広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

入院でお世話になる人たち

2024-04-11 23:17:20 | 入院
入院シリーズ。前回の持ち物に続いて、今回は人について。※素人の観察によるものなので、間違いが少なくないと思われることを了解の上、ご覧ください。
約600床を有する秋田大学医学部附属病院。1日当たり平均としては、入院患者470名前後、外来患者1000名前後。
その職員数は1200人ほど。年度・資料によるバラツキや、非常勤・非正規、医学部本体所属者(病院を兼務)の関係もあるようで、正確な数はよく分からない。
ちなみに、弘前大学医学部附属病院も、病床数・職員数ともほぼ同じ。

1200人には、違う病棟や外来担当の職員、総務など患者と接しない事務職員もいるから、入院しても全員と顔を合わせるわけではない。一方で、職員数には含まれない委託先企業の人と関わることもある。ともかく、いろいろな人たちと関わって、お世話になるのが入院生活。
その人たちの顔や名前を覚えなくても、その都度、はいはいどうもと従っておけば済むことが多い。でも、少なくともどういう立場でどういう業務をしてくれる人かは、余裕があれば把握しておいたほうがスムーズに事が運ぶと思う。

●看護師
医師より先に挙げておく。秋大病院には600人以上いる。

話がそれるが、診療科や診療内容にもよるが、外来に通院する限りでは、看護師と接する場面は意外に少ない。呼び出しは「呼出受信機」という無線機器で行われるし、診察室の数(=その日診察を担当する医師の人数)よりも看護師の人数のほうが少ない。
そのほか、患者に接することはあるが治療行為はしないと思われる「地域患者支援センター」や資材を管理する「中央材料部」などバックアップ的部門にも看護師がいる。

入院患者がいちばん世話になるのは、もちろん、その病棟の看護師。
これまでクリニックの外来や健診施設の看護師、あとは身内に来る訪問看護師くらいしか働く姿を見たことがなかった。それらも、人の命に関わり、知識も技術も必要で大変なお仕事だとは思っていた。
だけど、入院病棟の看護師を見たら、さらに大変だと思った。年末年始にかかった入院だったが、当然、ほぼ通常体制だったし、残業する人も見かけた。業務内容が幅広くかつ多く、看護師資格と無関係な業務で時間を取られているようにも見受けられた。

僕は2つの病棟にいたが、体制はどちらもほぼ同じ。各病棟に看護師長以下数十人の看護師が配置され、2つの「チーム」に分かれている。
看護師長は、入院・転棟時に渡される案内に名前は記されているが、接する機会はなかった。知らずにすれ違ったことはあったかもしれないが。スタッフステーション(ナースステーション)とは別に部屋があるようだ。
なお、副看護師長が病棟に複数人いるが、患者に対しては明示されず、チーム内で他の看護師と同じように業務に当たっている。
看護師たちのノリというか、雰囲気みたいなのは、病棟ごとで少し違うようにも感じた。小児科とかなら分かるが、そうでないのに。社風ならぬ“病棟風”だろうか。

各患者は、いずれかのチームに割り当てられ、基本的にそのチーム所属の看護師のみから看護を受ける。さらに、そのチームの1人が「受け持ち看護師」として割り当てられ、主治医ととともにベッドサイドに名前が記される。

病棟の看護師は、日勤と夜勤の2交代制。そのそれぞれで、看護師ひとりひとりが、どの患者を担当するかが割り当てられる。患者の視点では、常に誰か1人の看護師に担当されている。受け持ち看護師は「入院中通しての担当」で、こちらは「今日の担当」ということ。【13日補足・今日の担当者が、休憩や他業務に当たっている時は、同じチームの他の看護師、場合よっては違うチームの看護師が対応。】
男性看護師も少なくないが、女性看護師よりは少ない。そんな事情があるのか、男性患者は男性看護師が担当すると決まっているわけではない。女性患者の場合は分からない。

受け持ち看護師制度は、病院側にはメリットがあるのかもしれないが、患者としてはあまり意味がないようにも感じた。
まず、勤務シフトの都合もあるだろうが、入院時の説明を受け持ち看護師がするとは限らない。どちらの病棟でも「私が受け持ちです」とあいさつを受ける機会もなかった。
また、受け持ち看護師が出勤している時でも、その人がその日の担当になるとは限らない。毎日の担当の割り当ては、患者の病状や介助の必要度合いなどを考慮して、業務内容を平準化していると思われるので仕方ないだろうし、誰が担当してくれても問題はなかったけれど。

そんなわけで、ある程度入院していると、担当チームの全看護師に1度は担当されることになり、(マスクをした)顔と名前はだいたい覚える。朝夕の勤務交代時には「今日の日勤/夜勤を担当します○○です。よろしくお願いします」とわざわざあいさつに来てくれるし。
対して、担当でないチームの看護師は、廊下ですれ違ったり、食事の配膳を受ける程度なので、ほぼ覚えられなかった【23日追記・チーム内で回せないのか、他チームの看護師がその日の担当になることも、まれにあったが】。それでも、ナースコールして、担当チームの看護師が誰も対応できない場合は駆けつけてくれ、丁寧に対応してくれた。
さらに、病棟内で人繰りがつかないのか、病棟所属でない看護師が応援として来ることもあり、その人が担当してくれたこともあったが、同様に問題なかった。


そんな看護師の制服。外来も含めて男女問わず、白の上下。
上着は真っ白なものもあるが、同じ形で脇腹の部分に色が入っているものを着る人が多い感じ。色は青(紺)、赤紫(えんじ)、ピンクがあるようだ。色が入るのは両脇だったり片方(左?)だったりという違いもある。色で階級が違うとかではなく、好みで選べるのかも。

夜勤では、上着だけ紺色になる。
働き方改革の一環で、夜勤勤務者の制服の色を変える病院があると聞いていたが秋大病院もそうだった。日勤者と夜勤者を明確化し、本人も周りも意識して、残業を減らす効果がある。
しかし、夜勤用制服は義務でもないようで、夜勤なのに日勤用を来ている人も見かけ、病棟によって着用率が違う感じ。
さらに、夜勤用の制服は、後述の医師の服と色形が似ており、患者としては区別しづらかった。


●医師
300人以上いるようだ。
総合病院はどこもそんな感じなのだろうが、それぞれの診療科には何人もの医師が所属する。だから、主治医のほかにも、上司だったり、同じ診療科のほかの医師と接することは多い(一方で一度も接しない医師も少なくない)。夜間、休日など主治医が出勤していない時は、当番のほかの医師が対応することになるので、顔を覚えておくといい。
ほかに、検査や手術では放射線診断科や麻酔科など、対面や会話しないものも含めて、多くの医師に診てもらうことになる。
僕を直接診てくれた先生がたは、みなさん礼儀正しく丁寧だった。同室の父さんは、別の科の医師とケンカ寸前のやり取りをしていた場面もあったけれど…

大学病院ならではの特徴としては、若手の医師が多いことと、大学教員を兼ねる医師がいるということだろう。
若手医師は、かつてはタダ働き同然で過酷な労働環境だったと聞く。今の秋大がどうなのか知らないが。一般に「医局員」と呼ばれるようだが、秋大病院では「医員」という肩書き。

中堅以上の医師は、助教、講師、准教授、教授と、大学教員としての肩書きを持つ。
一般に大学教員は、学部本体所属の人と、附属施設所属の人がいて、さらに兼務する人もいるものだが、秋大病院の場合、教授は全員が医学部本体(医学系研究科)所属で病院を兼務するようだ。准教授以下は、兼務者と病院所属者がいるようだ。
僕がよくお世話になった(なっている)と思っている【12日補足・複数回診察するなどして、カルテの記載内容以上に、それなりに把握してくれているであろう】先生は、都合6人。内訳は教授1、准教授1、講師1、助教1、医員2。ちなみに男性4、女性2。
といっても、普通に入院・通院している分には、教員なのか医員なのかを意識することはないし、自分の主治医がどちらかを知らない患者も多いことだろう。病院や学部のホームページを見ない限り。ただし、教授の場合は「教授回診」があるので、入院患者には分かることになる。いずれまた。


医者の服といえば白衣だけど、秋大病院ではそうでもない。
Vネック前開き半袖(医療業界? 衣料業界? で「スクラブ」と呼ぶようだ)の、濃い青の服を来ている人が多い。これが看護師の夜勤の服と似ているのだ。
科によっても違いそうだが、医師全員が青い服ではない。冬場だったこともあるのか、その上に前開きの白衣をはおる人もいた。さらに、青いのを着ないで、かぶるタイプの白衣だったり、手術着っぽいのを着る人もいた。女性では、えんじ色のスクラブをいつも着ている人もわりといる【22日追記・男性でもいた】。各人の好みで選べるのか。【22日追記・ほかにグレーのスクラブや、ワコールのロゴの入ったのを着た医師も、少数ながら見かけた】

そんな中、大学病院のロゴマーク(?)が入った白衣を着ている人たちを時々見かける。その人たちが集団でいることも多い。
一見、いちばん医者らしい姿だが、その人たちは、まだ医師ではない実習中の医学部医学科の学生【12日追記・外来も含めて、患者同意の上、診察などに同席する場合がある。入院中は5年生の各診療科での実習時期だったようだ】。研修医もいるはずだが、どういう衣装なのかは不明。


●~師、~士など
今回の入院では、X線撮影で放射線技師、心電図で臨床検査技師にお世話になった程度。ちなみに、臨床検査技師は採血を行うこともできるそうで、外来の中央検査部では、看護師のほか臨床検査技師から採血される場合もある(入院患者は病棟の看護師が行う)。
あとは、助産師とかリハビリとか、さらに薬剤師、栄養士などもいる。
その人たちの服装もよく分からない。紺色とか茶色っぽいのとか赤紫色とか、やはりいろいろあるようで、服装では職種を判別できないのかもしれない。
【5月8日追記】入院患者には、医師、看護師のほか、薬剤師と栄養士も1人ずつ担当者が付くのだが、僕の場合はどちらも接することがないまま退院し、書類でお名前を見ただけに終わった。


●看護補助者(看護助手)
2024年1~3月に日テレで「となりのナースエイド」というドラマが放送されたそうだが、それ。
看護師資格が不要な、看護の補助的業務を行う人たちといえばいいだろうか。准看護師ではない。
秋大病院では、入院病棟(フロア)ごとに5人前後だろうか、配属されている。見た限りでは男性はおらず【22日追記・わずかながら男性もいるかも】、平均年齢は病棟の看護師よりも高い。職員間では「助手さん」と呼ぶようだ(かつて大学教員の職名で助手があった当時は、少々まぎらわしかったのでは)。
朝から夜まで出勤(2交代?)していて、消灯時間帯はいないようだ【22日追記・平日が主で、土日はごくわずかしか出勤していないかも】。身分としては非常勤が多いと思われる。

具体的には、自力で移動が難しい患者が、検査や外来病棟、売店へ行く時の付き添い、食事の配膳、採血などの検体や資材の運搬、ベッド周りの清掃(床などの掃除ではない)やごみ回収、スタッフステーションに看護師不在時のナースコール対応等々。
看護師も忙しいが、助手さんも忙しそうだった。人数としては看護師より少ないが、入院病棟内だけでなく、外来病棟近辺を行き来する姿もよく見かける。
患者としては、看護師とのような詳しい会話をする機会はなく、あいさつ程度の関わりだが、それでも年の功といえばいいのか、若手看護師ではできない気遣いをしていただいたことがあった。

服装は看護師と異なり、上がピンク色(下は白)、と入院時に説明を受けた。【22日追記・男性の看護補助者らしき人は、水色の上着】
しかし実際には、薄い緑色の上下を来た人たちもいて、一見、看護補助者と同じような業務をしている。この違いが分からない。

【5月23日追記】求人情報紙によれば「株式会社ルフト・メディカルケア」が採用を行っているようで、7時~18時の間の7.75時間勤務と、15時15分~20時の勤務で採用が分かれていて、どちらも土日祝休みが基本とされている。


●病棟クラーク
実際には「事務」と呼ばれることが多い。各病棟に1人ずつ配置され、平日昼間にスタッフステーションで勤務。
外来の各診療科にいるクラークや、正面玄関の受付・会計窓口や受付にいる職員と同じ制服【5月8日追記・同一ではなく柄が違う、少なくとも2種類があるようだ】を着ていて、全員女性。
外来だと1回の通院で何人もの事務職員と関わるが、入院では多くない。高額療養費制度の説明、月をまたいで入院した時の翌月10日の請求書配布、診断書作成の手続きくらいか。
【5月8日追記】全員かどうかは分からないが、「ニチイ学館」と表示がある名札を付けたクラークがいた。ということは、医療事務を同社に委託しているのだろう。


●掃除の人
大学や病院が雇っているのか、委託した企業所属なのか分からない。制服はあるようでないような。
入院病棟の病室内(トイレと床)や廊下は、おそらく日曜日を除く週6日、掃除をする。
フロアごとに1人が専任で配置されるが、週5日の出勤と思われ、1日はほかの病棟を担当している人が代わりで来るようだ。
ベッドの下や周りの床の掃除も行うので、カーテンの中へ入ってくる。余裕があれば、掃除しやすいように履物や荷物を片付けたり持ってたりするといいかも。

●寝具交換の人
週1回、病棟ごとに決まった曜日(の午前中?)に行う。ワタキューセイモア株式会社の従業員が、3人組くらいで来て、部屋ごとに作業する。
交換中は、ベッドから離れないといけない。部屋にいてもいいのかもしれないが、ホコリが舞いそうだから、僕はデイルームなどへ避難していた。

●レンタル用品補充の人
前回取り上げたように、病衣やタオルのレンタル契約をすれば、夏は週3回・冬は週2回、補充に来る。
こちらもワタキューセイモアの従業員だが、寝具交換とは別動で、制服も異なる【22日追記・レンタル補充スタッフは、水色ポロシャツ】。
ベッドの足元にぶら下げたバッグの中の残りを見て補充して行くので、カーテン内に入ってくる。

●食事運搬の人
病院食は、日清医療食品株式会社に委託。ワタキューセイモアの子会社で、日清食品など、ほかの日清○○とは一切関係がないとのこと。
厨房棟で調理されたものがワゴンで各病棟廊下へ運ばれ、各病室の各患者へ配膳されるわけだが、配膳は看護師や看護補助者が行うのが原則。廊下でワゴンを動かすのが、日清医療食品の従業員なので、患者は直接接しない【23日追記・病棟看護師がワゴンを動かすこともある】。
ただ、人によっては、ワゴンを動かす人が配膳まですることもあった。看護師・看護補助者が足りなくて、見るに見かねてやってあげたということなのだろうか。
食事の内容についてはいずれまた。

そのほかにも、土日に入退院する時などは警備員とか、ローソンやスターバックスや理容室の店員と接することもある。

次は1日の流れ

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 旭川護岸復旧工事2 | トップ | 入学式は二枚看板 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
院内 (あんなか)
2024-04-13 22:54:09
昔と1番違うのは病棟への出入りですね。
私が子供の頃、大学病院4階西病棟に入院していた当時は面会時間はあったものの
事実上出入り自由でおかげで開放感もありました。
特に4階はそうで明るい雰囲気で
当時も規則でがんじがらめだった5階小児病棟の子供達が4階のロビーに息抜きにに来てました。
(4階入院の子供達はそういう患児を「亡命者」とからかったものです。)
退院した後、通院したついでに世話になった看護士さんに会いに行ってナースステーションでバカ話しして笑い合ったり。
今はいろいろうるさくてそういうことはもう出来ないのでしょうね。
返信する
Unknown (taic02)
2024-04-14 15:02:31
今の大学病院では、完全に無理ではないでしょうが、バレたらとてもまずいことになりそうです。
他病棟の通り抜けも禁じられていて、散歩がてら歩くにしてもルートは限られてつまらなかったです。

中通時代の日赤では、退院後の外来受診時に、病棟に顔を出すようなことを、うちのばあさんがしていました。
返信する

コメントを投稿