退職後何年目かの年でした。仕事の手伝い依頼がありましたので、古巣を訪れました。その時はまだ社内に、私を知っている人が多くいました。多くは後輩にあたりますが、給金もいただくわけですから、先輩風は吹かしてはいけませんが、ある程度の威厳も保たねばなりません。ありていに言えば下請けですので、生意気な態度は絶対にいけません。私が在籍していたころも、業務を外部発注しましたが、先輩の事務所に発注すると、後のチェックで、もめました。やはり後輩に注意されるのは誰しも面白くありませんからねぇ。
さてその折、私が在籍中の上司(現在は社長)から、春入社の女子社員を紹介されました。「おお、田神君、紹介するよ、白砂麗子(仮名)クンだ、可愛い子だろ。女好きの田神君には紹介しなくちゃぁなあ。(笑)」なんとも失礼なと思われそうですが、上司との関係はこんなものでした。上司と私は結婚がほぼ同時、二人の子供も同い年でした。ただ奥様は私の妻よりはいくぶん・・・かなり年上でしたが。
白砂麗子さんは小柄でしたが、とても美人で可愛い女性でした。目を奪われると言う表現がピッタリでした。「可愛いねぇ、皆にいわれるでしょ?。」と言うと、顔を真っ赤にして「いいえ、そんなことありません。」と答えました。その仕草がまた可愛かったことを思い出します。
白砂さんは工業高校から入社したそうです。男子校に近い工業高校では、さぞや人気者だったでしょう。私の大学の学部は160人入学して、女子はたったの3人でした。需要と供給のアンバランスで、3人はあっというまに売約済み、そして高ビーになってしまいました。ところが白砂さんは、どこか違いました。おっとりしているのか、天然系なのか、わが道をただまっしぐら風な女の子でした。仕事はとてもまじめで、一生懸命憶えようと努力する、とても優秀な新人でした。
さてさて、美し過ぎるのは、なにかと気の毒な一面を持ちます。『あんなに美しいから恋人は間違いなくいるだろう。』とか『俺なんか、とても相手してもらえない。』等々、こんな思いを多くの若い男の子は持っていそうで、妙に男子はよそよそしい態度で白砂さんと接していました。しかし一人の天然系がいました。この男子は大学院卒の超理論派で有名でした。ちなみに、私は彼に講釈師のニックネームを与え、ブレークさせました。この講釈師君が白砂さんに一目惚れしてしまいました。もう完全にノックアウト状態、自慢の理論も支離滅裂、ただひたすらに白砂さんの後をフラフラする始末でした。社内もそれが解りましたが、なすすべなしでした。
後に白砂さんの噂を聞きました。2年ほどの勤務で退社したそうです。私は寿退社と思いましたがさにあらず。忘年会お開き後の交通事故が、白砂さんのご両親を激怒させ、そのままの退社だったそうです。ご両親は「酒席後、若い娘を一人で帰すとは何事ぞ!!!。」だったそうです。後日談では、皆が講釈師を遠慮してか、気を回しすぎてなのか、誰も彼女をエスコートしなかったそうです。オイラがいれば、タクシー往復で送ったのなぁ・・・。最期になりますが、講釈師君は退職しました。今はどこにいるのか分からないそうです。白砂さんは三人のお母さん。カレー屋さんでパートだそうです。「横に大きくなったから、絶対に来るな!!。」と年賀メールが毎年きます。おしまい。
さてその折、私が在籍中の上司(現在は社長)から、春入社の女子社員を紹介されました。「おお、田神君、紹介するよ、白砂麗子(仮名)クンだ、可愛い子だろ。女好きの田神君には紹介しなくちゃぁなあ。(笑)」なんとも失礼なと思われそうですが、上司との関係はこんなものでした。上司と私は結婚がほぼ同時、二人の子供も同い年でした。ただ奥様は私の妻よりはいくぶん・・・かなり年上でしたが。
白砂麗子さんは小柄でしたが、とても美人で可愛い女性でした。目を奪われると言う表現がピッタリでした。「可愛いねぇ、皆にいわれるでしょ?。」と言うと、顔を真っ赤にして「いいえ、そんなことありません。」と答えました。その仕草がまた可愛かったことを思い出します。
白砂さんは工業高校から入社したそうです。男子校に近い工業高校では、さぞや人気者だったでしょう。私の大学の学部は160人入学して、女子はたったの3人でした。需要と供給のアンバランスで、3人はあっというまに売約済み、そして高ビーになってしまいました。ところが白砂さんは、どこか違いました。おっとりしているのか、天然系なのか、わが道をただまっしぐら風な女の子でした。仕事はとてもまじめで、一生懸命憶えようと努力する、とても優秀な新人でした。
さてさて、美し過ぎるのは、なにかと気の毒な一面を持ちます。『あんなに美しいから恋人は間違いなくいるだろう。』とか『俺なんか、とても相手してもらえない。』等々、こんな思いを多くの若い男の子は持っていそうで、妙に男子はよそよそしい態度で白砂さんと接していました。しかし一人の天然系がいました。この男子は大学院卒の超理論派で有名でした。ちなみに、私は彼に講釈師のニックネームを与え、ブレークさせました。この講釈師君が白砂さんに一目惚れしてしまいました。もう完全にノックアウト状態、自慢の理論も支離滅裂、ただひたすらに白砂さんの後をフラフラする始末でした。社内もそれが解りましたが、なすすべなしでした。
後に白砂さんの噂を聞きました。2年ほどの勤務で退社したそうです。私は寿退社と思いましたがさにあらず。忘年会お開き後の交通事故が、白砂さんのご両親を激怒させ、そのままの退社だったそうです。ご両親は「酒席後、若い娘を一人で帰すとは何事ぞ!!!。」だったそうです。後日談では、皆が講釈師を遠慮してか、気を回しすぎてなのか、誰も彼女をエスコートしなかったそうです。オイラがいれば、タクシー往復で送ったのなぁ・・・。最期になりますが、講釈師君は退職しました。今はどこにいるのか分からないそうです。白砂さんは三人のお母さん。カレー屋さんでパートだそうです。「横に大きくなったから、絶対に来るな!!。」と年賀メールが毎年きます。おしまい。