毎日新聞 2013年02月05日 東京朝刊 『自民党が与党に返り咲いたことで、1979年の琉球大以来30年以上認められていない医学部の新設に注目が集まっている。東日本大震災の被災地などで新設構想が相次いで公表され、昨秋発足した同党の「東北地方に医学部新設を推進する議員連盟」も活動を本格化。民主党は日本医師会などの反対を受けて消極姿勢に転じた経緯があり、大学関係者は「老練な自民なら、うまく落としどころを探ってくれるのでは」と期待を寄せる。 東北福祉大(仙台市)は11年11月、提携する仙台厚生病院と医学部新設>の基本計画をまとめた。卒業生を一定期間、地域で従事させる自治医大(栃木県)をモデルとし、医療過疎の解消を目指すとの内容だ。 「医学部は創立者、新島襄の悲願」とするのは同志社大(京都市)。被災地を含むおよそ10の自治体から「我が自治体に設置を」などと打診を受け、場所を決めないまま昨年末に新設方針を発表した。この他、国際医療福祉大(栃木県大田原市)と聖隷(せいれい)クリストファー大(浜松市)が新設構想を表明している。 一方、自治体側では埼玉、茨城、神奈川県の他、空港税収で潤う千葉県成田市も医学部の誘致や設立を目指している。 東日本で動きが目立つ理由は医師数の「西高東低」にある。10万人当たりの医師数(厚生労働省10年調査)は、西日本の府県が軒並み全国平均の230人を上回るのに、東日本は東京(303人)を除くと、埼玉(148人)▽茨城(166人)▽千葉(170人)と首都圏がワースト3で東北最多の宮城も222人だ。ワースト3県はそれぞれ医大が1校しかなく、「医師数と医学部には相関がある。新設なしに医師は増えない」との思いが強い。「医師養成数1・5倍」を掲げた民主党政権下の10年、文部科学省が新設の検討会を設置したことも期待を広げた。 だが、文科省の検討会は医師過剰を懸念する日本医師会の反対などで事実上中断。積極的だった民主党政務三役も相次ぐ内閣改造で去った。文科・厚労両省は「既存学部の定員増で対応する」と慎重姿勢を崩していない。 福島県の高校を卒業し、推進議連に名を連ねる平沢勝栄・衆院議員は「新しいものをつくろうとすれば既存団体は反対しがち。反対理由が妥当か見極める一方、ニーズがあるなら震災後の東北の特例として可能か検討していきたい」と話す。 東京大医科学研究所の上(かみ)昌広・特任教授(医療ガバナンス)は「国は首都圏の人口増を見据えた新設をしてこなかった。このままでは高齢化や医師の超過勤務解消のため、首都圏の医師不足は一層深刻になる」と指摘している。【井崎憲】
医学部新設には、予算が要るし新設認可が決まっても今のように日進月歩の最新医学や高度化する先端医療技術やを学び、習得するには、学部六年と大学院四年の教育を受けなければ時代に付いていけないと思います。一県医大構想により、開設された医学部で地域医療、無医村の僻地医療が総て解消されたかと言うのも一の問題点です。既存の地元国立大学に統合された医学部多いと思います。文部科学省も今の日本の財政難の折、国立大学の医学部を新設するのもなかなか難しいと思います。公立大学の医学部も地方自治体の財政負担は大変です。日本の大学の最高学府の医学部は学閥と系列が強く旧帝国大学系医学部の長年構築した研究実績と人脈には、伝統と歴史の浅い医学部では、到底対抗出来ず、高度な医療水準の付属病院と医療事故の少ない患者が安心して命を預けられる質の高い医師は、一朝一夕には養成出来ないと思います。
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