秋田市が少しだけ舞台となった、1992年度後半のNHK連続テレビ小説「ひらり」の再放送が、2023年9月1日に最終回(第151回)を迎えた。※敬称略。勘違いやうろ覚えの点もあるかと思います。
秋田ロケのシーンが放送されたのは第49回~51回以降は、ほぼ欠かさず視聴した。最終回まで、会話の中では秋田のことがたまに少々出てきたが、その映像は一切なし。
やはり、展開にまったくおぼえがなく、30年前にはほぼ見ていなかったのは確実。
主人公の姉・藪沢みのり(鍵本景子)が、大学の時の先輩にそっくりなのに気付いた。その先輩に出会ったのは放送後のわずか2年後。熱心に視聴していたのならば、その時点で気付くはず。実際は、当時まったくそんなこと思わなかったのだから。
あと、安藤竜太の後任者でありライバルの小林雅人医師(橋本 潤=現・橋本じゅん)は、その存在が記憶になかった。主人公・藪沢ひらり(石田ひかり)は当然として、安藤竜太(渡辺いっけい)、個性的な脇役の花沢徳衛・石倉三郎親子なんかは覚えていたけれど。
普段、特に新作ドラマはほぼ見ないので、30年前の作品を評価できる分際ではない。それに今さらツッコむのは野暮。
だけど、見た限りで言わせてもらえば、バタバタしているようでモタモタしているような、話が堂々巡りしていた。みのりは恋に悩みまくり、両親は微妙な仲が続いて。
それと、相撲部屋専属栄養士という目標を見付けたひらりが、栄養士専門学校の受験勉強をしながら、梅若部屋のマネージャー見習い/栄養士見習い(業務内容は、力士の食事や健康管理から、部屋の雑用までこなす)をするという展開。梅若親方(伊東四朗)は、栄養士になれなかったら(※)クビという、厳しい条件を付ける。
※栄養士の資格取得は、学校に入学して最短2年後のはず。ただ、作中では「学校の入試に落ちたらクビ」というニュアンスで話が進んでいたように感じた。
放送日と作中の時間経過は同じ設定のようで、部屋の手伝いを始めたのが1993年1月ということらしい【3日補足・開始時点では1992年4月の設定。その後秋田に来たのが8月だったりするので、1年分を半年に収め、後半で追い付いたことになる。】。試験まで3か月を切っていて、しかも難しいらしく、竜太先生に毎日勉強を教えてもらうほど。
それなのにひらりは、力士のデータ管理のためにパソコンを使おうと思い立ち、パソコン学校だかパソコン教室に通い(習うシーンはなく話のみ)、そのすぐ後に部屋にパソコンを買ってもらって使いこなしている。
なんとも忙しいというか、自分を極限に追い込む人なのか、受験勉強に専念すればいいのではと思わずにいられなかった。厳しい梅若親方が「今は受験勉強に集中。パソコンは後でいいだろう」と言わなかったのも、厳しさなのか?
そして、入試は滑り止め校は落ちたものの、本命校に見事合格。これから栄養士目指して勉学が始まるというのに、家族や梅若部屋の人たちが、まるで栄養士資格を取ったかのように大喜びするのも、なんだか…
【3日追記】登場人物たちが、デートから相談ごと等々まで、時には連日、会食のほとんどを「どぜう料理 すみ多」の座敷でしていたのも、ツッコミどころ。毎回どじょう料理で飽きないのか、そんなにどじょうが好きなのか。たまにもんじゃ焼き屋のこともあったけれど。
相撲そのものが描写されるシーンは、ほぼすべてが梅若部屋の中で、国技館など“外”の場面は描かれなかったのも特徴的。日本相撲協会の協力は得ていたものの、現地ロケするにはいろいろと制約があったのかもしれないし、それが話の展開の制約につながったという事情もあるかもしれない。(以上追記)
最終回は無難にハッピーエンド。両国五丁目の人々が、大学病院へ戻る竜太を見送るのが最終シーン。ひらりの入学式当時の朝に当たると思われる。ほかの登場人物たちも、新しいステップへ進み始める。
そこには、ひらりの父方母方それぞれの祖父、藪沢小三郎(島田正吾)・深川金太郎(花沢徳衛)の姿がない。小三郎は、149回で渡英して1年間の遊学。さらに金太郎は、唐突に姿を消し、小林医師の父と有馬温泉に10日間滞在している旨が150回で明らかになった。古い人たちを追い出してしまったようにも感じてしまう。
「完」は太い楷書体(織田特太楷書か?)。NHKが卵ロゴになるのは1995年
連続テレビ小説では、「ちゅらさん」など単発ドラマで続編が作られることがあるが、ひらりは本編限り。栄養士を目指している(もしくは栄養士となった)ひらりを軸に、登場人物たちのその後として、充分ストーリーが成立しそうだった。
以下、いろいろと。
147回のみのりのウェディングドレスの仮縫いのシーン。
「ブティック・デザイナー」役で桂由美が出演。「これもつけてみましょうかね」「いかがでしょうか?」のセリフあり。【2日補足・ということは使われたドレスも桂由美ブランドなのだろう。NHKとしては「衣装協力」扱いはできないので、当人を出演させることで代替としたのかも。】
第90回放送時点辺りで、番組のオープニングの曲や映像について記事にした。
連続テレビ小説のオープニングは、作品を問わず、月曜日はスタッフも表示されるため、ほかの曜日より少し長いバージョンが放送される。
ひらりの「晴れたらいいね」も同様だったが、その長いバージョンは月曜日以外でも流れることが少なくなかった。これは異例かもしれない。長い日は登場人物が多いなどではなく、単に尺合わせ・時間調整のような気がする。
歌詞では、長いバージョンは、1番すべて+「一緒にね いろんな話~」で1分30秒。
短いバージョンは、1番最後の「一緒に行こうよ」以降をカット(例(前回の記事参照)の「‘こくわ’の実」「ナビゲーター」部分)し、「一緒にね」へつながる。1分15秒。
前回の記事のコメント欄で、連続テレビ小説では、番組の終わりにも主題歌が流れる場合があったことが話題になった。ひらりの場合、初期は見ていなかったので不明、秋田編以降91回前時点では、流れていなかった。
ところが実は、第99回【3日補足・1993年2月初め放送】から、散発的にエンディングでも「晴れたらいいね」が流れるようになった。
「つづく 制作・著作NHK」の画面が出た後に流れる。
オープニングと同じ長短があり、映像は、両国周辺の風景や、最終回近くでは本編のダイジェスト。歌詞の字幕があり、ナールで「“こくわ”の実」と珍しくダブルクォーテーションになっていた。最後に色文字の石井ゴシックで「明日も/来週も おたのしみに」。
エンディングが流れた回とその長短(無印=短)を記す。間違っているかもしれません。
99 104 105長 119 121 122 126 128 129 134 139長 140 142長 144 146長 148 149
法則はなさそう。やはり尺合わせか。
【3日補足】最終回の最終シーンでは、BGMとして「晴れたらいいね」が最後までフルで流れた。セリフと重なるので音量は低く、歌詞の字幕はなし。
副音声の解説は声優・関根信昭。
アニメや吹き替えのほか、教育テレビの学校放送のキャラクターの声も担当した。「ことばのくに」の悪役・へんしんタンマなど。大昔は、ラジオドラマのナレーションのようなものも担当していたそうで、連続テレビ小説の解説の声を懐かしく聞いたという人がいた。連続テレビ小説の解説は「凛々と」から「ほんまもん」まで10年以上担当。
ただ、「ひらり」では128~133回の1週間分に限り、梅津秀行が担当。
同時期に教育テレビ「ともだちいっぱい~かずとあそぼ」のペカリンさんの声。ひらり終了直後・1993年4月から始まった、夜の「ドラマ新銀河」枠では副音声解説を務めたので、ひらりは関根さんの代役兼お試しだったのか。
ドラマを見ない者としては、15分といえども毎日はしんどかった(←だったら見るな)けれど、それなりにおもしろかった。
以前の繰り返しだが、連続テレビ小説でいちばんおもしろいかったのは1997年度前半の「あぐり」だと思っている。
※再放送枠では、この後2002年の「さくら」が放送。
※2024年、ひらりの登場人物と同じ、「寒風山」というしこ名の秋田出身の力士が、実際に誕生した。
秋田ロケのシーンが放送されたのは第49回~51回以降は、ほぼ欠かさず視聴した。最終回まで、会話の中では秋田のことがたまに少々出てきたが、その映像は一切なし。
やはり、展開にまったくおぼえがなく、30年前にはほぼ見ていなかったのは確実。
主人公の姉・藪沢みのり(鍵本景子)が、大学の時の先輩にそっくりなのに気付いた。その先輩に出会ったのは放送後のわずか2年後。熱心に視聴していたのならば、その時点で気付くはず。実際は、当時まったくそんなこと思わなかったのだから。
あと、安藤竜太の後任者でありライバルの小林雅人医師(橋本 潤=現・橋本じゅん)は、その存在が記憶になかった。主人公・藪沢ひらり(石田ひかり)は当然として、安藤竜太(渡辺いっけい)、個性的な脇役の花沢徳衛・石倉三郎親子なんかは覚えていたけれど。
普段、特に新作ドラマはほぼ見ないので、30年前の作品を評価できる分際ではない。それに今さらツッコむのは野暮。
だけど、見た限りで言わせてもらえば、バタバタしているようでモタモタしているような、話が堂々巡りしていた。みのりは恋に悩みまくり、両親は微妙な仲が続いて。
それと、相撲部屋専属栄養士という目標を見付けたひらりが、栄養士専門学校の受験勉強をしながら、梅若部屋のマネージャー見習い/栄養士見習い(業務内容は、力士の食事や健康管理から、部屋の雑用までこなす)をするという展開。梅若親方(伊東四朗)は、栄養士になれなかったら(※)クビという、厳しい条件を付ける。
※栄養士の資格取得は、学校に入学して最短2年後のはず。ただ、作中では「学校の入試に落ちたらクビ」というニュアンスで話が進んでいたように感じた。
放送日と作中の時間経過は同じ設定のようで、部屋の手伝いを始めたのが1993年1月ということらしい【3日補足・開始時点では1992年4月の設定。その後秋田に来たのが8月だったりするので、1年分を半年に収め、後半で追い付いたことになる。】。試験まで3か月を切っていて、しかも難しいらしく、竜太先生に毎日勉強を教えてもらうほど。
それなのにひらりは、力士のデータ管理のためにパソコンを使おうと思い立ち、パソコン学校だかパソコン教室に通い(習うシーンはなく話のみ)、そのすぐ後に部屋にパソコンを買ってもらって使いこなしている。
なんとも忙しいというか、自分を極限に追い込む人なのか、受験勉強に専念すればいいのではと思わずにいられなかった。厳しい梅若親方が「今は受験勉強に集中。パソコンは後でいいだろう」と言わなかったのも、厳しさなのか?
そして、入試は滑り止め校は落ちたものの、本命校に見事合格。これから栄養士目指して勉学が始まるというのに、家族や梅若部屋の人たちが、まるで栄養士資格を取ったかのように大喜びするのも、なんだか…
【3日追記】登場人物たちが、デートから相談ごと等々まで、時には連日、会食のほとんどを「どぜう料理 すみ多」の座敷でしていたのも、ツッコミどころ。毎回どじょう料理で飽きないのか、そんなにどじょうが好きなのか。たまにもんじゃ焼き屋のこともあったけれど。
相撲そのものが描写されるシーンは、ほぼすべてが梅若部屋の中で、国技館など“外”の場面は描かれなかったのも特徴的。日本相撲協会の協力は得ていたものの、現地ロケするにはいろいろと制約があったのかもしれないし、それが話の展開の制約につながったという事情もあるかもしれない。(以上追記)
最終回は無難にハッピーエンド。両国五丁目の人々が、大学病院へ戻る竜太を見送るのが最終シーン。ひらりの入学式当時の朝に当たると思われる。ほかの登場人物たちも、新しいステップへ進み始める。
そこには、ひらりの父方母方それぞれの祖父、藪沢小三郎(島田正吾)・深川金太郎(花沢徳衛)の姿がない。小三郎は、149回で渡英して1年間の遊学。さらに金太郎は、唐突に姿を消し、小林医師の父と有馬温泉に10日間滞在している旨が150回で明らかになった。古い人たちを追い出してしまったようにも感じてしまう。
「完」は太い楷書体(織田特太楷書か?)。NHKが卵ロゴになるのは1995年
連続テレビ小説では、「ちゅらさん」など単発ドラマで続編が作られることがあるが、ひらりは本編限り。栄養士を目指している(もしくは栄養士となった)ひらりを軸に、登場人物たちのその後として、充分ストーリーが成立しそうだった。
以下、いろいろと。
147回のみのりのウェディングドレスの仮縫いのシーン。
「ブティック・デザイナー」役で桂由美が出演。「これもつけてみましょうかね」「いかがでしょうか?」のセリフあり。【2日補足・ということは使われたドレスも桂由美ブランドなのだろう。NHKとしては「衣装協力」扱いはできないので、当人を出演させることで代替としたのかも。】
第90回放送時点辺りで、番組のオープニングの曲や映像について記事にした。
連続テレビ小説のオープニングは、作品を問わず、月曜日はスタッフも表示されるため、ほかの曜日より少し長いバージョンが放送される。
ひらりの「晴れたらいいね」も同様だったが、その長いバージョンは月曜日以外でも流れることが少なくなかった。これは異例かもしれない。長い日は登場人物が多いなどではなく、単に尺合わせ・時間調整のような気がする。
歌詞では、長いバージョンは、1番すべて+「一緒にね いろんな話~」で1分30秒。
短いバージョンは、1番最後の「一緒に行こうよ」以降をカット(例(前回の記事参照)の「‘こくわ’の実」「ナビゲーター」部分)し、「一緒にね」へつながる。1分15秒。
前回の記事のコメント欄で、連続テレビ小説では、番組の終わりにも主題歌が流れる場合があったことが話題になった。ひらりの場合、初期は見ていなかったので不明、秋田編以降91回前時点では、流れていなかった。
ところが実は、第99回【3日補足・1993年2月初め放送】から、散発的にエンディングでも「晴れたらいいね」が流れるようになった。
「つづく 制作・著作NHK」の画面が出た後に流れる。
オープニングと同じ長短があり、映像は、両国周辺の風景や、最終回近くでは本編のダイジェスト。歌詞の字幕があり、ナールで「“こくわ”の実」と珍しくダブルクォーテーションになっていた。最後に色文字の石井ゴシックで「明日も/来週も おたのしみに」。
エンディングが流れた回とその長短(無印=短)を記す。間違っているかもしれません。
99 104 105長 119 121 122 126 128 129 134 139長 140 142長 144 146長 148 149
法則はなさそう。やはり尺合わせか。
【3日補足】最終回の最終シーンでは、BGMとして「晴れたらいいね」が最後までフルで流れた。セリフと重なるので音量は低く、歌詞の字幕はなし。
副音声の解説は声優・関根信昭。
アニメや吹き替えのほか、教育テレビの学校放送のキャラクターの声も担当した。「ことばのくに」の悪役・へんしんタンマなど。大昔は、ラジオドラマのナレーションのようなものも担当していたそうで、連続テレビ小説の解説の声を懐かしく聞いたという人がいた。連続テレビ小説の解説は「凛々と」から「ほんまもん」まで10年以上担当。
ただ、「ひらり」では128~133回の1週間分に限り、梅津秀行が担当。
同時期に教育テレビ「ともだちいっぱい~かずとあそぼ」のペカリンさんの声。ひらり終了直後・1993年4月から始まった、夜の「ドラマ新銀河」枠では副音声解説を務めたので、ひらりは関根さんの代役兼お試しだったのか。
ドラマを見ない者としては、15分といえども毎日はしんどかった(←だったら見るな)けれど、それなりにおもしろかった。
以前の繰り返しだが、連続テレビ小説でいちばんおもしろいかったのは1997年度前半の「あぐり」だと思っている。
※再放送枠では、この後2002年の「さくら」が放送。
※2024年、ひらりの登場人物と同じ、「寒風山」というしこ名の秋田出身の力士が、実際に誕生した。
これが怖かった怖かった。
朝ドラ大河の最終回はこれが定番。
今は第一話から集めた視聴者の写真を続け、最後は主人公家族で終わるが定番ですね。
秋田は笑点がやってきましたが、朝ドラは今年も来年も再来年も来ませんね。
全国で一番舞台から遠ざかってるようです。
ひらりを抜くと自分が生まれてからまだやってないというのはどうなのか。
でも、「完」は昔ながらで、過渡期だったのでしょうね。せめてOPと同じ石井教科書体なら、いくぶんマシだったかも。
秋田県議会で誘致の話が出たこともあったようですが、その後どうなったのでしょう。