なんでも、8月19日にリニューアル発売する「ワンダ ゴールドブラック 金の無糖」の購入者に対し、味に不満だった場合、代金130円を返金するというものです。
記事(2014年8月7日 gooニュース)によると
『「朝専用缶コーヒー」で缶コーヒーの独自のポジションを獲得しているアサヒ飲料が、面白いキャンペーンを開始します。それは、「ご満足いただけなければ全額返金!」という「缶コーヒーの返金保証」です。
商品リニューアルに伴い、「味には自信があることを伝えたい」という主張が「返金キャンペーン」になったようですが、実はいくつかの期待が込められています。
◆返金保証をつけることで期待できる3つの効果
一つ目は、話題性を生み出すこと。「返金保証」という言葉は一般的にも知られていますが、清涼飲料水で返金キャンペーンを行うのは珍しいことです。そのため、ネットや口コミで情報が拡散されやすくなり、より注目を集めることができます。
二つ目は、「味の良い缶コーヒー」としてブランディングされること。そもそも返金保証というものは、商品やサービスに絶対の自信があるからこそ実施できる取り組みです。そのため、実際には飲んでいない人に対しても、「味に相当自信のある缶コーヒー」として認知されるようになるので、「缶コーヒーのブラックといえば…」とブランディングにつながります。
三つ目は、お試し客を集客できること。これまで缶コーヒーのブラックを飲んでいなかった人も「返金保証をするほど自信があるなら、一度飲んでみようかな。美味しくなければ返金してもらえるかし」と考える可能性が高まります。
つまり、返金保証をつけることで話題性を呼び、お試し客を呼び寄せ、さらに缶コーヒーとしてのブランディングまでできてしまうという効果が期待できるのです。
◆購入者全員が返金を申請するというリスクもゼロではない
このように説明すると、「返金保証」は期待値の高い戦略に感じるかもしれませんが、安易にマネして良いかというと、実はそうでもありません。まず、返金というのは基本時に損失です。もしかしたら、購入者全員が返金を申請するというリスクもゼロではありません。そのため、財政状況を考慮して返金保証をつけるか否かを検討することが重要です。
そして、返金保証があると聞いて、「返金してもらうことを前提」として購入する人もいますので、そういった人への対策は必要です。対策としては、「ある一定の条件を満たしていなければ返金しません」というように、返金条件を提示するというのが一般的です。しかし、その条件が複雑であったりした場合、「返金するつもりのない返金保証」として批判を呼ぶリスクもありますので、条件を付ける際には、常識の範囲内で設定するように注意が必要です。ちなみに、アサヒ飲料の返金は先着5万人限定で、特設のウェブサイトを通じて発売日の午前10時から1人1本、1回までというように条件を設定しています。
アサヒ飲料は、おそらく5万人に返金申請をされても良いと考えてキャンペーンを行っています。なぜなら、返金は現金書留で郵送するとのことなので、この返金処理を通じて自社商品を購入した顧客(缶コーヒーを飲む顧客)という、個人情報を収集することができるからです。
アサヒ飲料の返金キャンペーンは、話題を呼び、売上を促進させるというだけでなく、その先のことまで考えている戦略です。返金保証を行う際には、そういった視点を参考にして行うことをオススメします。』