インターネットでいろいと検索していたら、「第9回食育リレー講座「食のきずな-健康を届ける」」という記事に出会った。何が書いてあるかを調べたら、食育の素人が食育を論じていた・・・と思った。そう言うことが多いのです。
「 教育ルネサンス・食育リレー講座「食のきずな――健康を届ける」が(2007年)8月5日、福岡市の読売新聞西部本社で開かれ、約110人が受講した。
ロイヤル空港レストランの岡村真光・業務課長、
福岡県立小倉聾学校の田中昌子・栄養教諭(前・福岡県学校給食栄養士会会長)、
樋口泰範・前うきは市教育長、
堀綾一・福岡県上毛町産業振興課農地係長の4氏がパネル討議し、「家庭、学校、地域での食育が子どもたちの健康な心と体を育て、社会づくり、郷土づくりにつながる」などと話した。(コーディネーター=工藤正彦・読売新聞西部本社編集委員)
工藤 「食」の担い手であるみなさんの取り組みとその中で感じておられる問題点を。
岡村 食育基本法に基づき、健康的なメニューの提供をと考え、中村学園大学薬膳(やくぜん)科学研究所の三成由美教授と産業医科大学健康予防食科学研究室の徳井教孝准教授(医学博士)の協力を得て、メタボリック症候群対策として1食当たり700キロ・カロリー未満に設定した「’07夏 日本型薬膳を取り入れた健康メニュー」を開発した。1食でビタミンCを70ミリ・グラム以上含む「お肌よろこぶメニュー」と、7グラムの食物繊維を含む「おなかよろこぶメニュー」で、サンドイッチ、スパゲティ、サラダ、スープにし、ロイヤル福岡空港第2キャフェテリアで提供している。
食材のほとんどは国産だが、生産者と消費者との間に距離があって、産地・食材情報が消費者に伝わりにくいことが問題だ。できるだけ産地に行って話を聞き、産地からも情報を発信してもらってメニューを選択してもらう仕組みを作る必要があると考える。
田中 本校では聴覚に障害を持つ幼児、児童、生徒が幼稚部、小学部、中学部で学んでいる。食に関する目標は、食についての正しい理解と望ましい習慣を身につけさせ、健康的な生活を営む態度を育てること。
〈1〉食べ物の働きや栄養についての理解を深める
〈2〉楽しい食事を通して望ましい人間関係や豊かな心を育てる
〈3〉準備、会食、片づけなどを通して協調性や社会性を養う
〈4〉自ら健康に生活するための望ましい食習慣を身につける――を基本にしている。
学校給食を生きた教材として使用するために献立を工夫している。例えば「世界の料理」では、ランチルームの前に万国旗を掲げ、その国の関連資料を並べるとともに、国と料理の紹介、国名を手話表記した資料も提示している。
発達段階に応じた内容を検討することが課題で、保護者に対する食の相談・指導を充実させ、連携をさらに強めたい。
樋口 子どもの食生活の乱れは、大人の食生活に問題があるからだ。厚生労働省の統計では20代の男性の30%、女性の24%が朝欠食だ。内容も問題で、インスタント食品など、まともな朝食とは思えないものもある。 そうした大人の食生活を見直さなければならない。私は食育を、いのちの教育、生き方教育、人間教育と位置付けている。
学校食育で一番大事なのは、子ども一人ひとりの生活実態を先生が確実に把握することだ。その上で家庭、地域と一体になった食育を進めたい。時間はかかるが子どもは変わる。地産地消を含め伝統的な食生活をして来たおじいちゃん、おばあちゃんの力も必要だ。
堀 昨年、保育所の子どもたちにコメのつくり方を説明し、毎日食べるご飯は農家の人が一生懸命につくったのだから、残さないようにしよう、とお願いした。半年後に聞くと、残さずに食べるようになったそうだ。
家庭での食育の一環として小学校に入学する子どもに野菜栽培セット(プランターと土、ホウレン草などの種)を贈った。少しでも多くの家庭で家族ぐるみの食育をしてもらえればと思う。
健康な世帯を表彰しているが、その中の一人が健康の秘訣(ひけつ)を「昔から、おばあちゃんに教わってきた料理を食べていること」と言った。これこそ食育だと思った。郷土料理を掘り起こし、そのレシピを作って発信したいと思っている。食育は家族ぐるみ、地域ぐるみで取り組まなければならない。
工藤 今後の食育はどうあるべきか、具体的な提言を。
岡村 カロリーを抑えたおいしいメニューを提供したい。産地と消費者との距離が離れているので、食材の紹介にも力を入れたい。忙しくて家族となかなか一緒に食事をすることができない人たちもサポートしなくてはならない。
田中 福岡県の実態調査では、朝食を食べない小中学生が多いが、その理由は、食欲がない、時間がない、食事が用意されていない、などで、家庭を啓発しながら改善していく必要がある。子どもを健康に育てることは、将来の社会づくり、国づくりを担う人間を育てることにつながる。今後も、体の健康だけでなく、食を通じたコミュニケーション、感謝、思いやりの大切さなど心の健康もはぐくむように努めていきたい。それが私たちの役割だと思う。
樋口 提案したい。一つは、市町村が食育基本条例をつくること。食と農と健康と環境とを結ぶ地域づくりとして、うきは市には食育条例ができている。この条例を基に家庭生活と健康を見直し農業や地域のあり方を考える地域づくりに取り組んでいる。
もう一つは、子どもたちを台所に立たせ、料理や食を主体的に体験させることだ。食の素材に直にふれ、考えることは、いのちや健康について学ぶことだ。暮らし方や生き方の問題にもつながる。それが食育だ。食育を通じ、生き方、家庭、地域と日本全体の食と農を見直したい。
堀 上毛町の農産物を誇りに思っている。安全・安心な農産物を学校給食に取り入れるため協議会をつくり、現在は上毛町産の米が使われている。
町が食育に取り組んでいる理由は、町民が健康で安心して暮らせるようにするためだ。『健康づくりは食』という方針で進めているが、町全体としての事業の本格推進という道筋は見えていない。町の食育協議会を立ち上げて、町民すべてが食育に携われるような体制作りをしたいと思っている。」食育リレー講座(2006-07年)
最終回 「明日へ伝える-食の心と元気」(07.10.07)
第11回 「食のきずな-子どもの元気」(07.09.09)
第10回 「食のきずな-健康を届ける」(07.08.05)
第9回 「食のきずな-心を届ける」(07.07.08)
第8回 「食のきずな-産地から食卓へ」(07.06.03)
第7回 「日本の食卓-旬を考える」(07.05.13)
第6回 「日本の食卓-牛乳・乳製品を考える」(07.04.01)
第5回 「日本の食卓-副菜を考える」(07.03.04)
第4回 「日本の食卓-主菜を考える」(07.02.04)
第3回 「日本の食卓-主食を考える」(07.01.13)
第2回 「日本型食生活を考える」(06.12.09)
第1回 「生きる力としての食を考える」(06.11.05)
http://kyushu.yomiuri.co.jp/magazine/kforum/708/ma_kf_081901.htm
☆
1.この記事は読売新聞(九州版)が書いたもの。私も数年前にこの講座に一度参加したことがある。その時感じたことは読売新聞は食育について良く分かっていないということです。
2.どのように正しくないか。それを以下ぼちぼち書いてみます。
先ず、終わりに書いてある各回のテーマで第10回となっていますが、記事のトップには第9回となっています。ま、これは単純な間違いとしてほっておきましょう。だけどねー記事をチエックしてるのでしょうか。大きな間違いですよねー。
私は食育には三つくらいの考え方があるように考えています。
①食事はしつけや教育の場、人間形成の場であるので食事を通じて教育する。という服部氏の考え方、食事の内容は何でも良いのです。料理学校の校長先生ですから、食の内容はとはないのです。本人は食事で人間を育てると言う意味で食育だと言って、食育基本法の発案者だと自慢していますが、食事ってそう言うものは末端の事項です。故に服部流食育は今に日本に必要な食育とは違います。
②食材がどうやって生産されているのか、どうやって手元に届いているのか食に関する教育と言う食育、これを言う人が多い。ここでも食事は何でも良いのです。ですからカルビー会社がカルビーは100gまでですよと言いながらカルビー製品を宣伝したのです。カルビーは非健康食品でない方が良い物ですが正しい食育を考えられるとカルビー場なくなるので逆襲で、学校に行ってカルビーは100g間では良いのよとカルビーを食べるように指導している邪教を展開したのです。高名なフランス料理のシェエフは子供の味覚が大切ですとフランス料理を宣伝しました。日本人はフランス人より味覚は発達しています。それは和食によって育まれた物ですが、洋食が増え肉・バター・塩・こしょう味、スナック菓子に慣らされた子供の味覚が衰えるのは当然です。
③官僚は、アメリカのフードガイドピラミッドを真似て、コマの図で食事バランス表を示しています。これは肉や油は少なく炭水化物は多くと言うことを言いたかったのですが、そんな表が無くても主食、副菜、主菜の割合は3:2:1と言えば済むものを難しく言っているのです。アメリカの食育の猿まねですから5SVと言うような表示をしています。何のことでしょう。食育の講師に聞いていじめてやりましょう。
ここで指導されていることは、牛乳も乳製品もスナックも肉も油脂も野菜もパンもめん、ごはんも書いてありますが・・・結局どんな食事とは言わずに、全ての食材を示してその割合を示していますが、家庭の主婦が分かるものではありません。ほとんどの食品が入っていておおざっぱな割合を示しているのです。
炭水化物は、ぱん、めん、ごはん、パスタ、と何でも良いのです。主菜も副菜も何でも
、それに牛乳と乳製品、少々のおやつ・・・何でも良いのです。
それでどんな指導をするのでしょう。
日本中皆が食育参加者で、どんな指導をしているのか?はっきり言わないのです。牛乳飲むな、肉を食べるなとは言えないのです。どのような指導を国をあげてしているのでしょうか。
それは役所が役所による役所のための食言うのです。
④私は日本人の食事はどうあるべきかを考えて、「日本人としての正しい食事」考えてその食事を教育することが大切と考え、食事教育を食育と考えています。
この中で読売新聞は主に②を考えているのではないかと考えます。それに③と④を少しはいっているでしょうか。
3.岡村氏は「メタボリック症候群対策として1食当たり700キロ・カロリー未満に設定した」とあるが、それは肥満対策食では、それは病院の糖尿病食ですよ。食事はその人の必要カロリーの70%を目標にする、・・・というようなことが国民に教えるためには大切でしょう。ロイヤルは病院の給食を作っているのですかねー。
1食700キロカロリーでは3食2100キロカロリーになります。女性では多すぎますし子供にも多い。ロイヤル空港レストランの業務課長がどうして食育を述べられるのか人選ミスである。
「「日本型薬膳を取り入れた健康メニュー」を開発した。1食でビタミンCを70ミリ・グラム以上含む「お肌よろこぶメニュー」と、7グラムの食物繊維を含む「おなかよろこぶメニュー」で」というが、それは正しい食事といえるのでしょうか。薬膳、ビタミンC、肌によい、7グラムの食物繊維、おなかが喜ぶメニューというが、これは療養食です。ロイヤルは病院食を売っているのでしょうか?そのために何をしそのコストは???
それは正しいと言うより健康優先食、くすり化した食事です。そのために経費をいとわない、がん治療食みたいな物です。それは正しい食事とは言えないのです。このロイヤルの岡村氏の言を聞いて、菅直人を想い出す。聞きかじりの食育・食事である。商業用の食事を一般の人が聞いて参考になるのでしょうか。ということでこれを正しい発言、良い発言と考える讀賣九州がおかしいと思う。
「サンドイッチ、スパゲティ、サラダ、スープにし」というが何ですこのメニュー、日本型薬膳が聞いて呆れる。これは西洋料理ですよ。読売さんこれで良いのですか、大体が読売新聞自体が食育とは何かと言うことを知っていないからこんな変な人間に発言させているのです。このロイヤルのメニュー、日本に栄養学者見せてください。これがダイエット食ですか?ダイエットというのはカロリーを摂りすぎないことです。そのためには、年齢、性別、労働量によって必要カロリーが出てきて、必要以上に摂取しないことです。薬膳とかダイエット食とか言ってロイヤルは良い食事を出していますというのは詐称と考えます。うそを言って国民を騙している。それに讀賣は荷担しているのです。私から見れば病気になる食事です。
食育にはこの手の詐称が多いのです。ですからどこでもここでも食育食育といって自社製品を、悪い食品・食事を売ろうとしているのが現在の食育の業界です。そこを幕内秀夫先生は「食育に群がるハイエナ」と言うようにおっしゃっています。岡村氏はそのハイエナ族と思います。「ロイヤル福岡空港第2キャフェテリアで提供している」と宣伝しているが、どこが健康食です。第一空港に毎日食べに行けるものではないし、ロイヤルは焼き肉屋さんでしょう。洋食推進会社です。日本の食事を壊し、日本食をさせないでパンと肉をたべさせて利益を得ているアメリカの手先の会社です。
この会社が食育の担い手??もう一度記事をとむと「「食」の担い手であるみなさんの取り組みとその中で感じておられる問題点を」なーんだ、食育でなくて「食」の担い手でロイヤルに聞いているのですか。食育はどうするのです。読売さん。
岡村氏は「食育基本法に基づき、健康的なメニューの提供をと考え」と言っています。食育基本法を勉強していてこういう考えになったということは、岡村氏だけでなく日本中がそう言う考えを持っているのではないでしょうか。
食育基本法は健康的なメニューの提供ですか・・・健康ってなんです。どういう食事をしたら健康になるのです。食の目的は健康でしょうか?
ソマリアの飢餓を見てください、食がなければ死ぬのです。健康の前に、生きることが大切です。生きることが出来て食が豊富であれば次に何を食べるのでしょう。
日本の食育は、アメリカ食を日本に導入しアメリカの農産物を買うようにするアメリカの戦略の元に作成されている・・・と言えるのです。そのことはとりもなおさず日本食の破壊となるのですが、国を挙げてそれに取り組んでいる日本という国は世界の笑いものです。
アメリカ食の普及宣伝は戦後、厚生省、農林省、文部省それぞれが競うように行ってきたのです。そのことをこのブログでは書いてきていますので省略しますが、学校給食がミルクからはじまってパンに至って、小麦、牛乳、肉の宣伝普及の場と同時に加療の輸入を促し、その食育を受けた子供が親になりアメリカ食化の推進役になっているこの国の食事、だから和食に戻せと言う声もあって、食育が歌われていますがその実態は岡村氏のように洋食を実施する人もいるのです。見方によっては洋食推進が食育とも見れるのです。
巧みにアメリカ食の導入が盛り込まれているのが日本の食育と私は考えています。
その証拠は食事ガイド表をよくよく見てください。めん、パン、スパゲッテイ、牛乳、肉、乳製品、ごはんや魚も載っていますが、半分以上はアメリカ食です。(牛乳や肉は飼料がほとんど輸入食品です、日本人が肉を食べや牛乳を飲むとアメリカが喜ぶのです)
4.田中氏が「食に関する目標は、食についての正しい理解と望ましい習慣を身につけさせ、健康的な生活を営む態度を育てること。」と言っておられるが、何故「食」にこだわるのでしょう。食は食料の食と食事の食の二つがあってこの二つを言っていられる
「〈1〉食べ物の働きや栄養についての理解を深める」この場合の食は食料単品です。そして、この食育ではこのことが良く行われています。牧場に行って乳牛を見て、乳の絞り方を見て、バターに作り方を実習し、チーズに作り方を聞いて試食する。これが食育だと言うことで良く行われています。だがそれはそれは食育の末端のことで主要課題ではない。これは山には入って、木の枝や葉っぱ、雑草を見て、山を見ないやり方です。畜産農家は食育の専門家でしょうか。それは違います。百姓と言われる人達は食育の実践者と思いますが、食べ物の働きや栄養について理解しているでしょうか、食育って近年生まれたものなのでしょうかそれとも太古から有るものでしょうか。
私は人類発祥の時から、否、生物発祥の時から食育が始まっていると考えるのです。
「食べ物の働きや栄養」などどうでも言いと言って良いくらいです。赤ちゃんが生まれたときから、食育が始まるのです。「食べ物の働きや栄養」は関係有りません。ただただ母乳を与えるだけです。では、離乳食には何を与えるべきでしょうか?その目的は?
食育の原点はここにあるのです。「食べ物の働きや栄養」の知識は不要です。母乳の次は自分たちの食事の子供用です。だが、ここで官製食育はミルクやパンを与える指導をするのです。それが正しい食育と言っているのですが間違っています。パンやミルクは日本人の食事ではありません。ごはんとみそ汁と魚と野菜で十分です。子供にこういう食事をさせることを教えていないのですよ保健所(厚生労働省管轄)は、パンとミルクを教えます。何故でしょう。学校給食はパンとミルクで始めましたね。これが正しいと言わないと戦後の厚生省、文部省、農林省は間違っていたと言うことになるのです。ですから、現官僚もパンとミルクの学校給食は正しいと言わざるを得ないのです。そのことが日本の食の指導を正しき行えない日本の官僚となっているのです。何時までもアメリカ農産物の宣伝を続けているのです。そのことが政府は日本にとって好都合と考えているのです。日本はアメリカに工業製品を輸出しています。その見返りの輸入が必要なのです。それがアメリカ農産物なのです。ですから日本は先進国では考えられない程食料自給率が非聞くなっているのです。
ともあれ「食べ物の働きや栄養」は不要とは言いませんが当面必要性は薄いのです。
と言うことは、このメンバーが如何に食育音痴かと言うことが言えるのです。このことは日本中の食育がそうなのです。食育の名の下に官僚達と御用学者は日本人が正しい食事をすることを妨害しているのです。TPP参加と言いますが日本は工業製品を輸出したい、アメリカも農産物を輸出したい、と言うことは、ますますアメリカ農産物を輸入させられることになりかねないのです。だから何もしないとなると・・・・だが2011.9.6に新聞に「コロンビアとEPA交渉」と載っています。
「〈2〉楽しい食事を通して望ましい人間関係や豊かな心を育てる」と言われているがここでは「食事」です。しかし、望ましい人間関係、豊かな心はどうやって育成するのでしょう。それが食の目的なのでしょうか、
〈3〉準備、会食、片づけなどを通して協調性や社会性を養う
〈4〉自ら健康に生活するための望ましい食習慣を身につける――を基本にしている。
学校給食を生きた教材として使用するために献立を工夫している。例えば「世界の料理」では、ランチルームの前に万国旗を掲げ、その国の関連資料を並べるとともに、国と料理の紹介、国名を手話表記した資料も提示している。
発達段階に応じた内容を検討することが課題で、保護者に対する食の相談・指導を充実させ、連携をさらに強めたい。
樋口 子どもの食生活の乱れは、大人の食生活に問題があるからだ。厚生労働省の統計では20代の男性の30%、女性の24%が朝欠食だ。内容も問題で、インスタント食品など、まともな朝食とは思えないものもある。 そうした大人の食生活を見直さなければならない。私は食育を、いのちの教育、生き方教育、人間教育と位置付けている。
学校食育で一番大事なのは、子ども一人ひとりの生活実態を先生が確実に把握することだ。その上で家庭、地域と一体になった食育を進めたい。時間はかかるが子どもは変わる。地産地消を含め伝統的な食生活をして来たおじいちゃん、おばあちゃんの力も必要だ。
堀 昨年、保育所の子どもたちにコメのつくり方を説明し、毎日食べるご飯は農家の人が一生懸命につくったのだから、残さないようにしよう、とお願いした。半年後に聞くと、残さずに食べるようになったそうだ。
家庭での食育の一環として小学校に入学する子どもに野菜栽培セット(プランターと土、ホウレン草などの種)を贈った。少しでも多くの家庭で家族ぐるみの食育をしてもらえればと思う。
健康な世帯を表彰しているが、その中の一人が健康の秘訣(ひけつ)を「昔から、おばあちゃんに教わってきた料理を食べていること」と言った。これこそ食育だと思った。郷土料理を掘り起こし、そのレシピを作って発信したいと思っている。食育は家族ぐるみ、地域ぐるみで取り組まなければならない。
工藤 今後の食育はどうあるべきか、具体的な提言を。
岡村 カロリーを抑えたおいしいメニューを提供したい。産地と消費者との距離が離れているので、食材の紹介にも力を入れたい。忙しくて家族となかなか一緒に食事をすることができない人たちもサポートしなくてはならない。
田中 福岡県の実態調査では、朝食を食べない小中学生が多いが、その理由は、食欲がない、時間がない、食事が用意されていない、などで、家庭を啓発しながら改善していく必要がある。子どもを健康に育てることは、将来の社会づくり、国づくりを担う人間を育てることにつながる。今後も、体の健康だけでなく、食を通じたコミュニケーション、感謝、思いやりの大切さなど心の健康もはぐくむように努めていきたい。それが私たちの役割だと思う。
樋口 提案したい。一つは、市町村が食育基本条例をつくること。食と農と健康と環境とを結ぶ地域づくりとして、うきは市には食育条例ができている。この条例を基に家庭生活と健康を見直し農業や地域のあり方を考える地域づくりに取り組んでいる。
もう一つは、子どもたちを台所に立たせ、料理や食を主体的に体験させることだ。食の素材に直にふれ、考えることは、いのちや健康について学ぶことだ。暮らし方や生き方の問題にもつながる。それが食育だ。食育を通じ、生き方、家庭、地域と日本全体の食と農を見直したい。
堀 上毛町の農産物を誇りに思っている。安全・安心な農産物を学校給食に取り入れるため協議会をつくり、現在は上毛町産の米が使われている。
町が食育に取り組んでいる理由は、町民が健康で安心して暮らせるようにするためだ。『健康づくりは食』という方針で進めているが、町全体としての事業の本格推進という道筋は見えていない。町の食育協議会を立ち上げて、町民すべてが食育に携われるような体制作りをしたいと思っている。
私は食事教育ですべきことを考えてみました。
①食事の目的は何か
生きるため、健康のため、楽しむため、親睦のため、とういろいろあるが
日常食が重要でこれを主体に教えるべきと考えます。楽しみのフランス料理はあってもいいのです。しかし、それを日本人は日常食としてはいけないのです。
②何が食べられ、何を食べてはいけないのか、という食べ物の基本の知識
毒キノコ、ふぐの肝、農薬、食品添加物使用品、砂糖、塩、脂肪、
③食べられる物の中で何を食べるのか
主食はごはん、地産地消、野菜、栄養バランス、60種以上と言われるビタミン・ミネラル、旬のものを食べる
④経済的なものは何か(健全性)(自給と価格高、輸入か自給率向上か)
高くても国内産、健康によいもの等、大きな目で見た経済性、
⑤安全なもの、危険なものは何か(安全性)
残留農薬、ポストハーベスト、食品添加物、砂糖の過剰、塩の過剰、脂肪過多食品
⑥いつ食べるのか
1日三食、朝ごはんは大切、早寝早起き朝ごはん。
⑦食卓の揃え方(栄養バランスの良い食事とは)
一汁三菜、主食、副菜、主菜の割合は3:2:1。少なくとも一汁一菜は確保を。
主役のごはんを忘れずに。
⑧費用は
日常食はコストが安いもの、しかし、粗食(簡便食、手抜き料理、有り合わせ)であってはいけない。だから輸入に頼るのは腐敗防止、害虫防止策が必要になります。
外国に頼っていると食は何時でも輸出してくれるとは限らないのです。不況になったら外貨を稼げなくなり、命に関わる食糧も手に入れられなくなるのです。ですからこのことを十分経験している国は費用をかけても農業を大切にし自給率の向上を図っているのです。今安いからと飛びつくのはダンピングで自国の農業を破壊し、自国の滅亡につながるのです。結局は高くつくのです。
⑨作り方
料理法、(おいしく、新鮮なものを)
⑩どのように食べるのか
エチケット、マナー
⑪どれくらい食べるのか
必要カロリーは性別年齢、仕事量で異なる。1日1800キロカロリーとすると、
600mlの弁当箱、主食、主菜、副菜の割合は3:1:2でおよそ600キロカロリーなのでこれを三食間食なしで。間食したら食事を抑えるか、運動をする。
⑫誰と食べるのか
家族団らんで、みんなと同じものを(好き嫌い無く)、
⑬何処で食べるのか
家庭で、
⑭何処で手に入れるのか
外国製品を買うか、地産地消か。
外食、コンビニ・スーパーでインスタント食品。手料理か
⑮食品の知識
生産収穫方法、食べ方、料理方法、栄養素
以上15項目です。
現行の食育を見ると、⑮の生産収穫方法、食べ方、料理方法、栄養素、が多く行われ、料理法ではフランス料理のシェフが教えたりしています。それはそれほど重要でない食育と思います。
あと、「食育の原点はここにあるのです。「食べ物の働きや栄養」の知識は不要です」のところと「JIS+2D27食卓の揃え方(栄養バランスの良い食事とは)」のところで矛盾を感じました。