さて、昨日の朝、起きたら風邪を引いてなくてほっとしました。
まあほとんど風邪は引かないんですけど、引くとまずのどにくる人なので
人前でしゃべるお仕事の前には気をつけています。
二週間で四回入っていた皆さんの前でお話しするお仕事。
昨日が十月最終日です。
鎌倉の小学校の、通級指導の教室で皆さんの前でお話ししました。
昨日お伝えしたいと思っていたテーマは二つ。
1 自閉っ子の仕組みを知っていただき、自閉症者の人もそうじゃない人も、お互いに腹が立たない生活のヒントとしていただくこと。
2 自閉っ子が努力もでき社会のルールも守れる存在であると知っていただくこと。
これを昨日の会の目標にしました。
っていうか、今シーズンずっとこれが目標であちこちでおしゃべりしているわけですが。
昨日がこれまでと違ったのは、クローズドな少人数の会(35名)だったので
質疑応答なども交えて進行したということですかね。
逆に言うと、私の方でも異文化交流が楽しめたわけです。
一つの異文化は、保護者の方たち。
もう一つの異文化は、主催者側の先生たちです。
ご挨拶された教頭先生は、数年前(もう一昔前に思えます)
ニキさんと私が小田原で行った講演会にご出席だったとのこと。
トオイメになります。
あのころはね、教育委員会が主催だろうと「教え子を戦場に送るな!」の人たちが主催だろうと
とにかく会を開いたって先生たちは来なかった。
でもいつでも会場はいっぱい。
会場を埋めていたのは、保護者の方たちです。
それを見て私は「教師にとってはどこか他人事なんだろうな基本的に。それに比して親御さんにとっては切実な問題なんだろう。保護者向けに本を作った方が売れる」
という経営判断をしてきたわけでございます。
メインターゲットは保護者。教師は別に読んでもいいよ。ためになると思うよ。(←上から目線)
その時代にわざわざ小田原までお出かけになったのだから、教頭先生は熱心な方ですね。
そして2012年の今、
現場の先生が学校でしゃべってくれとよりによってこのワタクシにお声がけ下さるような時代になりました。
時代は変わるものです。
せいぜい期待にお応えしなくてはと張り切って出かけてきました。
身体感覚・認知・社会適応 というベーシックなお話が第一部。
休憩をはさんで第二部は、「努力もできれば社会のルールも守れる人たち」の部分。
でもみんな、努力のかたちは違う。
その子にあった努力をすればよい。
という話の流れで
「変人枠」の話も出ました。
「別に普通にならなくていい。変人枠でいい」という話。
これがわりと反応大きくて、逆にびっくりしました。
「変人枠ってどこにありますか?」ときかれたので
「まあわりと私なんか変人枠」っていう話をしたら、礼儀正しい教頭先生が
「何か変人とか言ってしまうのは失礼な気がする」とおっしゃるんですけど
いえいえ、先生。
私は立派な変人枠で、それを自覚して生きていますよ。
発達障害の世界には、私の言動に目くじら立てる人も多いですが
目くじら立てるより「こういう人間でも世渡りしていけるんだ」っていう方に励まされるほうがいいんじゃないかと思います。(←開き直り能力)
別に普通にならなくてもいい。とにかく最低限働ける体力つけて、社会のルールを守っていれば、いくら変人であっても社会はつまはじきにしない。
ということは私にとっては大前提なんですけど
ときどき(というかしばしば)むしろ成人の当事者が
普通になろうと無駄な努力→つまはじき→社会を恨む
のスパイラルに陥っていることがあって不思議だったんですけど
努力して普通になれっていわれたら、そりゃ努力したくないよね。
だって無理だもんそれは。それに必要ないし。
いいんですよ普通じゃなくて。
普通じゃなくても生きていけるんだから。
でもしばしば学校で説く道徳って「地方公務員養成講座」でしょ?
って言ったら、担当の窓口の先生が
「そうそう」っておっしゃったので、正直でいいな、と思いました。
でも世の中には(とくに都会には)
何やっているかわからない人、何やっているかきいてみて説明されてもわからない人がいっぱいちゃんと自分でご飯を食べて生きてますよ。
そういう人の一人になればいいんです。
たとえば聴覚過敏の人が耳栓をしたいとする。
私の以前の職場では、耳栓したい人は耳栓してました。別に上司の許可いらない。
でも上司の許可がいる職場もあるでしょう。許可してくれるところもしてくれないところもある。
逆に職務上、「絶対耳栓無理」っていうところもあるでしょう。
あれほどの聴覚過敏だったちゅん平が、どうやって販売業をこなしているのか私は想像の外ですが
きっと平気になったんでしょうね。
そういう風に平気になることもあるみたいだし(でも別にちゅん平は特別な訓練をしたわけではないです。ただ全体的に丈夫になっただけ)、平気にならなくても、
別に耳栓しても何も言われない職場もありますよね。
将来を考えるときそういう「職場にはいろいろな気風がある」っていうことを考えて
無理せず合ってるところ選ぶのも大事なことです。
「30歳からの社会人デビュー」読めばわかるけど
ちゅん平も克服不可能な能力を要する職場とは、まあ縁がありませんでしたね。
そしてその縁がなかったことを踏まえて、次の職場を選んでいます。
それと友だち問題。
やはり保護者の方は、いろいろ悩まれていますね。
私のほうもたくさんヒントをいただきました。
これについてはニキさんもちゅん平さんもしゃべってくれてるので
お披露目できるでしょう。
担当の先生は私が言った
「ケンカできるのも社会性」っていう言葉が印象に残ったようです。
社会性は「仲良く」だけじゃないですよね。
害をなしてくる相手にはしっかりと抵抗する。これも社会性です。
というわけで、十月の巡業は楽しかったです。実り多かった。
そのうちまた巡業全体で学んだことを皆さんにフィードバックしますね。
というわけで十一月のお知らせ。
貼っておきますね。
めったに行かない九州なので
どうぞお誘い合わせの上、お出かけくださいませ。
ここでも上記の二つがテーマです。
=====
九州で「自閉症の人の社会的自立を考える」お勉強会を行います!
お世話になっております。花風社の浅見です。
花風社 では、11月17日(土曜日)福岡にてお勉強会を執り行います。要領は以下のとおりです。
日時 2012年11月17日 土曜日
12:30~14:30
場所 〒812-0013
福岡市博多区博多駅東1丁目16-14リファレンス駅東ビル 大会議室C
テーマ
第一部 「自閉っ子は、努力もできるし社会のルールも守れる人たちです!」
講師: 浅見淳子
第二部 「引きこもりから抜け出してシューカツ、そして一般就労するまで。支援とのつきあい方」
講師: 藤家寛子 聞き手 浅見淳子
講師紹介
浅見淳子: 編集者。(株)花風社 代表取締役社長 自閉症者による手記を出すという仕事を通じ、異文化としての自閉症者との交流を楽しんでいる。
藤家寛子: 20代にてアスペルガー障害と診断される。重い二次障害による引きこもり生活を経て、支援を上手に利用し一般就労して一年経つ。佐賀県在住。最新刊は「30歳からの社会人デビュー アスペルガーの私、青春のトンネルを抜けてつかんだ未来」
料金 1500円(当日お支払いください)
定員 50名
お申し込みの方は、花風社当て(mail@kafusha.com)にメールで
1 お名前
2 ご連絡先
をお知らせください。お申し込みご確認の返信メールをお送りいたします。
花風社は今年、関東でもお勉強会を何度か行いました。おかげさまで、ご参加の方々に「他では聞けない話が聞ける」とご好評いただきました。「自閉っ子を社会の中に送り出す」ためのお勉強会。今回九州でも行う運びとなりました。少人数のアットホームな会で、質問も受け付けます。どうぞふるってご参加くださいませ。
株式会社 花風社
代表取締役社長 浅見淳子
東京都港区東麻布3-7-1-2F
電話 03-6230-2808
ファクス 03-6230-2858
http:.//www.kafusha.com
mail@kafusha.com
まあほとんど風邪は引かないんですけど、引くとまずのどにくる人なので
人前でしゃべるお仕事の前には気をつけています。
二週間で四回入っていた皆さんの前でお話しするお仕事。
昨日が十月最終日です。
鎌倉の小学校の、通級指導の教室で皆さんの前でお話ししました。
昨日お伝えしたいと思っていたテーマは二つ。
1 自閉っ子の仕組みを知っていただき、自閉症者の人もそうじゃない人も、お互いに腹が立たない生活のヒントとしていただくこと。
2 自閉っ子が努力もでき社会のルールも守れる存在であると知っていただくこと。
これを昨日の会の目標にしました。
っていうか、今シーズンずっとこれが目標であちこちでおしゃべりしているわけですが。
昨日がこれまでと違ったのは、クローズドな少人数の会(35名)だったので
質疑応答なども交えて進行したということですかね。
逆に言うと、私の方でも異文化交流が楽しめたわけです。
一つの異文化は、保護者の方たち。
もう一つの異文化は、主催者側の先生たちです。
ご挨拶された教頭先生は、数年前(もう一昔前に思えます)
ニキさんと私が小田原で行った講演会にご出席だったとのこと。
トオイメになります。
あのころはね、教育委員会が主催だろうと「教え子を戦場に送るな!」の人たちが主催だろうと
とにかく会を開いたって先生たちは来なかった。
でもいつでも会場はいっぱい。
会場を埋めていたのは、保護者の方たちです。
それを見て私は「教師にとってはどこか他人事なんだろうな基本的に。それに比して親御さんにとっては切実な問題なんだろう。保護者向けに本を作った方が売れる」
という経営判断をしてきたわけでございます。
メインターゲットは保護者。教師は別に読んでもいいよ。ためになると思うよ。(←上から目線)
その時代にわざわざ小田原までお出かけになったのだから、教頭先生は熱心な方ですね。
そして2012年の今、
現場の先生が学校でしゃべってくれとよりによってこのワタクシにお声がけ下さるような時代になりました。
時代は変わるものです。
せいぜい期待にお応えしなくてはと張り切って出かけてきました。
身体感覚・認知・社会適応 というベーシックなお話が第一部。
休憩をはさんで第二部は、「努力もできれば社会のルールも守れる人たち」の部分。
でもみんな、努力のかたちは違う。
その子にあった努力をすればよい。
という話の流れで
「変人枠」の話も出ました。
「別に普通にならなくていい。変人枠でいい」という話。
これがわりと反応大きくて、逆にびっくりしました。
「変人枠ってどこにありますか?」ときかれたので
「まあわりと私なんか変人枠」っていう話をしたら、礼儀正しい教頭先生が
「何か変人とか言ってしまうのは失礼な気がする」とおっしゃるんですけど
いえいえ、先生。
私は立派な変人枠で、それを自覚して生きていますよ。
発達障害の世界には、私の言動に目くじら立てる人も多いですが
目くじら立てるより「こういう人間でも世渡りしていけるんだ」っていう方に励まされるほうがいいんじゃないかと思います。(←開き直り能力)
別に普通にならなくてもいい。とにかく最低限働ける体力つけて、社会のルールを守っていれば、いくら変人であっても社会はつまはじきにしない。
ということは私にとっては大前提なんですけど
ときどき(というかしばしば)むしろ成人の当事者が
普通になろうと無駄な努力→つまはじき→社会を恨む
のスパイラルに陥っていることがあって不思議だったんですけど
努力して普通になれっていわれたら、そりゃ努力したくないよね。
だって無理だもんそれは。それに必要ないし。
いいんですよ普通じゃなくて。
普通じゃなくても生きていけるんだから。
でもしばしば学校で説く道徳って「地方公務員養成講座」でしょ?
って言ったら、担当の窓口の先生が
「そうそう」っておっしゃったので、正直でいいな、と思いました。
でも世の中には(とくに都会には)
何やっているかわからない人、何やっているかきいてみて説明されてもわからない人がいっぱいちゃんと自分でご飯を食べて生きてますよ。
そういう人の一人になればいいんです。
たとえば聴覚過敏の人が耳栓をしたいとする。
私の以前の職場では、耳栓したい人は耳栓してました。別に上司の許可いらない。
でも上司の許可がいる職場もあるでしょう。許可してくれるところもしてくれないところもある。
逆に職務上、「絶対耳栓無理」っていうところもあるでしょう。
あれほどの聴覚過敏だったちゅん平が、どうやって販売業をこなしているのか私は想像の外ですが
きっと平気になったんでしょうね。
そういう風に平気になることもあるみたいだし(でも別にちゅん平は特別な訓練をしたわけではないです。ただ全体的に丈夫になっただけ)、平気にならなくても、
別に耳栓しても何も言われない職場もありますよね。
将来を考えるときそういう「職場にはいろいろな気風がある」っていうことを考えて
無理せず合ってるところ選ぶのも大事なことです。
「30歳からの社会人デビュー」読めばわかるけど
ちゅん平も克服不可能な能力を要する職場とは、まあ縁がありませんでしたね。
そしてその縁がなかったことを踏まえて、次の職場を選んでいます。
それと友だち問題。
やはり保護者の方は、いろいろ悩まれていますね。
私のほうもたくさんヒントをいただきました。
これについてはニキさんもちゅん平さんもしゃべってくれてるので
お披露目できるでしょう。
担当の先生は私が言った
「ケンカできるのも社会性」っていう言葉が印象に残ったようです。
社会性は「仲良く」だけじゃないですよね。
害をなしてくる相手にはしっかりと抵抗する。これも社会性です。
というわけで、十月の巡業は楽しかったです。実り多かった。
そのうちまた巡業全体で学んだことを皆さんにフィードバックしますね。
というわけで十一月のお知らせ。
貼っておきますね。
めったに行かない九州なので
どうぞお誘い合わせの上、お出かけくださいませ。
ここでも上記の二つがテーマです。
=====
九州で「自閉症の人の社会的自立を考える」お勉強会を行います!
お世話になっております。花風社の浅見です。
花風社 では、11月17日(土曜日)福岡にてお勉強会を執り行います。要領は以下のとおりです。
日時 2012年11月17日 土曜日
12:30~14:30
場所 〒812-0013
福岡市博多区博多駅東1丁目16-14リファレンス駅東ビル 大会議室C
テーマ
第一部 「自閉っ子は、努力もできるし社会のルールも守れる人たちです!」
講師: 浅見淳子
第二部 「引きこもりから抜け出してシューカツ、そして一般就労するまで。支援とのつきあい方」
講師: 藤家寛子 聞き手 浅見淳子
講師紹介
浅見淳子: 編集者。(株)花風社 代表取締役社長 自閉症者による手記を出すという仕事を通じ、異文化としての自閉症者との交流を楽しんでいる。
藤家寛子: 20代にてアスペルガー障害と診断される。重い二次障害による引きこもり生活を経て、支援を上手に利用し一般就労して一年経つ。佐賀県在住。最新刊は「30歳からの社会人デビュー アスペルガーの私、青春のトンネルを抜けてつかんだ未来」
料金 1500円(当日お支払いください)
定員 50名
お申し込みの方は、花風社当て(mail@kafusha.com)にメールで
1 お名前
2 ご連絡先
をお知らせください。お申し込みご確認の返信メールをお送りいたします。
花風社は今年、関東でもお勉強会を何度か行いました。おかげさまで、ご参加の方々に「他では聞けない話が聞ける」とご好評いただきました。「自閉っ子を社会の中に送り出す」ためのお勉強会。今回九州でも行う運びとなりました。少人数のアットホームな会で、質問も受け付けます。どうぞふるってご参加くださいませ。
株式会社 花風社
代表取締役社長 浅見淳子
東京都港区東麻布3-7-1-2F
電話 03-6230-2808
ファクス 03-6230-2858
http:.//www.kafusha.com
mail@kafusha.com