メテオ 1 (1) (YA!コミックス)林 ふみのBbmfマガジンこのアイテムの詳細を見る |
「メテオ(1)」林ふみの
どうでも良い。
どうでも良い。
人も物も出来事も。込み入った生い立ちからすべてのものに無関心に育ってしまった川名友子。
人付き合いが下手で、不測の事態に直面した時に成す術も知らない彼女を、隕石落下という天災が襲う。交通網が寸断され、インフラが徹底的に破壊された街の中、彼女は呆然と立ち尽くす……。
「絶体絶命都市」を思い出させるようなサバイバルもの。主人公が無力かつ無気力な少女で、目をかけて支えてくれる人がいないというのがけっこう珍しい。普通だったら親友とか身内なんかがいて、そこで感情の振幅だったり目立つ要素があったりするものだけど、友子はひたすら地味に集団の中の1人として在って、脚光を浴びることがない。ただの「天災に巻き込まれた女子高生A」。
唯一の例外は担任の山下だが、これがまた絵に描いたような人間の屑で、あげく友子と肉体関係があったりして、生々しさに読んでいて気分が悪くなった。
では面白くないか、というとそういうこともない。人間の負の感情を前面に押し出したえぐいサバイバルものとして、注目すべき作品。
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