熊本県の蒲島郁夫知事は20日、民間企業や各種団体が販売している、同県のマスコットキャラクター「くまモン」関連商品の2012年の売上高が前年の11.5倍に相当する293億6200万円に達したと発表した。(時事通信)
熊本県の蒲島郁夫知事は20日の記者会見で、民間企業や各種団体が販売している、同県のマスコットキャラクター「くまモン」関連商品の2012年の売上高が前年の11.5倍に相当する293億6200万円に達したと発表した。(時事通信)
熊本県人の気質は、肥後肥後もっこすと言われていますが。マスコットキャラクター「くまモン」なかなかかわゆいでは有りませんか。ゆっくり、自然環境保護目指して地域の特性を生かすことが地方の活性化と都市圏の格差是正にも最終的には役立つのでは有りませんか。熊本県の蒲島郁夫知事のアイデアが「くまモン」が、光りました。
肥後もっこす(ひごもっこす)は、熊本県の県民性を表現した言葉[1][2]。津軽じょっぱり、土佐いごっそうと共に、日本三大頑固のひとつに数えられる[3]。
目次[非表示] |
概要
純粋で正義感が強く、一度決めたら梃子でも動かないほど頑固で妥協しない男性的な性質を指す。それと相俟って、曲がったことを好まず駆け引きは苦手で、他者を説得する粘り強さに欠け、プライドや反骨精神も強いため、組織で活躍することは向いていないと言われる。
「肥後の議論倒れ」という言葉は、議論好きで、それでいて自己主張が強いため議論がまとまらないことが多いことから生まれた言葉である[2]。このような、自説にこだわる頑迷さは「肥後の褐色和牛(あかうし)」と称されることもある[4]。『九州の精神的風土』の著者・高松光彦は、議論好きで自己主張が強く個人主義的であるという点においてドイツ人との強い類似性を指摘している[4]。
明るく陽気で人情があるが、口下手であるため誤解されることも多々あるとされ、そういったこともあってか、一度信頼関係を築くとその後は決して裏切らないとされる[2]。単に強情なだけでなく神経が細やかで細かい心配りができるため、九州男児の鑑だとする見解もある[2]。
高松光彦は、「熊本人は敦厚、懇篤なり」で始まる肥後人批評を行った肥後出身の明治の言論人・佐々友房を取り上げ、自身の出身県の気質を客観的に分析・自認できるところに熊本人の本来の姿があると評している[4]。同じく熊本県出身で東海大学の創設者である松前重義は、学生たちに「肥後もっこす」の精神を説いた。松前が死去した今も、大学独自の必修科目「現代文明論」にて「肥後もっこす」についての内容が講義されており、東海大学の精神となっている。
他に頑固な県民性として知られる高知の「いごっそう」が反権威主義であるのに対し、肥後もっこすは権威主義・事大主義・保守主義的である点が異なるとされる[5]。また、『出身県でわかる人の性格 - 県民性の研究』の著者岩中祥史によれば、いごっそうほど日本人離れしておらず、他に頑固とされる佐賀県の気質ほど暗くないという[6]。ただし、表現がストレート過ぎるため損をすることが多い点はいごっそうと共通していると述べている[6]。
肥後もっこすが形成された要因としては、分裂質から生まれたものであるとの指摘や[5]、武士道を重視した細川家支配による影響を指摘するもの[2]などがある。
『熊本県人』の著者渡辺京二は、いわゆる「もっこす」と言われる人物は一般的な熊本県民から見ても相当変わり者であり、県民の中においてもそう多く存在しているわけではないとも指摘している[7]。現代においては、熊本県のもう一つの県民性で「新しい物が好きな人」を指す「わさもん」の方が多く見られるという[8]。
「もっこす」が熊本県の県民性の代表格とされたのは戦後からであり、それ以前は「(人や世間などを)馬鹿にする」の意の「わまかし」がその代表であった[7]。
薩摩人気質との比較
肥後人気質を言い表したものとして、薩摩人気質と比較したものがいくつか存在する。なお、肥後は、筑後国、豊後国、日向国とも接し、肥前国とも島原湾を介して接しているため、薩摩のみが比較対象となるわけではない。
薩摩国では、大きな提灯を掲げた強力な指導者が現れた際には皆がこぞってついていくが、肥後国では各々が兜をかぶり大将気取りで一致団結することがないため「薩摩の大提灯(おおぢょうちん)、肥後の鍬形(くわがた)」と言われる[9]。また、薩摩の大提灯と比較して、肥後では各々が腰に提灯をつけ単独行動をとることから、「肥後の腰提灯」とも言われる[4]。また、鹿児島は帝国陸海軍の大将を多数輩出しているのに比べ、熊本は大将気取りではあるが前述のような理由から人望を集めることが難しく、よくて中将どまりであるとの指摘から、「薩摩の大将、肥後の中将」とも評される[4]。「意地は熊本、気は薩摩」という言葉もある[6]。岩中祥史は、「意地は熊本」の具体例として、22年間連続して献血率が全国トップだったことや、明治時代半ばから長い間九州行政の中枢を担っていたものの戦後は福岡市に中枢機能が移っていったことに起因する福岡へのライバル意識をあげている[6]。
頑固で議論好きな熊本県民ではあるが、鹿児島県民と言い合いになった場合には最終的に決まって根負けするとも言われる[2]。肥後人の内心の小心さを表すエピソードとして、駕籠を利用しての移動中、「目的地に着くまで黙っているのが薩摩の侍で、駕籠に揺られている間もどこへ行こうとしているのか確認せずにはいられないのが肥後の侍」というものがある[2]。
毎日新聞の記者であった平川清風は、両県の県民の気質を線に喩えた。どちらも太い一本の線に見えるが、熊本県民の方はよく見ると何本もの線が複雑に絡み合って太さを形成しており、肥後人気質は複雑かつ聡明であるという[7]。
統計
- 1979年に熊本市に限定して行われた調査では、「もっこす」に対し36-45%程度の人が誇りに思っており、40%以上の人が否定的との回答結果が得られた[10]。
- 1990年代半ばにNHK放送文化研究所が熊本県で調査した結果によると、肥後もっこすを含む熊本県の県民性全体に関して、自慢できると回答した人の割合は7%だった[11]。
自称・自認している人物
称されたことのある人物
- アルベルト・フジモリ[16] - ペルーの元大統領
- 赤星典太[17] - 元熊本・山口・長野・長崎県官選知事
- 浮田和民[18] - 思想家、政治学者
- 櫻間伴馬[19] - 能楽師
- 秋山幸二[20] - 元プロ野球選手、現監督
- 末次利光[21] - 元プロ野球選手
- 松中信彦[22] - プロ野球選手
- 末續慎吾[23] - 陸上選手
- 谷口巳三郎[24] - 農業指導者
- 田中義三[25] - 新左翼活動家
典型・代表とされる人物
- 松前重義[26] - 東海大学の創立者
- 川上哲治[27] - 元プロ野球選手・監督
- 前田智徳[28] - プロ野球選手
- 山下泰裕[27] - 柔道家
- 室原知幸[29] - 住民運動家、 蜂の巣城紛争のリーダー
極端な例とされる人物
脚注
- ^ 日本博学倶楽部 『「県民性」なるほど雑学事典』 p.221
- ^ a b c d e f g 武光誠 『県民性の日本地図』 pp.214,215
- ^ 株式会社レッカ社『「日本三大」なるほど雑学事典』p.224
- ^ a b c d e 高松光彦 『九州の精神的風土』(改訂版)pp.341-364
- ^ a b 宮城音弥 『日本人の性格 - 県民性と歴史的人物』 p.71
- ^ a b c d 岩中祥史 『出身県でわかる人の性格 - 県民性の研究』 pp.246,247,248
- ^ a b c 渡辺京二 『熊本県人』pp.11,12,13
- ^ 『地図に隠された「県民性」の歴史雑学-「お国柄の謎」に迫る!』 p.265
- ^ 祖父江孝男 『県民性 - 文化人類学的考察』 p.203
- ^ 『西日本新聞』1979年7月14日
- ^ NHK放送文化研究所編 『現代の県民気質-全国県民意識調査-』p.246
- ^ 山崎光夫『北里柴三郎(上) - 雷と呼ばれた男』p.11
- ^ 『梅家族』2011年2月号 p.5
- ^ 『The★STAR』NHKBS2 2010年5月22日 第6回放送
- ^ ジャック・K.坂崎「第一章 肥後もっこすの日系三世」『フェアプレイ ワールドカップを売った日系人』
- ^ 八幡和郎 『県民性の不思議 - 地元の人しか知らない話』 p.202
- ^ 歴代知事編纂会『日本の歴代知事 第3巻 下』p.153
- ^ 栄田卓弘 反骨の言論人 浮田和民 -早稲田大学草創期の巨人- 2011年1月2日閲覧
- ^ 櫻間金太郎『櫻間三代』 p.16
- ^ 【ひと】日本シリーズでMVPに選ばれた福岡ダイエーホークスの主将『西日本新聞』1999年10月29日
- ^ 『巨人軍5000勝の記憶』p.57 「川上哲治と同郷だ。肥後もっこすは寡黙で実直な男だった」
- ^ 松中酒断ち!!40歳現役で肉体改造めざせV2宮崎キャンプきょうからスタート 『西日本スポーツ』 2004年2月1日
- ^ <1>陸上短距離・末続慎吾 :連載「アスリート原風景」『読売新聞』2008年6月10日
- ^ くまもとの偉人 > 谷口 巳三郎 (たにぐち みさぶろう) 熊本県教育委員会 2010年12月25日閲覧
- ^ 渡辺也寸志 『足枷 - アメリカの謀略にはまった「よど号」田中義三』 p.158
- ^ 坂本守『獅子奮迅 - 松前重義物語』p.10
- ^ a b 八幡和郎 『47都道府県うんちく事典 - 県の由来からお国自慢まで』 p.218
- ^ 男・前田伝 -2000安打への道- 5. 感謝 『中国新聞』 2007年9月7日
- ^ 中野義明 『肥後もっこす一代』 p.63
- ^ a b 宮城音弥 『日本人の性格 - 県民性と歴史的人物』 p.72
参考文献
- 渡辺京二 『熊本県人』 新人物往来社、1973年。
- 高松光彦 『九州の精神的風土』(改訂版)葦書房、1992年。
- 宮城音弥 『日本人の性格 - 県民性と歴史的人物』 朝日新聞社、1969年。
- 武光誠 『県民性の日本地図』 文藝春秋、2001年。
- 岩中祥史 『出身県でわかる人の性格 - 県民性の研究』 草思社、2003年。
- 日本博学倶楽部 『「県民性」なるほど雑学事典』 PHP研究所、1998年。
- 八幡和郎 『47都道府県うんちく事典 - 県の由来からお国自慢まで』 PHP研究所、1998年。
- 八幡和郎 『県民性の不思議 - 地元の人しか知らない話』 中経出版、2009年。
- 山下龍夫 『47都道府県別 県民性なるほどオモシロ事典 - これだけ知っていれば役に立つ』 日本実業出版社、1996年。
- 祖父江孝男 『県民性 - 文化人類学的考察』 中央公論社、1971年。
- NHK放送文化研究所編 『現代の県民気質-全国県民意識調査-』 日本放送出版協会、1997年。
- 三浦竜、日本史倶楽部 『地図に隠された「県民性」の歴史雑学-「お国柄の謎」に迫る!』 三笠書房、2009年。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます