正さん日記

世の中思いにつれて

温室効果ガス、2050年までゼロに、学術会議問題など不都合な点に触れず=菅首相の所信表明演舌

2020-10-27 10:16:42 | 政治

 昨日臨時国会が召集され、冒頭、菅義偉首相が、恒例の所信表明演舌を行った。首相就任後40日を過ぎての新首相の本会議演説はいかにも遅かった。

 菅首相は、「国民のための政治」「自助、共助、公助そして絆」と政治姿勢を基本に置き、大きな方針として「2050年までに温室効果ガスをゼロにする」と述べた。

 また、個別には、官房長官時代から暖めていた政策として「携帯電話料金の引き下げ」「不妊治療の保険適用」「デジタル化の促進」等を改めて示した。

 基本的に、安倍晋三前内閣の政策を引き継ぐとしているが、「アベノミクスの継承」「憲法改正」「安全保障」などについては、演説で触れたが、前政権ほどの思いは感じられなかった。

 何と言っても、温室効果ガス削減問題に一歩踏み込んだことが目を引いたが、日本に対する国際的な圧力の強さに抗し切れず「清水寺の舞台から飛び降りた」感じで思い切った方針の転換だ。

 現在、日本の温室効果ガス削減計画は、2050年まで80%の削減目標となっているが、世界では120カ国が50年実質ゼロを掲げている。

 日本の計画は、2030年に13年比26%の削減に止まっており、50年にゼロにするには30年まで10年比で45%削減しないと実現がおぼつかない。

 「言うが易し、行うは難し」で今後様々な形で、産業構造、社会の変革を進めていかない限り実現は困難だろう。政府にその覚悟があるのかこれから試される。

 菅首相の所信表明に、学術会議問題、核兵器禁止条約発効決定、福島原発事故汚染水の処理問題がそっくり抜けていた。

 例の如く、政府にとって都合の悪い問題には触れないという隠蔽主義の悪い癖が抜けていないが、どっちにしてもこれらの問題は国会で取り上げられる。

 それならば、初めから堂々と俎上に上げ、予め政府の見解を示した方が賢明で潔いと思うが、それができないのは何故だろうか。

 菅首相は、学術会議問題でNHK記者の質問に答え、学術会議の有り方としてまた「多様性」などという難しい言葉で煙に巻いた。

 「多様性」とはなんぞや。6名の任命拒否の理由にしたいのだろうが、今度は、「6名が多様性に反する理由は?」と「総合的、俯瞰的」に加えて問われることになる。

 菅首相の所信表明や学術会議問題は、衆参の予算委員会で突き詰められるが、野党はしっかり質問し、政府は国民に分かりやすく答弁するよう望みたい。「関連:10月25日

 

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