安倍首相は7月19日、下関市で開かれた長州「正論」懇話会の創設1周年記念講演会で講演したという。
「正論」懇話会とは、文字通り産経新聞の論説である「正論」に共鳴する者たちが中心となって集まる懇話会である。
自らの考えに近い人たちの集まりだという意識が働いていたのだろう。
言いたい放題をしゃべっている。
すべて自分のやって来た政策が正しいと自画自賛している。
それは嘘だ。
しかし、その事はここでは問わない。
産経新聞のインターネット上で流されている講演要旨に次のような発言を見つけて驚いた。
すなわち安倍首相はこう言っている。
「・・・一番成功する可能性が高い人間は、一度失敗した人間です。まさに、一度総理として失敗し、二度目を務める私が言うのだから間違いありません・・・」
これはおかしい。
安倍首相は病気で辞めたのではなかったのか。
国会で施政方針演説を行った直後に政権を投げださざるを得ないほど深刻な腸の病気かなんかで辞めざるを得なかったのではなかったのか。
病気だったら仕方がない。
誰でも病気には勝てない。
それを失敗したと言う。
病気になったことが失敗だったというのか。
これはおかしい。
そして病気以外の理由で、国会冒頭に政権を投げ出すことなど許されるはずがない。
これは病気で辞めたのではなく政権運営に行き詰まって辞めた事を認め、それが失敗だったと言っているのではないのか。
そうだとすればそのような理由で政権を投げ出した政治家が再び総理になる正統性はどこにもない。
この安倍発言は徹底的に検証されなければいけない(了)

外交評論家
2003年、当時の小泉首相に「米国のイラク攻撃を支持してはいけない」と進言して外務省を解雇された反骨の元外交官。以来インターネットを中心に評論活動をはじめ、反権力、平和外交、脱官僚支配、判官びいきの立場に立って、メディアが書かない真実を発信しています。主な著書に「さらば外務省!」(講談社)、「さらば日米同盟!」(講談社)、「アメリカの不正義」(展望社)、「マンデラの南アフリカ」(展望社)。
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