石油禁輸制裁決議は「戦争行為」であるという正論
2017-12-25
産経新聞をのぞいて、今日の各紙は一斉に報じた。
北朝鮮外務省は24日、国連安保理決議について「朝鮮半島や地域の平和と安定を破壊する戦争行為」だと非難した報道官談話を発表したと。
北朝鮮の非難談話はいつもの通りだ。
しかし、なぜ今回に限って、「戦争行為」という言葉を各紙はわざわざクローズアップしたのか。
それは「正論」であるからだ。
日本があの太平洋戦争に突き進んだ最後の決め手は、経済包囲網、とくに生命線である石油の禁輸だったと皆が知っている。
安保政策の専門家の間でも、国の存在を脅かす厳しい制裁措置は事実上の宣戦布告であるというのは常識だ。
つまり今度の国連安保理制裁決議は、もし米国が本気でそれを中国、ロシアを含めた世界各国に徹底させようとすれば、それは北朝鮮を暴発に追い込む事に他ならない。
それにもかかわらず、世界の先頭に立って米国にそれをけしかけ、今度の決議はこれまでにない強力なものだと称賛しているのが、日本の安倍首相である。
これほど憲法9条違反の首相はいない。
しかし、その事を政治家もメディアも有識者も、誰一人正面から指摘するものはいまの日本にはいない。
いまや北朝鮮のする事、言う事は、100%悪になっている。
北朝鮮がミサイルを発射するたびに、与野党全会一致の非難決議が繰り返されるほどだ。
だから、今度の北朝鮮の「正論」も認めるわけにはいかないのだ。
だから、せめて「戦争行為」という言葉をわざわざ強調して、北朝鮮の非難も一理あると言いたかったとすれば、あまりにも情けない。
もはやこの国は、北朝鮮問題に関しては言論封殺状態だ。
そんなことでは憲法9条が泣く。
そう正面から唱える政治家やメディアや有識者が一人でも出て来ないようであれば、もはや日本には憲法9条はないのと同じである。
安倍首相の自衛隊明記の改憲をめぐって大騒ぎすること自体が茶番になる(了)