいかない、ということでした。途中の道路が壊れていていけないとか、いろんな理由をつけて、私たちを行かせまいとしました。

でも、祁学峰ががんばったのですね。のちに祁学峰は、牛車に揺られて行ったというのですけど、私には記憶がありません。

こんな貧しい村は初めてだ、というそのときの印象は、ちらつく雪と夕暮れ時の暗さによって強調されてはいたでしょうが、私の知る貧しい村の代表格であったことはまちがいありません。
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最近、この村を訪れました。 (高見)
2018-09-25 11:42:17
この9月にこの苑西庄村を訪れたのです。15年ぶりになるでしょうか。この村のことをぜひ書いておきたいと思いました。
 
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