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広く浅く

今後はhttps://taic02.hatenablog.jp/で更新します

蔵王温泉と蔵王駅

2017-09-10 23:57:55 | 旅行記
東北小回り旅。山形市へ到着した続き。
山形市を訪れた理由は大したものではない。仙台方面へのルートの1つの途中であり、とある駅弁を食べたかった(次の記事にて)のと、どこかの温泉に安く泊まれたらといったこと。
奥羽本線沿線には、いくつも温泉地があるけれど、若干値段がお高い。探したら、蔵王温泉に格安の宿が!

蔵王は宮城側も山形側も行ったことがなく、山形蔵王といえば、スキーや樹氷、ロープウェイがある程度の認識。(御釜は宮城側なんだね)
ロープウェイのふもと側のほうに、蔵王温泉(所在地は山形市内)があって、そこに泊まった人がいたのを思い出し、聞いたらいい温泉とのこと。山形市街からバスでけっこう時間がかかるとも。

調べたら、山形駅から山交バスで40分程度、運賃1000円。それなら、いいかも。
秋田駅から太平山の仁別リゾート公園へ行くようなものかな(37分、700円)。

山形駅-蔵王温泉バスターミナル間のバスは、1時間に1本運行されており、車両はリクライニングシートの観光バスタイプ。オンシーズンとなる冬には、続行便が出て5台くらいが連なることもあるらしい。
北海道の定山渓温泉では、1時間以上、路線バスタイプの車両に揺られて参ったけれど、これは快適そう。

蔵王温泉行きは山形駅のメインである東口のバスのりばの1番が始発。東口を出て左側。
案内所があり、そこの窓口または券売機で乗車券を購入するように案内されているが、車内で現金支払い(二千円札以上の紙幣の両替はできないはず)や路線バス用回数券での支払いも可。
車両は先代三菱エアロバス(? エアロクイーン?)。乗客は10名ほどで、蔵王温泉で宿泊するであろう人が多い。

車両がいいものの一般路線バス扱いだからこまめにバス停があり、途中まで他路線と同ルート。だから、途中から何人か地元の人が乗りこんで、降りていった。
途中「鉄砲町」では、暴力団壊滅の広告放送。秋田中央交通でも流れていて、相談電話番号「893-184」に「やくざいやよ」と語呂合わせもある。山形では、電話番号が「89-3040」と違い、そのまま「89の3040」と言っていた。

市街地を抜け、国道13号線の旧道であろう県道267号線に入り、少し標高が高い郊外に。
県道をそれると、時につづら折りの道になり、ぐんぐん山を登る。この道では立ち客がいたら厳しそうだし、シートベルトを締めるようアナウンスもあった、だから観光タイプのバスを使っているのかもしれない。
極端に険しい道ではなく、景色が抜群でもなく、沿道にわりと家もあった。

大きな鳥居をくぐったところに、山形市立蔵王第二小学校があった。1970年代築と思われる、意外に大きな校舎。市街地にあってもおかしくない規模。
調べたら、現在の児童数は82名。昔は多かったのだろう。斎藤茂吉の母校だそう。

終点の蔵王温泉バスターミナルは、道路と平行に長い建物。バスは建物裏に回りこんで、プラットホーム式の乗降場に停車。建物との間にドアがあり、発車時は5分前に開く。
バスターミナル内から。「蔵王温泉駅」との表示
建物裏のホームには「1」と表示(貸切バス1号車のシールを転用)があった。
じゃあ、「2」は? と思ったら、建物をはさんで反対の道路側のバスターミナルの玄関に見えたところが実は乗り場で、曜日・季節限定運行の特急バスはそちら(間に歩道があるけど、そこに入るの?)のようだ。
奥の屋根下が1番、手前が2番
バスターミナルの建物内は、窓口と券売機のほか、ベンチと自販機、トイレ(現在改修中で外に仮設)がある程度で、がらんとしている。冬は人でいっぱいになるのだろう。

このバスターミナル、外壁には「山交バス バスターミナル」、内部には「蔵王温泉駅(蔵は旧字)」、さらにドアには「山交バス株式会社 蔵王バスターミナル」とあり、表記揺れが激しい。
公式ホームページや各種サイトでは「蔵王温泉バスターミナル」となっているので、当ブログでもそれに従いました。


標高900メートル弱の蔵王温泉は、山形市街に比べると、さすがにいくぶん涼しい。
バスターミナルは温泉街の入口。基本的にどこの宿に泊まっても、ターミナルで降りてぶらぶら歩けばいいはず。ペンションなど宿によっては歩いて行くには大変なものもありそう。【19日補足・徒歩圏内も含めて、宿によってはバスターミナルまでの送迎をしてくれるところもある】
温泉街には飲食店もそれなりにあり、コンビニはファミリーマートが1つ。【2022年1月18日追記・ファミリーマート山形蔵王温泉店は、この直後2017年10月末で閉店(後に建物解体)し、12月7日に向かいにローソン山形蔵王温泉店がオープンしたとのこと。オーナーが同じで、ブランド変更・移転なのか?】【2022年9月30日補足・電話番号はファミマ時代もローソン化後も変わっていないようだ。】

蔵王温泉のお湯はさすが。硫黄(硫化水素)の香りがし、青白く濁り、つるっとして、いかにも温泉。
酸性度が高いのも特徴。以前、同じく強酸性の北海道の川湯温泉に入った時は、ヒリヒリと刺激があったものだけど、蔵王温泉ではそのようなことはなかった。
湯煙漂う蔵王温泉街

水車と酢川温泉神社入口
「酢川温泉神社」という鳥居をくぐって入ってみると、先はとても長い階段(途中に横から入れる道路があったけど)で、疲れた。


翌朝も、バスで山形市街へ。
9時40分発のバスは、山形市の北にある寒河江(さがえ)市の寒河江営業所の先代いすゞガーラ。客数は行きと同じくらい。発車時には、ホームでジリジリとベルが鳴った。

さて、このまま山形駅まで乗り通すのもつまらないし、少しでも安く上げたい。
だけど、調べた限り、路線バス以外に蔵王温泉と山形市街地を結ぶ交通手段はない。

地図を見ると、バスが山の下へ下りてから通る県道267号線は、国道13号線、さらに奥羽本線と並走している。JR奥羽本線にはその名も「蔵王」という駅がある。【11日補足・東北新幹線「白石蔵王」駅とはまったく別。山の反対側です。】
蔵王駅は、蔵王温泉や蔵王の山、つまり観光地としての蔵王へのアクセスの役割はない。山の下一帯も、「蔵王」という地名・エリア名であり、その地域の駅としての存在。

とは言うけれど、山の下では他路線と同ルートの一般路線バスである以上、バス停は多いはず。そのどれかで降りれば、歩いて蔵王駅まで行くことが可能ではないかと予想していた。一般路線バスだから、乗る距離が短いほど、運賃は安くなる。
ただし、バスは毎時1本、蔵王駅の列車は不規則に毎時1本程度なので、乗り継ぎのタイミングは難しい。
行きは、そんな接続のほか、初めて乗るので不安だったことと、帰りの下見を兼ねて、山形駅から乗った次第。

Googleマップではバス停名称が分からないから、マピオンで調べると「成沢」というバス停がいちばん蔵王駅に近そう。ほぼ真東へ進めばよく、歩く距離は1.5キロ。
行きのバスの車窓から確認しても、大丈夫そうな雰囲気。駅方向に向かって下り坂で歩きやすそう。成沢は「なりさわ」と読み、隣(温泉寄り)の「成沢南」では少し遠くなる。
蔵王温泉9時40分発のバスは、成沢は10時02分(山形駅前は10時25分着)。蔵王駅では、下り普通列車が10時23分発(山形10時28分着)。1.5キロを20分なら、歩く自信がある。
蔵王温泉-成沢のバス運賃は810円。蔵王-山形のJRは青春18きっぷを使うから、190円節約。ちなみに、蔵王-山形の正規運賃は190円なので、その場合は合計1000円でバスと同額。

天気が雨だったら歩きたくないけれど、当日朝の蔵王温泉はくもりで安心した。ところが、バスが山を下ると…
昨日は見えた市街地が霞む。中央左に第二小前の鳥居
下界では雨が降っていた!
バス乗車券も買ってしまっているし、予定通り決行。

成沢に3分ほど遅れて到着。他に降りる人はなし。
雨の中、走り去るバス
傘を広げて蔵王駅へ急ぎたいところだけど、バス停のポールに見覚えが。
 成沢バス停
ダルマ型で、台座が金属枠で囲われ、細身でツルツルした支柱、大きめの表示板とその支柱との独特な接続方法。
秋田中央交通で近年新設されるポールで、当ブログで「頭でっかちタイプ」と呼んでいるものと同型だ!
(再掲)秋田中央交通の頭でっかちタイプ
山交バスのものは、台座の支柱がささっていない2つの穴の処理や時刻表枠の留め方は秋田とは異なるし、デザインのせいかさほど頭でっかちでもなさそうだけど、同一としていいだろう。
と、時間を使ってしまう。


バスが来た方向へ戻れば、すぐに信号のある丁字路交差点。そこを右折すれば、右に消防署。
やがて国道13号線の大きな交差点。そこを横断すれば(地上に横断歩道あり)県道170号線。この交差点までの間で、左側(南側)の歩道に横断が必要。
さらに直進すると、自動車教習所があり、ちょっと大きな須川を渡る橋。
この辺りで写真を撮りたかったものの、風と雨が強くてできず。
橋の先で、県道は右へカーブし、三叉路のような形状の交差点。旧道との分岐点だろうか。
こんな交差点形状。車は13号線側から直進できなさそう
ここで直進し、狭い道に入る。
右にスーパー「ヤマザワ」、信号機付き交差点を過ぎれば、先の突き当たりに蔵王駅!
ついに到着
古い建物をリニューアルしたと思われる駅舎。全体的な雰囲気は秋田市の土崎駅、新屋駅なんかと似ている。

蔵王駅は駅員が配置され、駅業務は子会社「JR東日本東北総合サービス」に委託されている。かつては貨物列車も発着していたらしく、駅構内は比較的広く、駅舎とホームに少し距離があった。この辺りは秋田市の羽後牛島駅に似ている。
なお、Suicaは使用できません。【11日補足・繰り返しますが東北新幹線「白石蔵王」駅とはまったく別。山の反対側です。】

駅をじっくり見たいところだけど、(バスの遅れと、雨風と、頭でっかちバス停の発見と、余裕のない計画のせいで)思ったより時間がかかり、もう列車発車3分前。
18きっぷに日付を入れてもらう必要があったが、駅員は事務所奥にいて、こちらを見て「そのままどうぞ」といった感じなので、そのまま入場。小走り気味に橋を渡ってホームへ下りてひと息つくと、719系5000番台4両編成が入線してきた。いっしょに乗りこんだのは3~4人。車内はそこそこ先客がいたものの、なんとか後ろ向きの2人掛け席にありつく。

ということで、成沢バス停→蔵王駅15分はギリギリ。
国道横断で信号待ちも見ておく必要があるし、蔵王→成沢では上り坂なのでさらに時間がかかりそう。実行するのなら、20分強は時間を見ておけば安心でしょう。でなければ、もっと時間を取って駅前のヤマザワ、あるいは国道沿いなどのお店で時間をつぶすなど。


雨で濡れた服と汗で濡れた体が乾かないまま、山形へ到着。きっぷに日付を入れてもらっていったん外へ。名残惜しいけれど次の仙山線で仙台へ向かうことにした。
今回はまったく見物できなかった山形市街地はほんとにまたいつか。蔵王温泉へはぜひとも再び訪れたい。

※次の記事(食べ物カテゴリー)はこちら
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新庄から山形

2017-09-05 23:59:19 | 旅行記
東北小回り旅。新庄駅の続き。まず、前回の新庄駅前の風景に補足。
(再掲)
街路灯に何かイラストが描かれている。
下のほうを拡大 上のほう
これって「ぶんぶく茶釜」? タヌキじゃなくキツネっぽいけど。

ぶんぶく茶釜(分福茶釜)は、全国各地で語り継がれていて特定の舞台はないようだが、新庄はキツネが出てくる「金の茶釜」だそう。和尚さんも登場するが、ぶんぶくとはストーリーは異なるようだ。

新庄では「民話のとおり」として、駅周辺の通りに5つの民話(昔話)のタイトルを付けており、この「駅前通り」が「金の茶釜とおり」。
新庄市ホームページには「とおりにはかわいらしいモニュメントや夜になると絵の変わるイラストなどお話を楽しめる工夫がいっぱいあります。」とある。たしかに、街路灯の上部には絵を照らす照明が設置されている。

「新庄駅前通り商店街」が「おかげさまで50周年」との旗も出ていた。旗のキャラクターは前回も登場した「かむてん」。
それから、駅周辺の街路灯のほか信号柱も茶色で統一されているが、そこに設置された信号機は、汎用のグレーのボディ(電球式)。秋田県警でも以前には一部で設置されていたけれど、これじゃあ、ちぐはぐ。



新庄から山形へ。この区間を普通列車で乗り通すのは初めて。
新庄-山形は61.5キロあり、村山、東根、天童と市が並ぶ。山形県内のエリア分けでは、新庄は最上地方で、それ以南はすべて村山地方。対県庁所在地、あるいは最上地方各都市間で、移動の需要はあるように思えるが、列車は山形新幹線「つばさ」が2時間に1本、普通列車は朝夕は毎時1本、昼間は間隔が空いて12時台前後など2時間以上列車がない。ほとんどが新庄-山形通しの列車で、山形-天童/村山の区間運転が数えるほど。
車両は701系5500番台2両編成のワンマン運転が大部分で、4両編成や719系5000番台が運行されるのは、朝夕の限られた列車だけのようだ。
都市間バスも運行されていない(日本海側庄内地方-山形はあるけれど)ようで、この辺りでは県内都市間の交流があまり活発ではないのだろうか。秋田市から秋田県内各方面のほうが、区間運転の列車やバスもあって、交通の便はまだいいと思う。

新庄14時18分発→山形15時32分着の列車も、701系5500番台2両ワンマン。車内はオールロングシート。トイレが車いす対応で広い分、秋田の701系よりも定員は少ない。
前の普通列車は11時40分、間につばさが1本あっただけだが、新庄発時点では、全員が適度な間隔を置いて座れる程度の乗車率。
田沢湖線の5000番台も同様だが、狭軌の701系と比べて、標準軌用701系は乗り心地がいくぶん良い。独特のふわふわ感が少なく、どっしりとした感じ。

大きな駅では、山形市に向かう人が乗りこんできて、席は埋まっていく。
天童の次の天童南駅は、無人駅ながら数人が降り、それ以上が乗ってきて立ち客が増えた。
2015年にできた新しい駅で、2014年に駅のそばにイオンモール天童がオープン(直結ではなく、間に道路があるようだ)している。イオン来店者が、着実に利用していることになる。なお、天童南-山形は20分ほどの乗車。
ぎゅうぎゅう詰めのシャトルバスもしくは、四ツ小屋駅から坂道を20分ほど歩かないとならない、イオンモール秋田の客からすれば、うらやましい立地だ。ただ、列車本数が少ない。休日など山形-天童で列車を増発すれば、喜ばれそうだけど…

この区間は、単線が大部分なので、
途中駅で列車行き違い

「つばさ」と列車交換
【6日補足】「列車交換」とは、単線区間の途中駅や信号場で、反対方向の列車同士がすれ違うこと。かつての「タブレットを交換する」のが語源なんだろうか? 「行き違い」「行き合い」「離合」とも呼ぶ。
「車両交換」だと、車両故障や運用上の都合により、途中駅で別の車両にバトンタッチして運行を続けること。通しで利用する乗客は、乗り換えをさせられる。弘南鉄道では、運用の都合によりたまにあるらしいが、遭遇した経験はない。

山形の2つ手前・羽前千歳駅からは仙山線、次の北山形駅からは左沢(あてらざわ)線が並走。標準軌の隣に狭軌が並ぶ単線並列となる。
左の狭いレールを走るのは左沢線のキハ101
山形城址・霞城(かじょう)公園のお堀沿いを過ぎ、

山形到着。山形駅に来たのも、10数年ぶり。前回は酒田からバスで来て、1泊して列車で福島に向かった。
改札口付近
改札口が自由通路「アピカ」に面した橋上駅舎。造りは秋田駅とさほど違わない。
東口側の駅舎の外には、駅2階から続く屋根がないペデストリアンデッキ(人工地盤)がある。仙台のよりはずっと小さいけれど。屋根がなくて冬は大丈夫かしら。
東口側駅舎
駅ビルは、現在は仙台駅と同ブランドの「S-PAL山形」。コンビニのNEWDAYSは改札口周辺にはなく、S-PALの1階にとっても小さいのが1店しかない。
メインの市街地は東口側。
東口から市街地
「十字屋」とあるのが、百貨店の十字屋山形店。元は全国に店があったそうだが、現在は山形だけで、福島の百貨店「中合」が運営。ダイエー系列で、オーパとも縁があるみたい。地元ならではの商品とトップバリュの飲み物が買えるかと、地下食品売り場に行ってみたけれど、期待外れだった。イオン銀行ATMはあり。
【2018年2月1日追記】十字屋山形店は、2018年1月31日で閉店。建物や跡地の活用は未定。

そういえば、昔はこの通りの少し先、山形交通のバスターミナルにダイエー山形店もあった。
調べると、2ブロック先の「山交ビル」に1972年に東北初のダイエーとして出店。(山形交通が関与したダイエー子会社があった関係で、その後山形県内に何店舗もできた。)2005年にダイエーが撤退し、現在は地元スーパーなどが入っている。


西口側は再開発されて「霞城セントラル」というワシントンホテルなどが入る複合ビルがある。秋田駅東口のアルヴェと同じ位置づけだけど、山形のほうが先にできている。
今回は時間がなくて行かれなかったけれど、24階が展望ロビー。アルヴェのケチくさい展望ロビーとは違って、本格的に市内を一望できたはず。

西口すぐのところ(信号を1つ渡る)にある、マックスバリュ山形駅西口店に行った。
運営はマックスバリュ東北(本社は秋田市、ルーツは山形)だけに、秋田のマックスバリュとそっくりな造りだったけれど、地元の餅や渦巻き形のパンを扱っていて(後日紹介)、十字屋で買い損ねた分を取り返せた。

秋田駅にも、東口のこの辺りにこんなスーパーがあってもいいのではないでしょうか。弘前駅には、佐藤長があるし(昔はそこがマックスバリュだった?)。


東口のペデストリアンデッキの下にあった郵便ポスト。
露出オーバーですみません
朱色の旧式で、投函口2つ・大型だから「郵便差出箱7号」。これはさらに頭の上に巨大な箱が載っかっている。
昭和末期頃に、頭にオブジェを載せたり、音が出たり光ったりするポストを設置するのが流行った。秋田市役所に以前あったポスト(郵トピア記念?)もそれかな。

山形駅のこのポストもその1つではあるのだろうけれど、この箱の役目は何だろう?
地面に垂直な箱型の正面以外の3面と、てっぺんの四角錐の面には、ソーラーパネルらしきものがはめられている。
残り、箱型のうち正面向きの面には、
地図?
「あなたの街の郵便局」らしき文字や、主要施設を示した地図らしき図が、薄れながらも判読できる。途切れ途切れで地図としては役に立たないけど。
薄れているのを別にしても、「あなたの街 郵便 」と文字が枠からはみ出ていて、もともとはどうなっていたのかも不思議。
地図を表示し、夜は照明が灯るってことだろうか。にしては大げさな装備。

ペデストリアンデッキがあるため雨はほとんど当たらず、サビや痛みは少なく、ポストとしてはまだまだ使えそうだけど、てっぺんの物体は既に無用の長物というか…
※ポストは、2022年9月時点でも、変わらず存在しているようだ。


霞城セントラルのほか、霞城公園、山形市郷土館(旧済生館本館)などには以前訪れた。市街地にはほかにも古い建物が残っているそうで、改めて行こうかとも思ったけれど、時間がなくて断念。
山形市で宿泊。格安のプランを取れたので、蔵王温泉へ
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新庄駅と周辺

2017-08-30 00:33:21 | 旅行記
東北小回り旅。まずは、山形県新庄市。
湯沢より先の奥羽本線に乗ったのは、15年ぶり【9月3日補足・それより後に、新庄駅へ陸羽西線経由で来たことはあったので、新庄駅は10年ぶりくらい?】くらいだったかもしれない。山形県に入ってから新庄まで(真室川などを通過)が思ったよりも長い。かつては特急が走っていたこの区間も今は普通列車だけ。もうちょっとなんとかできないのかね。

奥羽本線、陸羽西線、陸羽東線が乗り入れる新庄駅は1999年末の山形新幹線延伸時に、駅舎が新しくなった。
奥羽本線が分断された代わりに、すべてのホームに階段を使わずに行くことができるという、バリアフリーな構造になった。
特徴的なホームの構造はよく覚えていた。駅舎内は記憶になかったが、改札を出たらなんとなくこんな感じだったなと思い出した。

【9月3日追記】新庄駅での山形方面との乗り換えは、(新幹線優先であることもあり)待ち時間が長い。一方で、在来線3方面の乗り換えは、比較的短時間に設定されている。
直近で新庄へ来た時は、陸羽西線から陸羽東線の在来線どうしの乗り換えだったので待ち時間が短く、改札を出なかったはず。駅舎内や外を見るのは、だいぶ久しぶりだったはず。

改札を出て右側に、自由通路につながる階段【9月1日補足・改札前は2階まで吹き抜け】があって、1階右は観光案内所・物産販売などの施設「ゆめりあ」。規模や雰囲気としては、田沢湖線・秋田新幹線の田沢湖駅に似ている。
階段の上から。下左が改札口

改札口は自動化されていない。
新庄駅改札口
発車標は方面別にそれぞれ3行表示できるが、いずれも2行目で「本日も、JR東日本新庄駅をご利用いただきありがとうございます。」とスクロール表示していて律儀(?)。

山車が飾られていた
8月24~26日に開催される「新庄まつり」のもの。
秋田市の土崎港曳山まつりなどとともに「日本の山・鉾・屋台行事」としてユネスコ無形文化遺産に登録されて初めての開催である今年は、より盛り上がったようで、臨時列車も例年に増して運行された(秋田では初運行された)。

「ゆめりあ」の物産販売は、なかなかの品揃え。駅弁は昔は改札内(?)で山形駅の業者が販売していたが、今はないようで、物産店で地元惣菜店による弁当やおにぎりセットみたいなのが数種類売られていた。
コンビニは左側にNEWDAYS(秋田よりもオリジナル商品が充実。【9月1日追記】地方駅によくある規模のNEWDAYS。ちなみに山形駅は駅ビルの目立ない場所に小さいのが1店で、新庄のほうが大きい)、ちょっと離れたところにファミリーマートがある模様。10分ほど歩けば、地元スーパー・郷野目ストアとヨークベニマルがある。
新庄駅外観
駅舎と駅前広場の間が、ぐるりと仮囲いで囲まれていたものの、工事らしきものはされていなかった。新庄まつり直前でお休みしていたのかもしれない。
仮囲いのせいもあるのか、少々殺風景な駅前だった。


さて、新庄の街。乗り換えの1時間弱で、少し歩いてみた。
過去に来た時も歩いた記憶はあるのだが、具体的にどうだったかはほとんど記憶にない。
そういえば、こんな感じだったような…
お店はそれなりにあり、地方都市としてはそれなりといった感じ。まっすぐの通り左側を少し進めば、郵便局あり。
※商店街について少々続きあり。

左側の道へ入ってみた。
昭和38年10月竣工という「中央公園」
名前のわりには、いわゆる児童公園・街区公園。なお、駅の反対側には「最上中央公園(愛称・かむてん公園)」という大きい公園があるらしい。
一般的な遊具に混じって、奥にユニークな構造物。
鉛筆型のトイレでした

雨が降ってきたので、駅へ戻る。
そういえば、路線バスはあまり多く走っていなさそう。
新庄駅の乗り場も小さかったし、山形交通(山交バス)の車も1台しか見かけなかった。だけど、
ポールは3種類
左が山交バス。
中央が「しんじょう市営バス・かむてん号」用。「かむてん」とは伝説の天狗をモチーフにした、新庄市公式イメージキャラクター。山交バスの廃止代替として、10年前から白ナンバーのワゴン車で運行しているとのこと。
右は、越境運行している大蔵村村営バス用。肘折温泉への山交バスが今春廃止されており、その代替。山交バスの大型バスが狭い温泉街をたくみに走り抜けるのも、過去の風景になっていたのか。ちょうど村営バスが走っていて、無地の塗装のマイクロバスだった。

再び新庄駅へ。
標識と消火栓
「止まれ」が大小2枚。
秋田市のよりは太く、口が2つある消火栓の表示板には、何かのマーク。新庄市の花・アジサイと木・モミだそうで、マンホールにもデザインされていた。

補助標識「自主規制」
ロータリーを時計回り一方通行させるためのようで、出口側の進入禁止も「自主規制」。ロータリーは公道ではないせいで、目の前に交番もあるが、従わなくても違反として取り締まりはできないのだろう。だけど、皆さん守っていた。

続きはこちら
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夏の東北小回り

2017-08-28 20:02:53 | 旅行記
青春18きっぷ2回分で、小旅行。
4県をひと回りする奥羽本線(通称・南線~愛称・山形線)→仙山線→仙石線→東北本線→田沢湖線→奥羽本線(南線)、乗り換え駅名では秋田→新庄→山形(宿泊)蔵王→山形→仙台→本塩釜(徒歩)塩釜→小牛田→一ノ関→盛岡→大曲→秋田のルート。

いずれもこれまでに乗車した経験がある路線ではあったものの、10年以上ぶりなど久々に乗る区間がほとんど。
行程上、各地をじっくり見ることはできず、乗車している時間のほうが長く、しかもここまで普通列車に乗り続ける旅行も久しぶり。
どうなるかと少々心配だった(←自分で計画したクセに)けれど、新幹線に逃げる(通称新幹線ワープ)こともなく、計画通りのルートをたどることができた。
青春18きっぷや北海道&東日本パス利用者が大挙して乗りこむ列車にも当たらず、車内もおおむね快適。同じ東北地方でも、土地土地で風景が異なるのが改めて分かり、車窓も楽しめた。
鉄道の旅はいいものだし、自分は鉄道に乗るのが好きなんだと、改めて実感した。


今回、狙ったわけではないが、いろいろな車両に乗ることができた。
考えてみれば、JR東日本が東北地方で運行している普通列車用電車(本来の意味での“電車”。気動車などは除く)のうち、ほぼすべての形式・区分番台に乗車している。乗ってないのは、男鹿線EV-E801系、第3セクターから乗り入れる車両のほか、秋田と仙台の少数派701系100番台、それにE721系0番台くらい。
乗ったのは、秋田地区の701系0番台(秋田→新庄、大曲→秋田)のほかには、
701系5500番台(新庄→山形)
山形新幹線区間の普通列車用。701系後期版の広い線路幅版。オールロングシート。テールランプが目立たないので、すっきりした顔。
クハ700の床下では、ブレーキを緩解するときに「チー」とエアの音がした。他の番台では聞こえなかったはず。

719系5000番台(蔵王→山形)
同じく山形新幹線区間用。秋田に転属してきた719系の広い線路幅版で、座席は独特な集団見合い式。

E721系1000番台(山形→仙台)
701系の後継車E721系の最新版。719系の代替として2016年秋~今春にかけて導入された4両編成で、まだ新車の香りがした。

205系3100番台(仙台→本塩釜)
飛び地の直流電化路線である仙石線向けに、山手線・埼京線の205系を土崎工場で改造。座席が特殊な車両に当たった。

そして、まさかの
719系0番台(塩釜→小牛田)
仙台での定期運用がまだ残っているらしく、運良くそれに当たった。外観も車内も、5000番台と酷似。

701系1500番台(小牛田→一ノ関)
座席の布地が719系と同じなんだ。

701系1000番台(一ノ関→盛岡)
秋田の次に導入された、東北本線対応版の初期型(その後期型が1500番台)。
盛岡のは帯も座席も青紫色(岩手県花のキリの花がモチーフ)で、落ち着いていて好き。
乗車時間は長く(そのせいか冷房が効きすぎて少々寒かった)、さらにだんだん混雑してきて、少々退屈だったけど。

701系5000番台(盛岡→大曲)
線路幅の広い田沢湖線用。5500番台とは、一部機器やトイレのほか、ボックスシートもある点が異なる。
帯の色は、秋田地区のピンクと盛岡地区の青紫を合わせたということなんでしょう。
正面貫通扉に「N5008」と番号を表記しているのが、秋田支社ならでは。

特徴的な車両や風景については、後日また。※次の記事


7月下旬の大雨で、路盤や柱が流出して不通になった区間も通過。
羽後境-峰吉川間とのことだったが、峰吉川駅のすぐそば。向こうの道路は県道244号線か。もっと山奥かと思っていた。
行きに撮影。見えている線路が新幹線用。右が峰吉川駅方向
まだ工事が続いていて、徐行運転していた。
ほかの区間でも、木がなくなって山肌が露出した箇所が、小規模なものを数か所確認できた。

先週後半も大雨になり、大仙市で再び雄物川が氾濫したが、鉄道への物理的被害はなかった。
実は、旅行最後の田沢湖線と奥羽本線では、その大雨の影響で1時間以上遅れた。だけど無事に帰着できてよかったと秋田駅を出たとたん、土砂降りになって、びしょ濡れになったのはツラかった。


最後に、以前から気になっていた、市街地におけるセミの種類。
秋田市では昔からアブラゼミだけど、都市によっては他のセミと勢力争いが繰り広げられ、東北地方でもアブラゼミがほとんどいない町もあるという。今回、セミの声を聞くことができた駅での状況。
新庄駅はアブラゼミ。山形駅はミンミンゼミが優勢ながら、アブラゼミもけっこう聞こえた(ちなみに山形市の蔵王温泉ではミンミンゼミ)。一ノ関駅はミンミンゼミ。
ミンミンゼミなんて、秋田市では聞いたことがない。(迷いこんだらしきセミが鳴いているのは1度だけ聞いた)
ミンミンゼミは森林を好むセミながら、東日本太平洋側では都市部にもいるとのことだったが、実感できた。
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静岡の横断歩道

2017-05-18 00:07:16 | 旅行記
ちょこちょことアップしている、3月の静岡旅行記。※前回の記事
以前から感じていたが、静岡県、静岡県民について感心していることがある。
それは、信号のない横断歩道における、ドライバーの歩行者保護(歩行者優先)が、かなり徹底されていること。

法律ではそれが当然ではあるのだけど、昨年の日本自動車連盟(JAF)の全都道府県での実地調査によれば、歩行者がいる横断歩道で停まった車は、全国でわずか7.6%だったという。
JAFの調査では、都道府県別の数値は発表していない(発表したのはドライバーへのアンケート調査)が、停車率が最高だった県だけは公表していて、41%の長野県だったとのこと。
今回、静岡では少なく見積もっても過半数が停まっていたと感じられた。

法律で決まっていたとしても、停まったことで追突されたり、反対側車線の車が停まらない状態で横断させてはかえって危険だったりして、停まりたくても停まらないほうがいい場合もあるだろう。
時間や天候などの条件もあるが、JAFの調査では夜間や悪天候時は調査対象外としており、この点はある程度考慮されていると思われる。
だけど、車は、横断歩道では歩行者を先に渡らせるのが大原則。

静岡県三島市の伊豆箱根鉄道三島広小路駅前の三嶋大社前から続く道路、県道22号線。
(再掲)
さほど速度は出ていないものの両方向とも断続的に車が流れる状態。
それでも、横断歩道に歩行者が立つと、ほぼすべての車が両方向ともぴたりと停まり、横断させていた。それが当然のように何度も繰り返されていた。

三島市の北、裾野市~御殿場市辺りの片側1車線の県道21号線も、車は比較的速度が出ていたが、同様。


我が秋田県。
秋田県警察本部は数年前から「(横断者と運転者が)手で合図し合う運動」、加えて今年辺りからは「秋田の道路は歩行者ファースト」を推進している。
それによってほんの多少は改善されたとはいえ、まだまだまだまだ不十分。

住宅街の道をたった1台だけ車が制限速度内で走って来て、そこの横断歩道で子どもが渡ろうと立っていても、なんのためらいもなく(?)停まらない車が珍しくないのが実情。
ほんの数秒間、ブレーキを踏めば済むことで、時間や燃料のロスなどほぼないはず。
そういう運転者は、まさか法律を知らないのか、よほど視野もしくは心が狭いのか…
交通量がある道ならともかく、閑散とした住宅街でもこんなことでは恥ずかしい。秋田県警察本部は、もっと厳しく指導取り締まりを行うべきだ。
一方で、車が多い道で横断歩道でないところを渡るなど、危険な歩行者も見受けられ、その教育も必要。

秋田(や青森も似たような状況)と静岡で違うのは、積雪地かどうか。雪が積もっていれば横断歩道の存在が分かりにくいし、むやみに停まればスリップするかもしれない。その意味では秋田は分が悪いけれど。
静岡がこういう状況なのは、県民性なのか、静岡県警察本部が何か特別なことをやっている(過去にやった)のか(だったらぜひ秋田県など他県へ伝授するべき)。
【18日追記】一般人から県警職員、さらに県警本部長(は警察庁から来ているので知っているかもしれないけど)や県知事まで、秋田県民の多くに、静岡の状況を見てもらい、秋田の実情と比べてもらいたいものである。


話がそれますが、秋田県や青森県では、夕方から夜にかけての歩行者の交通事故防止のため、近年、歩行者への反射材着用を勧めている。車がライト点灯してくれていれば、一定の効果はあると感じるが、使わない人がまだ多い。
路線バスの放送広告で知ったのだけど、静岡県では「自発光式反射材」を勧めていた(2012年からとのこと)。自発光式反射材とは初めて聞いたし、矛盾するような名前。その名の通り、LEDなどを内蔵して自ら光る機能を付加した反射材。
値段は高そう(静岡県警などでは100円ショップでも売っていると告知しているけど、そうなの?)だけど、効果はより高いだろう。【18日追記】今後は自発光式が主流になっていくのだとすれば、秋田県は遅れを取っていることになる。


ところで、
沼津市の道路
車道に縦長のひし形がペイント(道路標示)されている意味はご存知だろうか。
「この先に、信号機のない横断歩道(または自転車横断帯)がある」ことを知らせるもの。まさに上記の歩行者優先に直結するもの。
ひし形を2つ前後に並べるのが原則なのだが、最近の秋田県警はそれを無視(?)して、ひし形1つで手前に「横断者注意」と文字を標示したり、ひし形1つで済ませてしまったりしている。

それはともかく、静岡のひし形は、秋田のひし形とは違う。
何度も静岡県に来ているけれど、初めて気づいた。昔からこうだったっけ?
秋田県のひし形
静岡のは線が細く、かつひし形の線がつながっておらず、上下で1か所ずつ途切れてすき間が空いている。
秋田県では線が太めで、切れ目なく1本でつながっている。

全国的には、秋田のような線が閉じているのが標準のようだが、静岡など一部では開いたひし形が採用されているようだ。
すき間があるのは、線で囲まれた中に水が溜まってスリップなどしないよう、逃げ道を開けているのだと思われる。横断歩道の線に昔は縦線があったのがなくなったのも、同じ理由。
静岡では、上下とも車から見て左側に切れ目が入っているが、どこの都道府県かは不明だが、静岡とは切れ目の位置が違う(下は右側が切れているなど)ところもある模様。
【18日追記】Wikipediaによれば、線の太さ(幅)は、秋田県など多くは標準の30センチ、静岡などいくつかは20センチ、佐賀県は15センチとのこと。

法律は全国同じでも、各都道府県警察本部ごとに内部規定や方針があったり、単なる気まぐれだったりで、違うことがけっこうあるのだ。


最後に、富士宮市の富士宮駅と富士山本宮浅間大社の道中の県道76号線。

2010年に紹介した、押ボタン式信号のトラの顔の押しボタン箱は、実はここのもの【19日補足・近くに小学校がある】。変わらず設置されていて再会できた。
(再掲)2010年

7年前より傷が増えて、風格が出た?
以前はこれが「トラちゃんボタン」という名前であることを現地で知った記憶があるけれど、今はどこにもそんなこと書いてない?
上の白い板
ボタン上部の縦長の板に「トラちゃんボタンをおしてね」と表示されていたのは、すっかり薄れてしまっていた。

でも、やっぱりボタンが引っこんでいて押しづらそう。
ここにこそ、秋田県で導入が進んでいるタッチ式ボタンが向いているかも。

※旅行記の続き(お土産カテゴリー)はこちら
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静岡のバス2017

2017-04-18 23:55:35 | 旅行記
断片的ですが、静岡旅行記。前回の三島の植物に続き、路線バスの話題。

静岡県東部では、富士急、西武系列の伊豆箱根バス、小田急系列の東海自動車の3グループ(実際の運行はさらに分社化されているものも)が路線バスを運行している。※過去の記事
そのうち、東海自動車(東海バス)。
左が一般塗装、右はラッピング広告?
2台とも回送車だけど、LED行き先表示が「おかげさまで100周年/回送中」となっている。

長野などでは回送であることを謝罪する表示を出す会社があるけれど、こういう使い方もある。
側窓が引違いのいすゞLVキュービック
側面の表示は「おかげさまで100周年/東←海←バ←ス」(矢印は消せないので)。


静岡県中部・静岡市清水区へ飛んで、しずてつジャストライン。
2014年に乗った時などと変わらず、運転士による声を出しての安全確認、アイドリングストップ時に静寂をまぎらわす(?)音楽放送(関連記事)を実施。

清水では、いすゞエルガまたは同設計の日野ブルーリボンが圧倒的に多く、今回はそのちょっと古めの車に乗った。車高調整機能が不調気味だった模様(運転席に注意書きが貼ってあった。【20日補足】秋田のバスでも明示はないものの、調子が悪そうな車は複数ある)。
最近のバスでは、降車合図ボタンを押したの時のチャイム音が、柔らかい電子音というかメロディーに近いようなものが普通だと思っていたら、その車は、昔ながらの(=金属板を物理的にたたいて音を出す)2点チャイムの「ピンポン」だった。古めの車だからなのか、しずてつジャストラインでは今もそうなのか。
【20日追記】秋田のバスでは、車内放送のテープから音声合成への切り替え時に、古い車両の2点チャイムも電子チャイムに交換されたようで、現在ではおそらく昔ながらのチャイムは聞くことができなくなったはず。しずてつジャストラインでは、機器のメーカーとか接続方式が違うのだろう。そんなわけで、懐かしい音を清水で久々に聞くことができた。
【5月3日訂正】秋田のバスでは、古い車では実際にたたく方式の2点チャイムのままで使われ続けている。ある時期より後に導入された車両では電子チャイムが採用され、その数が増えているということになる。

日本バス協会などによる車内事故防止のための周知が、席を立つのは「バスが停まってから」から「ドアが開いてから」に変わりつつあるのだが、以前の赤紫のシールと新しい宝くじがスポンサーのシールが、上下に並んで貼られていた。
実は、秋田でも、まったく同じ状態の車両がある。やっぱり前降りの地方では、あまり意味がない変更のような気がする。


あまり多くない、中型バス。



いすゞのジャーニーKとかLRと呼ばれる、1999年まで製造されていた古い車種。
秋田では今もそれなりに走っているけれど、数は減っている。
清水では、短時間で上の2台を見かけた。乗車ドアが車両(中央部ではなく)後部にある独特の仕様だから、中古ではなく自社で新車購入した車か。
以前、別の外観(富士重工が組み立てたいすゞ車。上の2014年の記事参照)の古い中型バスを見たが、それとナンバーが100番ほどの違い。
富士重工ボディでは、非常口のドア【19日訂正】窓が開閉できるという珍仕様だったが、この車は未確認。
この車は、ドアに「自動扉」と表示があったり(義務付けられていたのは1988年頃まで)、「ISUZU」ロゴが前ドア上になく後部にあったりして、ちょっと珍しい。【19日追記】この年代の車で、後ろのドアが引き戸でなく折り戸なのも珍しいかも。秋田にある関西から来た中古の日野の後ろドア車では、引き戸になっている。

上の写真から、さらに2点。

清水駅行きの行き先表示の右に、以前はなかった電車のピクトグラムが表示されている。
しずてつジャストラインでは、2016年3月27日から、JRと静岡鉄道の駅、通院利用の多い病院、静岡空港、中部運転免許センターを経由または終点とするバスに、「アイコン」を表示しているという。

まあ、親切といえば親切だけど…
駅の場合は、紛らわしいかもしれない。
例えば、三保の松原方面と清水駅方面を結ぶ路線では、静岡鉄道新清水駅、JR清水駅、JR興津駅と3つの駅を通る。3駅ともピクトグラムの表示対象。
だけど、新清水駅と清水駅では、電車に乗り換えて行くことができる場所は違うわけで、不慣れな人にはピクトグラムではそれを区別できない。
【19日追記】病院だって、初診患者が乗ったとしても、病院ならどこでもいいわけでなく診療科目とかいろいろあるだろう。再診患者や見舞いに行く人ならなおさら。ほとんど意味がないピクトグラムのような…


そして、側窓とリアウインドウに、オレンジ色の丸いシールが貼られている。以前はなかった。
「にしくぼ」「しずてつ」とサッカーボールを蹴るキャラクター
しずてつジャストラインでは、車両の所属営業所ごとに異なる動物のキャラクターを描いたステッカーを貼って、識別できるようにしていた。仙台市営バスの干支と同じようなもの。
清水の西久保営業所では、以前はパンダだったのだけど、いつの間にか変わっていた。
以前は笹を持ったパンダ
新しいキャラクターは、清水エスパルスのマスコット「パルちゃん」。
以前、パンダだった由来は不明だけど、これなら由来は分かりやすい。

訪れた時は、パンダからパルちゃんに変わって間もない頃だったようだ。
西久保営業所は、今年3月22日に移転(営業開始は26日)しており、それと同時にキャラクターの引き継ぎが行われていた。(訪れたのは移転の1週間前)
営業所移転は、地震発生時の影響(要は津波ってこと?)を軽減するためだそうで、東海道本線の近くから、内陸の東海道新幹線近くへ移転したようだ。所在地としては西久保ではなくなるが、引き続き西久保営業所を名乗るということらしい。

【24日追記】上記、興津方面-清水駅-三保方面の路線は「三保山の手線」。以前は、清水駅を越えて、興津方面と三保方面を通しで運行する便が多く、一部が清水駅-三保の区間運行だったはず。現在は、清水駅-興津方面がかなり減便されており、通しの便は平日の朝夕だけになってしまっていた。残りは清水駅-興津方面の区間運行(それでも三保山の手線と呼ぶらしい)。
しかも興津方面の本数は1時間に1本程度。昔はもっとあったはず。地方都市の路線バスは、どこも厳しい状況なのだろう。

旅行記の続き

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始発こまちの旅

2017-03-20 23:39:14 | 旅行記
先週後半、秋田新幹線で東京へ。秋田新幹線は22日で開業20年
上りの始発列車である、秋田6時08分発「こまち6号」を利用。
「Treasureland TOHOKU-JAPAN」は1年前から掲出されている訪日外国人向け観光ロゴマーク
空が明るくなり始めた【21日補足・日の出の時刻を過ぎてはいる】ものの、小雨の秋田市。

秋田市郊外の田んぼでは積雪は消えて地面が見えていたが、内陸部へ入ると、田んぼはまだ雪に覆われていた。
大曲-角館間
その田んぼは、全体に霞んでいた。
雪が降っているかと思ったがそうではなく、田んぼから霧が出ているらしく、雪融け時期によく見られる現象だそう。
角館手前の桧木内川付近。向こうの山のてっぺん部分に霧がかかっている

田沢湖を過ぎると、霧は晴れた。田んぼがなくなったせい?
国道46号線沿い
低い山の斜面では、木々の根本部分から円形に雪が融ける“雪根開き(関連記事)”により、ぽつぽつと地面が見える。
当ブログ定番の地点。路面も雪はなし(2010年2月

車窓からも春が近いことが分かるなと思いながら、岩手県境にさしかかると、
新しく雪が積もっている!
クリスマスツリーのように、木々は真っ白。冬景色になった。

盛岡市が近づくとさすがに雪は減ったものの、以降、岩手、宮城、福島とほぼずっと雪がうっすらと積もっていた。仙台も雪が降っていた。
那須塩原でやっと雪がなくなった。

この上りこまちの始発は、角館、田沢湖、上野を通過する速達列車。
過去のダイヤで2号だった頃からそう(初期は大宮も通過していたはず【21日追記】2009年春までは通過)で、TBS「さんまのSUPERからくりTV(2014年終了)」の替え歌選手権コーナーにおいて、狩人の2人の仲が悪いことを題材にした「あずさ2号」の替え歌、「こまち2号」で「♪6時2分の『こまち2号』は あなたが住んでる最寄り駅 通過します」と歌われた。

僕はこれまで、この始発こまちに乗ったことは、20年間で1~2度しかない。避けていた。
理由は、そこまで早起きして急ぐ旅ではなかったこともあるが、始発かつ速達列車ということで、利用者が多く、混雑するイメージがあったから。
続行して運行される臨時列車(最近はあまり設定されないが、かつては週末などによく走っていた)に、あえて乗ったこともあった。
一方で、利用が多くなさそうな時間帯の列車利用を条件に、料金が安いパックツアーでは、この始発列車も対象とされており、実はさほど混まないのかもと思っていた。

今回は、平日ということもあったのか、混雑していなかった。2人掛けの2席とも空席という座席がちらほら。
大曲で乗って盛岡で降りる人はやや多い印象を受けたが、秋田や大曲から乗って仙台で降りる人はあまり多くなかった。
また、他の時間帯のこまちでは秋田-仙台間よりも、仙台-東京の間だけで利用するビジネスマンのほうが多くて同区間で混雑する傾向もあるが、今回は仙台駅から乗りこんでくる人もほとんどいなかった。
これらは、仙台着8時15分なので、秋田から仙台へ用足しに行く人には若干早すぎ、東京着9時47分では、仙台から東京へ朝イチで向かう人には、若干遅いということなのかもしれない。結果的に秋田から東京へ行く人向けの列車になっているようだ(だから三連休などの初日は混雑しそう)。


車掌は盛岡新幹線運輸区の担当(少なくとも盛岡まで。盛岡以降は不明)。
特急「たざわ」時代から、盛岡の車掌が乗務することはあったが、始発がそうだとは知らなかった。
上記のような天候だったため、盛岡駅では恒例の「車体(の足回り)に付いた雪を落とす作業」が行われ、停車中の床下でゴンゴンと音がした。それにより1分遅れで発車するも、仙台までに回復。

車内販売のスジャータのアイスクリームが、いつの間にか260円から280円に値上がりしていた。市中店舗のハーゲンダッツなんかも同じくらい上がっているから、仕方ないね。【21日追記】過去の記事や記録を見たら、2013年9月では260円、2014年8月の時点で270円に値上がり、昨2016年5月の時点で既に280円になっていた。

E6系普通車の座席前のテーブルは、耐重量が5キロと表示されている。今回、東海道新幹線のN700系にも乗ったのだけど、そちらは10キロとなっていた。
両者のテーブルの見た目は、さほど違わないけれど、そう言われてみれば、N700系のほうが頑丈そうに見えなくもないけど、倍も違うようには見えない。


今回は、東京でちょっとした用があったのだけど、相変わらず人が多くてウンザリ。以前よりも人が増えたような気がしなくもない。参った。
東京の話題はアップしませんが、東京から足を伸ばした先について、続きます
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きっぷの経由とアンケート

2017-02-06 23:56:21 | 旅行記
JRのきっぷの小ネタ2つ。

秋田駅発藤崎駅行き乗車券
五能線の藤崎駅までの乗車券。1年ちょっと前に秋田駅の指定席券売機で購入したもの。

券面の経由表記に注目。「奥羽・藤崎」とある。
意味不明。
そもそも「藤崎行き」の乗車券において、その目的地である「藤崎」を経由地にするってのが、おかしい。
それに、路線図を見れば分かるように、五能線は両端(東能代と川部)が奥羽本線と接続しているので(【8日追記】かつ途中で他のJR路線とは接続しないので)、五能線外の駅から、五能線内のどの駅へ行く場合も、必ず奥羽本線を通らないとたどり着けないから、「奥羽」もあまり意味がない。
東能代と川部のうち、「どちら側から五能線に入るか」を記載しないとならないのに。
この時の乗車券は、大館、弘前と奥羽本線を進んで、川部から五能線に入るルートだったから、「奥羽・川部」などとするべきだ。

これでは、券面を見ただけでは、東能代から五能線に入る乗車券と区別できず、車内や改札口で手間取りかねない。
きっぷの経由地の表記というものは、わりと自由度というかいい加減なことがある【7日補足・今回は券売機での発券だから、駅員が都度手入力したわけではない】。客には落ち度はないのに疑いをかけられるようなことがないように、配慮願いたいものである。

なお、磁気データでは、ちゃんと経路が識別できるようになっているようで、弘前駅の自動改札機では難なく途中下車できた。

【7日追記・いちおう原因は分かった】藤崎は、川部の隣の駅だった。乗車券の経由では、接続・分岐駅ではなく、その1つ隣の「その路線に入って最初の駅名」を表記することもある。今回の表記は、そのやり方を踏襲と言うか、機械的に当てはめてしまったことになりそう。
だから、JR社員は見て理解できるのかもしれないが、乗客としては戸惑う。藤崎発着奥羽本線上り方面に限っては「川部」としたほうが適切だと思う。あるいは奥羽本線で1つ秋田寄りの「撫牛子」にするとか。今のお利口なコンピューターなら、その程度の使い分けはできそうだけど。
これにならえば、反対側の接続駅である東能代の1つ隣、能代駅までの乗車券では、「奥羽・能代」と経由されることになるが、実際はいかがでしょうか。



特別企画乗車券、いわゆる「おトクなきっぷ」を買うと、きっぷ本体のほかに何枚か出てくることがある。きっぷじゃないのにきっぷと同じ厚紙なので、かさばるし処理に困る。
それには「ご案内」のほか、「アンケート」が含まれる場合がある。

アンケートは20年近く前、JR東日本のきっぷで初めて遭遇した。
当初は、「抽選で○名様にオレンジカードを差し上げます」とか景品が付いて、氏名と電話番号を記入する欄があった。
現在は、経費節減か個人情報保護か知らないけれど、景品も連絡先欄もなくなった。

何ももらえないし、駅改札口へ提出しないといけないから、回収率は低そうな気もするけれど、僕は安く旅行させてもらったのだし、今後の発売継続も願って、できるだけ回答している。
回答内容によっては、「こんなに使われちゃ、もうからない」と、発売中止につながっちゃうかもしれないけれど。

昨年買って使ったきっぷで、長野支社と秋田支社のアンケートを比較。
信州特急料金回数券」のアンケート

津軽フリーパス」のアンケート
この2つに限らず、「旅行目的」「このきっぷがなかったら、今回の旅行はどうしていたか」、フリータイプでは「利用した区間」は定番の質問。

長野と秋田では、細かな言い回しや選択肢の数字が丸囲みかどうかといった違いはある。
長野では「JR東日本の駅改札口へお渡しください。」。長野では、すぐ隣がJR東海エリアだから、そっちに渡されても困るからか。
秋田は「最寄りのJR駅改札口へ」。JR北海道あるいは東日本盛岡支社の改札へ出したら、どうなるのだろう。

利用者の住所を尋ねる項目。
信州特急料金回数券では、「市町村」を記入する。長野県民が利用することを想定しているようだ。仕方ないから「秋田(市)」と書いた。
津軽フリーパスでは、「どちらにお住まいですか」の選択肢が、「秋田県内、東北、関東、その他の地域」だけで、地元「青森県内」がないのが不思議。
今回のきっぷは秋田駅で購入した。もしかしたら、発券する駅に応じて、選択肢を変えているのかもしれない。青森県内で買えば「青森県内」とか、あるいはより細かく「津軽、青森県南」とか印字されるのかも。

回答する時に少々困るのが、記入しづらいこと。
表面がツルツルの厚紙にびっしりと文字があるから。油性ボールペンでもいいけれど、個人的には極細の油性サインペン(サクラマイネーム)がおすすめ。
それを使っても困難なのが、津軽フリーパスの最後の質問、各社ごとの利用区間の欄。
全部「(  ~  )」しかないから、長い駅・バス停名や2区間以上乗った場合は書き切れない。弘前城址へ行って「弘前バスターミナル~市役所前・公園入口」とマジメに書きたい場合など、米粒に文字を書ける人以外は困ったことになる(略したり、カッコの外の余白を使ったりすればなんとかなるけどね)。


ホームページのURLかQRコードでも印刷して、ネット上でアンケート回答することもできそうな時代(近年の東日本全域のフリーきっぷでは、そういうのがあったはず)だけど、こういう手法でないと集まらない意見があるということなんだろうか。
コメント (2)
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松本駅前にて

2016-09-25 23:59:21 | 旅行記
信州旅行記の残り。※前回の記事
松本市には、何度か訪れたことがあった。いい街だから、今回も久々に松本市街地や松本城に行きたかったけれど、時間が工面できず、乗り換えの待ち時間で駅前広場に出ただけ。

以前訪れたのは10年弱前。当時は新しい橋上駅舎になっていたが、駅前広場(お城口側)はまだ古いものだったはず。
今回降りると、駅舎には見覚えがあったが、広場は見たことがない風景に変わっていた。
松本駅。右の駅ビルは旧駅舎当時のまま?


広々としていて開放的な広場の一角に、
湧き水?
ひしゃくが置いてあって飲めるようになっている。水質検査済み。
「平成の水百選」に選ばれた「深志の湧水」
英語では「Well」とあるのは「井戸」の意味らしい。「Spring」じゃないのは、微妙なニュアンスの違い?

イメージになかったけれど、松本は市街地に湧水や井戸が多いのだそう。三島とか弘前もそんな街だけど、こんな駅前に水が湧くのは珍しい。
ほかには、愛媛県の伊予西条では駅のホームに「うちぬき」という自噴水がある。


松本市中心部には「タウンスニーカー」という“周遊バス”が走っている。
料金は150円または200円。運行主体はアルピコ交通で、松本市が経費の一部を補助している形。
タウンスニーカー用日野ポンチョ2台
2台のうち右の車は、いかにも周遊バスらしい塗装。「アルプちゃん号」だそうで、松本市のマスコットキャラクターと、「花いっぱい運動発祥の地」にちなんだデザイン。

そして左の赤い水玉塗装といえば、これはもう。

草間彌生さんのデザインなのは一目瞭然。
展覧会でもやっていて、それに連動した(秋田市の場合)のかと思っていたが、帰ってから調べるとそうではなかった。

草間さんは松本の出身なのだった。駅近くが生家だとか。
このバスは「水玉乱舞号」。ナンバープレートは「841(やよい)」。
アルピコ交通の高速バスにも、別デザインの車両があるとのこと。


残念ながら松本市の話題はこれだけ。
いつかまた訪れたい。松本市役所のてっぺんに小さな「展望室(平日のみ開放)」というのがあって、松本城を間近に見られるそうだ。そんなあたりを。

ところで、gooブログには「ジャンル」というのがあって、必ず1つを選択してアップしなければならない。
そのジャンルの1つに「松本市ブログ」というのが設定されている。市町村がジャンル名になるのは唯一で、都道府県ごとの「地域」とは別の「特集」という区分けに入っている。

たしか、何年か前に、松本市とgoo(NTTレゾナント)が提携だか協定だかを結んだのがきっかけ。2013年には「松本市民向けの”健康づくり支援を目的とした”ブログ講座」が開催されたようだ。
その後、現在では、「松本市ブログ」ジャンルにおいて活発な投稿が行われているとは言い難い状況。ホームページにもあまり情報がないので提携が立ち消えつつあるのか、あるいはブログというネットサービスそのものが衰退傾向なことを示しているのかもしれない。
【26日追記】「健康づくり支援を目的とした」とは、例えばウオーキングの記録にブログを使うといったことらしい。そんなことを踏まえれば、「松本市ブログ」は、健康づくりを目的とした松本市民がアップする記事に設定するジャンルなのかもしれない。当記事はあえて松本市ブログジャンルに設定してみたけれど、このようなよそ者の旅行記は“目的外”になるのでしょう。

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十日町から長岡

2016-08-30 23:20:56 | 旅行記
おいこっとで十日町駅に到着した続き。
新潟県十日町市も、豪雪で有名な街。人口5万4千人。
十日町駅は、東口と西口がある。JR飯山線も北越急行ほくほく線もどちらからも出入りできるが、昔からある東口がJR東日本管理、西口が北越急行管理。西口には観光案内所が入っているが、古くからの街側は東口。
訪問時はそんなことは知らなくて、近くの改札から出たら、西口に出てしまった。
高架のほくほく線は新幹線のよう

東口は旧国鉄らしい駅舎


東口側の駅前商店街は、アーケードが続く。その裏には、こみいった路地。地方の小さな市らしい光景。商店街は昨今の状況と街の規模にしては、なかなか健闘しているほうだろう。
ここにも横型LED歩行者用信号機があった。車両用は電球式

ちょっと分かりにくい位置だけど、東口から徒歩圏内にスーパーと温泉付き道の駅もあり、待ち時間がもっと長くてもつぶせそう。
47分ではざっと歩くことしかできず、改札内へ。
乗るのは十日町始発の12時35分発越後川口行き。
普通列車用キハ110系
今度はキハ110形の1両編成、いわゆる「単行」。ワンマン運転。
車番は「キハ110-234」。おいこっとの2両の1つ前の製造番号というわけで、これも元「秋田リレー号」だった元「キハ110-312」。
車内
車内は他路線でもおなじみのごく普通のキハ110系。ただし、天井の蛍光灯にカバーがかかっているのが、JR東日本の普通列車にしては珍しいと思ったら、キハ110系でもむき出しが通常だった。
おそらく秋田リレー号時代のものがそのまま残っているのだろう。数少ない名残。(おいこっとでは、柄入りで形状が違うカバーだった。前回記事最初の写真参照)
トイレは、外から中へ押すドアで、和式。(おいこっとでは、改造時に引き戸の洋式に変更)
(再掲)おいこっとの車内
比べてみれば、改造前後で同じ形式だったのはよく分かる。色やちょっとした装飾程度の違い。最低限で上手に改造したということか。

8時22分発の次がこの列車なので、4時間ぶりの下り列車。
どのくらいの乗車率かと不安だったけど、各ボックスに1組ずつ程度の適度な乗車率。ぜいたくにも、4人がけボックスを独占できてしまった。
おいこっとから乗り継いだような人がちらほら、あとは買い物や部活動の帰りのような地元の人。静かすぎず、うるさくなく、穏やかな雰囲気の車内。
越後川口までは途中駅4つ、所要時間27分。途中駅での乗り降りはあまり多くなかった。

JR東日本エリアの地方路線では、2両編成は多いけれど1両の単行列車はそれほど多くない。最近では津軽線のキハ40以来の乗車で、キハ110系では初体験かもしれない。
線路のつなぎ目で聞こえるジョイント音は、隣の車両からの音がない分、単調。聞き慣れたのと違うリズムで、ちょっと戸惑った。

車窓左側に変わり、線路から離れたところを流れていた信濃川も、所々でまた線路に寄ってくる。
越後岩沢-内ケ巻間。若干下流っぽい姿になった?
車窓は、信濃川のほかはコシヒカリが穫れるであろう田んぼが見える程度だけど、この区間もまた、どこか良かった。

飯山線全区間乗車を果たして、越後川口到着。
おいこっと区間も、十日町-越後川口も、のんびりとしたいい路線だった。
いつかまた乗ってみたい。雪が積もった時に、どこかで途中下車して温泉に泊まったりして…


越後川口では、上越線下り普通列車に乗り換え。そのまま信越本線に入って長岡まで、24分の乗車。
越後川口駅は、あまり大きな駅ではなかった。
駅はカーブの途中の高低差のある場所。改札口は階段の下にあるようで、ホームからは見えない。
時間がないので上越線ホームへそのまま移動。飯山線に乗っていた人もほとんどが乗り継いだ模様。
上越線ホームから。右が飯山線ホーム、その一段下が駅舎

新潟地区の上越線・信越本線は、国鉄時代から115系電車が使われていたが、2014年から新型車両が投入されている。
E129系電車
首都圏のE233系のローカル版、仙台のE721系の直流電源版という位置づけの車両。E721系をのっぺりさせたお顔。
造りや乗り心地もそんな感じ。いきなり車内に連れてこられて「これは何系だ?」と問われても、僕は区別できない。
一部がボックスシート。車内のドア上は、場所によってLED表示器と液晶ディスプレイが混在しているのが独特。
自動放送も首都圏・仙台と同じ。上越線と信越本線の接続駅「宮内(みやうち)」のアクセントが、日本語・英語とも、予想していたのと違うものだった。
【31日追記】宮内から越後川口は、以前「あけぼの」で暗い時間に1度通っただけの区間。車内の乗車率は高く、ロングシートに座ることになり、じっくり車窓を見られなかったせいか、あまり印象がないまま長岡に到着。でも、十日町-越後川口-長岡と、所要時間のわりには、退屈はしなかった。


長岡から新幹線、新潟で「いなほ」に乗り継いで、無事秋田へ帰着。今回もいい旅でした。
長らく続いた信州旅行記は、とりあえずここまで。取りこぼしたネタはいずれまた

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おいこっと2

2016-08-28 23:40:02 | 旅行記
JR飯山線の観光列車「おいこっと」で、長野から新潟県十日町へ向かう道中の続き
飯山を出て15分ほどで、戸狩野沢温泉(とがりのざわおんせん)駅。
定期列車では、長野方面・十日町方面とも、この駅を始発・終着駅とするものが多い。おいこっとは1分停車。
戸狩温泉と野沢温泉という2つの温泉の最寄り駅であることを示すため、1987年に戸狩駅から改称されたそうだ。この頃は、○○温泉駅に解消するのが流行った。
両温泉とも、駅から徒歩で行くには遠い距離らしく、北陸新幹線開業後は飯山線を最寄り駅とすべく、バスが運行されるなどしているとのこと。


前後するが飯山駅では、大きなウッドベースなど楽器をかついだ3人と、はっぴを着た人が乗りこんできた。どちらも沿線の中野市の人たち。
中野市は、千曲川の両岸にまたがり、長野電鉄の「信州中野」駅は飯山駅の対岸。そちらのほうが街としてもアクセスとしてもメインかな。
はっぴの人はバラ園などの観光パンフレットを配布。楽器の3人は最前部(運転席とロングシートの間)で、演奏と歌を始めた。

後ろの車両では、BGMとしていいあんばいに音が聞こえてくるけど、前の車両のいちばん前のロングシートのお客さんには、距離が近すぎそう…


車内販売で、前から食べてみたかったものを購入。
桔梗信玄餅アイス オリジナル 290円
山梨銘菓で有名な、桔梗屋の信玄餅のアイス版。
車内販売では、NRE松本列車営業支店のみが扱うそうで、「あずさ」など中央本線の特急やこのおいこっとが貴重な購入機会。リゾートビューふるさとでは扱っているか分からなかったが、今回はメニューに明記してあるので躊躇なく注文できた。
ちなみに、山梨近辺では直営店やスーパーでも買え、餅が多い「プレミアム」もある。

アイスがきなこ味で、中央に黒蜜、内部に餅が少し入っている。アイスの種類別としては「アイスミルク」。
信玄餅というか、きなこ&黒蜜味のアイスとしては、とてもおいしい。
ハーゲンダッツで和風の「ジャポネ」シリーズってのがあり、食べたことはないけど、負けないかも。
【2017年3月1日追記】2017年2月には桔梗屋が監修した赤城乳業「ガリガリ君リッチ 黒みつきなこもち」が発売された。ラクトアイス100ml、税抜き130円。
ちゃんと「もち菓子」「黒みつソース」「きなこアイス」「きなこかき氷」からなり、再現性は高い(かき氷なので少しシャリシャリするけど)。餅の割合は、カップアイスより多そう。ただし、バーアイスなので、餅が上部、蜜が中央部以下と分かれており、同時に食べるのは難しい。

少し暑い日に涼しげな千曲川をBGM付きで眺めながら、和風の車内で和風のアイスを食べるのも乙なもの。
のどかな風景が続く
窓の外では引き続き、千曲川がとうとうと流れ、おいこっとは、それに沿って淡々と走り続ける。
今にして思えば、寝ていたわけではないのに、車窓の写真も撮っていないし、特別に印象に残るような風景もなかったけれど、とてもいい時間だった記憶はある。なんとなくいい路線・車窓。


戸狩温泉温泉から30分走り続け(途中謎の運転停車はあり。信号関係の都合かと推測)、11時02分森宮野原(もりみやのはら)駅に停車。中野市のみなさんはここで下車。
10分停車なので、列車の外へ。
のどかな駅
森宮野原とはどんな場所か想像がつかなかったが、東日本大震災の翌日に大きな地震があった、長野県北端の栄村にある。
駅では1945年2月12日に7.85メートルの積雪を観測し、旧国鉄~JRの日本最高積雪記録となっている。その高さを示す標柱(てっぺん付近の線の位置が7.85メートルなのでしょう)が立つ。

トマト産地で「トマトの国」という温泉施設があり、おいこっと乗車とそこでの昼食と入浴がセットになった旅行商品があるそうで、ワゴンタクシーが迎えに来ていた。

駅舎には、小さな産直風のお店があって、トマトは売られていた。駅から少し歩けば道の駅もある(ソフトクリームが評判)けれど、10分では厳しい。
せっかく、ある程度の停車時間があるんだから、ホームや駅前に出店を出すとかすればいいのに。売れると思います。
駅前の眺め

超豪雪仕様(?)の消火栓
秋田や青森の3倍の高さ。しかもピカピカ。

森宮野原駅までがJR東日本長野支社管轄。新潟支社管内へ進む。
すぐに、長野県から新潟県に入り、川の流れは同じながら千曲川は信濃川になる。川はほんとうになんの違いもなかった。国道も険しい山道などではなく、あっさりとした県境のようだ。
積雪量で地名を聞いたことがある津南(つなん)に停車すれば、次は終点・十日町。
いつの間にか、車窓から信濃川が見えなくなっていた。※実は橋を渡って進行方向左側に変わっていたのだったが、左窓を見たとしても遠ざかって見えないようだ。

時の流れを忘れてしまうような、おいこっとの旅だった。
豪華で料金が高いクルーズ列車が注目されているけれど、こんな手軽な列車でも素晴らしい旅ができるのです。

長野・飯山出発時よりは減っているが、十日町まで乗り通した客もけっこういた。
十日町から上越妙高へ行く、日本酒をテーマとした観光列車、快速「越乃Shu*Kura(こしのしゅくら)」もあって、乗り継ぐ周遊コースも提案されているが、待ち時間は3時間あり、みなさん改札口を出るようだ。
十日町駅では、飯山線と第3セクターの北越急行ほくほく線(関連記事)が交差する。
おいこっとを降りて、秋田方面へ帰るルートとしては、飯山線の残りの区間である越後川口へ向かい長岡から新幹線に乗るか、ほくほく線で(六日町経由)越後湯沢方面へ向かって新幹線に乗り継ぐかのどちらか。
運賃や所要時間は越後川口回りが優位だが、運転本数はほくほく線がやや多いため、接続もいい。
でも、新潟からの「いなほ」乗り継ぎには若干余裕があるし、十日町の街もちょっとだけ見たいし、ちょっとだけ安くあげたいし、越後川口へ向かうことにした。47分の待ち時間。
続きます

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おいこっと1

2016-08-25 00:07:31 | 旅行記
5月の信州旅行記(前回の記事)。
長野の細かい話題は後日アップするかもしれませんが、とりあえず帰路へ。

長野市から秋田市への移動は、やはり新幹線は極力使いたくないし、行きと同一ルートでも芸がない。
検討の結果、観光列車を楽しみつつ、長岡へ抜けて、上越新幹線~特急「いなほ」で秋田へ戻ることにした。長岡から先は行きと同じになってしまうけど仕方ない。

最初に長野から観光列車に乗る。長野と新潟県の十日町の間86.1キロを走る、飯山線の臨時快速「おいこっと」。全席指定で冬期以外は土日などに1日1往復運行。(冬期は運転区間を短縮して2往復)

路線としての飯山線は、豊野から十日町を経て越後川口までの96.7キロ。
長野-豊野10.8キロは、かつての信越本線である第3セクター・しなの鉄道北しなの線に乗り入れる。
飯山線は、千曲川・信濃川(県で呼び名が異なる同じ川)に沿って豪雪地帯を行く路線。これまであまり意識したことはなかったが、知れば良さそうな路線であり、良さそうな列車だ。

列車名の「おいこっと」は方言かと思ってしまうが、「TOKYO」を逆にした「OYKOT」。東京と対極にある、ふるさと(田舎)を走る列車という意味。北陸新幹線金沢開業の2015年春に運行を開始。


上記の通り、おいこっとは、しなの鉄道とJRを通して運行する。
指定席券は「えきねっと」で、2社またがった区間でも問題なく購入できる。しなの鉄道部分の追加料金はなく、520円。
乗車券は、長野→秋田としたいところ(値段は変わらないけど、手間として楽だから)だが、連絡運輸の設定上、またがっては発券できなかった。豊野→秋田7560円のJR部分のみ事前に買って、長野→豊野250円は長野駅の券売機で当日購入。
長野駅の近距離券売機は、「JR優先」と「しなの鉄道優先」で2~3台ずつ分けられていた。初期画面がJRになっているか、しなの鉄道になっているかの違いらしく、切り替えボタンを押せば、どちらのきっぷも買えるようだ。しなの鉄道区間のみの乗車券でも、オレンジカードが使えた。
ちなみに、行きの直江津・上越妙高経由での秋田→長野の乗車券は7800円。しらゆき・はくたかの特急券がかからない分、飯山線経由のほうが安い。


下りおいこっとは、長野9時15分発。十日町着は11時48分。所要時間としては各駅停車と同じくらいだけど、各駅停車の直通列車はなく、途中の戸狩野沢温泉で乗り換えが必要なことが多い。
松本・南小谷行き「リゾートビューふるさと」は9時04分発なので、いずれも朝に東京から新幹線で来て乗り継ぐことができる。
長野駅発車標に2つの観光快速が並ぶ(英語表示ではどちらも「Rapid」のみ)
この日は「土日きっぷ」が使える日だったので、それらしき旅行客が多かった。


おいこっとの車両は、飯山線の定期列車のほか花輪線などでもおなじみのキハ110系(※)気動車を改造した2両編成。※2両とも、両側に運転台がある「キハ110形」。飯山線の定期普通列車に入る場合もある。
車体はクリーム色(アイボリー)とエンジ色の専用塗装で、1両ごとに正面~ドアにかけての色が反転している。側窓部分は同じ。
色使いとしては国鉄時代の特急列車や、長野電鉄の路線バスを連想させられる。

この2両、実は製造当初は秋田に配置されていた。
秋田新幹線開業に先立って、1996年3月から1年間、田沢湖線を運休して工事していた間、代替として北上線回りで「秋田リレー号」という特急が運行されていた。
JR東日本としては民営化後初で唯一の気動車特急かつ期間限定。そこで、普通列車用のキハ110系を特急仕様で投入し、運行終了後、普通列車用に転用する前提で、新車が製造された。
予定通り、普通列車用に転用(座席交換・塗装変更)され、その転属先が飯山線だった。おいこっとになる前は、塗装は標準だが、車内は窓向きに座席がある「眺望車ふるさと」として、若干観光目的の車両だったそうだ。
【26日追記】秋田リレー号用は20両製造(キハ111、112形を含む)され、改造後に新津に配置されたものもあったが、ほとんどが長野へ配置された。
おいこっと
先頭がエンジ色ベースの2号車・キハ110-236(秋田リレー号時代は-314)、1号車が白ベースのキハ110-235(同-313)。

車内外には“雪ん子”のイラストに「いいかわ、いいそら、いいやません。」と書かれたおいこっとのロゴ(アイコン)のほか、沿線の中野市出身の高野辰之作詞の唱歌「故郷(ふるさと)」に歌いこまれた「兎」「小鮒」なども影絵風のマークにして随所にデザインされている。

車内へ。
 
床が板張りだったり、座席がかすり風(?)の和風柄だったり温かい雰囲気で、「おおっ!」とか「わーっ!」と声を上げたくなる第一印象。「古民家風」のデザインだそう。
ロングシートと4人掛けボックスシートの布地。2人掛け側は紺色
ただし、よく見ると、ボックスシートは4人掛けと2人掛けで吊り手(つり革)がぶら下がり、端はロングシート&優先席、ワンマン運転用機器、バス用部品を転用したスピーカーや冷房吹き出し口など、キハ110系らしさも随所に残っている。
定期普通列車としても運用されるから、こうなったのだろう。【27日追記】客席の窓も原型のままだが、元々大きめなので眺望は悪くない。
天井の運賃表示器には、おいこっとロゴ入りカバー
上の写真手前の和風柄の紺色の布がかかっているのは、整理券発行器。
花輪線などでは、ビニール製っぽいグレーのカバーがかかっている(運賃表示器のと同じようなもの)。この布カバーは、ジャストサイズで、ボディの凹凸にも一致している。メーカーへの特注品なのか、器用なJR関係者の手作り品なのか。
運賃箱は仕切り兼用でむき出しのJR東日本標準配置だった。
運賃箱は秋田支社でもかつて使われていた、レシップ製のバス兼用の銀色のもの
全席指定のおいこっとでは、ロングシート部分も指定席として発売される(1両につき12席)ので、荷棚のパイプに席番のシールが貼ってあった。
国鉄時代製造のキハ40系では、ロングシート部分にも律儀に席番が振られていた(後のリニューアル時に撤去された車もある)ものだが、最近の車両でロングシートに番号あって、かつ実際に指定席として発売する例はそうそうないのではないだろうか。
車窓を楽しむ列車である以上、席料を払った客を窓を背にして座るロングシートに座らせるってのは、いかがなものだろうか。
なお、ロングシートは、原型よりは座り心地がいいソファ風のものに交換されてはいる。また、優先席は普通列車運用時の適用で、全席指定の「おいこっと」運用時は関係ない。
戸袋のため窓が半分ふさがれていて、いい席ではない
えきねっとでは、座席表(シートマップ)で位置を指定して予約できる列車が多いけれど、おいこっとは対象外。
イヤな予感がしたけれど、案の定、ロングシートに割り当てられてしまった。(公式ホームページで座席配置は分かる)
おそらく1名で予約するとロングシートに優先して割り振られそう。周りの席にもひとり旅の方々が3人ほど。
ロングシートは、2席ごとにテーブル収納を兼ねたひじかけで区切られ、その2席ごとに同番のA席・B席になっている。みなさん、進行方向後方のA席に割り振られており、ぎちぎちに隣り合わないようには配慮されていそう。

僕は後方の1号車で、長野発車時にはボックス席も含めてそれなりに埋まっていたが、前の2号車のほうが乗車率が良かった。十日町での蕎麦券付きパックツアーなどの客は2号車なのかも。
ボックス席では、2両とも2人掛けのほうが千曲川側。ただし朝は逆光気味。
列車は徐々に乗客が降り、ボックスシート部分もかなり空いたので、僕は途中からそちらに移らせてもだった。


リゾートビューふるさとでは、(形式上は)ワンマン運転区間があったが、おいこっとは全区間車掌が乗務。この日は2人乗務。こちらも、端末で確認するので車内検札はなし。
ほかに、案内や車内販売をする「おいこっと あてんだんと」が、もんぺ姿で乗務。てきぱきときめ細かな仕事ぶりが印象的だった。NRE松本列車営業支店所属なので、普段は「あずさ」も担当しているのだろう。
さらに、スーツ姿の男性が発車前の車内をうろうろしていて、我々ロングシートの客の前を通るたびにやけに恐縮している。腰が低く服装が場違いな鉄道マニアかと思ったら、JR東日本の名札を付けていて、何かの業務で乗りこんだ社員のようだ(社員にしても腰は低い)。彼は、途中の飯山駅で駅員と会話していたのを最後に見なくなった。

発車後、アテンダントからの肉声放送もあるが、車窓や沿線の案内は自動放送で行われる。
自動放送は、俳優・常田富士男氏によるもの。飯山線とは千曲川の対岸に位置する木島平村(鉄道は通っていない)出身。僕は常田を「つねだ」と読むのだと思っていたけれど、「ときた」さんだそう。
常田さんは、僕たちの世代には、「まんが日本昔ばなし」で市原悦子さんと2人で全登場人物の声を当てていたのが、強烈な印象。当然、若い人は知るよしもなく、おいこっと乗車を伝えるブログで「おじいさんが放送している」と表現されていた方がいた。

どんな列車でも、車内放送の音量は大事。特に気動車では加速時はエンジン音にかき消されてしまうこともある。
今回は、自動放送が始まった瞬間、明らかに音量が小さく、流れているのは分かるけれど、内容は聞き取れない状態。これでは残念だな、車掌が気づいて上げてほしいなと思った瞬間、前の車両にいたアテンダントさんとスーツの社員さんが、後部へダッシュ! 間もなく、充分な音量になった。このおふたりが、音量を上げて(もしくは車掌に上げさせて)くれたのだろう。感謝。
っていうか、本来は車掌が音量を確認して調整すべきでしょう。車掌は何をやってるの?
しなののタイミング悪い車内検札、リゾートビューふるさとの無意味に思える乗務など、長野の車掌さんにはもうひとがんばりお願いしたい。
ただ、指定券を持たずに乗ってきた客が実際に複数いて車内で対応していたし、行き違いがないのに乗降を扱わない運転停車(五能線北金ヶ沢駅のような、停まってすぐに発車するもの。車掌は信号を確認し、運転士にブザーで合図しなければならない)する駅がいくつかあった。車窓に合わせてタイミングを見て自動放送を流すのも車掌の業務だろうから、それなりにやることはあるのは分かりますが。


発車してしばらくすると、アテンダントが巡回。全員にこんなものを配ってくれる。途中駅からの乗客には、都度配布。
車内販売のメニュー、おしぼり、そして「野沢菜漬」
ウエルカムドリンクならぬ、ウエルカム漬け物。刻んだしょうゆ漬け30グラムで、木島平村の「岡本商店」製。要冷蔵扱いなので、持ち帰って後で食べる時は自己責任で。
指定券だけで漬け物がもらえる列車なんて、おいこっとだけではないだろうか。車内の乗客が揃ってポリポリ漬け物を食べるのは、ほほえましい光景。
リゾートビューふるさととは異なり、車内販売もちゃんとワゴン(小さめ?)で客席へ来てくれた。Suica決済可。ホットコーヒーは下りのみの扱いだそうだが、そば茶、サイダー、地酒など地元の飲み物あり。アイスクリームは、スジャータのバニラのほか、山梨の「桔梗信玄餅アイス」も。

飯山線に入るとすぐ、千曲川が見えてくる。
さすがに雄大
長野から40分ほどで、2つ目の停車駅、飯山。北陸新幹線の停車駅でもあり、新幹線なら長野からたった10分。
飯山駅の路線名のみならず、ディスプレイの「iiyama」の飯山である。(長野県には飯田市、飯田線もあって、ちょっとまぎらわしい。場所はぜんぜん別)
16分の停車。
改札の外で、地酒の振る舞いと、地元産品の販売「おいこっとまるしぇ」が行われるとのことで、行ってみた。例によって改札口はフリーパス状態。

新幹線開業時に旧駅から300メートル移転した飯山駅は、ややコンパクトな橋上駅舎。
自由通路には長い木のベンチ
急いで駅舎の外観も拝見。メインの「斑尾口」側。
階段の下に砂利があって、子どもが遊んでいる?


秋田や津軽で親しまれている洋菓子「バナナボート」は、飯山市でも複数の菓子店が作っているそう。出店や駅で売っていないかちょっと期待したけれど、見当たらなかった。おやきや、日持ちするお菓子類はあり。【2021年6月17日追記・2021年時点では、バナナボートも売っているとの情報あり。】

ホームには、駅員たちが多数出て歓迎。
小型おいこっと。本物のほうは窓周りはなかなか派手なデザイン
車両側面の行き先表示はLEDになっているが、赤文字で「快速」のみの表示。列車名、行き先、全席指定など、表示すべきでしょう。

2号車【28日訂正】1号車は白ベース
飯山で降りた(一時下車でなく、乗車を終えたという意味)人はあまりおらず、新たに乗りこんできた人がちらほら。新幹線からの乗り継ぎか。
指定券を持たずにホームに来て、車掌から購入していた人が複数いた。
普通列車はこの1時間後までないため、やむなく乗った人もいたかもしれないが、近くの席に座った家族連れ(娘さんが20代くらい)には、内装も、野沢菜漬けも好評で、偶然おいこっとに乗車できたことをとても喜んでいた。

次の停車駅は、すぐ隣の北飯山。まだ飯山市街地で「高橋まゆみ人形館」の最寄り駅だそう。おいこっとを喜んでいたご一家は、ここで降りてしまった。
たった3分の乗車に520円も払っているわけだけど、乗車券(もしくは土日パス)は買ってしまっていて、飯山駅からバスやタクシーに乗るよりは…ということかな。おいこっとを楽しまれていたのは何より。


長くなってしまったので、今回はここまで。
大したものはないのに、なぜか楽しいおいこっとの旅は続きます
【25日追記】キハ110系は加速と乗り心地が良く、個人的に好きな車両。そのこともおいこっとの好感度に貢献していそう。

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長野の信号

2016-08-11 00:25:01 | 旅行記
信州旅行記(前回の記事)も、ようやく終盤になりそうです。
今回は、長野県の信号機について。
※信号機の周辺に設置される「主要地点」標識(いわゆる交差点名)は、道路管理者の管轄ですが、ここでまとめて取り上げます。
あまり熱心に見なかったせいか、信号機そのものは別段珍しい物は見かけなかった。
全国的に見て標準的なLED式が主流。雪はさほど積もらないため横型で、フラット形やカプセルフードも見なかった。

信号機に興味がない方でも長野を訪れる時には、ぜひとも頭の片隅に置いておいてほしいことが1点。
何度も書いているように、「押しボタン式歩車分離式(またはスクランブル式)」信号が多数設置されていること。押しボタンを押さない限り、歩行者用信号は青信号にならない。
秋田県では住宅街の通学路などごく一部で導入されているが、多くの県で同じような状況ではないだろうか。

ところが、長野県では、善光寺表参道、諏訪湖畔、穂高駅前など、比較的人通りがあって観光客が歩くような場所にも普通に設置されており、長野県外から来た人は気づかない、もしくは気づいて戸惑うに違いない。
ぼーっと突っ立ってしまって、恥をかいて時間を無駄にしてしまわないよう、ご用心。
【2017年2月22日追記】同日朝日新聞社会面によれば、歩車分離式信号の整備率は2016年3月末時点で、全国平均4.20%なのに対し、長野県は10.89%で全国トップとのこと。押しボタン式を積極的に導入しているのが要因のようで、他にも信号待ちの車の長さに応じて、青信号の時間を調整する仕組みのものもあるとのこと。
諏訪市「諏訪湖畔公園前」の車両用信号機
長野県では、押しボタン式歩車分離式を「歩車分離式(押しボタン式)」または「スクランブル式(押しボタン式)」という表示板で示していた。同じものが歩行者用信号機にも付く(下に写真あり)。

地点名は、市町村名を横に小さく書いて、日本語・英語併記という、丁寧なものが主流。信号機の上に掲げるように設置。
同じ向きに信号機が2台ある交差点では、片方に日本語だけ、もう片方に英語だけと表示板を分けている所もあった。

上の写真で気になるのが、「歩車分離」と表示されている赤色LED。もう1画面あって、
「発進注意」
車両用信号が赤の時だけ作動するようで、見切り発車や歩行者用信号を誤認しないよう、注意を促しているのだ。
それなりに効果がありそうで、秋田県でも導入してほしい場所もあるけれど、費用がかかるでしょうし…


押しボタン式スクランブルの、善光寺近く「大門」交差点では、
歩行者用信号機の横にLED
赤信号の間に文字がスクロール表示され、「長野駅は直進です」とか表示されていた。道案内をしてくれているのだ。
これは…あちこちに道標や地図が設置され、親切な地元の方々も歩いているのだから、別に信号機に教えてもらわなくてもいい。「横断する時はボタンを押してください」と表示するのならともかく。


(再掲)
大門より1ブロック先、善光寺のすぐそばの「善光寺」交差点の交差点名は、
独特の書体
山門に掲げられている「鳩字の額」を模した書体。5羽のハトが隠れている。実物はもっと線が太く、もちろん縦書き。
ここは英字なし。
信号機本体は茶色、柱はくすんだ緑色の組み合わせ。


諏訪湖畔公園では、時差式信号を示す表示板は「時差式信号機」だった。
同じくらいの時期に設置されていそうな、松本駅前では、
「時差式」のみ
秋田県では「時差式信号」(機がない)が標準かな。


長野駅近く。
「南千歳町」
信号機も地点名表示板も新しい、標準仕様。
その交わる側は、
「南千才町」
信号機本体も少し違いそう(ボディ色やフードの長さ)だけど、地点名はぜんぜん別物。
手書きっぽい、昔ながらの表示板だ。電球式信号機時代のものを使い続けているのだろう。

諏訪市の「高島城」もそうだった。
(再掲)
秋田県では、横型から縦型に更新されたため、構造上、表示板の再利用はできないし、残っていても劣化してボロボロになることもあって、地点名表示自体が減少している。



最後に、視覚障害者用付加装置(盲人用信号、音響式信号)の音は、ピヨピヨ/カッコーが全国的に主流になっていて、長野県でもそうだった。
しかし、スクランブル交差点では、県によっては別の音(メロディー)が鳴っている所もちらほら。静岡県では「ふじの山」、名古屋の東山動植物園前では「オウマ(お馬の親子)」、青森県では「乙女の祈り」など。(秋田県ではスクランブルでもピヨピヨ&カッコー)
長野駅前などでは、「故郷の空」だった。これは、ピヨピヨ/カッコーが採用される以前の、通りゃんせ/故郷の空が継続して使われているということだろうか。(装置自体は更新されていそうでそう古くはないだろう。)
この音をほんとうに必要とする人たちはどう感じるかは分からない(ピヨピヨ&カッコーのほうが、方向感覚がつかみやすく安心という声がある)けれど、個人的には久々に聞いた音で懐かしかった。

所変われば信号も変わる。
※旅行記の続きはこちら
2023年の長野市内の交差点名表示について
コメント (3)
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南小谷での待ち時間

2016-08-06 14:23:25 | 旅行記
信州旅行記。南小谷駅へ降りた続き。
南小谷駅前。右がホーム。ポスト隣の顔はめ看板は「塩の道 千国街道」
上の写真で駅舎に向かって左を姫川が、後方から奥へ流れている。
振り返って駅舎を背にして。左奥が松本方向、右に橋
駅前で国道148号線が大きくカーブし、姫川を渡る。
駅を出ると、めぼしいものは土産物店ととんかつ屋しかない。(後述の通り、少し歩けば他にも多少)
国道の橋
ここは小谷村(おたりむら)。人口約2900人。
村内には温泉やスキー場があるが、南小谷駅から徒歩圏内ではない。
村は姫川・国道のある谷沿いに伸びているようで、国道を駅から糸魚川方向に500メートルほど行けば、村役場、郵便局、小谷村郷土館(蕎麦店&簡単な物産販売店併設)がある。
反対方向に駅から100メートルほどには、JAの店(JA大北おたり支所)があった。いちおう「Aコープ」で、こだわらなければ飲み物、お菓子、長期保存可能な菓子パン、弁当などひと通り揃っていた。
村の移住パンフレットによれば、このJAが村唯一のスーパー。コンビニは国道のずっと北のほうにローソンが1つだけ。村の人たちの買い物は、車で糸魚川や大町へ行ってまとめ買いすることが多いようだ。

郷土館売店やJAで、地元のものを購入。
ちゃのこ
長野ではどこでも買える「おやき」のようだけど、小谷ではそば粉をまぜた「そばおやき」で、「ちゃのこ」と呼ぶらしい。ここのものはジャガイモも練り込んでいるとのこと。食べごたえあり。
さるなし羊羹
サルナシはキウイに近いマタタビ科の山野の植物。別名は、ドリカムの「晴れたらいいね」にも歌われた「コクワ」。秋田でもソフトクリームがある
そのサルナシが入ったようかんで、道の駅小谷が販売者。なお、道の駅は2つ隣(JR西日本エリア)の北小谷駅が最寄り。
キウイとはちょっと違うけど、フルーティーなようかんで良かった。
【7日追記】姉妹品として「山ぶどう羊羹」もあった。道の駅へ行けば、さるなしや山ぶどうのゼリーも売っているらしい。ほかにも栃の実ソフトクリームなど飲食部門も充実。さらに温泉もあるとのこと。アクセスが良ければ、行くべき道の駅かも。

駅前の国道の橋から姫川下流方向
前回の繰り返しだけど、この日は5月にしては暑かった。川は涼しいのだけど、日差しが…
いつか、じっくり温泉にでも入りに来たい。白馬や信濃大町など周辺の町にも。

松本方面から、普通列車が来た。

東北地方の人には、身近に感じる車両の外観かもしれない。701系電車とそっくりだから。
しかし、701系ではなく、「E127系」という形式の車両。701系よりわずかに後に製造が始まり、電源は直流(701系は交流)。
E127系は先に新潟にも導入されているが、そちらは若干外観が異なり、701系そっくりのスタイルは長野だけ。製造数が少ないから、同コンセプトの701系と共通化したということだろう。

南小谷駅の裏側に、ホームを見下ろせる場所があった。
パンタグラフに注目(それにしても701系そっくり)
このE127系には、2両編成の両方にパンタグラフがあった。写真の糸魚川向きのクハE126形のパンタグラフは折りたたまれて使っていない。これは「霜取りパンタグラフ」という、集電ではなく架線に付着した霜をこそげ落とすためのパンタグラフ。
機器類がシンプルな感じかな

前回触れた通り、列車ダイヤの都合で、特急「あずさ」で松本へ戻ることにした。【2025年3月7日追記・2025年のダイヤ改正で「あずさ」は白馬止まりとなり、南小谷へは乗り入れなくなりました。】
この時は、乗車券として「信州ワンデーパス」という2640円で長野県内のJR東日本の多くの路線が乗り放題のきっぷを使用。(リゾートビューふるさとの指定券や、あずさの特急券は、別途購入すれば併用可)
リゾートビューふるさとなら、指定券520円。あずさの自由席なら、松本まで1180円もする。

計画当初は、あずさを途中の信濃大町で降りて、信濃大町始発の普通列車に乗ろうか…なんて考えたけれど、「信州特急料金回数券」があった!
長野~松本と中央本線・富士見までしか使えないかと思っていたら、松本から大糸線側・南小谷までも利用可能区間。これだったら、リゾートビューふるさととほぼ同額だし、持て余しそうだった4枚の料金回数券を使い切れる。
※今回は、南小谷駅から松本へ行って、「しなの」に乗り継いで長野へ向かった。松本でいったん改札を出たので、料金回数券2回分使用。それでも充分得だけど、この回数券は松本で改札を出なければあずさとしなのを乗り継げる。本来は、長野方面と富士見方面の利用を考慮した制度なんだろうけど、おそらく南小谷~長野の場合も可能なんだろう。となると、正規料金2360円(1180円×2)のところを、およそ8割引で利用できてしまう。

大糸線を走る特急は1日1往復。新宿からの「あずさ」が南小谷まで乗り入れている。※時期・曜日によっては、名古屋からの臨時「しなの」1往復も、白馬まで乗り入れ。
下りのあずさ3号は、リゾートビューふるさとのすぐ前を走っていて、南小谷11時42分着。
これから乗ろうとするのは、南小谷14時22分発の26号(松本15時43分着)。

あずさの車両は南小谷駅で待機するのではなく、上り方向へ回送してどこか別の駅(白馬駅?)で待機するようだ。下りリゾートビューふるさとで来る途中、信濃森上駅で回送とすれ違った。
その車両は14時00分頃、再び回送で南小谷駅へ戻ってきた。

「スーパーあずさ」でない、普通の「あずさ」用のE257系電車。2001年登場。甲府止まりの「かいじ」にも使用。
乗るのは2度目。先頭車の顔をじっくり拝見するのは初めてかも。
基本は11両編成だが、新宿寄り2両を切り離して9両で運転することができ、大糸線内はいつも9両編成。松本駅で2両切り離し/連結を行う。
上の写真は、11号車の“非貫通型”の先頭車。切り離されて松本で待っている1号車も同じ顔。
松本側の3号車↓は、11両運転時に行き来するための通路ドアがある“貫通型”。どちらも、けっこういかつい。
こちら側のLEDの「回送」は縦書きで、昔のどこかの私鉄(?)の手書き看板みたい
なお、先頭車として営業走行することがない2号車にも、連結作業時に使う運転台があるが、その用途から壁に窓が開いただけのデザイン性がない顔。

自由席は3両。当然のごとくガラガラで、1両貸切状態。
車内
製造時期は、秋田新幹線「こまち」の旧車両E3系の後期製造分と一致する。内装や座席形状はよく似ていて、悪くない。
座席の布地と、写真では分かりにくいが車体側面には、カラフルなひし形がデザインされている。武田菱がモチーフ。

車内の通路ドア上のLEDの文字は、車両(製造時期?)によって書体が違うらしい。E3系、E2系などと同じ細い文字の車両と、明朝体を太くした文字の車両に遭遇した。

あずさ26号は、午前中に来た道を、かけ足で戻る。太陽が西に傾いてきたので、北アルプスは逆光。
白馬、信濃大町、穂高、豊科と、それなりに乗車してきて、そこそこの乗車率で松本到着。松本駅では、待っている2両と連結。上り東北新幹線・盛岡駅ではやぶさに連結するこまちと同じく、少し動きながら2度停車して、3度目の停車でドアが開いた。連結時の衝撃も同じ。
旅行記は続きます

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リゾートビューふるさと

2016-08-01 23:43:05 | 旅行記
間が空きましたが信州旅行記。※前回の記事
昔から、その車窓風景に憧れて乗ってみたい路線が信州にあった。2010年からはリゾート列車も走っているので、それに乗って。
「大糸線」の快速「リゾートビューふるさと」である。

大糸線は、松本と日本海岸の新潟県糸魚川を結ぶ105.4キロの路線。途中の南小谷(みなみおたり)駅を境に運営会社が違い、松本-南小谷70.1キロがJR東日本管轄、残りがJR西日本。東日本側だけ電化されている。
リゾートビューふるさとは、長野-松本-南小谷を金土日月曜日(運休する週末もあるので要確認!)を中心に1日1往復運転。全席指定。
(再掲)Googleマップより
リゾートビューふるさとの下りは長野9時04分→松本10時41分→南小谷12時47分。
長野-松本は特急「しなの」と同ルートながら、下りでは、姥捨駅に停まって風景を眺める時間があるので、時間がかかる。
松本-南小谷も、停車駅がかなり少ないのに各駅停車とほぼ同じ所要時間なのも、いろいろあるせいなのだけど、順次後述。
長野も松本も、朝に東京から新幹線や「あずさ」で来て乗り継げるダイヤ。

使用する車両は、ハイブリッドシステムを搭載したHB-E300系気動車。
国内3か所でしか走っていない車両だけど、既に「リゾートしらかみ(青池編成)」で乗っているし、内装も座席の柄もまったく同一。目新しさはない。
南小谷までは電化されているから電車でもいいのに、わざわざハイブリッド車を入れているのは、環境配慮のイメージ優先なのか、電化されていない他路線で運行することも想定しているのか。
実際に年に何度かは、この車両が小海線(非電化)など他路線で運行される時がある。1本だけの配置で予備編成はないので、その日のリゾートビューふるさとは運休になるか、お座敷列車など他の車両で運行される。
※リゾートしらかみでは、7月から2本目のブナ編成もハイブリッド車に更新。1本目の青池編成よりも内装に木が多様され、座席の柄も違っている。外には従来同様「RESORT HYBRID」と表示されるが、ブナの試運転を目撃した火野正平さんに「よく分からない」と言われていた。

リゾートビューふるさと用とリゾートしらかみ青池編成とで違うのは、外観の色のほか、4両でなく2両編成、ボックス席がないこと程度。※そのため、この記事では車内の写真や乗り心地については触れません。
製造番号は青池が「1」で、リゾートビューふるさとが「2」。

上諏訪に泊まったので、松本から乗車。
松本駅も停車時間が長いので、ゆっくりとホームに下りようとすると、団体客がぞろぞろと上ってきた。長野から松本までの利用だろうか。
代わりに、「あずさ」で来たような個人客がちらほらと乗車。「えきねっと」で指定券を予約した時の画面通り、1列につき1組が座る程度の車内になった。

 「ワンマン」
松本-南小谷の大糸線内は、ワンマン運転。といっても、運転士1人しか乗らない普通列車のワンマン列車とは違う。
案内と車内販売をするNREの「リゾートアテンダント(客室乗務員)」、さらにきっぷの発売を行う車掌もいて、しかもこの日は車掌は2名も乗務。(アテンダントは乗らない場合もあるとか)
つまり、「ドアの開閉を運転士が行う」「列車の運行に直接関わる車掌がいない」という意味だけのワンマン運転。乗車券関係は車掌が扱うので、整理券や運賃箱もない。【2日補足】一般的にはワンマン運転は「乗務する乗務員が(合計で)1人だけ」という意味だが、ここでは「運行業務に携わる乗務員が1人(接客業務担当は別)」という意味になろう。
JR九州では、特急で同じようなワンマン運転がされているが、あちらは客室乗務員がきっぷも売っていた。

この日のリゾートアテンダントは、若いお兄さん。車内放送での風景の案内やこまめに客席を巡回して、がんばっていた。後部運転席と真ん中の車内販売準備室を行ったり来たりで忙しそう。
そんなわけで車内販売はワゴンで回るのではなく、客に頼まれた都度、準備室から持ってくる方式のようだ。品揃えが分からないから利用しにくい。メニューを置いてくれればいいのに…(車販は途中の白馬駅まで実施。おそらく弁当はなし。アイスクリームはどうだろう?)【3日補足】連結部付近の通路から見える位置に、飲料が並んだ冷蔵ケースがあった。そこで売店っぽいスタイルで売っているということかもしれない。明確な案内はなかったけど。

一方、2人も乗っている車掌。車内検札は、端末で分かる方式なのでなし。きっぷに記念スタンプが欲しい人は、車掌巡回時に声をかけてとのアテンダントの放送があったが、松本発車直後に、スタスタと2人揃って後ろから前へ行ったきり。
途中から指定券なしで乗ってくる客がいるかもしれないけれど、この車掌は必要なんだろうか…

リゾートしらかみは、4両編成だからワンマン運行はできない。車掌はドア開閉も観光案内も行い、NREの人は物販のみ。同じ人員を乗せるのなら、その使い方はリゾートしらかみ形式のほうがいいのでは…
(リゾートしらかみ運行開始当初のことだが、臨時列車扱いにすることで乗務員の人件費を計上せずに済み、運行経費が抑えられるという話を聞いた。今はそうでなくなったのかもしれないけれど)


松本駅を車内放送もなく静かに発車。ワンマン運転ならあり得ることだが、首都圏から来たであろう人は驚いていた。
「間もなく発車します」と肉声で放送すれば親切。運転士、車掌、アテンダントが互いに遠慮しあって、放送できないのだろうか。秋田地区のワンマン普通列車なら、たいてい運転士が放送してくれる。

車両前後の展望スペースも、リゾートしらかみと同じ。でも、イベントもないし、装飾も、持ち帰りできるパンフレットなどもなくて、リゾートしらかみを知る者としては少々殺風景。【3日補足】多少の案内図などは備え付けてあった。でも、リゾートしらかみと比べると物足りない。
肝心なのは車窓です。松本の街を抜けて田園が広がると、北アルプスの山々が近づいてくる。下りは進行方向左・D席側。

日本の原風景のようでありながら、3000メートル級の山を見られる場所はそうそうない。良い眺めではあるが、思ったほど雄大ではない気もした。理由は、5月中旬にもなると雪融けが進んで雪山らしさが薄れていることと、レールが500メートル以上の高地を走っているから、その分差し引かれて、山が低く感じられてしまうからだろうか。
夏もいいけど、個人的には冬や早春の眺めを見てみたい。


松本から18分で、安曇野市の穂高(ほたか)駅に到着。25分間も停車する。
何のためにそんなに停まるかというと、駅前にある穂高神社に参拝するため。しかも、神社の巫女さんが駅まで迎えに来てくれて、神社まで連れて行ってくれる。※巫女ではなく地元の観光ボランティアが案内することもあるらしい。上りでは2分しか停車しないのでなし。
到着前にアテンダントから案内があり、改札口に巫女さんがいるので、参拝希望者は集合するようにとのこと。
1面2線の島式ホームで、線路を渡って駅舎へ(男鹿駅のような構造。冒頭の列車の写真はここで撮影)。フリーパス状態の改札口に巫女さんがいて、20人弱だろうか乗客の多くが集まった。
駅舎も神社っぽい造り。向こう側は北アルプス
駅の裏側は住宅街だが、こちら側の駅前には、観光客・修学旅行生向けの土産物屋やレンタサイクル店などが並び、まっすぐにきれいに整備された道が伸びる。
そこを巫女さんに率いられてぞろぞろ歩く。途中、長野県に多い「押しボタン式歩車分離式信号」がある。ボタンを押さないと永遠に横断できない。
駅から200メートルほどで、大きな鳥居の神社前に到着。
気付かなかったけど、鳥居の隣が餅屋さんだ
秋田市の土崎駅から土崎神明社までとほぼ同じ距離で、雰囲気もどこか似ていた。

入ったのは、正面の参道ではなく、脇道らしく、すぐに拝殿に出る。
巫女さんが簡単に説明してくれて、あとは解散。各自発車に遅れないように列車に戻ってねということらしい。ただ、巫女さんは発車時までにはまた駅へ来て、ホームから列車を見送ってくれていた。
穂高神社は7年に1度、式年遷宮を行い、2016年がその年。訪れた時は遷宮祭の最中。だから、どの建物も真新しい。
拝殿(左)と神楽殿
「穂高人形大飾物展」として、土崎港曳山まつりの置山のようなものもいくつかあった。

降りたからにはほかにもあちこちじっくり見たいところだけど、時間が決まっているとどうもそわそわしてしまい、参拝してそそくさと列車へ戻ってしまった。
自主的には降りて行こうとは思わなかった場所を教えてくれ、訪れる機会を与えてくれる意味では、うれしいサービスだった。


この後、信濃松川、信濃大町、海ノ口、白馬と停車するが、停車時間は長くても10分。イベントは「ホームに写真撮影セットがあるので、どうぞ」程度なので、あとは座っている旅。
進むと、北アルプスはあまり見えなくなったものの、車窓は変化があり、飽きない。
信濃大町手前の高瀬川

「仁科三湖」という3つの湖のほとりを通る。
たぶん木崎湖

たぶん青木湖
キャンプ場や水上スポーツ以外にはあまり観光開発されていないようで、静かな湖畔の趣き。列車の窓からこういう景色は珍しいかも。

仁科三湖付近で標高800メートルを越え、分水嶺を通過。
白馬を過ぎて松川

姫川
列車と同じ方向へ流れる姫川に沿って進むと、間もなく南小谷到着。

多くの乗客は、信濃大町や白馬などで降りた。温泉へ行って日帰り入浴し、折り返しの上り列車で戻るという人もいた。
南小谷まで乗り通したのは、わずか5人。アテンダントのお兄さんが丁寧に見送ってくれた。

南小谷駅はJR東日本管轄で駅員がいる。売店などはない。
降りた4人は、それぞれ迎えに来た車に乗ってすぐにいなくなってしまい、僕1人が残された。
計画段階では、JR西日本区間に乗り継いで糸魚川へ抜けようかとも考えたが、接続が悪く、お金もかかる。芸がないけれど、来た道を引き返すことにした。【3日補足】この日は、長野県内JR東日本エリアが広範囲で乗り放題のフリーきっぷを乗車券として使ったので、戻ったほうが得だったのです。フリーきっぷについては続きの記事で触れるつもりです。
しかし、東日本側もそう本数はない。リゾートビューふるさとの折り返しは15時16分発。だいぶ待つ。
その前に14時22分発の特急「あずさ」があるので、それで松本へ戻ることにした。それでも1時間半ほど時間がある。【2025年3月7日追記・2025年のダイヤ改正で「あずさ」は白馬止まりになり、南小谷へは乗り入れなくなりました。


掲載した写真は、暑い今見ると涼しげだけど、訪れた日も真夏並みに暑かった。
海のリゾートしらかみとは対極的な山のリゾートビューふるさとも、なかなかよかった。糸魚川方面との接続とか、途中のイベントをもう少し工夫すれば、より楽しい列車になるのではないでしょうか。
旅行記は続きます。また、別の観光列車にも乗ったので、いずれ。

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