ラプンツェルの翼 (電撃文庫)土橋 真二郎アスキーメディアワークスこのアイテムの詳細を見る |
「もしもこのトランクを拾った方がいたら、絶対に開けないでください。人にとって危険な武器が入っています。開けない限り危害はありません」
「ラプンツェルの翼」土橋真二郎
と書かれた大きなトランクを開けると、中には1人の少女が入っていた。個人情報も衣服も何一つ持っていない少女に、昔死に別れた妹・奈々の名前をつけた主人公の高校生・遼一は、人類を食らうバグと天使の争いに巻き込まれることになる。
ほどなくして接触してきた現役天使・リサに渡された七つの駒と地図とうさぎのぬいぐるみを手にした遼一は、天使の素である奈々を守り抜き、一人前の天使に育てなければならない。だがそれにはもちろん弊害があって。幼なじみの美穂のうろんな目つきや、天使を育てるにあたっての利益を欲する他のプレイヤーからの攻撃を逃れ、時に打倒しなければならないのだ……。
類型的すぎてもはや美学すら感じる出だしだが、そこはそれ、土橋真二郎だけにゲーム的味付けがなされている。アイテムを使った戦闘や、そのたびに消費されるポイントとポイントの補給の概念。自らの居住地を中心にしたホームの概念。ホーム外にいる時のペナルティetc……。
正直「またかよ」という思いが8割を占めた。主人公がいつもより自暴自棄とか、珍しくラストがハッピーエンドとか、意外な部分はあったものの、ブラックコーヒーが微糖のコーヒーになった程度の違いしか感じられない。たまにはお茶やジュースが飲みたい……よね?
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