ヤンキー

と呼ばれる類いの人種に知り合いが多い。同僚にしろ友達にしろ、とかく武闘派な人間が多い。彼らに共通していえるのは、向こう気が強く喧嘩っ早く、そして仲間うちには驚くほど優しい。礼儀の正しさや正義感には個人差があるものの、その一点については皆変わらない。
同僚のKもご多分に漏れず元ヤンだ。六こ下の後輩にまで名が知られているというのだから半端ではない。今は丸くなったとはいうものの、時折見せる眼光の鋭さや、遊びのスパーリングの時に手のひらに感じる拳の硬さはただ事ではない。
そのKも今年で二十七になる。最近付き合い始めた彼女と一緒になる気でいるようで、貯金させられて自由になる金がない、と苦笑している。体のためにウォーキングまで始めたそうだ。
Kの目尻の皴を見るたび、複雑な思いにかられる。それは寂しさでもあり嬉しさでもある。前者は、もう戻ってこない時に対して。後者は、人生の終幕へ共に歩む伴侶を見つけたことに対して。
Kの未来に幸あれと祈りつつ、僕は今日もAにメールをうつ。