治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

反省の言葉

2012-10-07 09:34:30 | 日記
昨日はインタビュー原稿起こしてました。
明日は出勤かな、と思うので
今日はまったりしようかと思ってたんですけど
ブログ更新しようと思ったのには理由があります。

すでに「自閉症者の犯罪を防ぐための提言」がお手元に届いている方たちいらっしゃいますが
そのお一人から

=====

「彼」が法廷で言ったことは反省の言葉かと思っていた。これを世間は反省と受け取らないのか。勉強になった。

=====

という言葉があり
「そうそうそう」と思ったんです。

「彼」が最後に法廷で言ったことは、反省に聞こえました。
昨日の読者の方にとってもそうでしょう。
多少なりとも自閉脳に通じている人にとっては、反省の言葉なんです。

実際、支援に当たられている方に「彼」がどう言ったかを話すと
「ああ、もう大丈夫ですね。再犯しませんね」と言われます。

ところが検察官や裁判官にとっては、同じ言葉が「反省がない」なんですね。

そしてこの本を作る途中、自閉症に関係のない人たちにも感想を聞きしたけど
やはり、私が「自閉症者なりに反省している」と思った言葉について、不快感を感じたり、「被害者への配慮がない」と言う人たちもいて
文化の溝をひしひしと感じたものです。

私は、支援の人たちは罪一等を減じてもらうことではなく
「これが自閉症者なりの反省の言葉なんだ」っていう方を知らせた方がいいと思います。
それが司法の世界での障害理解につながります。

読者の方は
「これが自閉症者なりの反省だとわかってもらうためには、再犯をしないこと」とおっしゃっていましたが
その通りだと思います。

まあ昨日は基本インタビュー原稿を起こしながら、事務連絡したりついーとチェックしたりメール書いたりしていたわけです。

そして買い物に行ったら松茸が安かったので(アメリカ産)
今年二回目の松茸ご飯を作りました。土鍋炊きね。

そんな平和な一日で、今日はブログも含めて休もうかと思っていたのですが

画伯からお知らせがあり
画伯ブログに例の大阪の事件の裁判員を務めたらしき方からコメントが。

そうねえ。裁判員を務めた方々は、本当に一般の市民感覚で裁いたのであって
それをああいう騒がれ方をしたら
傷つくでしょうね、と思いました。

別に「障害者差別をしている」から出した結論ではないと思いますし。
健常者と障害者をともに人間と見なして、出した結論なわけですしね。

この方が本当に裁判員かどうか、確認する術は私にはありませんけれども、
裁判員の立場なら、そうだと思います。
それがいきなり「障害者差別!」と言われたら、戸惑うでしょうね。