広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

高崎鶏めし・舞茸弁当

2023-04-17 20:58:15 | 各地お土産・食べ物
3月のJR東日本パスの旅の駅弁編。峠の釜めしパルプモールドに続いて、高崎駅の駅弁。
前回触れたように、大宮駅の駅弁屋旨囲門の品揃えが貧弱になっていて、買う気にならなかった。行程では、1時間弱の待ち合わせで北陸新幹線「あさま」自由席に乗り換えて、長野へ向かうのだけど…
大宮の駅弁事情は、事前にある程度把握していたので、代案を準備していた。あさまに先行する上越新幹線で高崎まで行って、そこで駅弁を買うというもの。高崎駅には「たかべん」こと高崎弁当株式会社があり、以前食べた商品もあるので、確実にいい駅弁を購入できるはず。

北陸新幹線は、長野までは「はくたか」と「あさま」が毎時1本ずつ以上あり、この後で乗るあさまの自由席はガラガラだった。
一方、上越新幹線は毎時1本で、自由席は満席。駅弁のために20分強デッキに立つ。高崎でもほとんど降りず、多くが新潟県内へ向かう人だった。

高崎駅の駅弁店は、たかべん直営でなく、JR東日本クロスステーション運営の「駅弁屋上州」。新幹線改札内、在来線改札内、改札外自由通路沿いと3店舗あり、今回は改札外の「1号売店」で購入。
そのため、峠の釜めしやクロスステーション系列製の商品も売られていたが、たかべん商品が豊富に並んでいた。

たかべんも、明治17年創業の歴史ある駅弁業者。ダルマ型の赤いプラチック容器に入った「だるま弁当」が有名(以前食べておいしかった)。珍しいおかゆの駅弁「上州の朝がゆ」もあったが、2019年で終了。
現時点では輸送販売されていなそうだし、今回わざわざ降りたのだし、JR東日本パス提示で10%引きでもあるので、この好機を逃さず2つ購入。

鶏めし弁当 1200円 881kcal
おてふきなし。
全国各地に鶏飯駅弁があり、大館と折尾(かしわめし)が東西の横綱格。野辺地(現在は仙台?)とともに、それらの次ぐらいに知られるのが、高崎だと思う。【17日追記・大館、高崎、折尾で「日本三大鶏飯」とされることもあるとのこと。】これも以前食べて、悪くなかった記憶。

掛け紙でもスリーブでもなく、厚紙に切れ目を入れて折っただけの、簡易な蓋。中身との間に、プラスチックの内蓋やビニールがない。それを、赤い糸と白い糸をよった「紐」といういより、「太い糸」で縛ってあるのが珍しい。
色数やデザインが昔ながらという雰囲気だけど、文字はデジタルフォント
「高崎名物」とある。おそらく「鶏」なのだろうけど、読めない。【17日追記・パッケージの絵は、全体的には発売当初のものを踏襲(同一ではない)していて、絵の細部や文字は何度も変わっているようだ。】
公式サイトで各商品の発売開始年を示してくれていて、鶏めしは1934(昭和9)年。1960年のだるま弁当、1961年の特製幕の内弁当よりも歴史がある。

薄茶色の炊き込みごはん(茶飯と表記)の上に、3タイプの鶏肉が載る。鶏の照り焼き、コールドチキン、鶏そぼろ。照り焼きの下には海苔。
おかず区画。大きいのはハンバーグではなく「舞茸入り肉団子」。中央が群馬らしい「赤こんにゃく」、あとは栗甘露煮。漬物がかりかり梅、わさび風味野沢菜漬け。
鶏肉が3種類楽しめるのがうれしい。そぼろは、微細で「フレーク」みたい。
舞茸入り肉団子は、肉に味が付いていて(だからハンバーグではない?)、それが濃いめでおいしい。マイタケはよく分からなかった。※後で再び登場します。

秋田県人としては大館の鶏めしを推したいが、高崎の鶏めしもまた食べたい。だけど、ほかにも個性的でおいしい駅弁がたくさんあるたかべんなので、悩ましい。
また、昨年は山形の駅弁でない鶏めしを紹介したが、高崎にもそういうものがある。「上州御用鶏めし本舗 登利平」で、高崎駅でも改札内と改札外で取り扱う店があった(詳細は公式サイト参照)。これもいつか。


たかべんのもう1つ。
以前、秋田駅関根屋の「わっぱ舞茸」を紹介した。
その時、マイタケをメインにした駅弁など、日本唯一でほかにどこにもないだろうなどと記したら、その後、各地にちらほら存在することが判明。その中で、大所かつ歴史があるのが、高崎だった。1984年12月発売。※わっぱ舞茸は1988年8月発売開始との情報あり。
上州舞茸弁当 1350円 753kcal
ホームページでは「香り、味、かみごたえ三拍子そろった群馬名産の舞茸を豊富に使い、天ぷら、和え物、煮物等 自社独自の調理法で種々の味付けをしており、舞茸のおいしさを存分に楽しめます。」と紹介。群馬県のマイタケは、2020年で全国6番目の県別生産量。秋田県は11位。
おてふきなし。やはり簡易蓋(ただし内面にビニールポケット付きで箸と醤油が入る)、紅白糸縛り。

見た目は茶色くて地味だけど、盛りだくさん。鶏めしと共通のアイテムも。
ごはんは「舞茸ご飯」で、「醤油味で炊いた茶飯に舞茸の具を炊き込んだ大変美味しい混ぜ御飯」。栗甘露煮も。

おかずは左側が、舞茸天ぷら、舞茸入り肉団子、鶏照り焼き、エビの天ぷら、ししとう素揚げ、赤こんにゃく、花豆煮。右は舞茸佃煮風味(たぶん上のほう)、舞茸金平風味(たぶん右下)、わさび風味野沢菜漬け。

箸休め的おかずを除けば、鶏肉とエビ天以外は全部マイタケと言って差し支えなく、マイタケづくし。佃煮やきんぴらもユニークでおいしかったけれど、どっちがどっちかよく分からなくなってしまった。
わっぱ舞茸は、リニューアルにより非マイタケのおかずが増えて、相対的にマイタケが減ってしまったので、これではかなわない。

幕の内的だけどマイタケをいろいろ楽しめる。舞茸弁当の名に偽りないし、これこそご当地駅弁。
強いて難点を上げれば、発泡スチロール容器の底が、E7系普通車のテーブル上では滑って、落っこちないかちょっと怖かった。揺れる在来線車内では特に要注意かも。

舞茸弁当はぜひまた食べたいが、こういう駅弁屋さんならば、定番の特製幕の内弁当もおいしいに違いないし、だるま弁当も再び食べたいので、悩ましい。
箸袋の裏
箸袋の裏面には「普通弁当・だるま弁当」「とりめし・寿司」。
「普通弁当」とは、国鉄時代の分類で、ごはんと一般的なおかずからなる、幕の内弁当などのこと。そうでないのが「特殊弁当」で、鶏めしはこちらになるが、舞茸弁当はどっちに該当するだろう?
「寿司」とあるが、現在は駅弁としては存在しないようだが、仕出し弁当の1つとして助六寿司がある(運が良ければ駅で買えたりするのかも)。

今回の旅行の駅弁は以上。旅行記は続く
コメント
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