碓氷さんから完成した原稿を見せていただいたのがこのころ(2009年5月)です。
原稿用紙に数十枚びっしりと書かれた原稿を読ませていただいて最初に感じたのが
「これは大変だ。」
というのも、碓氷さんは普段鍛冶屋をしていて文章をそれほど書き慣れていないせいか
原稿の文章には改行や句点(。)があまりなくワンセンテンスがとても長い。
私の父の同級生でもあった昭和3~4年生まれの人だったのでそれは無理もないことです。
そして碓氷さんは研究者でもあったので内容が専門的で用語もむずかしく、
また地域の固有名詞などもあり、これは普通の本の編集者では解読は無理ではないかと思いました。
この業界のことや内容をある程度知っていて、地名もわかり文章をワードに起こして
校正ができる人ってことになると・・・・「俺がしましょうか?」と思わず言っていました(笑)
もちろんそんな経験もなく責任重大だとはわかっていましたが、
この時はこの本が完成しないかもと危機感を感じていたので
この本の作成に大きく関わることになりました。
そしてこの本をどこで出版してもらうのか決まっているのかとお聞きしたら
まだ決めてないということだったので私が中学の時の国語の先生で
3年の時の担任だった高橋実先生が定年後勤めておられる「あかつき印刷」が
そういう個人的な本の出版をされていることを思い出してまかせてもらうことにしました。
碓氷さんの自宅に訪問する前日の6月3日にうちの会社で「あかつき印刷」の
社長さんと高橋先生(もう先生ではないのですが呼びにくいので)の3人で
打ち合わせをしました。
ただの個人の自費出版ではなく全国的に有名な鍛冶屋さんの本ということで
社長さんも一緒に来訪されました。
そこである程度背景を説明して翌日碓氷さんの自宅に3人で伺いました。
2009/06/04 碓氷健吾氏の執筆進行中
もともとこの本は、小川棟梁さんと上條先生の勧めで碓氷さんが鍛冶屋人生の集大成として
後世に記録に残すために執筆を始められたものです。
内容は、ご自分の生い立ちだけでなく、鉋の製造過程や鋼について今までの研究結果もまとめた
この業界の人なら必ず読みたくなるような本です。
「削ろう会」で発表された論文やカラー写真なども豊富に掲載する予定です。
この時の記事で上記の内容が書いてあるということはあとで出てくる
塩野米松氏の「聞き書き」の原稿はすでにできていたと思われます。
塩野米松氏は「職人の聞き書きの名手」と言われこの業界のいろいろな
職人さんの本の「聞き書き」をされていられる方です。
今回この記事を書いていて初めて気付いたのですが
塩野氏は1992年に「昔の地図」で第107回芥川賞候補となられた人とのことです。
そして偶然にも高橋実先生は1965年「雪残る村」が第52回芥川賞候補となられています。
なんと二人の芥川賞候補作家が関わっていたことに驚きました。
今日の碓氷さんは、職人さんと言うより作家の顔?でした。
出版社の社長さん、担当の高橋先生に熱い思いを語っておられました。
印刷部数、本のサイズ、装丁、スケジュールなどを具体的に決めましたが、
まだまだやらなければならないことが多くて大変そうです。
10月10日の「削ろう会三条大会」までには何とか間に合うように微力ながら
お手伝いをさせていただきますのでご期待ください。
この時に印刷部数を1,000部に決めたのですが、あとになってみると・・・。
【 つづく 】
原稿用紙に数十枚びっしりと書かれた原稿を読ませていただいて最初に感じたのが
「これは大変だ。」
というのも、碓氷さんは普段鍛冶屋をしていて文章をそれほど書き慣れていないせいか
原稿の文章には改行や句点(。)があまりなくワンセンテンスがとても長い。
私の父の同級生でもあった昭和3~4年生まれの人だったのでそれは無理もないことです。
そして碓氷さんは研究者でもあったので内容が専門的で用語もむずかしく、
また地域の固有名詞などもあり、これは普通の本の編集者では解読は無理ではないかと思いました。
この業界のことや内容をある程度知っていて、地名もわかり文章をワードに起こして
校正ができる人ってことになると・・・・「俺がしましょうか?」と思わず言っていました(笑)
もちろんそんな経験もなく責任重大だとはわかっていましたが、
この時はこの本が完成しないかもと危機感を感じていたので
この本の作成に大きく関わることになりました。
そしてこの本をどこで出版してもらうのか決まっているのかとお聞きしたら
まだ決めてないということだったので私が中学の時の国語の先生で
3年の時の担任だった高橋実先生が定年後勤めておられる「あかつき印刷」が
そういう個人的な本の出版をされていることを思い出してまかせてもらうことにしました。
碓氷さんの自宅に訪問する前日の6月3日にうちの会社で「あかつき印刷」の
社長さんと高橋先生(もう先生ではないのですが呼びにくいので)の3人で
打ち合わせをしました。
ただの個人の自費出版ではなく全国的に有名な鍛冶屋さんの本ということで
社長さんも一緒に来訪されました。
そこである程度背景を説明して翌日碓氷さんの自宅に3人で伺いました。
2009/06/04 碓氷健吾氏の執筆進行中
もともとこの本は、小川棟梁さんと上條先生の勧めで碓氷さんが鍛冶屋人生の集大成として
後世に記録に残すために執筆を始められたものです。
内容は、ご自分の生い立ちだけでなく、鉋の製造過程や鋼について今までの研究結果もまとめた
この業界の人なら必ず読みたくなるような本です。
「削ろう会」で発表された論文やカラー写真なども豊富に掲載する予定です。
この時の記事で上記の内容が書いてあるということはあとで出てくる
塩野米松氏の「聞き書き」の原稿はすでにできていたと思われます。
塩野米松氏は「職人の聞き書きの名手」と言われこの業界のいろいろな
職人さんの本の「聞き書き」をされていられる方です。
今回この記事を書いていて初めて気付いたのですが
塩野氏は1992年に「昔の地図」で第107回芥川賞候補となられた人とのことです。
そして偶然にも高橋実先生は1965年「雪残る村」が第52回芥川賞候補となられています。
なんと二人の芥川賞候補作家が関わっていたことに驚きました。
今日の碓氷さんは、職人さんと言うより作家の顔?でした。
出版社の社長さん、担当の高橋先生に熱い思いを語っておられました。
印刷部数、本のサイズ、装丁、スケジュールなどを具体的に決めましたが、
まだまだやらなければならないことが多くて大変そうです。
10月10日の「削ろう会三条大会」までには何とか間に合うように微力ながら
お手伝いをさせていただきますのでご期待ください。
この時に印刷部数を1,000部に決めたのですが、あとになってみると・・・。
【 つづく 】
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます