さて、数ヶ月前からネットの片隅で、まったく見知らぬ人物が、花風社の編集方針改革に熱心に取り組んでいた。
私と方針が合わないから放っておいた。面識もないし、うちの株主でも役員でもない。考えも違うみたいだし、傾聴すべき意見とも思えない。
やがて私の箸の上げ下ろしまで非難し始めて「うざい」なあと思った。いやなら読まなきゃいいだけのこと。他にも自閉症の本はいっぱい出ている。もっと大きな会社から。
うちは年に3冊しか出さない小出版社なのだ。よその本を買えばいいだろう。なんでうちに執着するんだろう。
こっちは親の言うこともろくすっぽ聞かないで育った腕白娘なのだ。どうしてそんな見も知らぬ人のいうことを聞く用意があるだろう。
ところがこの人物は功労者だ。先日大大大博士祭りを取り仕切り、見事にうちの営業をラクにしてくれた。
うちの社員でも役員でもないのに、立ち読みした本の編集方針が気に入らないと自分のサイトで質問を投げかけ(絶対会社あてにメールを送ってくることはない)、それに答えないとこっちを罵倒する。
不思議な人だなあと思った、わけがわからなかった。一時はお友達も見ていて心配だったのではないだろうか。ちょっと常軌を逸していたから。
後になってわかった。
この人物が主催するサイトは、お客さんが多いらしい。
ネット書店のアフィリエイトをしているから、いっぱい本が売れるらしい。
だから自分が自閉本の売れ筋の生殺与奪権を握っているとカンチガイしていたのかしら。
その権力を盾に、花風社の方針を曲げさせようとした。
権力を振り回していたのはあっち。
明らかな言論弾圧を受けたのはこっちである。
そこではうちの本がほめられたりけなされたり微妙な扱いをされたりしているようだが(よく読んでない。他の本のレビューみても、私とずいぶん読み方が違うし)
はっきり言ってそこのレビューの良し悪しとうちの売り上げとは全然リンクしていない。
でもたまに、そこでほめるとネット書店で順位がアップしたりした著者からお礼を言われたりするようで、それで舞い上がったらしい。
だから花風社も自分の意見に従うと思ったのだろう。
ああ、そういうカンチガイだったのか。
それは「数少ないエピソードを過剰に汎化」したんじゃないかな。
私は著者ではない。版元だ。
様々な流通経路全体を見ている。ネット書店は数多い販路の一つ。
著者ならふだん他の流通経路を普段見ないから、ネット書店の順位に注目するだろう。
でも私が日々見ている数字はそれとは別のもの。そこにはそのサイトでの評価など反映されてはいないのだ。
むしろ不思議なことに、そこで酷評されればされるほど動きがよくなる本もある。
本は魔物だ。
新聞に書評が載ってもことりとも動かないもの。何もしなくても売れるもの。20年やっているが、本当にわけがわからない。
その売れ行きを神のように左右できると夢見て、私に当然のごとくプレッシャーをかけてきたこのambitiousな人物に、私は苦笑してしまう。
脅せば私が怯えて言うこと聞くと思ったらしい。私に会ったことのない人が、よくする誤解である。
私と方針が合わないから放っておいた。面識もないし、うちの株主でも役員でもない。考えも違うみたいだし、傾聴すべき意見とも思えない。
やがて私の箸の上げ下ろしまで非難し始めて「うざい」なあと思った。いやなら読まなきゃいいだけのこと。他にも自閉症の本はいっぱい出ている。もっと大きな会社から。
うちは年に3冊しか出さない小出版社なのだ。よその本を買えばいいだろう。なんでうちに執着するんだろう。
こっちは親の言うこともろくすっぽ聞かないで育った腕白娘なのだ。どうしてそんな見も知らぬ人のいうことを聞く用意があるだろう。
ところがこの人物は功労者だ。先日大大大博士祭りを取り仕切り、見事にうちの営業をラクにしてくれた。
うちの社員でも役員でもないのに、立ち読みした本の編集方針が気に入らないと自分のサイトで質問を投げかけ(絶対会社あてにメールを送ってくることはない)、それに答えないとこっちを罵倒する。
不思議な人だなあと思った、わけがわからなかった。一時はお友達も見ていて心配だったのではないだろうか。ちょっと常軌を逸していたから。
後になってわかった。
この人物が主催するサイトは、お客さんが多いらしい。
ネット書店のアフィリエイトをしているから、いっぱい本が売れるらしい。
だから自分が自閉本の売れ筋の生殺与奪権を握っているとカンチガイしていたのかしら。
その権力を盾に、花風社の方針を曲げさせようとした。
権力を振り回していたのはあっち。
明らかな言論弾圧を受けたのはこっちである。
そこではうちの本がほめられたりけなされたり微妙な扱いをされたりしているようだが(よく読んでない。他の本のレビューみても、私とずいぶん読み方が違うし)
はっきり言ってそこのレビューの良し悪しとうちの売り上げとは全然リンクしていない。
でもたまに、そこでほめるとネット書店で順位がアップしたりした著者からお礼を言われたりするようで、それで舞い上がったらしい。
だから花風社も自分の意見に従うと思ったのだろう。
ああ、そういうカンチガイだったのか。
それは「数少ないエピソードを過剰に汎化」したんじゃないかな。
私は著者ではない。版元だ。
様々な流通経路全体を見ている。ネット書店は数多い販路の一つ。
著者ならふだん他の流通経路を普段見ないから、ネット書店の順位に注目するだろう。
でも私が日々見ている数字はそれとは別のもの。そこにはそのサイトでの評価など反映されてはいないのだ。
むしろ不思議なことに、そこで酷評されればされるほど動きがよくなる本もある。
本は魔物だ。
新聞に書評が載ってもことりとも動かないもの。何もしなくても売れるもの。20年やっているが、本当にわけがわからない。
その売れ行きを神のように左右できると夢見て、私に当然のごとくプレッシャーをかけてきたこのambitiousな人物に、私は苦笑してしまう。
脅せば私が怯えて言うこと聞くと思ったらしい。私に会ったことのない人が、よくする誤解である。