ここにきてやたらに安倍首相のパフォーマンスが目立つ。たとえばきょうの報道だ。わざわざケネディ駐日大使を横に座らせて、国際宇宙ステーションに滞在している若田光一さんと首相官邸で話して見せている。そうかと思ったら同じ日に首相官邸に元サッカー日本代表の中山雅史と子供たちを呼んで、6月にブラジルで開かれるワールドカップ前の東日本大震災被災地での親善試合の宣伝をしている。
もちろん、パフォーマンスが悪い訳ではない。権力者は皆パフォーマンスをやりたがる。しかしパフォーマンスにも時と場合がある。権力者が果たすべきことを果した上で行うならパフォーマンスもふさわしく、効果的だ。しかし今の安倍首相はすべての政策で深刻な状況にある。しかもそれらの難問は国民生活に直結し、みずからの政治指導力なくしては解決できないものばかりだ。そんな時に本来果たすべきの首相の仕事をさしおいてパフォーマンスに明け暮れる安倍首相はパフォーマンスに逃げ込んでいると思われても仕方がない。実際のところ安倍首相の置かれている状況は深刻だ。そして安倍首相はそのいずれも解決できずに苦しんでいる。あの時やはりパフォーマンスに逃げ込んでいたんだということが、やがて明らかになるだろう(了)
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天木 直人
外交評論家
2003年、当時の小泉首相に「米国のイラク攻撃を支持してはいけない」と進言して外務省を解雇された反骨の元外交官。以来インターネットを中心に評論活動をはじめ、反権力、平和外交、脱官僚支配、判官びいきの立場に立って、メディアが書かない真実を発信しています。主な著書に「さらば外務省!」(講談社)、「さらば日米同盟!」(講談社)、「アメリカの不正義」(展望社)、「マンデラの南アフリカ」(展望社)。
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