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手形Land Bridge

2011-04-16 20:28:36 | 秋田の地理
昨年一部で反響を呼んだ(?)、秋田市中心部に秋田市建設部が設置した道標の英語表記についての続きです。
明田地下道西交差点
この道標には、柱の部分にその所在地名が表示されている。(一部無表示のものもある)
地名(住居表示実施エリアは番地まで、未実施エリアは小字まで)と地点の通称(交差点名や◯◯前など)を併記しているものが多い。
ここでは、
「中通七丁目二(明田地下道西交差点)」
英語も書かれており、「明田地下道」は「Myoden Underpass」と訳している。
この道標は比較的正しい英語を使っている傾向があるので、「地下道」だからといって「Underground Road」なんて直訳的な変な訳じゃないのはさすが。


一方、秋田駅を挟んで反対側の手形陸橋。
道路が線路をまたいで越えるものは、昔は「陸橋」が一般的な呼び方だったようだが、今は「オーバーパス」と言うのかな。

その東側、秋田大学そばの「手形山崎町」交差点にも道標がある。
雪が降っていますが、以前の撮影です
なお、この交差点は以前は不規則な形の交差点だったが、昨年度、秋田駅東口へ至る新しい市道(写真右奥)が開通し、十字路になった。
その柱の地点名
手形山崎(陸橋下)
「陸橋下」ってなんか大雑把な表現。どうせなら「手形陸橋東」とかにしたら。
「手形山崎」っていうのもあまり正確じゃない。この交差点を境に、住居表示実施済みの「手形山崎町」と未実施の「手形字山崎」があり、「字」も「町」も付かない「手形山崎」という表記は正式には存在しないからだ。(バス停名や市民の間での通称としては通用するが)
この道標の設置位置としては、「手形山崎町」の方だと思われる。

そしてとてもおかしいのが、「陸橋下」の英訳Below the Land Bridge
Belowは「…の下に」という意味でいいとして、「Land Bridge」は「陸橋」の直訳っぽい。ネイティブの人には通じるのかしら?
調べてみると、「Land Bridge」には「地峡」や「大陸横断陸路」という意味があるようだが、やはり「線路をまたぐ道路」という意味はない。「Overpass」とするべきだったろう。

「地峡」とは、2方向を水(海)に挟まれた細長い陸地のこと。スエズ地峡やパナマ地峡など、運河が造られることがある。
日本語の「地峡」は地理学というか地形学的な用語で、多くの日本人は知らないと思う。
同じように、英語を使う人たちも「Land Bridge」って知らないんじゃないだろうか?
知っていたとしても、とんちんかんな意味にならないだろうか「手形地峡の下」とか「手形大陸横断道路の下」とか。

あいにく、ここは秋田大学のそば。
英語を母語とする留学生や外国人教員、英語学や地理学を専攻する学生や教員の目にも留まってしまったかもしれない。

上記のとおり、このタイプの道標は他の地点では比較的正確な英訳を採用している。しかも「Underpass」は分かっていたのに、その対義語で間違ってしまったのが惜しい。

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