遠くで、低いながらも熱を帯びたバンドの響きが聞こえてくる。海浜公園のステージは、さぞかし演奏者と観客とが一体になった興奮状態を織り成しているのだろう。
今年は20周年とのことで、5日間も開催されているとのこと。1日14000円と聞くチケットは、高いのか安いのか。
夜に2時間ばかりネット喫茶にいき仕事をしようとすると、まず満席に近い、ブースの空き状況。なるほど、ここを宿代わりにしようとしている人もいるのだ。ブースは幸いに2つだけ空いていてセーフ。ただし、店員さんから、「今日は特別な日なので特別料金となります」と説明を受ける。基本料金制度はなし。パック料金のみ。それも割高で。しかたなく、4時間1500円の申し込みをする。
店内は、興奮冷めやまぬ若者が、目をキラキラさせて、小声ながら喋りに夢中である。まったく羨ましい光景だ。
周りが熱くなればなるほど冷めていく私のような輩には眩しい姿だ。
このエネルギー。どんな効能があるのだろうか。くそ真面目と思われるだろうが、世界に向けてプラスになりえているのだろうか。
もちろん、お気に入りの歌やアーティストと出会った満足感は、個々には癒しとも、明日の活力ともなるのだろう。
しかし、しかしである。
それが、世の中、社会、日本、世界、地球と広く考えたときに、なにかを生み出す、または歴史を一歩でも前にと進ませることはできているのだろうか。
短絡的、と思われてもしたかないが、そこまで考えていかなくてはならないほど、日本は、アジアは、世界は、地球は、腐る寸前なのではないのか。
ロックインジャパンが生み出すエネルギーは、たんなる一過性の「充実」でしかないのではないのか。