広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

この駅弁が好き

2009-09-25 20:42:17 | 各地お土産・食べ物
今回の旅行では、帰りのルート上で2つの駅弁を食べた。いずれも僕が好きな駅弁で、これが食べられるからこのルートにした、というのも実はある。
この2つはいずれもロングセラーの幕の内タイプ。新作や特産素材の駅弁もいいかな、と目移りしそうになるが、やっぱりこれを食べたくて、結局いつも同じものを買ってしまう。

【米原駅・湖北のおはなし(井筒屋)】1100円
滋賀県米原(まいばら)は、交通の要衝。「のぞみ」は通過するものの、北陸方面へ分岐する琵琶湖北岸の町。
国鉄末期(JR初期?)頃、東海道新幹線各駅で目玉になる駅弁を売り出す「新幹線グルメ」というプロジェクトがあった。現在はそんなシリーズ名は聞かなくなり、弁当自体が発売終了になったものもあるが、その米原版で現在も発売が続いているのが、この「湖北のおはなし」。「湖北地方の名産物を昔ながらの味に仕上げている、なつかしいおばあちゃんの味」というコンセプト。
数量限定(300個?)で午前10時? 発売開始らしい。でも、今まで昼前に行って買いそびれたことはない。米原駅は、新幹線ホーム、在来線ホームのそば屋、売店など、何か所も売り場があるので、探せばどこかで残っている可能性が高い。

表示欄は「幕の内弁当」と記載されているが、幕の内で片付けるにはもったいないほど手が込んでいる。包装からしてこの通り。
 
唐草模様の風呂敷(実際は不織布)に包まれ、紙やスチロールの箱でなく、木枠の箱をヨシのすだれでくるんだものが容器。
中味
色合いは地味だけど、なんていうか立体感があって手作りっぽく見えませんか?
まずご飯。米自体は秋田のと比べてしまうとどうしようもないが、手が込んでいる。下に桜の葉の塩漬けが敷かれたおこわで、季節により具材が違う。これは夏バージョンの枝豆。ほかに栗、黒豆、山菜と正月だけは赤飯というバリエーションがあるらしい。
そしておかず
説明書きによれば、粒コショウでローストした鴨肉が主役だとのこと。脇役もかしわの鍬焼き風、永平寺ゆかりのこんにゃく、ネギと油揚げのぬた、里芋など。卵焼きも既製品の小っちゃいやつでなく、大きくて手作り風だし、梅干しもカリカリでない高そうなもの。赤カブの漬け物も好きだ。幕の内なのに脂っこいものがなく、それでいてどれもおいしい。

ご飯の左上にサイコロがある。サイコロキャラメルではなく、口直しということで飴が1つ入っている。ニッキの味だったが、以前は醤油味だった気がする。サイコロは必ず「5」の目が見えるように入っており、「ご縁があるように」との願いが込められているそうだ。こういう細かな気遣いが素晴らしい。

【新津駅、新潟駅・鮭の焼漬弁当(三新軒)】990円
新潟駅では、神尾弁当部という業者と三新軒という業者が駅弁を販売している。
そのうち三新軒は、元々新津駅で駅弁を売っていたが、新潟と新発田(しばた)に支店を出し、後にそれぞれ独立して別の駅弁を作る別会社(新潟三新軒、新発田三新軒)となったようだ。しかし、様々な事情から、3社とも利用客が圧倒的に多い新潟駅に出店するようになり、現在は新潟駅では3つの三新軒の商品が買える。なお、新発田三新軒は現在は新発田駅では販売していないとのこと。

ここで紹介するのは、新津の三新軒の商品。包装には「本家」と書かれていた。ほかにも雪だるま型の容器の弁当が有名。

50年の歴史があるというこちらは、一見すると普通の幕の内弁当。あまり華やかでなさそうにも思えるが。
卵焼きの右にある物体がメイン
新潟の郷土食、「鮭の焼漬」といい、焼いた銀鮭を一晩秘伝のタレに漬け込んだもの。
これがとてもおいしい。ちょっとしょっぱい気もするが、ファンが多いらしく、焼漬を真空パックにしたお土産&おかず用製品も出している。(包装紙の裏面がFAX注文票になっている)
他のおかずもおいしい。卵焼きは、湖北のおはなしのとは違うが、これも大きな手作り風。枠にぴったっとジャストフィットしているのはコロッケ(公式サイトには「カニコロッケ」とあるけどそうだったっけ?)。
 
筋子と大豆、なぜかメンマ(竹の子の煮物)と缶詰パイン(ベビーパイン)も入っている。

そしてなんといってもご飯がおいしい! ササニシキなのかな?
これほどご飯そのものがおいしい駅弁は、ほかには秋田駅の「あきたこまち弁当(関根屋)」しか知らない(多少地元ひいきかも)。さすが米所だ。
おかずがなくても食べられるほどおいしいご飯だが、焼漬や筋子がしょっぱめだから、さらに進んでしまう。

見た目の質素さや味の濃さで、好みが分かれるかもしれないが、お値段も手頃だし、個人的には大好き。新潟の食べ物といえばこの弁当と笹団子といってもいい。

包装には、“デラックス”と書かれているが、廉価版があるわけではない(530円の幕の内はあるが、ただの焼鮭)。逆に、これを高価にした、いくらと焼漬をセットにした商品などもあるようだが、焼漬を味わうにはこれで充分。
僕が行った時は、新潟駅の新幹線改札口前の売店にはなく、在来線中央改札口前の売店で購入した。また、大宮駅と東京駅にある、各地から駅弁を輸送して売る「旨囲門」でも扱っている(入荷時刻は遅いはず)。さらに、秋田発着の特急「いなほ」の車内販売でも扱っているのを見たことがある。

奇抜な新製品もいいけれど、安心して食べられ、おいしい駅弁が末長く残ってほしい。

コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 大阪から秋田へ | トップ | 9月の終わり »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
へ~ (あどれ)
2009-09-27 21:28:21
私は井筒屋さんのお弁当がいいな~。おかずもシンプルだし、サイコロの演出もかわいい。唐草模様の包みもいいねー。
よーく見ると、おかずのチョイスが、誰でも食べられるものを選んでない?クセのないおかずって言うか。
私は出来合いのコロッケとかフライはあまり好きじゃないし、お弁当にパイナップルもイマイチ。。。よって、井筒屋さんの食べてみたいな!
返信する
大阪-青森駅弁街道 (沖波路)
2009-09-27 22:38:53
駅弁屋さんの魅力は幕の内弁当にあるって言う知人がいます。確かに梅干やご飯の盛り付け方、細かいことはいろいろあるのでしょうが、なんと言っても地元の名物が入っているかどうかだそうです。確かに両者の駅弁はそれが言えてますね。

ただ、新潟の方は入れ物が昔ながらの木を使ったものだともっと美味しく見えるのでおしいと思います。

卒業旅行で北海道に行くのに、大阪発の特急白鳥をつかいましたが、あの沿線はいろいろな弁当に出会えて楽しかった覚えがあります。新潟駅で5分停車だったので、何かの駅弁をかったのですが、残念ながら覚えていません。鮭の焼漬は知りませんでした。残念です。

その代わり、新発田の酒、菊水のふなくちに出会ったのは幸せでした。

返信する
滋賀県ですが (taic02)
2009-09-27 22:40:39
新潟の方は、米と鮭が主役ですからね。他のおかずはまあそれなりで。
井筒屋さん、凝ってるでしょう。日本人なら安心してしまう、やさしい感じのお弁当です。ヤングコーンだけ少し浮いてる気もしますが…脂っこいものが一切ないのがいいですね。
ぜひ食べてほしいけれど、駅弁大会では見たことがないため、現地に行かないと買えないと思います。滋賀県米原駅まで行く機会があればいいのですが。
返信する
沖波路さん (taic02)
2009-09-27 22:53:32
名物一本勝負の駅弁もいいですが、一見画一的な幕の内で個性を発揮できるのが魅力的な駅弁屋さんということでしょうね。同感です。
おっしゃる通り、新潟は見栄えに難ありだと思います。数年前に値上げもしており、採算ギリギリでの努力なのでしょうけれど。もともと新津の業者なので、昔は新潟駅ではあまり前面に出ていなかったかもしれません。
高校の修学旅行で白鳥に乗ったのですが、新潟で積み込んだ駅弁が帰りの夕食でした。これも幕の内だったはずですが、印象がありません。
食べ物も酒もおいしいものは記憶に残るということでしょうか。
返信する

コメントを投稿