治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

同時発売までの流れ

2012-09-10 09:53:35 | 日記
昨日は、神田橋研究会での先生のお話を聞いて突然わいてきた「大大大博士祭りへの怒り」をなんとかしようと、振り返っていました。
今回の同時発売までの流れ。
こんな感じ。

裁判を抱えることになった(2009年)

発達障害の世界にうんざり

せめて、ちゅん平の回復を置き土産にしようと、「自閉っ子的心身安定生活!」を作っていた。(2009年夏)

愛甲さんから連絡。「神田橋先生の本を作りませんか?」
そんな大御所の本を・・・と躊躇するが「神田橋先生のもとにいくと治る。30年引きこもっていた人がシューカツを始める」という話を聞き、興味を持つ。
当時自閉症者の認知のゆがみから言いがかりをつけられ法的被害にあっていた私としては、治るのなら治ってほしかった。(2009年夏)

2010年1月に対談することが決まる。その準備に入る(2009年秋頃)。

「ぼく、アスペルガーかもしれない。」になることになる企画が持ち込まれる。(2009年秋)

社会に理解してもらうだけではなく当事者が修行をする。働ける大人になるための特別支援教育というコンセプトを見て、「これは出さなければならない」という思いに駆られ、大地君親子に会いに北海道に飛ぶ(2009年10月)。そして「自閉症って恥ずかしいの?」の会話を聞き、出版を決意する。

「ぼく、アスペルガーかもしれない。」発行

藤居、私が感動して出版を決意した「自閉症って恥ずかしいの?」の会話に卑屈根性を発揮し勝手にキレる。(第一次猿烏賊騒動)

2010年1月、長崎にて神田橋先生、岩永先生、愛甲さん、ちゅん平との対談を終える。

編集作業に入りながらブログにて宣伝を始める。

大大大博士祭り(第二次猿烏賊騒動)

2010年5月「発達障害は治りますか?」発刊。よく売れる。

よく売れたためか、その後も猿烏賊たちによる「なんちゃって海老踊り」が続く。
その間、読者の方々からたくさんのうれしい報告。

それでも猿烏賊たちは騒ぎ続ける。神田橋先生の本の読者の中から、我が子のあまりの発達の芳しさに嫉妬した親の会の仲間によって自宅・車等の器物損壊の被害を受け、警察に介入してもらったという話を聞く。
よりによってその器物損壊親が人を介して私と知り合いになりたいと寄ってくる(なぜか友達になりたかったらしい。それと自分のやったことが私ばれてないと思ったらしい)。
再び発達障害の世界にうんざりし、「発達障害は治りますか?」を置き土産にこの世界を去ろうと考えたが、感覚統合学会が札幌なので行ってしまう。

神田橋先生のおっしゃってた「脳の機能をもう少し細かくとらえる人を」という宿題にこたえる人(なんとニキさんのお友だちの長沼先生)を見つけてしまい、その場で本の企画をオファーして帰ってくる。(2010年秋)

「僕たちは発達しているよ」発刊。ベムこと宮本晋、自閉症協会の掲示板で大暴れ。ひんしゅくを買う(第三次猿烏賊騒動)。

「自閉っ子と未来への希望 一緒に働いてわかった本当の可能性」発刊。「自閉症についてわかってもらおう時代」から「わかってもらうことの限界」に気づいて方針転換した経緯を説明。(2011年1月)

ベムこと宮本晋、千葉県発達障害者支援センターに迷惑メールを送り、折しも捜査に入っていた警視庁知能犯係にメールを押収される。けれども仲間内では嘘の言い逃れ(第四次猿烏賊騒動)。

東日本大震災(2011年3月11日)

「活かそう! 発達障害脳」発刊(2011年6月)。

横浜ラポールにて岩永先生講演会。(2011年7月)

「僕は、社会(みんな)の中で生きる。」発刊。おうちと学校での具体的な修行の数々について詳しい。それと同時に、この中で同じ自閉症児の親にバッシングされたこと、それに対する反論を大地君は書いた。(2011年11月)

YT起訴。(2011年12月)

「もっと笑顔が見たいから 発達デコボコな子どものための感覚運動アプローチ」発刊(2012年3月)。

この辺から発達障害に対する意欲がよみがえってくる。
まずは、YTの件を受けて「いいこと」と「悪いこと」の区別を早くからつける療育が大事だと考え
それを実行している知り合いがたくさんいることに気づき
「自閉っ子のための道徳入門」発刊。(2012年6月)

生まれて初めて自閉症協会全国大会に参加。
これまでの違和感の元を知る。

「自閉症の人に努力させてはいけない」という風潮があるのに気づき
一方で、別に体育会系ではないニキさんが自然に自分なりの工夫をしている様子を広めようと
「自閉っ子のための努力と手抜き入門」発刊(2012年8月)。

「自閉っ子のための努力と手抜き入門」のP216のど真ん中にニキさんが書いてくれた言葉を読んで
(自閉症協会の全国大会でギョーカイの雰囲気を垣間見たこともあり、ニキさんの言葉に心から納得し)
YTの件で余計な怒りがなくなる。

裁判の途中から、司法と福祉、自閉症の関係を告訴人というインサイドの立場で見て、考えるところが多かった。
これは知らせておかないと、と思っていた。
そのことをまとめ始める。

この間もずーっと、ちゅん平さんから回復→シューカツ→一般就労→その後の課題
の原稿が送られ続けてきた。
それをまとめ本にして、講演会で初売り。(2012年8月)。

○「ありふれた話」にしなければいけないちゅん平の回復。
○「できればもう二度と起きないほうがいい」自閉症者相手の裁判。
この二つの記録を同時発売しようと決める(今ここ)。

新刊、詳細はこちらへ。



そしてまあ、おとといの神田橋研究会があって

「間違ったことやってこなかったな」と改めて思っています。
今朝もご注文と一緒に「神田橋先生の本を読んで人生が動きだした」というメッセージをいただいたところです。