治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

這えば立て

2010-01-22 18:35:00 | 日記
すみません。本場所中だけの一日二回更新。
いや、今度の場所はあまりに面白いんで・・・。

稀勢の里がキャラじゃない頭脳相撲で頭脳派の鶴竜を押し出し勝ち越しを決めた。
涙が出た。
明日一緒に国技館に行く友だちからメールが来る。

☆☆☆☆☆☆☆☆

友人→浅見

ようやく勝ち越しだ。
明日は少しは楽に見られますかね~。

浅見→友人

ああよかった。
鶴竜はかしこいからねえ。すごく心配だった。
明日はもうどっちでもいいや。飲んで楽しみましょう。



友人もこれを読んで安心したらしい。私が暴れたりしないと思ったんだろうね。

でもこのような気持ちは五分間くらいしか続かないものだよね。

しばらくするとこんな考えが・・・

明日魁皇か。
ここんとこずっと勝ってるな。
これで九勝?

千秋楽は豊ノ島とか豪栄道とかかしら。
もしかしたら二桁?

這えば立て、立てば歩め。

人間は欲深い動物ですね。

それとも私が欲深いのか?

☆☆☆☆☆☆☆☆

白鵬、まさかの三敗・・・。

う~ん。白鵬は、大変立派なお相撲さんだが、敬意を禁じえない立派な若者だが(あの風格でまだ二十四歳ですよ!)
悪いけど白鵬が負ける場所のほうが全体的に盛り上がるんだよね~。

明日は日馬富士vs朝青龍を生で見られる!

自分用メモ。
・大地君におみやげを買うこと。四股名関係もしくは日馬富士関係。似顔絵の類はダメ。国技館で売っている似顔絵関係は全部全然似ていない。視覚に強い大地君はきっと「誰?」って混乱する。
・新作大相撲キティが出てないかチェックすること。

知ること

2010-01-22 09:05:30 | 日記
昨日の読者の方も「根本的な枠組みを教えてほしい」とメールに書かれていたが
これは実は、大人になった方からよく聞く。

「きちんと教えてもらいたかった」
ってね。

ニキさんはこういう言い方するなあ。
「嘘を教えないでほしかった」

でも周囲の人々は、意外と現実を教えない。傷つけると思ってるんだろうな。
私の実感では、ASDの人たちは結構理解力がある。こっちが侮辱するような言い方をしなければ、現実を受け止める能力はかえって(あれこれ想像しない分)NTより高い部分もあるくらいな気がする。

「根本的なことを教える本」を書ける人がいつか出てきたらいいなと思う。

とりあえず私がご縁のあった人々に伝えているのはこれなんだ。

「定型発達者も努力が必要なんだ」

これだけで、はっとする人が多い。
救われる人が多い。
昨日のメールの人もそうだったでしょ?

「そんなのあたりまえじゃん」という事実を伝えることが
当事者の気持ちを楽にすることがある。
その場面に私はよく立ち会う。

大大大博士はちゅん平に「知識を持つことは、情緒などなにも関係ない。自閉症の人にとって知識は大事です」と説いていらした。こんこんと。
どうしてこれほど強調なさるのだろう、と思っていた。
それが今腑に落ちた。

=====

大地君→浅見

やっぱり日馬富士はかっこいいです。はっけよいのこったで、早くぶつかって、突っ
張り突っ張りで勝ちました。
今日はすごい寒い日でした。帰りは泣きたくなった。。。明日の朝はママに送ってほ
しい気持ちでした。
でも日馬富士が頑張ってくれたので、明日も歩いていこうと思います。
大地も強い男になりたいです。かっこいい男になりたいです。
全関取名鑑の日馬富士が「どうだ!」って、ニヤッと笑っているように見えました。
大地は「かっこいいでした。ありがとうございました。」と、お礼を言いました。

浅見→大地君

かっこよかったね。日馬富士。
応援している人が活躍するとうれしいでしょ?
大地君を応援している人は、大地君が活躍するとうれしいんだよ。

京都のおみやげ太鼓判キティちゃんです。

格闘技二種

2010-01-21 19:10:22 | 日記
またまた一日二回めの更新です。
本場所終わったら元に戻ります。

☆☆☆☆☆☆☆

一日中大大大博士の本に取り組み、
「平常心を保つ練習」をしようと16時にテレビをつけたら
NHK地上波は国会中継。
自民党が民主党の政治と金の問題を追及するというシュールな展開に思わずしばらく見入る。
自民党はいつから検察と仲良くなったのか。敵の敵は味方?
民主党松原議員はなんで熊みたいに歩き回っているのか。

BSに変えると中入り後が始まっている。

しばらくリモコンを握って国会中継と大相撲を交互に見る。

どっちが格闘技かわからない。

中入りの後半が始まり
「いいんだ、いいんだ。これを見たら私は仕事に戻るんだ」と自分に言い聞かせながら稀勢の里の取組を見る。

なんとか七勝目。
稀勢の里ファンの醍醐味は、上位相手でも「やってくれるかも」という期待を持てる反面、下位相手でも気が抜けないことだ。
今日も辛く勝った。
向正面の親方、やっぱり苦言を呈する。
横綱になるのさえまだ期待しているのに、と。
そういう日本人がまだいたのか。私以外に。

明日は勝ち越しをかける。でも相手は頭がいいぞ。

勝ったのを見届けてコンピュータに戻り、大大大博士の原稿チェック。

「EBMと代替療法の線引きはどこにあるのですか?」という私のシロートっぽい疑問を
大大大博士、ワンフレーズで回答してくださる。

大納得できた。

大納得してからまたテレビに戻る。

白鵬vs日馬富士。
日馬富士、勝つ!

と思ったらケータイが鳴る。
大地君だ!

日馬富士が横綱を下したことに大興奮している!
そのまま二人で電話で話しながら、朝青龍の勝利を見届ける。

しばらくお相撲話をして、ママに代わってもらって、おしゃべりした。
「明日大地君はぐじゅぐじゅ言うかもしれません。でもそれは、今日日馬富士が勝ってあまりにうれしかったせいかも」

うれしいことがあったあとに悲しくなる人たちなんだよね。
不思議な脳みそだ。でもだんだん付き合い方がわかってきた。
ニキさんの言うように
「不思議な行動には、話せば長いが浅いワケがある」と承知しておくことができるとお互いにいいよね。

発達って、何? その2

2010-01-21 08:33:37 | 日記
浅見→読者の方

メールをありがとうございます。
またブログや本をお読みいただきありがとうございます。

発達=定型脳 なのか、わかりませんね。
今度大大大博士にお会いする機会があったら聞いておきます。
藤家さんはたしかに、驚くほど変わりました。
でもまだ自閉的なところはあるし、変えなくてもいい部分もあります。
ただただ、生きやすくなるといいなあ、と姉のような気持ちで見守っています。

○○さんはどうして変わられたのでしょうね?

また、とてもすてきなメールなので、「読者からいただいたメール」としてブログでご紹介してもいいですか?

お返事お待ちいたします。
これからもよろしくお願いいたします。

浅見淳子

読者の方→浅見

お返事ありがとうございます!
失礼なメールだったらどうしよう、と思っていたので、
お返事が来てとてもびっくりしています。うれしいです。

メールの紹介ですが、とてもうれしいです、お願いします。ありがとうございます。
また、先走っているかもしれませんが、発達=定型脳、について、
大大大博士がどうお答えになるかということはぜひ知りたいです。

私はどうして変わったかということですが、
それを考えるとまずは、どうしてなのだろう、と思います。
なぜなら、私は自閉的見え方が好きだったので、それが変わっていくことは、
自分の能力がなくなっていくことに思えて、嫌でした。
定型的見え方だと、人間の脳の都合による優先度を勝手につけて、
全体としてみてしまうので、見えなくなるもの、感じなくなるものがあるように
思います。そういう感覚は(私からすると)乱暴だと思っていたので、
変わりたくないと思っていました。
でも、変わるのを止めることはできないようです。
なので、定型脳に近づいていくようになっているのが人間の脳、
なのかと思ってしまいます(私は、動物に近いほうの人間が自閉症の人なのかと
考えています。差別的に聞こえそうでこわいですが、そういう意味ではありません。
別々のものに共通項を見出して「同じ」ととらえて処理するのが定型脳で、
別々のものは別々のものとしてとらえて「同じ」としにくいのが自閉脳だからです。
そしてこれが様々な特性の基本にあるように思います)。
その変化は毎日続いているように思います。

外から何かで変化を加えたわけでないので、知ったり考えたりするといった
知的な変化だけで、変わっているのだろうと思います。それが視覚にもいくし、
思考も言葉の扱いも、変わっていくようです。
自閉関連の本は、水を飲むように必死で読みました。前のメールに書きましたが、
やはり「知ること」が、まずはなにより重要です。知ると、やっぱり「世界が変わ
る」のです。私にとって(おそらくほかのASDの人にとっても)、知ることは、世界

構造化するようなことなのです。だから、根本的な枠組みを教えてほしいのです。

私が変わったのは、わかりませんがもしかしたら、脳みそが若かったからということ
あるのかもしれません。早期介入や療育を受けた方は、どう見えているのだろうかと
思います。

また、私は親や兄弟との関係に、トラウマというのか問題を感じていたので、
それと格闘する過程で変わっていったこともあるかもしれません。
傷とかかなしさとか、執着しているものがあると、次の段階へ行きにくいような
気がします。おそらくですが。

私も、顔が見えるようになっても、自閉的特質がなくなっているわけではないです。
年末年始に帰省したのですが
蛍光灯やテレビの音、一日中誰かといっしょにいることなどはやはりつらくてダウン
しました。
それに、関係性のわからない(文脈を共有していない)相手とのやりとりや、
3人以上の会話はいまだむずかしいです。

こういうところも、これから変わっていくのかどうかはわかりません(大大大博士は
ご存知なのでしょうか)。
ただ私はまわりに定型発達の人が多いところでやっていかなくてはならないだろうと
思うので、定型発達の人のことも自閉症のことも、定型発達の人に説明できるかたち
で知っていないといけないと思っています。

読んでくださってありがとうございます!

=====

このやりとり、相当inspiringでした。
ふしぎなことに、こういうメールは見落とさないんですよね~定型脳。
大事なのものとそうじゃないものをより分けるのが早いのだ。
それは便利だと思います。

平常心を保つ練習

2010-01-20 20:22:41 | 日記
またまた異例の一日二回更新です。

☆☆☆☆☆☆

今日はライブで見るのやめようかと思っていた。精神衛生上悪いから。

でも見ることにした。
平常心を保つ練習をしようと思って。

大地君の本は好調。今日福岡でも平積みしていただいていると情報をいただいた。感謝。

大大大博士の本はすごいものになりそうだ。
録音と録画がもう、宝の山っていう感じ。
編集作業中圧倒されて、脳みそがけっこう不思議な活性の仕方と疲れ方をするの。
こんな本は初めてだ。

他にいい企画も持ち込まれている。
北国でのミーティングも面白かった。

つまり今、けっこう順調。

きせの成績にさえ煩わされなければ。

そう自分に言い聞かせた。
きせが勝とうが勝つまいが私は自分の仕事をやる。

とは言いながら・・・

巧者安美錦を破る。ほっ。いい相撲じゃなかったけど、まあいい。勝ちは勝ち。
北の富士さんいつもの苦言。
言われているうちが華だ。

ところで
朝青龍ってやっぱり千両役者だ。
いざという場面ですごい相撲を取る。
あの大きなばるとを放り投げた。

朝青龍みたいな人は
どんなスポーツをやっても大成して
そしてどんな場所でも嫌われるんだろうね。

明日の白鵬vs日馬富士が大きな一戦になりますね。

発達って、何?

2010-01-20 08:42:57 | 日記
下記メール、読者の方にいただいたのですが
あまりに面白いので
転載の許可をいただきました。

発達って、何でしょうね?

=====
花風社 浅見淳子様へ ASD当事者より

いつもブログを拝見させていただいております。
昨年11月には、盛岡でのニキさんとの講演会も聞かせていただきました。
自閉っ子本には、たいへん励まされ支えになり、役立たせてもらっております。
私が診断を受けることができたのも、花風社様の本でASDに対する認知が
いい方向に広まったこととものすごく関係があると思います。
ほんとうに、ありがとうございます。

昨今のブログで、脳の発達について書かれていましたが、
それについてお話ししたいことがあり、メールを書きました。
お忙しい中、恐縮ですが、読んでくださるととてもうれしいです。

私はいままで、鏡を見ても自分の顔を全体の「顔」として
把握できなかったのですが(たとえば、髪型が似合っているかどうかとか、
ファンデーションの色が合っているのかどうかとかの判断ができなかったり、
自分が「どういう感じの」顔か分からないということになります。)、

昨年の秋ごろ、「あ、『顔』がみえる」と、
ものの見え方が変わってきているのが具体的にわかりました
(自分がASDとわかってから、それまでも日々「見え方が変わっている」
ことは感じていました)。

これは、細部に視点がとまって動かない見え方から、おおまかな全体を
とらえる見え方に変わってきている、ということなのだろうと思います。

また、その見え方で外を歩くと、
「定型発達の人は、こういう感じで見えているのか(たぶん)。
この見え方では、『社会』というものがある、と考えるのもしかたがないな」
と思いました。

それまでは、「社会」と言われても、自分で知覚できないことだから
(できるのは「社会」の文字と音、それから感じる雰囲気だけ)、
なぜほかの人は「社会」なんてものをあると思い込み、それを重要視
するのかと思っていました。

でもそれは、定型発達の人の脳がそういうつくりになっているから、
ということが実感でわかりました。

脳の発達、というのはやはり、脳が自閉から定型的になっていくことを
言うのでしょうか。
ものの質感がたいへんおもしろく見えるような自閉的ものの見え方が
できなくなってくるのは、すこし残念でもあります。
でも変わっていくのだから、それでやっていくしかないと思います。

こういう変化をしている人はほかにもいるのか知りたいなと思っていました
(本ではまだ読んだことがなく、私は当事者どうしのつき合いがありません)。

浅見さんのブログで、たとえば藤家さんが「スルーできるようになっている」のは
脳が発達しているからだ、というのを読み、やっぱり変化していくよなあ、と
知ることができました。

私の場合、脳みその変化には、「知ること」がとても重要です。
自分がASDであること、
他人もおなじ感情の体系をもっていること、
他人も考えることができること、
定型発達の人にも感受性があること、
定型発達の人も努力していること、
この世界はがんばるところであること、などは
早めに教えてほしいことです。

浅見さんがブログに「定型発達者も努力している」と書かれていたので
ああ、やっぱりそうなのか、と思いました。
そして、ああ、この世界はやっぱりがんばらないといけないところなんだ、
とわかりました。それはだいじな衝撃でした。
それまで、そうかもしれない、と一人で推測していても、
根拠が得られないので、その考えを採用していいのかわからないのです。

言葉など目に見えるかたちで示してくださるとほんとうに助かります。
ぜひ、惜しまず根本的なこと、定型発達の人が暗黙の前提にしているような
ことを明示してくださると、助かる人がたくさんいるように思います。

ASDのことをわかっている方にお話がしたかったので、
長々書いてしまいました。
お忙しい中、読んでくださってほんとうにありがとうございます。

=====

私がこの方にしたお返事はまた今度。

子どもにはまだ早い

2010-01-19 07:27:10 | 日記
・稀勢の里、五連勝のあとに四連敗。結局いつものきせのん?
 成長はおおいに見られるんだけどなあ。と期待させておいてまた来場所を楽しみにしていると(以下略)
 
・きせのんには学習能力がないんじゃないかといつも歯がゆい思いをするが、学習能力がないのは応援しているほうかもしれない。毎回毎回期待しては(以下略)

・ばるとが優勝争いに絡んでいる。八勝一敗。その一敗が稀勢の里だというのが、ちょっとありえないよね。
 でもこのままだとまた先に大関になられてしまうよう。
 それと、昨日のインタビュー聞いている限り日本語会話力でも(以下略)

・音羽山親方が解説で稀勢の里に冷静になれと言っていた。横綱の挑発に乗っては仕方ないだろう、と。そう、乗るんですよ、相手の挑発に。でもね、横綱を横綱と思っていないあの向こうっ気がむきだしなところがファンにはたまらないところで・・・。

・朝青龍が勝ったあとまで相手をにらみつけるのを見て、自分を見ているような気がした。

・大地君からメールが来た。「稀勢の里は白鵬相手に、大健闘でした。勝ってほしかったです。」
 ありがとう。大地君は不思議なことに若干アンチ白鵬気味だからね(大地君自身はどっちかというと白鵬キャラなんだが、人間って不思議)。
 でもね、大地君、まだ八歳なのだからもっとわかりやすい強い人を応援しなさい。私はすでにこのブログ等を通じて稀勢の里の応援にたくさんの人を巻き込んでしまったが、きせのん応援の看板を張るのは子どもにはまだ早い。子ども時代はのびのびと、横綱や大関を応援しているのが幸せです。

週末の出張

2010-01-18 08:36:02 | 日記
最終便で北から帰って来た機外の東京は
巨大な光の塊だった。

先週は南から帰ってきた。

二週末連続出張ミーティングだ。

先週はドクター、ASD当事者、心理士、OTの方々と。

今週はドクター、ASD当事者の方々と。

どっちも実り多かった。

一次障害だろうと二次障害だろうと治したい治療者。

福祉を上手に利用しつつも努力を忘れない当事者。

こういう人たちは、実は結構数が多い。

今年は人に会う年にしようと思う。
まあそう言っても会える人数は限られるけど。

でも、来週末は出張はない。
昼間から国技館でお酒を飲んでお相撲を見るんだ。わ~い。

☆☆☆☆☆

稀勢の里は上位戦が続き、星が伸びない。
でも昨日の白鵬戦はすごかったですよね! あそこまで肉迫したのは初めて見た気がするんですけど。

そして今日は本場所のメインイベント朝青龍戦。

番付を落としているから、今場所は当たらないかと思っていた。
当たってよかった。
あの二人の取組がない場所は面白くない。

今日は早回しで仕事だ!

不登校のインフォームド・コンセントはどうなってる?

2010-01-17 09:27:25 | 日記
外は雪。
こういう中を大地君は毎日学校に通っているんだなあ。

考えてみたら、今日これからお会いするお二方を含めて
自由業の立場とかで私とかかわりのあるASDの人たちの中で
義務教育時代に不登校をしていた人はいない。

大人になってフルタイムの仕事が難しかった人でも
ちゃんと学校には行っていた。

みんな傷つき体験はあったけど
それでも学校へは行っていた。

とにかく学校に通うことで
「いやでもやるべきことをやる」という体験と
「どこかに通う」という習慣づけと
とりあえず持って生まれたありったけの社会性を養っていたわけだから
登校し続けたことは無駄ではなかったわけだ。

じゃあ今不登校を許されている子はどうなるんだろう。
とくに知的障害のない子たちは。
福祉をあてにできるならいい。でもこの状況であてにできると思う?

「二次障害のないニートになるんじゃないか」って言ってた先生いたなあ。
それが目標なのか? 特別支援教育の?
ていうか
通うべき学校に通えなかったことで、二次障害負いそうなもんだが。

大地君は普通学級でのお勉強はつらい子だ。
でも彼くらいのIQの子は
支援級に措置してもらうだけでも大変な苦労をする。
だって支援級の先生だって生活あるもんね。給料いるもんね。
限られたリソースを、ふさわしい子にまわせるように慎重に検討するのは、血税を預かっている行政として当然だろう。

せめて景気がよくならなければ福祉や特別支援教育に財源は回らなくなる。
そのためには働ける人が
一人一人が生まれ持った能力を生かさなくては。

ってしごくまっとうな考え方に思えるんですけど。
私のような福祉業界の外の人間としては。

「通学するのは小学生のお仕事」
「学校に通うのは将来仕事をするためのトレーニング」

栗林先生と白くま母さんは毅然とその方針を大地君に示している。
だから大地君は頑張って登校する。
つらくても、登校が将来につながることをきちんと教えてもらっている。
登校すること自体を、別にほめられない。
小学生のお仕事として、当たり前のことにすぎないから。
ママがご飯を作ってくれるように
浅見さんが本を作るように
日馬富士関がお相撲をとるように
大地君は学校に行くのがお仕事。

私はそういう教育方針を伝えたいと思いました。
なぜって?
なぜかレアだから。
そして、私は非・福祉、非・教育である自閉っ子周囲の人間としてその教育方針を「あたりまえ」だと思っているから。
そしてたくさんの「将来できれば自立してほしい」親御さんや
「できれば働きたい」当事者の人を知っているから。
福祉が発展したらいいな、と願いつつ。

大地君は知的障害がない。
知的障害がない子には、それなりに世の中で果たす義務がある。

私は頑健である。それは私がえらいのではない。こういう風に生まれただけだ。
おまけに健康維持には結構投資している。
私が持って生まれた健康を保つことで、医療費が助かって、その分私が毎月払っている医療保険の財源が、他の人に回るでしょ?

大地君の支援級のお友だちの中には、重い障害の子もいる。
大地君は頭に管がついているお友だち、車椅子のお友だちに手を貸しながら通級している。
その子たちは、支援級を卒業すると親から離れて寮に入るんだって。
広い北海道では中学からもう寮生活。
そしてそのまま卒業し、施設に入り、一生親とは一緒に暮らせない。

こういう人生を数年後に生きる子どもたちと、大地君は机を並べて勉強している。

大地君は、その子たちを助けられる大人になりたいと願っている。
そしてその願いをかなえる第一歩は、学校に通いつづけることだと教わっている。

きちんと教えてもらって、幸せな子だ。

ヨコハマでぼくうみをどうぞ

2010-01-16 09:50:11 | 日記

お知らせ遅れました。
ヨコハマのクオリティ・ミニシアターでぼくうみ上映中。
ここにかかるって、けっこうすごいと思いました。
私から見ると興行的には成功だと思います「ぼくうみ」。

1月22日まで上映中です。
スケジュール等は下記にあります。

http://www.jackandbetty.net/

帰りに中華街行きたいけど店多すぎてわかんない、という方
もしよかったらこちらにどーぞ。
ただし最近テレビに出たので多少並ぶかもしれません。

http://www.ryukarou.jp/

ニキさんにも以前薦めたお店です。
気に入ってくれたみたい。
まあそれぞれ好みはありますが。ここは広東系。
ヨコハマ中華街は広東系が多いです。

という私は週末、よその街に飛ぶの。
ASDの方と主治医の方とお会いするのです。

行ってきます。

☆☆☆☆☆

しょぼーん。

昨日

>たとえ負けてもいい相撲だったら明日に希望がつなげる気がする。

なーんて書いたが、やっぱり負けたら悔しいのでした。

相当進歩は見られたけど、そのことをほめるのはやめた。
私は小学校の先生じゃないので
「結果より努力が大事」なんてこと言うのは大人っぽくないもんね。
結果のみで判断する。それがプロに対する礼儀。
うんうん。
ほめたいけど我慢する
大地君のこともよく、ほめたいけど我慢してるの。
周囲にいる他人の大人として
ご両親の教育方針はきちんと守りたいからね。

まあとにかくこの先も頑張れ! 期待してる!
君ならきっとできる!
と稀勢の里にも大地君にも思ってる。

でも初場所、久々に調子のいい人が多くて面白い!