はあどぼいるど・えっぐ

世の事どもをはあどぼいるどに綴る日記

まほろ駅前多田便利軒

2009-12-26 20:00:37 | 小説
まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫)
三浦 しをん
文藝春秋

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「俺には子どもがいた。生まれてすぐに死んだけどな」

「まほろ駅前多田便利軒」三浦しをん

 ラーメン屋みたいな屋号の便利屋・多田は、ある日バス停のベンチで旧友の行天を拾う。
 あれよあれよというまに懐かれ居座られた多田は、行天のキャラの変化に戸惑う。学生の頃はあんなに無口だったのに、こんなにものべつまくなし喋るキャラになるとは……。
 行天の奇想天外な行動に悩まされつつ、日々は過ぎゆく。チワワの預かり、コロンビア人のアパートのドアの修繕、塾の送迎、納屋の整理、女子高生隠匿etc……。様々な以来をこなすうちに、共にバツイチ子持ちなコンビは信頼関係を深めていく。

「風が強く吹いている」の三浦しをんの手による直木賞受賞作。
 心に傷を抱えた2人の男が過ごすちょっと不思議な日常生活を描きながら、その傷の癒しと再生へと結びつけるやり口が巧妙。
 犬みたいな行天、元妻の凪子さん、若者ヤクザの星、自称コロンビア人のルルちゃんなど、各キャラもユニークで、見ていて飽きない。次巻があるみたいなので、そちらも買うつもり。

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