「食」の維新へITマネー 重鎮が続々投資食品は人類にとって一番大切なもの
- 2013/12/12 7:00 日本経済新聞
- IT(情報技術)業界の「マネー」が急激に食品業界へと流れ込み始めている。ビル・ゲイツ氏(マイクロソフトの共同創業者)やスティーブ・ケース氏(AOLの共同創業者)など大物投資家が相次ぎ食品関連の新興企業に出資。ネット企業への投資が専門だったベンチャーキャピタル(VC)も投資を活発化させている。効率化が難しいとして、長らく大胆なイノベーション(革新)と縁遠かった食品業界。そこに畑違いのIT業界から潤沢な投資資金とともに、短期間に消費者の生活を一変させた「革新の方程式」が持ち込まれようとしている。食品業界は今、維新の時を迎えている。
■AOL創業者は約23億円を投資
12月上旬、元AOLのスティーブ・ケース氏は、サラダ販売を中心としたファストフードチェーン「スイートグリーン」への投資を発表した。ケース氏は「私はテクノロジーやネット関連の企業への投資が専門。食品業界への投資は異例」と語る。
畑違いの分野への投資を決意した背景にあるのが、スイートグリーンの高い成長力だ。2007年、首都ワシントンの小さな店舗で誕生したスイートグリーンは、5年間で22店舗を抱えるチェーン店になった。米国では健康管理に配慮した食品を提供するファストフード店は、依然として少ない。スイートグリーンの主力商品は、近隣の契約農家から仕入れたオーガニック(有機栽培)野菜のみで作る新鮮なサラダ。「若者層のあいだで健康意識は高まり続けている。スイートグリーンは今後、まだまだ成長できる」とケース氏は意気込む。
正確な投資額は公開されていないが、米メディア報道によるとケース氏が代表を務めるVC「レボリューション」のスイートグリーンに対する投資額は2200万ドル(約22億7000万円)とされる。
■ビル・ゲイツ氏が感激した植物性の“卵”
かつて食品関連は、VCが投資を避ける分野といわれ続けてきた。店舗賃貸料や人件費などの運営コストが高いうえ、扱う食材には賞味期限がありどうしてもムダが発生するためだ。効率化が難しくハイリターンがのぞめないという理由でVCが投資しない状況は、ここに来て変わりつつある。
米調査会社CBインサイツによると、12年のVCによる食品関連企業への投資は合計3億5000万ドル。前年比で37%も伸びた。今年もこの傾向は続き、業界関係者は「13年もVCによる食品関連投資は高水準で推移した」とみる。
「食品は人類にとって一番大切なもの。この分野でイノベーションを起こせたら、その影響力は計り知れない」。健康食品製造「ハンプトン・クリーク・フーズ」の共同創業者ジョシュア・テトリック氏は、ITマネーが食品分野に関心を示し始めた理由をこうひもとく。80年代以降、IT技術を通じて人々の生活をより良くすることに情熱を傾けてきた人たち。彼らが今度は食品を通じて生活の質を向上させることに関心を示し始めている。
ハンプトン・クリークが手掛けているのが、卵の味を植物で再現する技術開発だ。100%植物から作られた“スクランブルエッグ”を試食して、「卵の味だ!」と感激したのがビル・ゲイツ氏。投資を決めた彼は、頻繁に自らのツイッターなどを通じて同社の取り組みを「未来の食品」として紹介する。
ゲイツ氏は食料不足に悩むアフリカなどでの慈善活動に力を入れている。身近に生える植物で卵の味を再現する技術は、慈善事業を後押しする価値のあるイノベーションだとその目に映ったに違いない。
(ニューヨーク=清水石珠実)
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1.食は命、それより大切なものは・・・・・・水、その水は日本は恵まれているが、その名水の水源4つの内3っつが中国人に買われているという。このことが将来どう響いてくるのでしょう。
2.水源の保有者は金のためと言うことで大事な水資源を外国に売り渡してはいけない。
日本の山林や清流水源を狙う中国 法と国費で撃退せよ: 天上大風のブログ
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