DREAM/ING 111

私の中の「ま、いいか」なブラック&ホワイトホール

悪人★9/29 バルト9

2010-10-05 | ドラマ・映画・演劇・アート
悪人を見てきました。

昼過ぎに行ったら、新宿ピカデリーがすでに15時まで満席。
18時の部も△だったので、レディースデーサービスのないバルト9に変更。
(こういう時、上映館が2つあって切り替え効くのは助かります)

悪人★★★★
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芥川賞作家・吉田修一の同名ベストセラーを妻夫木聡&深津絵里主演で映画化した人間ドラマ。長崎の外れの小さな漁村に住む祐一(妻夫木)は出会い系サイトを通じて佐賀在住の光代(深津)と出会う。逢瀬を重ねる2人だったが、祐一は世間を騒がせている福岡の女性殺人事件の犯人だった……。監督は「69」「フラガール」の李相日。共演に岡田将生、満島ひかり、柄本明、樹木希林。
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監督: 李相日
原作: 吉田修一
脚本: 吉田修一、李相日
撮影: 笠松則道
美術: 種田陽平
音楽: 久石譲
製作国: 2010年日本映画
上映時間: 139分
映倫区分: PG12
配給: 東宝


現段階で個人的に少し評価が難しい。
あとあと自分の中に何が残るかで変わりそう。

ただ、「今」の“若者犯罪”の側面をきちんと切り取って、
スクラップした作品として、見ておくべき映画。
(WOWOWの光市ドラマ「なぜ君は絶望と闘えたのか」と期せずして好対照)。

妻夫木くんの死んだ目の演技にスタンディング・オベーション。

モントリオール世界映画祭で最優秀女優賞を受賞したことで話題の深津さん、私には色がつきすぎていて、どうしても「深津さん」に見えてしまい、妻夫木くんと比べても切実感・飢餓感に不足あり(といいつつ、彼女に代わる女優さんが思いつけない;)。なので、逃避行に至る心境が見えにくい。でもその希薄さもまた「今」だとしたら、それは「あり」かも。

樹木希林さんは、「東京タワー」にかぶってしまうけど、すごい(この人も代わりがいませんねー)。
岡田将生くん、満島ひかりさんは「素」に見える演技、どちらもいいなぁ(橋の上、満島さんの目に泣いた)。
柄本明さん、宮崎美子さん、松尾スズキさん
全体に整っていて映画的リアリティありました。

で、参加している映画コミュで
美術監督が種田陽平さんというお話が出ていて
見る前から気になってたのですが、
印象的・効果的な音楽は久石譲さん。
ある意味、最強タッグでありました。

種田陽平さんは今ならアリエッティが代表作に
なるのでしょうか?

『悪人』では、私の世代ならまだ記憶に新しい
ほんの少し前の原風景のような「家庭」が、
記憶の中のリアリティのスイッチを入れるので
登場人物に共振しやすいベースになってる気がしました。
(『フラガール』はにおいがあって私はダメだったんだけど、
今回はOKでありました)

音楽、よかったなぁ。
どこにも「いい人」なんていない閉塞的な日常を
海や空のように、広げてくれていました。
(関係ないけど、いい人=社会&自分にとって都合がいい人、という言葉を思いだしちゃいました。悪人はその逆なのかなぁ・・・)

あ・・・けっこう語ってる。

すこしずつ反芻して消化したいと思います。
コメント (7)
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