はあどぼいるど・えっぐ

世の事どもをはあどぼいるどに綴る日記

パンチドランク・ラブ

2007-04-12 21:38:54 | 映画
「パンチドランク・ラブ」監督:ポール・トーマス・アンダーソン

七人のガミガミうるさい姉達にかまわれて育ったバリー・イーガン(アダム・サンドラー)は、まじめで優しくて騙されやすい好青年……つまりは愛すべき愚か者だ。突発的にキレて暴れ出すという奇癖のある問題物件なので、当然恋人はいない。仕事では失敗続き、有料のテレフォンセックス・サービスで寂しさをまぎらせていれば美人局にひっかかり、とツキにも見放されている。
そんな不運な青年に天使が舞い降りた。彼女の名はリナ(エミリー・ワトソン)。バリーに一目ぼれしたという彼女が、きらきらとした子犬のような濡れた瞳で見つめ、愛を囁いてくれるのだ。有頂天になったバリーは、この人生最高の恋のために奔走する。出張の多い彼女についていくためにマイレージキャンペーン中のプリンを12000個買い、それが期日に間に合わないとなれば自腹でハワイまで飛び、さらにはリナに危害を加えた美人局の一味を力ずくで撃退する。すべては愛のもたらした奇跡。勇気という名の力……。
名作「マグノリア」とほぼ同じ製作スタッフ。プラス主演がアダム・サンドラーということで期待して見たら肩透かしをくらった。ストーリーではなくノリとリズムで見せる監督だということは重々承知していたが、それにしても深みがなさすぎる。得意の群像劇風に撮っていれば目立たなかった弱点なのだろうが、変に主役を置いたため軽さが浮き彫りになってしまっている。それでも独特の構図と撮影手法。ポップな色彩感覚など見所はきっちりとある。2002年のカンヌ国際の最優秀監督賞を受賞したのもうなずける。

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