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教育カウンセラーの独り言

今起こっている日本の教育の諸問題と受験競争の低年齢化している実態を見据えます。

年を取るほど血圧が上がりやすい」のは本当? どう防ぐ? 医師が解説

2022年12月22日 10時59分14秒 | 健康・病気

年を取るほど血圧が上がりやすい」のは本当? どう防ぐ? 医師が解説

オトナンサー

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「年を取るほど血圧が上がりやすい」のは本当? どう防ぐ? 医師が解説
年を取ると高血圧になりやすい?

 高血圧になると、心筋梗塞などの病気を引き起こしやすくなると言われています。健康診断などで血圧測定をしたときに「血圧が高い」と指摘され、気にしている人も多いのではないでしょうか。ところで、年を取ると血圧が上がりやすくなると言われていますが、本当なのでしょうか。また、高血圧をできるだけ防ぐには、どのような取り組みが大切なのでしょうか。あんどう内科クリニック(岐阜市)の安藤大樹院長に聞きました。

【あなたもチェック】高血圧症になりやすい年代、高血圧の合併症を解説

糖尿病患者は高血圧になりやすい

Q.年を取ると血圧が上がりやすいと言われていますが、本当でしょうか。また、高血圧になりやすい年代はあるのでしょうか。

安藤さん「血管はもともとしなやかな弾力性を持っています。しかし、長い間血管の壁に圧力を受け続けると、血管の壁に傷ができます。そこが修復される過程で硬くなったり、もろくなったりしますが、さらに進行すると内側が狭くなります。この状態が『動脈硬化』です。動脈硬化が起こった結果、血の流れが悪くなり、特に心臓が収縮して血液を送り出す際の『収縮期血圧』が高くなります。

また、年齢とともに増える脂質異常症や糖尿病などの生活習慣病も、血管のしなやかさを損なう原因になります。特に注意が必要なのは、糖尿病の場合です。糖尿病の患者さんはそうでない人に比べ、高血圧になる頻度が約2倍も高いことが分かっています。

2018年に厚生労働省が発表した『国民健康・栄養調査』の結果によると、全体的に男性の方が女性より高血圧症の有病率が高く、かつ早い時期から血圧が上がりやすい傾向があります。結果を見る限り、『男性は40代から、女性は50代から高血圧症に注意』と言えますが、『20代や30代でも高血圧症になり得る』ということにも注意してください。『自分はまだ若いから、高血圧症にならない』というのは間違いです」

Q.高血圧と診断されたにもかかわらず放置した場合、どのようなリスクがあるのでしょうか。

安藤さん「高血圧症は特有の症状がなく、本人の知らないうちに体の各部位で恐ろしい病気が進行していくことから、『サイレント・キラー(沈黙の殺し屋)』と呼ばれています。それにもかかわらず、厚労省の調査によると、実際に高血圧で治療を受けている人は、全高血圧患者約4300万人中、1000万人程度です。つまり、高血圧の人の4人に3人が高血圧の状態を放置しているのです。

合併症の起こり方は、人によってさまざまです。頭痛や吐き気、動悸(どうき)などが先行することもありますが、ある日突然発作が起こって、亡くなることもあります。起こる病気も多種多様ですし、いくつかの病気が複合して起こることがほとんどです。合併症予防は、『早期発見・早期治療』が大事です。生命に関わる病気もたくさんあるので、健診で血圧について指摘を受けたときは、たとえ症状がなくても一度医療機関を受診してください」

高血圧を防ぐには?

Q.高血圧を防ぐためには、どうすればよいのでしょうか。

安藤さん「高血圧の予防にとって大切なのは『生活習慣の修正』ですが、一般的な食事制限では長続きしません。大切なのは、今までの自分の生活習慣を振り返り、問題点を認識した上で、自分で続けられるよう、適切な生活習慣を日常生活に刷り込んでいくことです。ポイントを説明します。

【(1)食塩制限は「無理なく」「気長に」頑張る】
高血圧の場合、1日の塩分摂取量を6グラム未満に抑える必要があります。ただ、1日平均10グラム以上の塩分を取るわれわれ日本人が、いきなり6グラム未満を目指すのは大変です。濃いめの味付けに慣れた人が急に減塩食に切り替えると、食事は味気なくなり、ストレスがたまって逆効果です。

味覚から得られる満足感や楽しみを維持しつつ、減塩に取り組むには次の方法に取り組んでみてください。

・減塩料理に取り組むときは、(1)新鮮な旬の食材を使う(2)酸味やだし、香りを利用(3)ドレッシング類は『付けて食べる』(4)副菜一品は塩気の効いたものを選ぶ

・塩分の多い食品・料理(漬物、練り物、魚介類の干物、ハムやベーコン、麺類、丼物、みそ汁、煮物など)を把握し、我慢できそうな食べ物から徐々に減らしていく

・主食に含まれる塩分に注意。白米、パン、麺類のうち、塩分を含んでいないのは白米

・塩分カットの食塩やミネラル豊富な天然塩、減塩しょうゆ、ポン酢などを積極的に使用

・みそ汁は、カリウムや食物繊維を多く含む野菜や海藻をたっぷり入れること

【(2)肥満は血圧を上げ、合併症も増やす】
高血圧に限らず、肥満はすべての生活習慣病の原因になりますし、動脈硬化や心臓病などの合併症を起こしやすくなります。特に、男性に多い『内臓脂肪型肥満』は、より動脈硬化のリスクが高く要注意です。

適正体重は、身長と体重から算出される体格指数『BMI(ボディー・マス・インデックス)』の『18.5以上25.0未満』を目指しましょう。この範囲であれば生活習慣病になりにくいと言われています。1キロの減量につき収縮期血圧で約1.1ミリHg、拡張期血圧で約0.9ミリHgの血圧低下が期待できますが、急激な減量には弊害もあるので、長期的な計画を立てるようにしましょう。

【(3)運動は「軽い有酸素運動」と「程よい筋トレ」を組み合わせるのがコツ】

運動は、ウオーキングや軽いジョギングなど酸素を取り入れながら行う全身運動である『有酸素運動』と、筋力トレーニングを中心とした『レジスタンストレーニング』を組み合わせて行います。あまり負荷を上げ過ぎると、長続きしないだけでなく、場合によっては急激に血圧を上げてしまうこともあり逆効果です。『無理なく』『楽しく』続けられるメニューを組んでください。次のポイントを押さえておきましょう。

・運動量の目安は1日30分以上、週3日以上が目安。食後1時間ごろが効果的。運動開始当初はやや血圧が上がり気味になることも。10週以上の継続で効果を実感できる

・まずは自分が1日どの程度歩いているかを把握する。目標の歩数から現在の1日当たりの歩数を引いて、ウオーキングの目標歩数を決める。歩数は1日8000歩が理想だが、最初は3000歩程度から始める

・歩く際は『顎をひいて』『胸を張って』『かかとから着地』がポイント。ゆったり歩きと早歩きを交互に行う『インターバル速歩』がお勧め

・筋トレを長続きさせるコツは“ながら体操”。洗面や歯磨き中、通勤中、家事をしながらなど、日常生活の隙間時間を活用

【(4)適度に楽しむお酒はOK! 適正な飲酒量を知ること】

仕事の疲れやストレスを解消するためにも、適量のアルコール摂取は決して悪くありません。ただ、この『適量』がくせ者です。高血圧の人の1日の飲酒量は、エタノール換算で男性20~30ミリリットル以下(ビール中瓶1本、日本酒1合、焼酎0.5合程度)、女性1日10~20ミリリットル以下に制限されています。肝臓の疲労も考えて、週2日程度の休肝日も必要です。なお、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高くなる『早朝高血圧』は、晩酌と関連するので、深酒にも十分気を付けてください。

【(5)禁煙に取り組もう】
喫煙は百害あって一利なしです。特に血圧に関しては、ニコチンによる血管収縮、一酸化炭素上昇による心臓への負担増加により、喫煙直後から急激に血圧を上げてしまいます。

ニコチンや一酸化炭素は血液中の遊離脂肪酸を増やして血栓を作ったり、悪玉コレステロールの酸化を促して血管の壁を傷つけ、動脈硬化を進めたりします。また、受動喫煙はさらにリスクが高いことが知られています。あなた自身の健康はもちろん、あなたの大切な人たちの健康のためにも、ぜひ禁煙に取り組みましょう」

オトナンサー編集部

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マルチビタミンの摂取が、認知症の予防に役立つと最新研究で判明

2022年12月11日 13時24分26秒 | 健康・病気
Elle
https://www.elle.com › gourmet
マルチビタミンの摂取が、認知症の予防に役立つと最新研究で判明

毎日摂取しているマルチビタミンに効果があるのか疑問に思ったことない? 最近、マルチビタミンに認知症の発症リスクを下げる可能性があることが判明した。

マルチビタミンの摂取が、認知症の予防に役立つと最新研究で判明
Getty Images

『アルツハイマーズ&デメンティア』に掲載された新しい研究によると、マルチビタミンを3年間に渡って毎日摂取した高齢者の、グローバル認知機能(順応力/注意力、記憶力、言語流暢性、言語力と視覚空間能力)、エピソード記憶(個人的な過去の経験から特定のエピソードを思い出し、精神的に再体験する能力)、および実行機能(ワーキングメモリ、柔軟な思考、自制心を含む一連のメンタルスキル)が改善したという。

簡潔に言うと、マルチビタミンのサプリを3年間服用するだけで、高齢者の脳機能が大幅に改善されることが研究で分かったそう。
 
ノースカロライナ州のウェイクフォレスト大学医学部の研究者はボストンのブリガム・アンド・ウィメンズ病院と共同で、高齢者を対象にカカオ抽出物のサプリ、マルチビタミン、またはプラセボのいずれかを3年間毎日服用してもらい、認知機能を分析。
 
研究チームは以前からカカオやダークチョコレートの健康効果に関する見解があったため、カカオ抽出物がもっとも脳の健康に有益だと予測していたが、その調査結果に驚かされた。

マルチビタミンの摂取が、認知症の予防に役立つと最新研究で判明
Getty Images

この研究の著者であり、ウェイクフォレスト大学で老年学と老年医学の教授を務めるローラ・ベイカー博士は、「CNN」に次のように語った。
 
「カカオ抽出物がもつ心血管の効果に関する先行報告から、認知機能にも何らかの効果をもたらすと私たちは信じていました。データ分析でそれが実証される瞬間を待っていたのです。しかし認知機能に効果があったのは、カカオ抽出物ではなくマルチビタミンでした」
 
ベイカー博士いわく、研究チームは「この調査結果により、認知機能低下を防ぐためのシンプルで手に入れやすく、安全で安価な方法が見つかったことに興奮している」という。
 
ただし、この調査に参加した被験者たちの人種や民族性が高齢のアメリカ人を代表するものではなかったため、この研究の結果は決定的なものではなく、一般に当てはめることはできないという。
 
さらに注目すべきもう1つの制約が、参加者の薬歴と既往歴は自己申告であり、人為的ミスが生じる可能性もあるということ。参加者がそれぞれもっている認知症のリスク要因を考慮することも重要である。

認知症予防のためにマルチビタミンを使用できる?

マルチビタミンの摂取が、認知症の予防に役立つと最新研究で判明
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健康な体と活発な精神は、認知症のリスクを管理する最善の方法です、と語るのはミシガン州立大学神経内科医長のアミット・サハデフ医学博士。
 
「この研究は、健康な体の維持にマルチビタミンの補給が有用な方法の1つになる可能性を示唆しています」と続けている。
 
プロビデンス・セント・ジョンズ・ヘルス・センターの神経科医であるクリフォード・セギル博士も、記憶障害や認知症の発症は多因子プロセスである可能性が高く、マルチビタミンをこれらの病気の予防に活用するのは納得です、と話している。
 
「記憶障害患者に対するマルチビタミンの使用について、この治療を裏付ける臨床研究はないものの、私自身臨床神経科の診療で日常的に行っています。そのため記憶障害患者に対するマルチビタミン使用の潜在的効果を定量化しようとしたこの研究は、読んでいていて新鮮で興味深いものでした」

マルチビタミンは毎日摂取すべき?

マルチビタミンの摂取が、認知症の予防に役立つと最新研究で判明
Getty Images

マルチビタミンを毎日摂取するべき理由はたくさんあります、とサハデフ博士。マルチビタミンは通常、足りない栄養を補ったり、元来食品に含まれるさまざまな栄養素や化学物質を少しずつ摂取する目的で使用される。
しかし「認知症リスクの軽減こそが、マルチビタミンを推奨するもう1つの理由です」と博士は語る。
 
また記憶障害や認知症のある高齢患者に、マルチビタミンの服用を推奨しているというセギル博士。
「記憶障害の高齢患者を治療する臨床診療で、マルチビタミンを使用することは合理的と言えるでしょう」
 
とはいえ、マルチビタミンはメインの医薬品の代替品ではなく、あくまでも補完するものとしての使用が望まれます、とセギル博士は警告する。

 

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長生きしたければテレビは見るな…老年医学の専門医が「街ブラ番組は特に危険」と訴えるワケ

2022年12月10日 13時53分44秒 | 健康・病気

長生きしたければテレビは見るな…老年医学の専門医が「街ブラ番組は特に危険」と訴えるワケ

プレジデントオンライン

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長生きしたければテレビは見るな…老年医学の専門医が「街ブラ番組は特に危険」と訴えるワケ
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/simonkr

健康長寿のためにはなにをすればいいか。老年医学の専門医である和田秀樹さんは「長生きしたければテレビは捨てたほうがいい。最大の問題点は『人を座らせたままにする』ことにある」という――。(第1回)

【写真】和田秀樹氏の著書『テレビを捨てて健康長寿 ボケずに80歳の壁を越える方法』(ビジネス社)
 ※本稿、和田秀樹『テレビを捨てて健康長寿 ボケずに80歳の壁を越える方法』(ビジネス社)の一部を再編集したものです。

■収入や学力などの格差よりも残酷な「健康格差」

 長生きしたければテレビを観るな、というのは、本当です。今後、国民全体の3人に1人が65歳以上となる超高齢社会が訪れたとき、今まで通りにテレビにかじりついている人は、間違いなく「健康格差社会」の底辺に転落してしまうでしょう。「健康格差」は、ふんわりと語られることの多い格差社会という概念の一面です。

 「格差社会」というと、まず頭に浮かぶのは「金銭的収入の格差」かもしれません。続いて、そこにつながる「学力(学歴)の格差」、その大元と目される「親ガチャ」こと「両親や生家の資産をめぐる格差」が論じられるというのが一般的だと思われます。けれども、金銭的収入の格差と並び立つほど「個人」を際立たせる本当の格差は、もっと別の角度からも見るべきではないでしょうか。私は、それこそが「健康格差」だと考えています。

 健康の格差は、ある場合には、学力の格差以上に残酷な「結果の格差」をもたらしてしまうからです。たとえば学力について、かなり優秀な人とまったく勉強のできない人のIQのギャップは、どれだけ大きく開いてもせいぜい70から130ぐらいの幅に収まります。しかし、これが健康を尺度にすると、まったく変わってしまうのです。特に「健康格差」が色濃く出てくる65歳以上の世界でいえば、そのギャップは天地ほどの差が生まれてしまいます。

 歩ける人、歩けない人。自分ひとりで生活できる人、そうでない人。好きなものが食べられる人、病院食しか食べられない人、点滴でしか栄養をとれない人。つまり、高齢者の世界では身体能力や脳機能といった点で、収入格差と同じぐらい、個々人の人生を左右するのが「健康格差」だということです。

■テレビの問題点は「人を座らせたままにする」こと

 ただ一点、収入格差と健康格差には大きな性質の違いもあります。

 社会経験をもつ読者の皆さんには自明のことと思いますが、収入のギャップは「個人の努力」だけでは埋められません。貨幣経済は偏差(不平等性)によって成り立っているので、どれだけ一所懸命に努力しても、皆がお金持ちになれるわけではないのです。

 しかし、幸いなことに、健康格差のギャップは違います。健康格差は、個人の努力や生き方によって幅はありますが、基本的には、ほぼ全員の人がそのギャップを努力で埋めることができます。ところが世の中には、その努力、あるいはちょっとした生活の変化を、皆から遠ざけるよう、遠ざけるよう刷り込んでくる邪悪な洗脳装置があるのです。

 テレビの第一の悪は、人を座らせたままにすることです。ビジネスマン向けの週刊誌やウェブサイトではしばしば、デスクワークの弊害が指摘されています。またシドニー大学が過去に行った調査によれば、日本人は世界でもっとも長い時間、椅子に座って過ごしている人々であるそうです(※1)。

 そのような指摘を前提にして、雑誌やウェブ記事では、デスクワークの隙間に行うことのできる体操や、歩幅を大きくして歩くことなどを勧めるわけですが、動くことが求められるのは、ビジネスマンに限りません。むしろビジネスマンよりも高齢者のほうが、部屋に閉じこもらずに、外に出て身体を動かすべきなのですが、テレビはこう囁いてくるのです。

 「あなたは動かずに、じっと画面を眺めて楽しんでください。これから、タレントが町に出て、綺麗な景色や田園地帯を案内して回りますよ。美味しい料理も観られますよ。楽しいでしょう」と。

 しかし、観るだけでは意味がないのです。人が動いているところを眺めても、自分が動いたことにはなりません。それは、ただ座っているのと同じです。

 (※1)BISINESSINSIDERJAPAN 2017年10月20日

■座り続けていると「エコノミークラス症候群」を発症する可能性も

 人体を構成する筋肉の多くは、下半身についています。私たちがもつ、もっとも大きな筋肉は足の太腿(大腿四頭筋)ですし、ふくらはぎは「第2の心臓」と呼ばれるほど重要な部位です。テレビをダラダラと観るためにずっと座っていると、下半身の血行が悪くなります。それが極端に悪化すると、俗にいう「エコノミークラス症候群」を発症することになってしまいます。

 長時間にわたって血流が停滞した結果、血栓を生じ、それが肺の静脈に詰まると重症化し、死に至るケースもあります。「エコノミークラス症候群」という俗名がついていますが、同様の症状は、飛行機ではなく自宅でも起こりうるのです。予防として、テレビを観る時間を区切り、軽い体操やストレッチ運動をしましょう。足の指を動かしたり、足首を回したり、ふくらはぎを軽くもんだりすることが効果的です。こまめに水分もとるようにしましょう。

■テレビによって聴覚は深刻なダメージを受けている

 最近は、同居人への配慮や集合住宅という事情から、ヘッドフォンやワイヤレススピーカーで、テレビ番組の音を聴いている人も少なくないようです。確かに、ヘッドフォンで周囲の音を遮断したり、顔のすぐ近くに置いたワイヤレススピーカーで音を出せば、誰にはばかることなく、大音量でテレビ番組を楽しむことができるかもしれません。

 しかし、こうしたやり方を続けていると、耳には次第にダメージが蓄積されていくことは忘れずにいてください。

 「テレビの音」は、構造としては「空気の震え」です。その振動が耳に入って鼓膜を揺らします。そして、揺らされた鼓膜につながる蝸牛(内耳)が、届いた振動を電気信号に変換して脳に伝えます。そこで初めて、私たちは「空気の振動」を「音」として認識するのです。その一連のプロセスのなかでもっとも大切なのが、蝸牛の中にあって振動を電気信号に変換する「有毛細胞」です。

 この有毛細胞は、加齢に伴って少しずつ破壊されていくため、高齢者は耳が悪くなってしまいます。ただし、有毛細胞を破壊する一番の敵は「加齢」ではありません。加齢よりも耳に悪いのは、「長時間にわたる強い刺激」です。突発的に大声を張り上げたり、のべつまくなしに背景で音楽が鳴るテレビ番組を聴き続けていると、皆さんの耳から加速度的に聴力が失われていく結果を招きかねません。

 また、聴こえにくいからといってテレビの音量ばかりを上げていると、今度は日常生活における他人との会話の音量に対応できなくなってしまうでしょう。聴覚にとっては、テレビ番組のような「だらだらと永遠に続く刺激」は悪影響しかありません。

■「理想のウエスト」が手に入るかどうかは骨格で決まってしまう

 テレビばかり観ていると、運動量が激減して下半身を中心とした「筋力の低下」を招き、その結果、「歩行の異常」が生じます。そのサイクルは、先の「テレビの前で座りっぱなし。動かなくなる下半身」の項目に記した通りです。

 他方、読者の皆さんにあまり馴染みのないチェックポイントは「体重の減少」でしょうか。世間には、未だに「できるだけ痩せているほうが良い」という「誤った考え方」が根強く、若年層から高齢層までおなかが出ていることを恥じています。その謎の羞恥心を捏造(ねつぞう)しているのが、テレビです。

 私は医師として、この「ウエスト58cm幻想」を絶対に許せません。まず最初に、ウエストのサイズは――各自の身体に備わった肋骨の形状に左右されるので――努力のみで減るものではありません。肋骨の形状が生得的に開いている人は、どれだけ苛酷なダイエットをしても、ウエスト58cmにはならないのです。もうこれだけでも、ウエスト幻想の悪辣さを理解していただけるでしょう。

■実際に長生きするのは「少しぽっちゃりした人」

 次に、いわゆるモデル体形、腹部が前方に張り出していない体形が「健康に良い」というデータは、ほとんど存在しないということもお伝えしておきたいです。「ダイエット信仰」を煽(あお)るテレビ番組や、高値で運動器具を売りつけるテレビショッピングは、モデル体形を褒(ほ)め称え、おなかの出た「メタボ体形」を蔑(さげ)すみ、スタジオのタレントたちに悲鳴まで上げさせます。

 ですが、実際のところ、長生きするのは「痩せすぎの人」よりも「少しぽっちゃりした人」なのです。

 テレビのダイエット番組で「太りすぎ」を数値化するために、猫も杓子もBMI(体格指数)を使います。BMIは体重(kg)を身長(m)の2乗で割った数値で、WHO(世界保健機関)の区分では、18.5未満が「痩せ」。18.5以上25未満が「普通」。25以上が「肥満」で、その度合いによって1度から4度まで分類されています(1度:25以上30未満、2度:30以上35未満、3度:35以上40未満、4度:40以上)。

 こうした区分の上で、たいてい「肥満」にカテゴライズされる芸能人をむりやりダイエットさせて、「普通」(18.5以上25未満)以下のモデル体形まで痩せさせる。それがテレビのやり口ですが、実際に世界各国の統計データを調べてみると、一番長生きしているのは、BMIの区分上では25以上30未満から少し上ぐらいの、おなかの出た小太り体形なのです。

 この結果はアメリカ国民健康栄養調査でも、厚生労働省の補助金を受けた日本での研究でも変わりませんでした。アメリカの研究では、小太りに比べて、痩せの死亡危険率は2.5倍。日本の5万人を対象にした大規模な研究でも、もっとも長生きしていたのはBMI25以上30未満の「肥満1度」の人たちでした。つまり、モデル体形を目指すことは、健康に害なのです。

■体の衰えを評価する「5つのチェックポイント」

 先に述べた筋肉や聴覚の衰え、つまり「健康格差」の底に落ちていってしまいかねない人々(予備軍)を表す言葉に「フレイル」があります。この数年、マスコミなどでも取り上げられることが多くなった言葉なので、聞き覚えのある方もいらっしゃるかもしれません。

 フレイルは日本老年医学会が提唱した概念で、Frailtyの邦訳です。Frailtyは「虚弱」という意味なので、一般的には「要介護の手前の状態」というイメージでしょう。もう少し詳しく説明すると、専門家はフレイルを5つのチェックポイント(順不同)で評価しています(※2)。

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①筋力の低下
②意欲(活動性)の低下
③疲労感の増加
④歩行の異常(速く歩くことができなくなる
⑤体重の減少
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 この5つのチェックポイントがいずれも当てはまらない人を「ロバスト」と呼びます。「健康に問題のない高齢者」という意味です。当てはまるチェックポイントが2つ以下の人は「プレフレイル」。このまま手をこまねいているとフレイルになってしまう可能性が高い「フレイルの前段階の高齢者」という意味です。

 そして、3つ以上が当てはまる人は、フレイル。フレイルの先には「要介護状態」が待っているのです(図表1参照)。しかし、フレイルは心がけしだいで健康状態に戻れる状態でもあります。

 (※2)国立長寿医療研究センター「フレイルの原因は?」

■家のなかで少しでもいいから運動する習慣をつけたほうがいい

 フレイル予防の3本柱は、栄養、運動、社会参加です。まず栄養に関しては、年をとったらメタボ予防よりフレイル予防、栄養状態がいいことが一番大事です。バランスのよい食事をとり、筋肉量を増やし・骨を強くすることを心がけましょう。

 栄養が足りないと認知機能が低下し、物忘れをしたり、感情のコントロールができなくなったりもします。口腔ケアをすることで噛む力も鍛えられます。次に運動ですが、運動不足だと心肺機能が低下し、運動時に息切れが起こりやすくなります。また、運動をしないとおなかがすかないので粗食になり、栄養状態に影響してきます。それ以上に高齢者では、簡単に筋力が衰えていきます。

 新型コロナの蔓延で外出が怖いと感じている方も多いと思います。しかし、人のいない時間にソーシャルディスタンスをとって、20~30分は歩きましょうねというのが医師からの提案です。テレビでは自粛の悪影響について報道されませんが、外で歩けないなら室内歩行練習。家で軽い運動をしたり、日を浴びないとセロトニンの分泌が減り、うつになりやすいので人けの少ない明け方に歩いたり、という工夫はできるはずです。

 そして最後に社会活動です。ボランティア、趣味などで外に出て歩くことは筋トレにもなります。テレビからの情報を一方的に受けるのではなく、誰かと話し、一緒に食事をすることが精神の健康を維持するのです。

■たんぱく質の摂取を意識しつつ、食べたいものを食べたほうがいい

 こうした前提の上で、フレイルのチェックポイントである「体重の減少」という問題に向き合ってみましょう。

 よくある誤解は「体重が減る」イコール「脂肪だけが減っている」と思い込んでしまうことかもしれません。高齢者が過剰にダイエットをしてしまうと、脂肪だけでなく、筋肉まで落ちてしまいます。日本人は欧米人に比べて、そもそもタンパク質の摂取量が少ないので、さらにダイエットで摂取量を減らしてしまうと、脂肪よりも重い筋肉が次々に痩せていってしまいます。

 そして筋肉量が少なくなると基礎代謝(運動しなくても消費するエネルギー)も落ちるので、さらに体重を落とそうとするなら、もっと食事を減らさねばなりません。そうなると、待っているのは栄養失調です。

 見た目だけはほっそりモデル体形になるかもしれませんが、その「体重の減少」の内実は「筋力の低下」、それに付随する「歩行の異常」もセットになって、プレフレイルどころか、3ポイントで要介護状態手前のフレイルになりかねません。フレイルから要介護状態になると、運動も制限され、元には戻るのは難しくなります。運動しても、なかなか健康な状態にまでは戻れません。高齢になると1カ月寝こんでいたら歩けなくなりますので、足を「使い続ける」ことが大事なのです。

 以上の観点から、高齢者に「食の節制」は効果よりも、害を受ける可能性のほうが高いと思います。高齢者は痩せよう、おなかをへこまそうなどと考える前に、タンパク質の摂取を意識しつつ、好きなものを好きなだけ食べてください。



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和田 秀樹(わだ・ひでき)
精神科医
1960年、大阪市生まれ。精神科医。東京大学医学部卒。ルネクリニック東京院院長、一橋大学経済学部・東京医科歯科大学非常勤講師。2022年3月発売の『80歳の壁』が2022年トーハン・日販年間総合ベストセラー1位に。メルマガ 和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」
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精神科医 和田 秀樹

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2022年11月28日 13時44分27秒 | 健康・病気

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 2022年06月20日 子育て・教育 FacebookTwitterLine スマホを使っている子供たちは学力が低下し続ける――。この恐ろしい事実をご存じでしょうか。これは脳科学で知られる東北大学教授・川島隆太さんの研究で明らかになったものです。LINEやフェィスブックなどのSNSは、いまや現代人にとって欠かせないツールであり、それは子供たちも同じです。しかし、その世界に浸りきっていると、脳は大変なダメージを受けるというのです。SNSは人間の脳の働きにどのような影響を与えるのでしょうか? 明治大学教授の齋藤孝さんと語り合っていただきました。 SNSで記憶が消える? 〈齋藤〉 《前略》素読が脳にいいことはよく分かりました。では、例えば子供たち同士がお喋りをしたり、フェイスブック、ラインに代表されるSNSをやったりというのは、どうなのでしょうか。 〈川島〉 それが素読とはまるっきり逆なんですね。効果どころか、SNSをやっていると脳に抑制が掛かることが分かっています。見た目には手を動かしたり、頭を使ったりして脳を刺激しているように思えても、測定すると抑制、つまり眠った状態になります。 〈齋藤〉 眠った状態に。 〈川島〉 そのことはラインの文面を見ていただければ理解できると思いますが、極めてプアなコンテンツしか出てきません。「お昼何にする?」「カレー」「どこ行く?」といったように、まるで幼稚園児レベルの会話しか続かないんですね。物を考える人としての脳は積極的に寝てしまっている。ある意味、とても怖いツールでもあるんです。 〈齋藤〉 いま1日に5時間くらいSNSに掛かりっきりになっている高校生はザラだと思いますが、脳がほとんど抑制されているということなのですね。 〈川島〉 僕たちは7年間、仙台市の7万人の子供たちの脳を追いかけて調べていますが、スマホやSNSの利用と学力との関係が明らかになってきました。そこで分かったのは、これらを使えば使うほど学力は下がります。それは睡眠時間や勉強時間とは関係ありません。 例えば、家で全く勉強していない子供たちのグループがあります。スマホをいじらない子はある程度の点が取れるのですが、その先、使い始めると睡眠時間は一緒でも、そこから点が下がっていくんです。要はスマホを使ったことによって、脳の中の学習した記憶が消えたということです。 〈齋藤〉 記憶が消える。 〈川島〉 仙台市の子供たちのデータですから、一般則ではないかもしれませんが、例えばSNSを1時間やると、100点満点の5教科のテストで30点、一教科当たり5点分くらい点数が下がります。1時間で5点ですから4時間使えば20点下がるわけですね。 そこから分かるのは、本来なら総合点が高いはずの子供たちが、SNSをやっているばかりに勉強した大切な脳の記憶が消えているという現実です。 〈齋藤〉 恐ろしいことですが、ということは、見方を変えれば文章を素読するのは素朴なようでも、学習力をキープしていく上では、とてもいい方法なのですね。 〈川島〉 ポジティブなよい影響しかありません。かつ素読のコンテンツである名文や名詩には、それ自体にきちんと意味や中身があります。中身のないSNSとは全く違うんです。 SNSはよくコミュニケーションのツールという言い方をされますが、SNSでやりとりをする相手が人間ではなく人工知能を備えた機械であっても、そうとは気づかない、人だと思ってやりとりをしてしまうという具体的なデータもあります。つまり、人と人とのコミュニケーションが担保されていないわけです。 人間の脳を活性化させるもの 〈川島〉 いま、若者の脳についてお話しさせていただきましたが、素読によって脳が活性化するのは、お年寄りも同じです。僕たちはこれを学習療法と呼んで今日まで続けてきましたが、高齢になって脳機能や生活の質が低下する一番の要因は、記憶の容量が小さくなることにあります。 記憶の容量とは、作業をする時の机に例えると分かりやすいと思います。若い時は大きな机を持っているのでパソコンやノートを置いたり、資料を並べたりして自由自在に作業ができます。ところが、年をとると机が小さくなっていって最後にはノート1冊すら広げられなくなってしまう。若者でも、SNSばかりやる人はこのような状態になります。 この狭くなった机を何とか広げられないかというので、認知症のお年寄りに、美しい日本語の文章を声に出して読ませるトレーニングを取り入れました。認知症は薬を飲んでもよくはならないんです。悪くなるスピードを遅らせるだけです。 ところが、素読を続けると劇的な変化が見られます。認知症の進行が止まるだけではなく、改善していくんです。記憶の容量が大きくなり、先ほど申し上げたような脳そのものが可塑的な変化を遂げる。だから僕たちの中で素読はまさに劇薬扱いなんですね。 お年寄りの中には素読よりも数を扱うことを好む人もいますので、単純計算によるトレーニングも組み合わせていますが、こういうシンプルな方法でも続けることで確実に改善に結びついています。 〈齋藤〉 高齢者の多くの方が、年をとるにつれてゆっくりと喋るようになりますが、これも脳の老化現象とみてもよいのでしょうか。 〈川島〉 まさに脳の回転速度が遅くなった証拠です。 簡単なテストがありましてね。1から120まで順番に数えさせるんです。大学生であれば30秒を切るくらいで数え終わるのを、60代の方は50秒以上かかってしまいます。脳が衰えたことで言葉のスピードも遅くなっているわけです。 脳の回転速度が速ければ、判断を瞬時にできるので次の行動にも素早く移れます。これは予測の能力とも繋がっていて、速い判断ができないと予測もしづらくなり、事故を起こしやすくもなる。 〈齋藤〉 相手のペースにつられてオレオレ詐欺に騙されてしまう、というのもそれなのでしょうね。それを考えると、中身のある古典や名文を、ある程度の速さで素読し続けることは、お年寄りの脳にとってとても効果が大きいことが分かります。 親や教師の意識が読書離れを助長している 〈川島〉 それにしても気になるのは、日本人の読書離れです。このまま手をこまねいていたら手遅れになるのは間違いありませんね。 僕はこの問題を学校における努力と、家庭における努力と2つに分けて考えているんです。 あるアンケート調査によると、多くの小学生は1週間に1冊のペースで本を読んでいると言われます。ところが、中学校に進んだ途端、見事に読まなくなるんですね。 そこに何が起きているかをきちんと解析しなくてはいけないのですが、恐らく中学校の先生方が読書の大切さに気づいていないような気がするんですね。「読書をするくらいなら、もっと部活に精を出せ」「勉強をしろ」と子供たちを追い込んでいるのではないかと。 〈齋藤〉 なるほど。 〈川島〉 いま中学校教育に求めたいのは、小学生の時に身についた読書の習慣を失わせないでほしい、ということです。中学生まで読書習慣が継続できれば、その子たちは必ず本好きになります。 一方、家庭についてですが、いま家に本がない家庭が増えていて、改善すべきはそこからでしょうね。ただ、子供を授かった親御さんには教育に対する意欲がありますから、まずはしっかりと読み聞かせを行う。そうすれば、子供は本が好きになります。 次のステップは家庭の中に本があるのが当たり前という環境をつくることです。幸い僕の両親は読み終わった本を僕の部屋の本棚に置くという戦略を立てました。退屈すると本を読むしかない環境に追い込んでいったんですね(笑)。 それで僕も、家内が暇な時に、子供たちの前で読書をしてもらう、という戦略を立てました。そうすると「そんなものかな」と思って子供たちも自然と本を引っ張り出して読むようになったんです。 だけど、いまの家庭はそうじゃないでしょう? 親は本を読まない。それどころか子供と食事をしている時まで親たちがスマホをいじっている。そこを解決するのは並大抵ではないと思っています。 〈齋藤〉 それだけ家庭の責任が重要だということですね。 おっしゃるとおりスマホ中毒は深刻なわけですが、スマホを手にしていると勉強をしたり本を読んだりする時間が中断されるんですね。だから、精神的に深く潜っていくという作業ができずに、浅瀬でずっと生きている魚のような感覚の人が増えているように思うんです。 本当に読書で鍛えられた人は、たとえテレビがついていたとしても、それに惑わされずに深く高度な勉強や読書ができるでしょうが、鍛えられていない人はいつまでもお喋り空間のまま終わってしまう。それだと精神力も弱くなるでしょうね。 武士道精神もそうですが、日本人の精神は1つの文化であり、それは決してお喋りで継承されることはありません。その意味では素読は人を育てるとともに、精神文化を継承する上で重要な役割を果たしてきたわけです。 〈川島〉 確かにそうでしょう。 人を育てるということでいえば、大変難しい時代になったなというのが正直な実感です。かつてはこちらが背中を見せることで、後進は育ってくれていました。頑張る背中だけ見せておけば、多少軌道修正するくらいで勝手に育って独り立ちしてくれていたんですね。 ところが、僕はいまその信念を曲げなきゃいけないと考えるようになりました。手取り足取り教えないと、育ってくれない子がそれだけ多くなったんです。 だけど、そんなことをやっていたのでは僕を越える人材はいつまでも育たないわけでしょう? そこにも読書をしてこなかった世代とのギャップを感じざるを得ないわけですが、それだけに、素読や読書というものの意義を真剣に考えなくてはいけないという思いは強くなるばかりです。 (本記事は『致知』2016年12月号 特集「人を育てる」より一部を抜粋・編集したものです)
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「寝たきりになりたくなければ、ファミレスで"目玉焼きハンバーグ"を頼みなさい」医師がそう勧める理由

2022年11月03日 21時38分24秒 | 健康・病気

「寝たきりになりたくなければ、ファミレスで"目玉焼きハンバーグ"を頼みなさい」医師がそう勧める理由

プレジデントオンライン

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「寝たきりになりたくなければ、ファミレスで"目玉焼きハンバーグ"を頼みなさい」医師がそう勧める理由
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/GI15702993

健康のためには、どんな食生活を心がけるべきか。医師の栗原毅さんは「重要なのはたんぱく質をたくさん摂ること。卵は優秀な食材で、高齢者になったら1日3~5個は食べたほうがいい」という――。

【この記事の画像を見る】
 ※本稿は、栗原毅『一生、歩ける体は70歳からの食べ方で決まる』(主婦の友社)の一部を再編集したものです。

■歩くのもやっとだったのが、「1日5個の卵」で元気になった85歳男性

 85歳のAさんが私のクリニックを訪ねてきたときは、顔色もすぐれず、歩くのもヨタヨタという状態でした。

 血液検査の数値がどれもよくなく、私は、「卵とお肉をできるだけたくさん食べてください」とアドバイスをして、Aさんを見送りました。

 それから4カ月後、再び現れたAさんを見て、私はびっくり仰天しました。なんと顔色はツヤツヤになり、髪は黒々と輝いているではありませんか。まるで別人のようです。

 「いったい、どうしたんですか?」と聞くと、「先生に言われた通り、卵を1日5個ずつ食べただけです」と、Aさんは答えました。にっこりと微笑む表情には生き生きとした生命力がみなぎっていました。

■年齢とともに減る「アルブミン値」が劇的に改善していた

 Aさんの血液検査で、特に注目すべき変化があったのがアルブミン値です。アルブミンは血液に含まれるたんぱく質で、血液中のたんぱく質の60%を占めています。血液の浸透圧を調整するほか、アミノ酸などの栄養素を運搬する役割を担っています。アルブミンが不足すると、せっかく栄養を吸収しても必要としているところに運べないという不具合が生じます。

 アルブミンの値が基準値以下になると、筋肉が弱くなり、転倒したり寝たきりになる人が多くなるのです。しかも、アルブミンは年齢とともに減ることがわかっており、老化の指標ともいわれています。

 Aさんが最初にクリニックに来たときのアルブミン値は3.6g/dLしかなく、危険な状態にありました。ところが、4カ月後に元気な姿で現れたときは4.5g/dLに改善していました。

 アルブミン値の改善に1日5個の卵が貢献したのは明らかです。卵パワーが老化による衰弱からAさんを救ったのです。

■たんぱく質だけでなくビタミンもカルシウムも摂れる優秀な食材

 卵は必須アミノ酸を含む、理想的なアミノ酸組成を持っています。あの不思議な形のカプセルの中に、たっぷりの栄養素が詰まっているのです。

 考えてみれば、あの中からひよこという命が生まれてくるのです。完璧な栄養が詰まっているのも、当然といえます。

 卵に含まれるたんぱく質は、約10gと覚えてください。もちろん、卵の大きさや品質によって多少の違いはありますが、覚えやすい数字で認識していただければ十分です。

 卵の中には、たんぱく質以外の栄養素も含まれています。

 卵というと、コレステロール値の悪化を気にする人がいますが、まったく逆です。卵白には悪玉コレステロールを下げるシスチンというアミノ酸が含まれ、卵黄には同様の働きをするレシチンという脂肪酸が含まれています。ますます、卵を見直さなければなりません。

 卵に含まれる栄養素は、まだまだあります。

 必須アミノ酸のメチオニンは肝臓のアルコール分解を助ける働きがあります。骨をつくる際に欠かせないカルシウム、認知症予防の効果が認められるコリンも豊富です。さらに、カロテンは発がん性物質を抑える力が注目を集めています。

 ビタミン群はビタミンA、B2、B6、B12、E、D3と、たっぷりです。まさにサプリメントを飲んでいるようですね。

 肌の潤いを保つコラーゲン、かぜ薬に含まれることの多いリゾチウムは、抵抗力、免疫力がアップする成分です。

 これだけの栄養素が含まれている食品は、卵のほかに見当たらないでしょう。卵を毎日、食べていれば健康状態がよくなるという話も納得です。

 しかも、値段も低く安定しています。卵を常備して、いろいろな調理法で食べるようにすることが健康に直結します。

■「卵はコレステロール値を悪化させる」説はなぜ定着したのか

 卵をすすめると、ほとんどの人が「コレステロールが高くなる」と反論します。これほど定着している誤解はほかにないといっていいでしょう。

 では、誰が卵を食べるとコレステロールが増えると言い出したのでしょうか。

 その犯人は判明しています。

 1913年に、ソ連のある科学者(彼の名誉のために匿名)がうさぎに卵を食べさせる実験をしました。すると、うさぎのコレステロール値がみるみる上がったのです。

 この実験結果は大きく報道され、世界中で「卵がコレステロールを上昇させる」と今日まで信じられてきたのです。

■今は「コレステロール値は少し高めのほうが良い」説もある

 しかし、よく考えてみてください。うさぎは草食動物です。草食動物に動物性の鶏卵を食べさせれば、血液の状態が悪くなるのは当然です。きっと、コレステロール以外の数値も悪化したに違いありません。

 これに対して、逆の結論を示す実験が、1981年に日本で行われています。健康な人に1日10個の卵を5日間連続で食べてもらったのです。血液検査の結果、血液中のコレステロール値には、まったく変化がありませんでした。

 1日10個も食べて変化がないのですから、日常生活の中で2~3個の卵が健康被害を及ぼすとは、とても考えられません。

 そして、コレステロールが生活習慣病の原因になるという学説自体が、もはや古くなりました。

 むしろ、コレステロール値が少し高めのほうが、元気があって、フレイル(衰弱)になりにくいという研究も報告されています。コレステロールが各種ホルモンや細胞壁の材料になることを知れば、それも納得です。

 動脈硬化の原因になる悪玉コレステロールは、脂質異常、高血糖値、喫煙、ストレスなどが原因です。もし、まだ卵が悪玉コレステロールを増やすと信じているのでしたら、すぐにその考えを改めてください。

■10個パックを買ってきたら半分はまずゆでておく

 卵の上手な食べ方について、考えてみましょう。

 通常、卵は10個入りのパックで販売されています。卵を買ってきたら、まず4~5個をゆでておきましょう。ゆで卵はサラダの具材として定番なほか、サンドイッチ、おでん、煮物などにも便利に使うことができます。おやつ代わりに食べてもいいですね。

 そのほか、一般的な調理法としては、目玉焼きやスクランブルエッグ、オムレツなどが思い浮かびます。どれも手軽に調理ができるのもうれしいところです。

 しかし、毎日の食事ですから、多少工夫して変化をつけたいものです。

 たとえば、スクランブルエッグに具を追加してみましょう。ひき肉、ソーセージ、ツナ、チーズなどのたんぱく質を加えれば、グレードが上がります。缶詰のビーンズなどもいいですね。

■いつもの野菜炒めに卵を追加するだけでいい

 野菜類なら、トマト、アボカド、玉ねぎ、にんにくなどが好相性です。カレー味やイタリアン、メキシカンなど風味にバリエーションをつけるのもいいアイデアです。スーパーマーケットで簡単に使えるミックススパイスが販売されています。いくつかそろえておけば、献立にバラエティができそうです。

 いつもの野菜炒めに卵を追加してみましょう。キャベツ、玉ねぎ、もやし、ニラ、ゴーヤなど、どんな野菜とも相性よくなじみます。栄養面ばかりでなく、見た目もきれいになって食欲増進につながります。

 チャーハンを作るときも、ぜひ卵を具材に加えてください。

 みそ汁やスープを卵とじにするのはいかがですか。最後に溶いた卵を流し入れて、ふわっとさせれば完成です。工夫次第で1日に3~5個の卵を食べることは難しくありません。

■牛丼を食べるときには必ず「生卵」をトッピング

 フレイル予防の目的で、たんぱく質をたっぷり摂るために、肉と卵を一緒に食べれば、まさに一石二鳥で効率がいいですね。

 まず思い浮かぶのが、親子丼です。

 出汁で煮込んだ鶏肉と玉ねぎを卵でとじて仕上げます。出汁がご飯に浸みこんだおいしさは何ともいえません。できれば「ご飯少なめ」で楽しみましょう。

 親子丼が出れば、次は牛丼でしょうか。忙しいウィークデーのランチに牛丼を選ぶ人も多いはずです。牛丼を食べるときは、卵のトッピングと「ご飯少なめ」を忘れないでください。

 すき焼きには必ず生卵がついてきますね。しっかりと味のしみた牛肉を溶いた卵にからめると、おいしさがさらにアップします。外食で食べるときも、卵はお代わり自由のところが多いようです。遠慮せずにたっぷりといただきましょう。

 ちなみに、卵は加熱をすると若干、たんぱく質の量が減ります。したがって、生食のほうが、より効果的にたんぱく質を摂れるといえます。たまには高級な卵で、卵かけご飯もいいですね。

■肉と卵が一緒になったメニューで効率的にたんぱく質を摂る

 ファミリーレストランの定番ランチといえばハンバーグです。ハンバーグを注文するときは、必ず目玉焼きがのっているメニューを選んでください。もちろん、家でハンバーグを作るときも目玉焼きを忘れずに。

 ハンバーグと同様にひき肉を使う料理にミートローフがあります。ミートローフの中にゆで卵を切らずに並べて入れるレシピがあるのをご存じでしょうか。満足感もアップしますので、ぜひ試してみてください。

 ひき肉を炒め、溶いた卵をからめてから味噌とみりんで仕上げれば、おいしいそぼろができます。お弁当のおかずにも重宝します。

 ピカタは肉を焼くときに卵をからませる料理です。ポークでもチキンでもおいしく仕上がります。簡単にできますので、たっぷりと卵を使って調理してください。



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栗原 毅(くりはら・たけし)
医師
1951年新潟県生まれ。北里大学医学部卒業。東京女子医科大学で消化器内科学を専攻し、2005年同大学教授。2007年より慶應義塾大学教授。2008年に「栗原クリニック東京・日本橋」を開院。著書は『内臓脂肪は命の危険信号』(小学館)、『「体重2キロ減」で脱出できるメタボリックシンドローム』(講談社+α新書)、『栗原式不老長寿大全』(主婦の友社)など多数。
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医師 栗原 毅

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「減塩で健康に」はウソである…医療界が隠す「塩分をたっぷり食べる日本人が長生き」という不都合な真実99.4%の人は血圧を下げても下げなくても同じ

2022年11月03日 09時37分28秒 | 健康・病気

「減塩で健康に」はウソである…医療界が隠す「塩分をたっぷり食べる日本人が長生き」という不都合な真実99.4%の人は血圧を下げても下げなくても同じ

 
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99.4%の人は血圧を下げても下げなくても同じ

まず、データによれば、減塩で血圧が下がる幅はたったの7mmHgです。

血圧を測る習慣のある人ならよく知っていると思いますが、血圧はつねに上がったり下がったりしているものです。

体を動かすと上がりますし、おしゃべりが盛り上がっても上がります。部屋が寒くても上がります。

同じ人でも日ごとに血圧は違いますし、同じ日に、血圧をただ2回つづけて測っても、5とか10とか違って出ることはよくあります。

減塩の効果とされる幅は誤差のようなものなのです。

そして、それくらいの微妙な差で血圧が下がったとして、本来の目的である、病気を防ぐ効果はあるのでしょうか。

さきほどの薬の研究では、血圧を下げなかった場合、1年あたり心筋梗塞や脳卒中になる人が3.2%いました。血圧を下げるとこれが2.6%に減りました。差は0.6%です。

つまり、99.4%の人は血圧を下げても下げなくても同じだったのです。

薬で下げてもたいした予防効果はないことがわかります。

まして、減塩してもほんの少ししか血圧は下がりませんから、薬で下げたときのちょっとした効果と比べてもさらに小さい、ほとんどどうでもいい効果しかなくなることは予想できます。

高血圧の人でも減塩の健康効果はない

じっさいに、高血圧の人が減塩をすることで病気を防ぐ効果を調べたデータもあります(注1

大脇幸志郎『運動・減塩はいますぐやめるに限る!』(さくら舎)
大脇幸志郎『運動・減塩はいますぐやめるに限る!』(さくら舎)

結果は予想どおり、効果なしです。ですからやはり、高血圧の人であっても、減塩をしてもいいことはないのです。

どっちみち減塩はしなくていいので、本当は高血圧の人とそうでない人を分けて説明する必要もありませんでした。

しかし世の中には細かい人がいるもので、「高血圧の人が減塩をすると血圧は下がる」という、細かくどうでもいい豆知識をふりかざしては、「減塩に健康効果はない」という大局をごまかそうとしてきます。

そちらにだまされないために、あえて無意味なことを無意味だと説明しておきました。


医師
1983年、大阪府に生まれる。東京大学医学部卒業。出版社勤務、医療情報サイトのニュース編集長を経て医師となる。首都圏のクリニックで高齢者の訪問診療業務に携わっている。著書には『「健康」から生活をまもる 最新医学と12の迷信』、訳書にはペトルシュクラバーネク著『健康禍 人間的医学の終焉と強制的健康主義の台頭』(以上、生活の医療社)、ヴィナイヤク・プラサード著『悪いがん治療 誤った政策とエビデンスがどのようにがん患者を痛めつけるか』(晶文社)がある。
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認知症の患者は身近な人から忘れてしまうのは本当なのか【名医が答える病気と体の悩み】

2022年11月01日 14時58分38秒 | 健康・病気

認知症の患者は身近な人から忘れてしまうのは本当なのか【名医が答える病気と体の悩み】

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認知症の患者は身近な人から忘れてしまうのは本当なのか【名医が答える病気と体の悩み】
昔の記憶は残っているが

【名医が答える病気と体の悩み】

 認知症による物忘れには順番があります。それも、認知症の種類によって異なります。

 全体の約67%を占める「アルツハイマー型認知症」であれば、まずは物忘れと呼ばれる記憶障害から、自分がいる場所や日時が分からなくなる見当識障害に移行します。その後、判断力や理解力が低下し、身の回りのことを自分でできなくなるうえ、意思疎通が難しくなっていきます。その人が誰かを識別する能力は、意思疎通ができなくなって寝たきりになる前の最後の段階まで、残っていることが多いと考えられています。

 アルツハイマー型の場合、アミロイドβといったタンパク質が脳に沈着し、脳が萎縮することで神経細胞の障害が引き起こされます。初期段階では、アミロイドβが短期記憶をつかさどる「海馬」からたまっていくため、最初に新しいことが覚えられない症状が出てきます。その後、アミロイドβは昔の記憶を保管している大脳にたまっていきます。

 ですから、古い記憶やよく知っている人の認識はある程度、最後まで残ります。

 一方で、早期に人を認識できなくなって、身近な人を忘れてしまうのが「レビー小体型認知症」といわれています。

 全体の4.3%と割合こそ少ないですが、脳にレビー小体というタンパク質が蓄積し、塊ができることで神経障害が引き起こされます。主に運動、思考や記憶に関する領域に影響を与えることが分かっていて、運動でいえば睡眠困難や体の平衡をとれないなどの症状がみられます。さらに、記憶混乱や記憶喪失などの認知の問題が起こるので、凶暴になったり、怒りっぽくなって認知症と判明するケースが多いです。

 レビー小体は、人の名前や人を認識する能力をつかさどる脳の領域にたまって障害を与えます。そのため、「あなた誰?」と言われて、「息子だよ」と怒って返答してしまっても患者さんを怒らせてしまいます。介護する側にとっては、忘れられてしまってつらい思いをする方も多い認知症です。

 いずれにしても、認知症によって人を識別する能力が衰えると、新しい記憶であるほど忘れてしまいます。昔の記憶は最後まで残るので、若い頃の夫や妻のイメージは思い浮かべることができます。

 そのため、息子や娘を配偶者と間違えるケースが多いのです。成長して大人になった子供のことは分からなくなるし、年老いた現在の配偶者のことも「見たことがない人」になってしまいます。身近な人の一番最近の姿が分からなくなるともいえます。

▽森川髙司(もりかわ・たかし) 奈良県立医科大学卒業、奈良県立医科大学付属病院で臨床研修医(第2内科)。その後、吉野病院、田北病院内科医長、向山病院副院長などを経て、兵庫県尼崎市に医療法人煌仁会 森川内科クリニックを設立。現在、産業医や校医も務める。

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 — ニュースフラッシュ. 自分を「大事にする」ことと「居直る」ことは別もの。坂東眞理子さんに聞く、50歳以降の心の持ち方. 講談社. go-to-top.

2022年10月27日 14時36分21秒 | 健康・病気
9 時間前 — ニュースフラッシュ. 自分を「大事にする」ことと「居直る」ことは別もの。坂東眞理子さんに聞く、50歳以降の心の持ち方. 講談社. go-to-top.

 
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故・エリザベス女王のパワーの源はその生活にあった?女王が実践していたシンプルなルールとは

2022年10月22日 15時12分38秒 | 健康・病気



故・エリザベス女王のパワーの源はその生活にあった?女王が実践していたシンプルなルールとは

長坂陽子
長坂陽子
2022-10-06
 

96歳で逝去したエリザベス女王。今年に入ってからは公務を息子のチャールズ新国王や孫のウィリアム皇太子に任せることも少しずつ増えていたけれど、亡くなるまで君主として仕事をしてきた。亡くなる数日前もリズ・トラス新首相と対面、笑顔の写真が公開されていた。その圧倒的なパワーの源は日々の生活ルールにあったと言われている。その一部を紹介したい。

 

まず、毎日運動すること。女王の伝記作家イングリッド・セワードによると「女王は適度な運動は体にいいと信じていた」。毎日愛犬たちを連れて城や宮殿の敷地内を散歩していたという。また女王は馬が大好きで乗馬が趣味。亡くなる直前も、歩行が難しくなり医師に止められるまでウィンザー城の敷地内で乗馬を楽しんでいた。

次に毎日同じ食事をすること。体によく、好みに合う食事であればバリエーションはいらないというのが女王流。女王に関する著作『At Home with the Queen』を出している人類学者のブライアン・ホエイによると、朝はビスケットとアールグレイティを口にしてから犬のお散歩へ。帰ってきてからマーマレードジャムをつけたトーストにメイプルシロップをかけたヨーグルト、もしくはシリアル(ちなみにケロッグのシンプルなもの)を朝食として食べるのが日課だった。またランチは魚と野菜、午後のおやつはクッキーもしくはケーキとお茶、夜はサーモンもしくは肉と野菜というシンプルな食事だった。肉を食べるのは夕食だけ。脂肪分の多い牛肉や豚肉ではなく、キジかシカを好んだという。 近年日本でもジビエに対する関心や需要が高まっているが、キジやシカはその中でも代表的。低脂肪高タンパク、ミネラルが豊富で体にいい肉として知られる。

お酒やチョコレートを毎日ちょっぴり楽しむこと。関係者の証言によって飲んでいた量はまちまちだけれど女王がジンを使ったカクテル、デュボネやワイン、ドライマティーニやシャンパンを飲んでいたことはよく知られている。またお気に入りのスイーツも適度に楽しむ派。特に好きだったのは高級ショコラティエ「シャボネル・エ・ウォーカー」のローズ&バイオレットクリーム。それぞれバラとすみれの花弁から抽出したエッセンシャルオイルの入ったクリームをダークチョコレートの中につめたトリュフで、上に砂糖でコーティングした花弁が乗っている。食べるだけで優雅な気分になりそうな一品だけれど、お値段は25個入りで50ドル。上質なものをちょっぴり楽しむのが好きだったという。ちなみにいつも持っていたハンドバッグにもチョコミントが入っていたそう。

健康をしっかり管理しつつ、好きなものも上手に楽しんでいた女王。親しみやすくユーモアのある君主としてイギリスはもちろん世界中の人たちから愛され尊敬されてきた。開かれた王室を作った功績はもちろん、それを支えたライフスタイルも長く語り継がれていくに違いない。

 

 

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長坂陽子

長坂陽子

ライター&翻訳者。ハリウッド女優、シンガーからロイヤルファミリー、アメリカ政治界注目の女性政治家まで世界のセレブの動向を追う。女性をエンパワメントしてくれるセレブが特に好き。著書に「Be yourself あなたのままでいられる80の言葉」(メディアソフト)など。

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故・エリザベス女王のパワーの源はその生活にあった?女王が実践していたシンプルなルールとは

2022年10月22日 15時11分41秒 | 健康・病気

故・エリザベス女王のパワーの源はその生活にあった?女王が実践していたシンプルなルールとは

長坂陽子
長坂陽子
2022-10-06

96歳で逝去したエリザベス女王。今年に入ってからは公務を息子のチャールズ新国王や孫のウィリアム皇太子に任せることも少しずつ増えていたけれど、亡くなるまで君主として仕事をしてきた。亡くなる数日前もリズ・トラス新首相と対面、笑顔の写真が公開されていた。その圧倒的なパワーの源は日々の生活ルールにあったと言われている。その一部を紹介したい。

 

まず、毎日運動すること。女王の伝記作家イングリッド・セワードによると「女王は適度な運動は体にいいと信じていた」。毎日愛犬たちを連れて城や宮殿の敷地内を散歩していたという。また女王は馬が大好きで乗馬が趣味。亡くなる直前も、歩行が難しくなり医師に止められるまでウィンザー城の敷地内で乗馬を楽しんでいた。

次に毎日同じ食事をすること。体によく、好みに合う食事であればバリエーションはいらないというのが女王流。女王に関する著作『At Home with the Queen』を出している人類学者のブライアン・ホエイによると、朝はビスケットとアールグレイティを口にしてから犬のお散歩へ。帰ってきてからマーマレードジャムをつけたトーストにメイプルシロップをかけたヨーグルト、もしくはシリアル(ちなみにケロッグのシンプルなもの)を朝食として食べるのが日課だった。またランチは魚と野菜、午後のおやつはクッキーもしくはケーキとお茶、夜はサーモンもしくは肉と野菜というシンプルな食事だった。肉を食べるのは夕食だけ。脂肪分の多い牛肉や豚肉ではなく、キジかシカを好んだという。 近年日本でもジビエに対する関心や需要が高まっているが、キジやシカはその中でも代表的。低脂肪高タンパク、ミネラルが豊富で体にいい肉として知られる。

お酒やチョコレートを毎日ちょっぴり楽しむこと。関係者の証言によって飲んでいた量はまちまちだけれど女王がジンを使ったカクテル、デュボネやワイン、ドライマティーニやシャンパンを飲んでいたことはよく知られている。またお気に入りのスイーツも適度に楽しむ派。特に好きだったのは高級ショコラティエ「シャボネル・エ・ウォーカー」のローズ&バイオレットクリーム。それぞれバラとすみれの花弁から抽出したエッセンシャルオイルの入ったクリームをダークチョコレートの中につめたトリュフで、上に砂糖でコーティングした花弁が乗っている。食べるだけで優雅な気分になりそうな一品だけれど、お値段は25個入りで50ドル。上質なものをちょっぴり楽しむのが好きだったという。ちなみにいつも持っていたハンドバッグにもチョコミントが入っていたそう。

健康をしっかり管理しつつ、好きなものも上手に楽しんでいた女王。親しみやすくユーモアのある君主としてイギリスはもちろん世界中の人たちから愛され尊敬されてきた。開かれた王室を作った功績はもちろん、それを支えたライフスタイルも長く語り継がれていくに違いない。

 

 

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長坂陽子

長坂陽子

ライター&翻訳者。ハリウッド女優、シンガーからロイヤルファミリー、アメリカ政治界注目の女性政治家まで世界のセレブの動向を追う。女性をエンパワメントしてくれるセレブが特に好き。著書に「Be yourself あなたのままでいられる80の言葉」(メディアソフト)など。

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円形脱毛症】ストレスや心の弱さ原因ではない 偏見や誤解が多い病、2022年6月に治療薬が登場

2022年10月21日 12時15分05秒 | 健康・病気
1 日前 — 原因も“ストレスではない”ことのほうが多い。 円形脱毛症は誤解や偏見の多い病気だ。その症状や原因、その治療や病気と向き合う当事者の思いなど ...
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コロナ感染リスクも増加…免疫力低下招く「睡眠負債」とは?

2022年09月29日 08時57分52秒 | 健康・病気
 

コロナ感染リスクも増加…免疫力低下招く「睡眠負債」とは?

コロナ感染リスクも増加…免疫力低下招く「睡眠負債」とは?

コロナ感染リスクも増加…免疫力低下招く「睡眠負債」とは?

(女性自身)

季節の変わり目に夏の疲れがドッと出て、なかなか寝付けないという人も多い。

「睡眠不足や睡眠障害は、不調やさまざまな病気のもと。よい睡眠を取るためには時間の確保はもちろん大切ですが、たくさん寝ればいいというものでもありません。睡眠の質を高めることがとても重要なのです」

そう語るのは、米スタンフォード大学医学部精神科教授の西野精治先生。西野先生は睡眠・覚醒のメカニズムを研究している。西野先生が提唱しているのは“睡眠負債”という考え方。慢性的な睡眠不足の状態が続き、その負債が蓄積して、心身ともに支障をきたしている状態のことを指す。

一般的に適切な睡眠時間といえば、個人差もあるが7時間前後とされている。たとえば、いつもの睡眠時間が7時間という人が5時間しか熟睡できていない日が1週間続いたとすると、14時間の睡眠負債を抱えることになる。

「睡眠負債が蓄積すると、免疫力が低下し、感染症のリスクが高まります。新型コロナウイルスを含め、感染症と睡眠には深い関係があり、睡眠が十分でないとワクチンを打っても抗体ができにくい、感染した場合に回復が遅くなり重症化しやすくなる、といったことが指摘されています」(西野先生・以下同)

睡眠時に空気の通り道である上気道が狭くなることで酸欠状態になり、睡眠が分断されてしまう「閉塞性睡眠時無呼吸症候群」の人は、新型コロナに感染しやすいという海外の研究もある。’20年9月に米ノースウェスタン大学のマシュー・B・マース教授らが発表したデータによると、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の人は医療機関で治療を受けている同世代の人と比べて、新型コロナに罹患するリスクが8倍、呼吸不全を発症するリスクは2倍高くなることが判明した。

また、’21年4月に西野先生が最高研究顧問を務めるブレインスリープ社が1万人を対象にオンライン調査をしたところ、新型コロナに感染した144人のうち、35.4%は「睡眠時無呼吸症候群」でもあることがわかった。

「感染しなかった人たちの無呼吸の有病率は2.7%。コロナに感染した人との間にはなんと13.1倍もの開きがありました」



【チェックリスト】「睡眠負債」危険度



■「休日の睡眠時間が平日より2時間以上長い人」は注意

人間が眠りにつくと、ノンレム睡眠とレム睡眠を繰り返すことはよく知られている。

「体と脳のメンテナンスや記憶の伝達が行われるのは、深い眠りのノンレム睡眠で、ここでしっかり眠れていると睡眠の質が上がります。入眠直後のおよそ90分後にノンレム睡眠の状態になるので、わたしはこれを“黄金の90分”と呼んで重視しています。深いノンレム睡眠の後は、短いレム睡眠が出てきて、明け方までに4〜5回繰り返します。この間に、脳と体の休息、ホルモンバランスの調整が行われて、さらに免疫力がアップしてきます。ウイルスの感染を防ぐためには、睡眠の質を高めることが基本です」

休日の睡眠時間が平日より2時間以上長い、朝目覚めるのがつらくスッキリ感がない、週に3日以上異なった時間に眠る、などに思い当たる人は睡眠負債がたまっている可能性が高いため、環境の改善に努めたい。

「寝る2時間前はリラックスするようにしましょう。スマホは寝室に持ち込まないこと。つい腹が立つメールやニュースを見てしまい、脳が興奮した状態になると入眠の妨げになってしまいます。また、“黄金の90分”を確保するためには家族の協力も欠かせません。せっかく早く寝たとしても、夫が遅く帰宅してそのたびに起こされていたらリズムが狂ってしまいます。夫が夜遅くに帰宅することがあっても、睡眠を妨害されない工夫をしましょう」

予断を許さない新型コロナの感染リスクを遠ざけるためにも、毎日しっかりと眠る習慣をつけよう。
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認知症と「歯磨き」の意外な関係、35歳以上が絶対やるべき習慣とは

2022年09月21日 00時36分38秒 | 健康・病気

認知症と「歯磨き」の意外な関係、35歳以上が絶対やるべき習慣とは

「実は35歳を過ぎたころから、認知症の原因物質がたまりやすくなります。原因物質というのは、歯周病菌のこと。35歳を過ぎたタイミングでこれまで行ってきた『歯磨き』を変えなければ、認知症の発症リスクが一気に高くなることが研究で明らかになっているのです」

 そもそも長谷川医師が認知症と歯の関係に気づいたのは、多くの患者を診るなかで、ひとつの共通点にたどり着いたからだった。

 

「認知症患者さんの口の中はビックリするくらい汚れていることが多く、ほとんど歯が残っていません。ケアをしている歯科衛生士さんによると、まるでゴミ屋敷だというのです。実際、残っている歯の数と認知症発症率の相関関係を裏付けるデータも存在します。東北大大学院の研究グループが、70歳以上の高齢者を対象に行った調査によると、『脳が健康な人』の歯は平均14.9本でしたが、『認知症疑いあり』の人は9.4本でした。つまり残っている歯が少ない人ほど、認知症になりやすいことが明らかになったのです」

 昔からいわれる「歯がない人はボケやすい」は、科学的に見ても正しかったということになる。そして、大人が歯を失う原因の第1位は、「むし歯」ではなく、前述した「歯周病」なのだという。

「歯磨きが不十分で、口内に食べカスや細菌がたまっていくと口内が炎症を起こし、歯周病が進行します。そのまま放っておくと、歯を支える土台の骨が溶けてグラグラになり、最終的に歯が抜けてしまうのです」

 歯を失えば、脳に送られる血流や刺激が減り、脳の老化は加速する。このように「脳の老化」に大きな影響があると考えられる口の中だが、日本ではいまだに歯の重要性が軽視されていると長谷川医師は危惧する。

「海外と違い、日本では『高齢になったら歯は残っていないもの』と考えられています。しかし、アメリカやスウェーデンなど口腔衛生先進国は違います。特に痛みや問題がなくても定期的に歯科に通い、口内の状態が悪くならないよう予防に努めています。2012年の厚生労働省国民健康白書統計では80歳以上で残っている平均の歯の数が、日本9.8本に対してスウェーデンはなんと20本。こうした日頃の意識の違いが、老後使える歯の差として表れているのです」

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「長生きしたいなら揚げ物をたくさん食べなさい」在宅医療の第一人者がそう断言するワケ【2022上半期BEST5】唐揚げ、豚カツ、コロッケ、フライ…

2022年09月03日 15時02分35秒 | 健康・病気

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ライフ | 2022上半期BEST5#健康 #再配信2022/09/03 10:00
「長生きしたいなら揚げ物をたくさん食べなさい」在宅医療の第一人者がそう断言するワケ【2022上半期BEST5】唐揚げ、豚カツ、コロッケ、フライ…
PRESIDENT Online

  • 佐々木 淳医療法人社団悠翔会理事長・診療部長
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日本の高齢者は全体に“低体重”傾向にある
ここでちょっと、日本の高齢者がいかにやせているか、医学的データを元に状況をチェックしてみましょう。
太っているのか、やせているのかの基準となる指標にBMIがあります。これは身長(メートル)を2乗した数字で体重を割ると計算できます。一般的にはこのBMIが25を超えると「肥満」、18.5を下回ると「やせ」、中でも22が最も病気のリスクが低くなることから「標準体型」とされています。
全国の訪問看護を利用している高齢者のBMIを調査したところ、BMIが18.5もない「低体重」に該当する人が60%にも上ることが明らかになりました。中でもBMI16未満の「重度のやせ」の人が28%もいたのです。
女性の場合、BMIが16未満だと、BMI22の人に比べて死亡リスクが2.6倍にアップすることがわかっています。BMI18.5でもかなりやせ型ですが、BMI16となると、もう筋肉まで落ちてガリガリにやせた状態です。
私は、こうした日本の高齢者の低体重傾向を“危険なレベル”と考えています。
食事量が不足しているために、「低栄養→筋肉量低下→肺炎・骨折→入院→さらに筋量低下」という悪循環を自分から招き入れてしまっているのです。





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室温36℃でも「寒い」、胸の痛みは「軽度の肺炎」…38歳“感染症専門医”「痛恨のコロナ感染」が私たちに教えること

2022年08月22日 17時00分10秒 | 健康・病気

室温36℃でも「寒い」、胸の痛みは「軽度の肺炎」…38歳“感染症専門医”「痛恨のコロナ感染」が私たちに教えること

文春オンライン

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室温36℃でも「寒い」、胸の痛みは「軽度の肺炎」…38歳“感染症専門医”「痛恨のコロナ感染」が私たちに教えること
小誌にて新型コロナウイルスに関する様々な疑問や対策法について答えてきた公立陶生病院の感染症内科主任部長・武藤義和医師

 猛威をふるう新型コロナウイルスの第7波。新規感染者数は依然として高止まりし続けている。8月19日には全国の感染者数が26万1029人と過去最多を更新。世界と比較しても、直近の日本における感染者数は突出して多い状態になっている。

【写真】感染症専門医がコロナに感染「驚くほどの量の痰が…」
 そんな中、“コロナの専門家”もコロナに感染してしまった。

 愛知県瀬戸市にある公立陶生病院の感染症内科主任部長・武藤義和医師(38)。多くのメディアに出演する感染症専門医だ。「 週刊文春 」にも幾度となく登場し、ワクチン接種の疑問から変異株ごとの対策法まで様々なアドバイスを読者に届けてきた。

 そんな武藤医師は8月3日夜に発熱を自覚したため、翌4日にPCR検査を受けたところ陽性と判定。自宅待機が必要な10日間、高熱に加え、咳や痰などの症状に苦しんだという。15日にようやく仕事に復帰したが、「感染症対策の要の存在である自分が、何を感染してんだ。無責任すぎるだろ」と自責の念にも悩まされたという。

 しかし一方で、“患者”になって初めて分かったこともあったという。

 コロナのスペシャリストがコロナに罹患してわかったこととは――。

熱の辛さに苦しんだ「震えが止まらなくて全く眠れません」

 まず武藤医師が振り返るのは「熱の辛さ」だ。発症の翌朝に38.5℃だった体温は、隔離期間中に最高で39.6℃まで上がった。高熱の状態は、約6日間にわたり続いたという。

「ベッドに横になっても震えが止まらなくて全く眠れません。病院で処方してもらったアセトアミノフェンという解熱鎮痛剤を飲みましたが熱は下がらなかった。寒くて、寒くて、クーラーを消したら室内温度は36℃を超えてしまったのですが、それでも寒いんです」(武藤医師)

発症から3日後、熱は少し下がったが「驚くほどの量の痰が」

 発症から4日後、熱は少し下がり、喉の痛みも軽減された。ところが、その代わりに始まったのが咳。そして、痰が出てくるようになったという。

「驚くほどの量の痰がでるようになったのです。痰を切ろうとすると、その前に息を大きく吸いますよね。その時に痰も吸い込んでしまって気管に入りそうになったんです。よく事故が起きたこんにゃくゼリーの窒息のようなイメージです。死ぬかと思いました。現在のコロナは重症化すると言うことはほとんど無いと考えられており、自宅で無くなる例はどういう事が起きているのかと思っていましたが、高齢の感染者などではこのように大量の痰が寝ている間にたまり、突然窒息をしているのかもしれないという考えもよぎりました。こういったことは自分がかかって初めて感じたことでした」(同前)

 さらに翌日には、胸の痛みが発生。

「ただの痛みではなく、心臓の『ドクン・ドクン』という鼓動にあわせて『ズキン・ズキン』と痛む胸痛です。(自分の病院で検査を行ったところ)レントゲンには軽度の肺炎が見られました。『あ、肺炎あるんだ』と驚きましたが、怖くはなかったです。若い世代は肺炎では重症化しないので」(同前)

 8月11日の朝に体温を測ると36.8℃。この日を境に熱は上がらなくなったが、しばらくは「咳と痰が出る」という症状が続いたという。15日には職場に復帰した。

 武藤医師は言う。

「今振り返ると、備えがもっと必要だったなと思います」

「命の不安こそなかったですがやはり非常に苦しい10日間でした。感染は誰にでも起きる可能性があります。今振り返ると、備えがもっと必要だったなと思います」

 武藤医師が高熱対策で「役に立たなかったもの」と「助かったもの」、療養生活のために今から備蓄しておくべきもの、武藤医師が療養中に「ひょっとして…」と感じたコロナに罹患した高齢者の突然死の理由、感染した人が知っておくべき「病院に行く基準」など、“コロナのスペシャリスト”武藤医師による「痛恨のコロナ感染記」の全文は、現在配信中の「 週刊文春 電子版 」に掲載されている。

「週刊文春」編集部/週刊文春

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