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秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

久々の小僧寿し

2023-05-10 23:58:08 | 各地お土産・食べ物
順不同の3月のJR東日本パス旅行記。前回の駅弁に続き、今回も食べ物。
ダイエーイトーヨーカドーに続く、昔はなじみがあって、今後どうなるか心配なブランドの話でもある。
以前から、旅先にその店があったら、ぜひ買って食べたいと思っていたものがあった。

持ち帰り寿司チェーン「小僧寿し」。
この記事などで触れたように、平成の初め頃までは秋田市内にも店舗があって、子どもの頃の思い出があった。
現在は、全国的に見ても、秋田のように店がなくなった地域が増えた一方、首都圏のほか全国にピンポイントで残るエリアもある。東北地方では、青森県の東側が最後の出店エリア。ただ、八戸市の直営店が2022年8月で閉店。現在は、フランチャイズで三沢市に2店舗を残すのみ。


さて、今回の訪問先の1つが、茨城県ひたちなか市の国営ひたち海浜公園。時期的にほとんど花は咲いていなかったけれど。
公園はJRでは常磐線・勝田駅が最寄りだが、歩いて行かれる距離ではない。ひたちなか海浜鉄道に乗り換える方法もあるが、徒歩移動や所要時間を考えると、勝田駅前から茨城交通の路線バスが便利。
しかも、入場券込みのバス乗車券「勝田駅〜海浜公園1日フリーきっぷ」というのも、ひっそりと発売されていて、お得。JRで1駅隣の水戸駅前の案内所でないと買えない(繁忙期は勝田駅でも買えるらしい)という、なんだかな仕様なのだけど。※スマホアプリの乗車券もあるが、それは入場料は含まれておらず、さほど得ではない。

計画中に、茨城県には小僧寿しが11店舗あることを知った。ひたちなか市には、ひたちなか中央店があった。場所は、勝田駅~ひたち海浜公園のバス路線のすぐ近く。バスの乗車券は、路線内なら乗り放題。運転本数も毎時2~3本と多めだから、途中下車して寄ってみることにした。
勝田駅と海浜公園の道は、ほぼ一直線の「昭和通り」で6キロ弱(バスはショッピングモールへ寄り道する)。
駅から2.5キロほどで「茨城高専前」バス停があり、その先で大きめの「中根上野」交差点を越えて、次の「中根郵便局前」バス停と続く。中根上野で交わる道へ曲がってすぐに、小僧寿しがある。

海浜公園に行った帰り、郵便局前で下車。
奥が勝田駅・背後が海浜公園方向。ロードサイド店が並ぶが、裏手はすぐ住宅地
バス停すぐの交差点は、小さい「中根上野東」交差点。

「中根上野」は「なかねかみの」と読む。ローマ字表示では「中根」と「上野」をハイフンでつないである。
この1ブロック先が「中根上野」交差点。
「中根 上野」とスペースを入れて表示するのが珍しい
中根と上野の関係が気になる。この一帯の大字が中根。上野という所もあるが、交差点名としては遠い。交差点付近は「大字中根 字上野」なので、これが由来だろう。大字と小字を並べたことになる。

左折して、すぐ、
到着
ストリートビューで予習していたが、あんまり目立たないお店で、なんか入るのに気が引ける。
小僧寿しのほか、「からあげ専門店 とり家」という黄色い看板、「Brunch World」なる看板も。
どうも、この店全体では「ブランチワールド」というらしく、それを構成する部門の1つが小僧寿しみたいな関係らしい。ブランチワールド全体も、小僧寿しひたちなか中央店も「カワサキフードサービス」という、ひたちなか市にある企業がやっているらしい。ブランチワールドは「SINCE 1972」。

小僧寿しひたちなか中央店は、フランチャイズ店ということになる。
フランチャイズの小僧寿しでは、メニューが異なり、公式ホームページで分かる。今は直営店でもからあげも売るなどしているが、フランチャイズ店では直営店よりも寿司のウエイトが低く、実質弁当店のような小僧寿しもあるようだ。この店もそうかも…
また、直営店のからあげは「元祖からあげの中津家」というブランドなので、ここのからあげは、まったく別物ということだろう。

予約するのが確実だけど、旅人がそこまでするのも気後れしてしまう。夕時ならば、何かしら作り置きの寿司があるのではと、思った。
がらんとした広くはない店に入ると、先客1人。作ってもらって、出来上がるのを待っているようだ。厨房の中はよく見えないが、少なくとも接客はワンオペ。
客が商品を手に取れるショーケースはあるが、寂しいラインナップ。お弁当が数個と、寿司は手巻き寿司がたしか3本だけ。寿司のメニューは貼ってあるが、この場で注文するのが申し訳ない雰囲気。

弁当1つと、手巻き寿司1本を購入。陳列された弁当はおかず部分だけで、ワンオペの店員さんが、別容器にごはんを入れてくれた。
期待外れではあったが、ともかく小僧寿しは手に入れた。
バスに乗って、電車に乗って、ホテルにチェックイン。まずお弁当。
スタミナ焼肉弁当(おかず部分) 500円
おいしかった。ホームページの写真(ごはんが同じ容器に盛られて同価格)より、おかずが多いのでは?
製造者名表示も、箸袋も、カワサキフードサービス ブランチワールド名義。

そして、念願の小僧寿しの手巻き寿司。
残っていたのは、「えびマヨ」2本と「シーチキン」1本だった。
エビは好きじゃないし、小僧寿しの商品の中でいちばん好きなのが手巻きシーチキンだったから、買えてうれしかった。
15時製造(21時消費期限)だから、買ったのは製造1時間後。少量生産なのか、大量に作って売れた残りだったのか。
税込み150円のはず
このシールも、カワサキ&ブランチ名義で、小僧寿しとは書いていない。
コスモスなど花が描かれた「sushi花館(すしはなかん)」の包装フィルムは、最後に食べた秋田の小僧寿しのものと同じ。懐かしい。

楕円形で青地に白文字で「シーチキン(R)」のシールも、たぶん同じで懐かしい。手巻きの他の具材だと、地色が違い、書体は普通の丸ゴシック体。

今ではコンビニの手巻き寿司でも同じだけど、この包装に初めて触れたのが、小僧寿しの手巻き寿司だった。
考えてみれば、秋田市の学校給食で手巻き寿司が初めて出たのが1986年。海苔はこういうフィルムで供された(酢飯は各自載せる)が、迷わずに食べられたのは、小僧寿しで慣れていたから。ということは、小僧寿しの手巻き寿司は1986年より前に存在していたことになる。

最後に食べたのはいつだろう。下手したら30年ぶり? 少なくとも21世紀に入って初めて、見て食べる小僧寿し。
できあがり
おぼろげな記憶では、小僧寿しの手巻き寿司はもっとビシッと固そうな見た目だったが、けっこうふにゃっとしている。コンビニのそれと大差ない。

ところが、味は違う。そうそうこれが小僧寿しの味!
ごはんはやや硬めで、酸味が強いのだろうか。コンビニの手巻き寿司とは違う(たぶん)。
小僧寿しの商品(味)は、昔とほぼ変わっていなかった。


ところで、手巻き寿司のフィルムは「sushi花館」だったが、店舗の看板にはどこにもそれがなかった。写真を見たら、店の前のピンク色ののぼり旗はsushi花館だった程度。秋田市内の末期の小僧寿しは、どれもsushi花館の看板だったのに。
以前の記事でも触れたが、sushi花館を名乗るかどうかは、全国的にばらつきがあった。また、手巻き寿司のフィルムは、「小僧寿し」ブランドの別デザインを使う店もあるようだ。

「小僧寿し」のロゴも、昔とは違うものになった。ところが、ひたちなか中央店の看板は、それとは微妙に(だいぶ?)違うもの。
店の正面の壁には、トンネルの口みたいなアーチ状の装飾の中に、
大きな小僧。夜はライトアップされそう
大きさは別として、背景がオレンジ色で、紺色で描かれたこれは、見覚えある昔ながらのもの。
現在の標準的な店では、この色の組み合わせは使われず、小僧自身も顔だけだったり、いろんなポーズをしたりするようになっている。
よく見れば、
ひび割れて、年季の入った小僧
知らなかったが、この小僧のキャラクターは「鉢巻太助」という名前。顔の輪郭や鼻筋が、「ちびまる子ちゃん」の藤木くんにどこか似ているような。
フランチャイズ店への縛りが強くないことの現れなのだろうが、せっかくの小僧寿しブランドのイメージの維持のため、もう少し統一感があってもいいのでは。

また、小僧寿しを食べたい。子どもの頃の思い出をたどると、生寿司よりもシーチキン、その他の手巻き、いなり、助六などを中心に。【2024年6月25日追記・ここでの「生寿司」は江戸前寿司や握り寿司を意味し、「なまずし」と読むつもりで用いたのだが、北海道や東北辺りの方言のようだ。また、「しめさば」もしくは酢締めしたした魚(寿司ではなく切り身状態)のことを、西日本などでは「生寿司」と書いて「きずし」と呼ぶらしい。】
旅行記の続き

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4 コメント

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復活させる酔狂な会社 (FMEN)
2023-05-11 00:27:14
シャトレーゼが秋田に進出したら一気に来たみたいに、酔狂な企業がやれば復活できそうですがね。

以前自分もまとめたことがありましたが、今ある場所はコンビニがかなり近い外旭川、楢山を除くとやや空白感がありまたやれそうな気もあります。

今も元気だったらドラえもんはまだ金曜にあったのかな…と思いましたが、あの改編はスポンサー超越したもんだから厳しかったか。
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今でも (taic02)
2023-05-11 20:40:08
回転寿司全盛時代になったものの、残っている小僧寿しの中には、ウーバーイーツなどで宅配にも対応するところもあります。
水戸市内には、食品スーパーの中にテナントとして入る小僧寿しもあるようです。
やりかた次第では、今でも小僧寿しの存在価値はあると思います。がんばってほしいですが、当の本人はどうしたいつもりなのでしょうかね。
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Unknown (りお)
2023-05-11 22:06:33
手巻き寿司の包装、とても懐かしいです。私はエビマヨが大好きでした。
親戚の家が外旭川にあったので、幼いころその親戚の家に行ったときは帰りに小僧寿しに寄って、ドラえもんのお寿司を買ってもらうのが実家の恒例行事だったことを思い出しました。
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手巻きのラインナップ (taic02)
2023-05-11 23:39:44
海苔フィルムは、30年程度、デザインが変わっていないことになるでしょうか。
現在の手巻きは15種類(直営店)ほどあります。昔もけっこうあった気はしますが、僕はシーチキンと納豆ばかり食べていました。

小僧寿しが身近だった人は、それぞれに家族や暮らしと関わる思い出があるみたいです。
外食とも違うし、家で寿司を食べる手段が少なかった当時では、日常と非日常の中間のような独特の位置付けだったのかもしれません。
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