正さん日記

世の中思いにつれて

大雪山系、史上最大の遭難事故死

2009-07-18 05:55:30 | 社会
 中高年の登山者が年々増加しているが、16日、北海道大雪山系トムラウシ山と美瑛岳に登った中高年者2パーティー、1個人が折からの風雨に見舞われ、寒さによる低体温症が原因とみられる傷害で、計10人の死亡が確認された。
 このように一度に10人もの人が犠牲になった遭難事故は過去に例がなく、日程や悪天候への対応などに手落ちがなかったか、この登山を企画実施した旅行会社社長が事情聴取を受けた。

 この登山は、トムラウシ山は東京のアミューズトラベル社、美瑛岳は茨城県のオフィ-スコンパス社がツアーを組み、アミューズトラベルのツアーは7月14~16日の2泊3日で40数キロの行程、登山客は59歳~69歳の男女15名とガイド3人が旭岳からトムラウシ山まで縦走する予定だった。
 遭難した16日は風雨が強く、パーティは8組にもなるなど散り散りになって男女8人が死亡した。同社によると、同行したガイド3人のうち1人だけがこの行程を10数回経験していたが、ほかの2人は、同社のガイドとしては初の行程だったという。

 美瑛岳のツアーはオフィ-スコンパス社が主催、女性客3人と男性ガイド3人が3泊4日で十勝岳などを縦走する予定だったが、女性1人が低体温症によって死亡した。
 両ツアーのコースは山小屋や避難ルートが少なく、上級レベルのコースのようだが、道警は悪天候下の登山決行の判断に問題がなかったかを中心に調べている。
 このツアー参加者も50~60代だったようだが、このところ高齢者の登山は増える一方だ。特に高齢女性の登山者が目立つ。
 事故があった北海道の山は、気候の変動が激しく、上級レベル人にもガイドが必要のようだ。ガイドは山を案内することは当然だが、天候の変化を事前に見抜き、登山を決行するか否か、途中でも引き返す決断、避難場所確保、避難用具等の用意、遭難した場合の統率、連絡など様々な技量を持ち合わせていなければならない。今回の場合はどうもその点に問題があった感じだ。

 また、登山者も、折角来たのだからという意識が先に立ち、天候、体力、装備などが万全でないままに、登山を決行することが多くある。誰もが陥りやすい問題だが、今までは大丈夫だったから今度も大丈夫は、事故の悪魔が許さない。今回の大事故がそうだったとは言えないが、登山には、よく言われる「止める勇気、引き返す勇気」が必要なことをもう一度心に銘記すべきだ。
「写真:登山者が遭難したトムラウシ山(手前)。後方は美瑛岳(毎日新聞) 」

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