ふっ と想うこと

山・雪・風・人、徒然なるままに--

7月に観た映画

2020-07-13 12:20:42 | 映画

新米セラピストの話。
仕事についたものの仕事に慣れず(ブラック企業?),疲れはてた時にセラピーと出会う、というありがちな映画。仕事が大変、合わないというのは仕事をする、始めるということではよくある話。とは言うものの、ご都合主義的でセラピストと整体との違い、最後まで理解できませんでした。そしてこんなに簡単にセラピストとしてやっていけるのか?と少し疑問に。この映画での唯一の救いは悪人が一人もいないこと。

今の令和の世の中に"ハードボイルド"という言葉は死語かもしれませんね。物凄く昭和の匂いがプンプンした映画。ストーリーは結構破綻していますが、そうそうたる俳優、女優が惜しげもなく出ていて懐かしさを。そしてあちらこちらにクスッと笑うコミカルな場面も。石橋蓮司さんを盛り立てる映画。今の若い人達には絶対共感されない映画。

NHKが20年近く取材したドキュメンタリー映画。限界集落の一組の老夫婦の最期の生きざまを淡々と描いています。ここに住んでいる人達はこの集落が近いうちに無くなる、自然に帰ることを肌で感じています。この老夫婦は自分達が山を切り崩して作った田畑を自分たちがいなくなったあとのことを考えて山に戻そうと。そして後世の人たちがまた、この地に来たときに楽しめるようにとせっせと花のなる木々、草花を植えていく。
なんと素晴らしい、と。
このような生き方、昔の日本人は当たり前のものでしたが皆、都会に出て失われたもの。今回の武漢肺炎で都会での生活、昔は憧れでありそのために村から出ていった会社勤めが脆くも崩れかかっている今日この頃。自然と共に生きる生き方をもう一度見直すことが必要なのかもしれません。
この映画の最後のカットは主人公?のお婆さんが細い山道を歩いていく後ろ姿、そして奥深く消えていくその姿を観ていて、思わず目頭が熱くなりました。悲しいからではなく、その生き方の素晴らしさに心動かされました。

スウェーデン映画。
家庭のため、夫のために淡々と、完璧に人生を費やしてきた女性。とあるきっかけで夫の不倫から家を出て、自分探しを始めます。夫は好きだが自分は興味を持たなかったサッカーの、それも小さな田舎の弱小の子ども達のサッカーチームのコーチに。当然ド素人なのでうまくいきませんが、そこは田舎の町。個性的な人達の郷土愛、つまり弱小のサッカーチームを応援する手助けを受けながら、最強チームから“1点”をとり町中で盛り上がるハッピーエンド。と思いきやこの女性、そこにとどまらず亡き姉と行きたかったフランスのパリへ。60歳を越えた彼女の本当の人生が始まります。
さすがに北欧の映画、家の中も北欧の独特の調度品、素敵です。そして何よりも、これだけ多くの人種の人達が移民として定着していることにも驚きました。
無愛想な女性が笑うようになり、そして今まではすべて自分一人でなんとかしてきたけれども他人の助けを受けながら新たな旅を続ける、その姿が素敵な映画

ナチスドイツの魔の手が伸びつつあったウィーンでのフロイトと田舎から出てきた若者文化との交流。
大好きな映画の一つ“ベルリン天使の翼”のブルーノガンツの遺作。
フロイトに絡む映画、心理分析を思い起こさせる心理描写が印象的。一つひとつのやりとりが心に刺さるものも多かったです。
面白かった映画。

ストーリーは言うまでも無く騙し合い。
一人の女の子を本当にプリンセスにしてしまう荒唐無稽な話。でもテンポよくジェットコースターのよう。
主演の3人は言うまでも無く、準レギュラーも素晴らしく、なんと言ってもプリンセスになる女の子も。
前作に比べると規模は小さめ、でもストーリーの厚みは本作品のほうがあるかな。
変幻自在な長澤まさみさん、場面を引き締める小日向文世さん、なぜか不思議な東出昌大さん、ピリッとした添え物のような準レギュラーの小手真也さん、関水渚さんも若手で新鮮、そしてドンドンと綺麗に、そして久しぶりのビビアン・スーさんの美しさ。でも、三浦春馬さん、勿体ないなと。
悪人は沢山(みんな?)、でも憎めない悪人ばかり。
現代のお伽噺。






コメント
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