治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

ニキさんと山岸はどっちが社会性あるか?

2011-04-19 09:23:35 | 日記
これは難しい問題ですよ。
みんな「そらニキさんでしょ」て答えるでしょう。
だってニキさんは限られたサークルの中で人とつきあえるし
好かれるし
反社会的行為はしない。

でもね
高額で有名な内山医師の診断を妻と二人分無料にするように交渉したり
高額な招聘セミナーに「障害者で貧乏だから」とただで入場できるようにしたり
(しかも主治医の内山医師の分まで無料にするというあっぱれな交渉力)
そんな交渉力は、ニキさんにはありません。
ていうかそういう交渉ができる可能性すら夢想だにしないと思いますね、ニキさんなら。

社会性ってすごく不思議だったんですよ、ずっと。
小学校一年生的には友だちを作ること、友だちと仲良くやることが重要で
社会性=友だち原理主義 っていうのがそれほど間違いではないんですよね。

でも大人になっても友だち原理主義を貫いちゃうと
害があったりするんです。
だから「友だち作りなさい」と言われて友だちが作れないことをコンプレックスに育った発達障害の大人は
「友だちだろ、ハンコ押してくれよ」って言われて連帯保証人になっちゃったり。

いくら仲良しが尊くでも
これはやはりよくありません。
だから必ずしも仲良しできる=社会性ではないですね。

去年ベムが病的にこっちを攻撃していたとき
「花風社はこっち側と話し合わないと客を失う」みたいなこと騒いでいた人たち

その予測当たりましたか?

こっちはいいこといっぱいありましたよ。
巡業でたくさんの出会いがあり
大地君が大いに発達し、私が行った先でも「あの大地君の手紙立派でしたね」と言われ
ちゅん平は一般枠で就職決めた。

そっちもなんかいいことあった?

あったらいいね。ほんとにそう思うよ。

でもこっちも別に悪いこと起きてないよ。君たちの予測ははずれたよ。
「想像が当たらなかった」という自覚だけは持ってほしいもんです。

そして、想像をはずしてばかりの脳みそでも、想像が当たるようにすることはできるんだよ。
今度の脳みそ先生の本にも書いてある。
想像力の養い方。
想像当たるようにしたいと思ってない人は読まなくていいけどさ。

えっと、社会性の話に戻りますね。

まあそうやって「社会性」ていうものはとらえどころがないように思っていたんですが
それが当たり前だということが
脳みその勉強していてわかりました。

というのは、社会性って脳の特定部位で担当しているんじゃなくて
(ていうか何事も局在で説明する脳科学の時代はとっくに終わっているわけだが)
色々な部署が色々な機能を担当して作り上げているものだから

だから社会性っていうのは複雑な脳みそ活動の産物であるから

ニキさんのような社会性の障害もあれば

山岸のような社会性の障害もあるわけです。

私がいくら攻撃されても「定期的に死にたがるような弱虫」の意見を断固としてはねつけたのも
社会性を発揮したからですよ。
「こいつはダメだ」と見抜いたからです。

そうやって信念持って出した本で
多くの人たちが立ち直ってくれているからね。