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秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

峠の釜めし パルプモールド

2023-04-10 20:26:49 | 各地お土産・食べ物
忘れないうちに、2023年3月のJR東日本パス旅行記を進めます。まずは駅弁から。
ちなみに4月10日は「駅弁の日」だそうです。※昨年の関連記事

今回の行程は、首都圏を3度通過するので、各地から輸送販売される駅弁購入を楽しみにしていた。
東京駅に「駅弁屋 祭」ができる以前は、大宮駅の「駅弁屋 旨囲門(うまいもん)」が輸送駅弁販売店の代表だった(東京にも旨囲門はあったが)。小さい店ながら品揃えは充実し、勧め上手な店員さんもいるとかで、テレビで取り上げられていた。
今回は、新潟の鮭の焼漬弁当でも買おうかとのぞいてみると、昼前なのにすっからかん!
新潟方面は見当たらず、東北方面の駅弁もとても少ない。JR東日本クロスステーション系列の商品がほとんど。新型コロナウイルスの影響というより、店側の都合なのだろうか。そんなわけでお客も少なく、かつてのにぎわいが消えた。
上野駅には「駅弁屋 匠」ができたというので行ってみた(場所が分かりにくい。入谷改札とかいう3階)が、同様。

上野駅中央改札を出てすぐのアトレ上野に入っている、スーパーマーケット「ザ・ガーデン自由が丘」にも駅弁があるとの情報。たしかに、旨囲門や匠より幅広い土地から来た、多くの商品が並んでいた。
「駅弁」ではないものもあったが、仙台、米沢、小田原、姫路といった駅弁大会の常連のほか、鳥取駅・アベ鳥取堂の「元祖 かに寿し(東京駅・祭でも売られることがあるらしい【13日補足・現地販売品より輸送品のほうが酢が強いという噂あり】)」なども。
ザ・ガーデン自由が丘西武秋田店があった頃、奈良の柿の葉寿司がなぜかいつも売られていたのが不思議だったが、こういう事情があって、おこぼれが秋田に来ていたのだろう。
とはいっても、海鮮系が過半数かと思われるほど多く、手頃な価格の幕の内系はほぼなくて、買うまでには至らず。きっぷ提示で10%引きサービスもないし。
※お菓子や酒もいろいろあるので、のぞいてみる価値はあると思います。

結局、高崎駅と、やはり東京駅の「祭」で購入することとなった。今回は祭で買ったもの。
昨年10月と同じく午後に入店。前回と比べると、品揃えも客も増えていて、ここでも旅行需要回復を感じた(となると、大宮のラインナップ減は、やはり運営会社側の都合では)。
鮭の焼漬はなさそうだったが、郡山「海苔のりべん」はあったし、2018年11月を最後に首都圏ではもう売らなくなったはずの大館「鶏めし」もなぜかあった。

買ったのは、日本を代表する知名度が高い駅弁ではあるが、秋田にいてはなかなか食べる機会がない商品。たぶん食べるのは2度目(10年以上前以来)。

群馬県の信越本線・横川駅、荻野屋(おぎのや)の「峠の釜めし」。
荻野屋の創業は1885(明治18)年で、当初から横川駅で駅弁としておむすびを販売していたそうで、同社ホームページでは「駅弁販売は全国でも宇都宮に次ぐ老舗」としている(冒頭の昨年の記事も参照)。箸袋には「日本最古の駅弁屋」。
しかし、峠の釜めし自体は、1957年発売開始で、思ったより新しい。
でも何か違いません? 見た目が。

茶色い素焼きの釜に、掛け紙をかけて紐でしばったのではなく、白い器に筒状の厚紙(スリーブ)を通している。

これは「峠の釜めし(パルプモールド容器)」という商品。ホームページに、
「益子焼の器が重い」というお客様の声を受けて誕生したパルプモールド容器の峠の釜めしです。
陶器の丸くなめらかな形を再現し、質感を和紙の風合いで表現しています。
容器の原料はサトウキビの搾りかす等を使用した環境にやさしいパルプモールド素材を使用しています。
とある。2012年発売開始。
「モールド」とは「型」で、植物繊維を型にはめて成形した容器ということか。電子レンジ加熱可能(うずら卵等に注意)。

従来の釜入りも併売されていて、どちらも756kcal(香の物含む)だから中身は同一のはず。パルプには「内容量420g」と表示。税込み価格は、素焼きが1200円、パルプは1100円。
高崎駅の駅弁屋では、釜とパルプ両方を売っていたが、東京駅ではパルプのみ。


今のご時世、使い捨てプラスチック容器を使うのに気が引けるが、陶器を使い捨てるのも心理的にはあまり変わらないし、何より、重くて旅行中は困る。
地元周辺では、釜のリユースやリサイクルが行われているそうだが、こまちで秋田駅まで持ち帰ったらそれは無理だろうし、車内整備・ごみ処理の人たちには、はっきり言って迷惑だと思う。
陶器を全否定するわけではないが、SDGsなどが叫ばれる今の時代、陶器産地→弁当製造地→販売地→処分地と重い容器を移動させるのは、効率が悪く、問題かもしれない。
峠の釜めしが紙容器では味気ない、陶器でなきゃという声もあるようだが、個人的には紙容器大歓迎。100円安いし。

パルプモールド容器は「和紙の風合い」とされているが、それとはちょっと違うような。もうちょっと大量生産品の趣がある。一見、発泡スチロールのおわんかと思いそう。
真っ白でなく、無漂白のコーヒーフィルターみたいな、茶色にしたら、いくぶん釜のイメージに近付いて、より受け入れられるかもしれない。技術的もしくは費用的に白いほうがいいのかもしれないが。

手触りは、厚手の紙コップ・紙皿に、細かく凹凸をエンボス加工した感じ。走行中の車内で食べても、不安定だとか滑ったりはなく、問題はなかった。
濡れおてふき付き。袋にはタケノコのチロシン、鶏肉の骨の注記入り
透明な中蓋と、その上に載る漬物(香の物)容器はプラスチック製。
漬物は、陶器版でも同じ容器に入っている。高崎駅の駅弁屋ではレジに置いてあって、購入したら個別にくれる方式。東京駅ではそれは大変だから、パルプモールドだけ扱う一因なのかも。あと、パルプモールド容器の蓋側が、やけに背が高いが、漬物収納スペース確保のため(あと衝撃吸収効果もあるかも)か。
釜型の透明容器は、ある程度密閉できてパチンと開閉できるので、旅行時に錠剤を持ち運ぶピルケースに使えそう。


ところで、峠の釜めしは関東以外の人には、名前と容器は知っていても、中身がどういう構成なのかいまいち分かっていない人も多いかもしれない。
味付きの炊き込みごはんの上に、何種類ものおかずが並べられたのが正体。一般にそういうのを「釜飯」と呼ぶようだが、少なくとも秋田など東北ではなじみが薄いのではないだろうか。
盛り付けは、陶器版と同じはず
たけのこ、ささがきごぼう、鶏肉、しいたけ、うずら卵、グリーンピースのいずれも煮たもの。栗甘露煮、杏子甘煮、紅生姜(しょうが酢漬)。

荻野屋がサイトなどで使っている峠の釜めしの写真は、タケノコがてっぺん・12時の位置にあるものが多いようだ。公式にはそれが正しい向きなのか??
陶器だと、それで炊き上げたごはんの上に、具材を盛り付けるのだろうけど、パルプモールドでもそれ自体で炊くのだろうか?


別添の漬物には、奈良漬【10日訂正】わさび漬け、ナス(「峠の小なす漬」として販売)、梅干し、キュウリ(「峠のぱりっこ漬」として販売)、山ごぼう(モリアザミ、「峠の山ごぼう漬」として販売)と5種も入っていて、充実。

食べてみて、そうそうこの味だったと思い出した【11日補足・記憶の限りでは、釜容器との味や食感の違いは分からなかった】。ごはんは、自家精米のコシヒカリ。薄い茶色で、醤油味。
全体に薄味で、炊き込みごはんはあまりなじみがない味。松山の「醤油めし」もこんな味だったと思う。秋田における炊き込みごはんは、大館・花善の鶏めしのような、塩気だけでなく甘みも強いものが多いので、それとは違う。
普段と違う味を楽しむのも、旅ならでは。見かけたら毎回必ず買いたい、というほどではないが、たまに食べたい。パルプモールド容器で。

高崎の駅弁について続く

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