治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

不安専用想像力

2011-04-22 10:16:25 | 日記
ニキさんの数多い名言の一つに
「道楽専用想像力」ってのがある。

想像力の障害があるといわれる自閉っ子。
でもファンタジーの世界を作り上げるのは得意。
ただ現実を正しく知るのが得意じゃないだけ。

だからニキさんは自閉っ子の想像力を「道楽専用想像力」と呼ぶ。

翻って最近、「不安専用想像力」をおおいに発揮している人があまりに多いんじゃないかと思う。

実は脳みそ先生に、想像力を現実的に近づける方法については教えてもらった。

結論としては○○○なんだけどね。

私が栗林先生に「大地君はなんであんなにやる気のあるお子さんなんでしょう?」ってきいたとき

「それは○○○でしょう」って答えてくださったあれと同じ。

そうだよなあ。

それが入ってれば、不安専用想像力を発揮する場も減ると思うんだが。

だけど不安専用想像力でいっぱいいっぱいの人は
そもそもデータの拾い方がおかしいんだよね。

先日、某(たぶん左方面)政党機関紙の記者さんときわめて友好的に(当社比)お話した。

その方は「ドイツがフランスから電気を買うというデマを流すのはどいつだ?」と怒ってらした。
そしてご自分の論拠としているデータとして
2007年のドイツのエネルギー輸出入の表をあげていた。

「それ2007年ですよ? 家人が約一名、震災後ドイツに出張して帰ってきました。そっちのほうが情報新しいんじゃないのかな」と指摘してみた。

「ドイツ語できないんです」だと。
じゃあ誰かに頼めよ、ジャーナリストなんだから、と思ってそこでお話をやめました。

一般の方々に至ってはもっとデータの拾い方がおかしい。

自治体は数値を出している。
たぶんエクセルかなんかで簡単に累積ひばく量とか計算できると思うよ。

それもせずにドイツの気象庁の絵だけを見て(字は読めないからね)大騒ぎ。

今私たちが心配しなきゃいけないのは、原発の近くにいる人と作業している人。
なのにちっちゃい脳みそで自分の心配だけ大騒ぎ。

こういうの見てると、本当にこんなんで復興できるかなこの国、と不安にならないでもないが
こういういいニュースもある!

国交がない台湾。
ていうか日本国が国として認めてすらいない台湾。
だから莫大な義援金を送ってくれても国はお礼も言わない。

その台湾の人たちにお礼を言うために新聞広告代を募った。
必要金額は240万円。
一口1000円。私も5000円だけ送った。
余剰が出れば、あるいは足りなければ、被災地に送られるということだったので無駄にはならない。
もう一息で目標に達しそうだったら追加を送ろうと思っていた。

そうしたら

960万円集まったって!

これで台湾の人たちにお礼が言えるし
被災地へもお金が送れる。

こういうときは、自分のことは後回しにしようよ。

それが復興の近道。たぶん。