はあどぼいるど・えっぐ

世の事どもをはあどぼいるどに綴る日記

深夜特急(4)シルクロード

2010-05-03 09:09:17 | 小説
深夜特急〈4〉シルクロード (新潮文庫)
沢木 耕太郎
新潮社

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「深夜特急(4)シルクロード」沢木耕太郎

 いよいよ絹の道に入ったユーラシア大陸横断の旅。
 圧倒的な景観や景勝に目を奪われ、ヒッピー宿で客引きをし、具体的に落ち会う場所を約束したわけでもない友人と会うためにテヘラン中を駆け回り……端から見ると悩む暇もない目新しい日々の出来事のように見えるのだが、単独行であり、時間は大いに有り余っていることから、沢木は大いに悩み、考える。自分はなんのために旅をしているのか。この旅のトンネルをくぐり抜けた先に何があるのか。トンネルの外で生きていけるのか。
 誰にも頼れない、自分で出すしかない質問に、彼は真摯に向き合う。遅れてきた青春の放浪を、ヒッピーという無為な存在になって味わいながら、自分に酔うことの恥ずかしさに怯えながら。彼は、今日も先へ進む。

 旅する者のバイブルも、折り返して第4巻。沢木、相変わらずうらやましい悩みに浸っています。
 僕のような人間が一生体験することのない世界にいる彼の今(何年前になるのかはわからないけどその時点での)に思いを馳せながら、羨望のため息をし続けるしかない自分がもどかしい、ね。

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