
15Jul
2016
「生前退位」の報道を全面否定した風岡宮内庁長官記者会見の衝撃
天皇陛下が「生前退位」の意向を示されていることがわかったと、きのう7月14日の各紙が一面トップで一斉に大報道したことについて、その日の定例記者会見で風岡典之宮内庁長官がこの報道を全面的にした。
すなわち「具体的な制度についてお話になられた事実はない」とし、「従来陛下は憲法上のお立場から、制度について具体的な言及は控えてる」と繰り返し、生前退位のお気持ちの有無については「活動の中でいろいろなお考えをお持ちになることは自然なこと」としながらも、「第三者が推測したり解説したりするのは適切ではない」と話したというのだ(7月15日毎日)
風岡長官はまた、生前退位を前提に宮内庁が官邸と相談や検討を行っている事実もないと説明したという。
これを要するに7月14日の報道を全面的に否定したのだ。
これは衝撃的で異例な記者会見における発言だ。
しかし、宮内庁長官がここまで否定したにもかかわらず、メディアはこの発言を無視するかのように、きょうも天皇陛下が「生前退位」の意向を示された事を前提に、あらゆる論評や特集記事を書いている。
これもまた異様だ。
ふつうなら、誤報だったのではないかという声が聞こえて来てもおかしくない。
ふつうなら、このような情報をメディアに漏らした者は誰だと騒ぎ、その犯人を突き止めて責任を問うことになるのに、一切その動きが無い。
これも異例で異常だ。
もし風岡宮内庁長官の否定発言が安倍政権と通じてなされたものなら、マッチポンプだ。
しかし、私にはそうは思えない。
風間宮内庁長官は、官邸筋から突如として意図的に流された「生前退位」御意向について、天皇陛下の御心を代弁して不快感を持って抗議したのではないか。
もしそうだとすれば大事件だ。
ここまで異例で異様な、突然の天皇陛下「生前退位」意向表明の報道であるのに、おそらく、真相があきらかにされないまま、この問題は沈静化していくに違いない。
なぜならば皇室典範の改正を含めた皇室制度の作業は慎重を要し、いますごどうこうしなければいけないと言う問題ではないからだ。
この問題が、このタイミングで、大々的に報道されただけで、その効果は十分に達成されたのだ。
この国は危ういかもしれない(了)
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