代々木ゼミナールの大幅縮小が話題です。
解説の新聞記事を読むと興味深いです。
大学受験世代の志向に興味をひかれます。
団塊ジュニアの私とは価値観が異なります。
どちらが良いとか悪いとかではないものの、
ジェネレーションギャップがありそうです。
私は18歳人口が一番多かった世代ですが、
当時に比べて大幅に受験生は減っています。
他方、大学の定員は大幅に増えています。
その結果、浪人生は激減したようです。
さらに意識の変化も代ゼミに逆風です。
ムリして上のレベルの大学を目指すよりも、
レベルを落として楽に入学したいという、
安全志向の若者が増えているそうです。
経済情勢の変化も大きいでしょう。
私が18歳の頃はバブルの末期というより、
失われた20年の始まりの時期です。
まだ世の中は浮かれていて強気でした。
立身出世主義的な雰囲気が残ってました。
バブルの余韻が残っている時代だったので、
がんばって上のレベルの大学に入ることが、
良いこととされていた印象があります。
経済的に余裕がある家庭が多い時代です。
低成長時代が長く続いた今どきの若者は、
上昇志向よりも安定志向が強いようです。
ハイリスク・ハイリターンの人生よりは、
リスク最小化戦略の人生を好むようです。
また、地方の若者の地元志向が強まっています。
浪人してまで東京のトップ校を目指すよりも、
地元の大学に進学し、地元で就職するのが、
地元愛の強い若者の志向だそうです。
一流企業に入って一流企業に就職するのが、
幸せな人生という時代でもなくなりました。
ある意味で「安定志向」や「地元志向」も、
自然な選択肢のようにも思います。
東京に出なくても地方でも娯楽は増えて、
楽しい生活を送れるようになったことも、
ひとつの要因のようにも思います。
ネットがあれば、不便は少ない時代です。
地方に住んでいても何でも手に入ります。
物価が高くて、通勤もたいへんな首都圏へ
引っ越したくない人もいるでしょう。
地方の再生といった観点から考えるなら、
今どきの若者の地元志向はプラスです。
大いに結構なことではないかと思います。
地元の大学を出て、地元企業や役所に努め、
両親や地域社会との関係を大事にしながら、
夫婦共働きで、子どもを2~3人育てる。
こういうモデルは理想的かもしれません。
若者の地元志向をチャンスと考えて活かし、
地方を再生するために次のことが必要です。
1)地域産業の活性化や社会問題の解決に
大学の果たす役割は大きいです。
特に地方の国立大学を強化すべきです。
2)一度は大学進学で状況した地元出身者や
一度は東京等で就職した地元出身者が、
Uターンしやすい環境を整備すべきです。
Iターンも促進したらよいと思います。
就職や住居の紹介等を後押しすべきです。
3)地方の文化やスポーツの振興は重要です。
税金を投入するのはむずかしい時代なので、
サッカーでも野球でも民間の力を活用して、
整備する必要があります。
今どきの若者たちに期待したいと思います。
低成長でも明るく穏やかに暮らせる時代が、
やって来ることを願います。
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引用元 http://yamauchi-koichi.cocolog-nifty.com/blog
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