鋼殻のレギオス(2) サイレント・トーク (富士見ファンタジア文庫)雨木 シュウスケ富士見書房このアイテムの詳細を見る |
「鋼殻のレギオス(2) サイレント・トーク 」雨木シュウスケ
汚染物質の嵐吹き荒れる地上で、人は自律型移動都市(レギオス)の殻に守られて生きていた。一歩外へ踏み出せばたちどころに死の待つ無情なる世界で、最強生物「汚染獣」の襲来に備え、あるいは各都市との争いに勝つために、戦士の育成はいついかなる時でも急務であった。
主人公・レイフォンは、武芸の本場・槍殻都市グレンダンでも12人しかいない天剣授受者の、最年少記録を持つ達人。しかしある事件から剣を捨て、普通の人間として生きようと学園都市・ツェルニへ流れ着いた。
もう二度と戦いたくない。だが運命はそんな彼を放してはくれない。汚染獣の幼生体の群れをほぼ独力で追い払ったレイフォンは、嫌でもツェルニの行く末を負わされることになる……。
前回の戦いの真相は、ツェルニの一部の人間しか知らない孤独な戦いだった。ために、レイフォンは英雄扱いされるわけでもなくただのいけ好かない新入生として辛いポジションに立たされている。
第十七小隊はレイフォンが強すぎることでバランスを崩し、さらに連携がとれなくなった。シャーニッドは相変わらずすかしてるし、フェリはやる気がない。ニーナにいたっては、レイフォンへの嫉妬と焦りから、自分を追い込むように無茶な鍛錬を繰り返し、全体練習を行わなくなってしまった。
レイフォンは鬱系主人公らしくうじうじと悩んだり独白を繰り返すのみ。基本的に人との関わり方がわからないのだろうが、こいつは本当に面倒くさい。ナルキ、ミィフィ、メイシェンら3人娘や、フェリとは交流を深めつつあって、そこがかなり救いになっている。レイフォンにも読者にも。
グレンダンに残った幼馴染・リーリンとの手紙のやり取りが漏出する件は……うーん、ちょっと作為的すぎるかなあ。そんな紛れ込み方あり得ないだろ。
本巻は、汚染獣も大してインパクトなかったし、ストーリーはあまり進まなかったけど、大事な人間関係の底上げが出来た、かな。次巻からはもう少しマシになるでしょう。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます